2025/05/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にれあさんが現れました。
れあ > 平民地区にある冒険者ギルド。
時刻はお昼。

まあまあの人数でひしめき合うフロアの複数個所には、依頼内容が掲示されたボードが立ち並ぶ。
それらを押し合いへし合いしながら閲覧して、条件の良いものを奪い合う。
コレが冒険者の仕事の第一歩。一日のはじまりとなる。

基本的には肉体自慢かつ身だしなみには無頓着な男性冒険者の多い業界なので、閲覧のための場所取りは、彼らの筋肉と体臭にまみれながらの苦行となる。

「あ」

比較的割がよさそだと思えた依頼文へと手を伸ばし、それを一瞬の差で他者に攫われる。
それを取った男冒険者は、あえて「フフン」とか言って自慢げにそれをヒラヒラと動かしてこちらに見せ、受付へと去っていく。

「むかつく…」

再び始まる大混雑。じゃがいもの水洗い状態。
こうぎゅうぎゅうだと熱がこもってしまうので仕方がないけど、四方を汗ばんでる毛むくじゃらの男性に囲まれて、2重の意味で窒息しそうになる。
自衛のため、そして怒りもあって肘を張って脇腹を抉り、脛を蹴り、時にお尻をうんっと付き出して、後ろの男の下腹をドン!と打つなど大奮闘。そこかしこで同じような戦いが起こっていて、「チッ」と舌打ちが聞こえたり、「いてーな」とかの怒声が飛ぶ。
私も何か言われた気がするけど、それは無視。
髪とか帯とか掴まれれば振り返って威嚇。
懸命に依頼板を見上げ続ける。

ここはそんな殺伐空間。

れあ > 最終的には「女冒険者限定募集とだけ読めた何か」をつかみ取り、ようやく人の群れを脱する。

「ふーっ…」

混雑した区画を離れて、手にした依頼文を改めて読む。
それはとある貴族から発せられていた募集だった。
新しい事業を考えていて、そのための人員を募っている。

「本採用か否かは面談にて……え?これじゃなんにも分からないじゃん」

10中9,10、貴族の遊び。
何しろ奴隷同士を戦わせて悦ぶ連中なのだ。
なぜ彼らがあんなに富んでいるのか本当に謎。

しかし、一度剥がした依頼文を戻すわけにもいかず、捨てるわけにもいかず、仕方なくカウンターへ向かい、それをぶっきらぼうに役人へと差し出した。

「これ。お願い」

役人は依頼に際して貴族が提示したであろう「裏ルール」を定めた要綱を読み、私を見て「冒険者証を」という。
私は冒険者証を見せる。
彼は手元資料に何かをサラサラと書き、依頼主からだと追加の書類をこちらに突き出す。

それは、面談の場所、日時、とりあえず面談するだけで「お駄賃」くらいはでるらしい。

「今すぐ、富裕地区の〇〇か」

殺しの依頼だったら、拒否しよう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」かられあさんが去りました。