2025/03/29 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にジェナスさんが現れました。
ジェナス > 王都マグメールの平民地区にある酒場の窓辺の席。
今日は朝から雨だという予報は聞いていたが、慢心ゆえに雨具も雨具代わりの魔導具も忘れて、今に至る。

同業者ならぬ同状況者も多いようで、酒場は意外に空席がなく、相席を求められる席も幾つかあるようだ。
幸い自分の前は空席で、ほかの人には悪いがゆっくりとした時間を過ごさせてもらっている。

「………常に雨具代わりの携帯用の魔導具でも持ち歩くべきだったか?」

雨が降る。
外気と酒場の熱気で曇る眼鏡のレンズにため息を吐く。
せっかく窓の席から外を、雨に降られて困っている者や、雨に濡れて大変残念なことになっている者を、
眺めながら紅茶を頂いているところなのに、と。

中には魔法で対応している者もいる。
残念ながら自分は魔法が得意ではなく、こうして雨宿りをしている。
夕方ごろには雨は止むと聞いているが、止む気配がなければ使い魔に傘をもってこさせるつもりだ。

心地よい雨音。
雨による悲喜交々。
こうしたゆっくりとした時間は貴重である。

穏やかな1日が過ぎていく。
ただ雨音はだんだん穏やかではなくなってきていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からジェナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエンさんが現れました。
エン > こつ、こつ、こつ、こつ――……
日中は暖かくなってきたけれど夜中ともなると肌寒く月が真上へ昇る頃の寒気は一入。
人通りが少なくなって寒々しさを増した通りを硬い靴音を軽妙に慣らして歩むのは、
魔導灯や瓦斯灯があるとはいえ暗いというのに黒眼鏡をかけたままの異国装束の男。

「……」

羽織りがひらり。長い袖がひらり。腰布がひらり。
北方でよく見られるゆったりとした布地がひらり。
歩む度風が吹く度揺れながら危うげない足取り。

「このあたりにしよう」

たまに、サングラスではなく耳を傾けて何か伺う素振りをしていたが広場に差し掛かればそちらへ歩んで。
噴水近く。日中は涼やかな音を水とともに迸らせるが今は静かに水面を漂わせるそこな近くのベンチへ腰掛ける。

こんな夜中に珍しい装いで夜中にサングラスを掛けて何だか妙に妙な雰囲気を漂わせる男が一人意味ありげに広場でぽつん。

……実に意味ありげで実は何にも意味がない、只の、深夜の散歩。そして今ちょいと足休め。
昼日中は滅多に出かけないというか出かけられないのだ。騒音がけたたましくて耳が痛い。盲にはきつい。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメアリさんが現れました。
メアリ > 友人と酒を飲んだ帰り、女は外套を身に纏いながら王都の平民地区を一人で歩き帰路についていたところだった。
魔導灯が夜闇を照らすこの時間に女の一人歩きは危うく、先ほども道中何度か酒に酔った男達に絡まれては適当にあしらってきたところだった。
それでもまだ心地よく酔っていられるのはアルコールがよく効いているせいか、それとも先ほどまでの友人との時間が楽しかったからか。

「あぁ、なんだか甘いものが欲しくなってきました……。」

友人に散々甘いものの話を聞かされていたせいで、口の中が甘味を求めている。
マジックバックの中に飴かチョコレートでも良い、何かあっただろうかと思い、マジックバックに繋がっている
外套の内側をガサゴソ漁ってみれば、それらしいものが手にあたる。

「あ……っ」

手に取ったのは個包装されたチョコレート。
だがそれを取り出す際にうっかり手にハンカチをひっかけてしまい、マジックバックの中から落ちたそれは宙を舞って広場の方へと飛んで行ってしまう。
慌てて広場の方へと向かった先で、幸運にもハンカチはふわりと地面に落ちて誰かの足元へと――…。

「……すみません、足元のそれ取らせていただいても良いでしょうか?」

こんな時間にサングラスをかけている男性を見て不思議に思いつつ、男の足元に引っかかっているハンカチを
取らせてもらおうと声をかける。
男が盲目とは知らず、それ、と言ってメアリは男の足元を指をさして。