2025/03/02 のログ
■ティアフェル > 「どう考えても今は何も見なかったことにして、わたしが無事にここから出たところで何食わぬ顔で『やあいい夜だね』とか云う場面でしょうがアァァ!
わ、わたしが割ったんじゃない! 違うもん! ほんとに!
壺の中に猫がいて出て来る時に蹴倒していったのよ! ほら、見て、おでこ引っ掻かれたんだからっ」
違う、壺を割ったのはわたしのせいじゃない、と慌てて釈明。
むしろ手傷を負わされて迷惑すら被っている。
飼い主がいるなら責任取れ!と糾弾したいところである。
それとなく立ち去ろうとするのを止められて、ちぃ、と舌打ちかましてはわたしは無罪と声高に主張。
「まあ……そう云えば蹴られたか。ちょっと忘れてた。
だって、報告ったって云いに行ったらわたしがやったって絶対思われるし。
猫がやったなんて子供の云い訳みたいで通るとも思えないわ」
はーと溜息をついて取り合えず離してと服の裾をつかむ手をそっと除ければ腕組みをして小首を傾げ。
最初から見ていたという言葉に、まじかーそれならそうともちっと早く出てきてくれりゃ…と大きく安堵したように息を吐き出し。
「まあ、それなら一緒に説明行くくらいなら……いいけど。
……弁償? なんで?? わたしも払うの? 冗談じゃないわ、あなたもわたしも払う理由ないでしょ。
なにやんわりと理不尽なカツアゲ始めてんのよ、意味わからん!」
きー、とアホ毛を逆立てて断固拒否!
野良猫に支払い能力はそりゃないが。
もし飼い主がいたとすれば支払うのはそいつ。
誰も賠償できないとしたら、設置不良で教会の責任!とその場に居合わせただけで支払い義務が生じるという彼の至極理不尽な理屈に結構なご立腹である。
こればっかりは喧嘩になるのも辞さない。
■ホーセーア > 「・・・すまん、そういう何かロマンティカルなものを
僕に求めているのなら、残念ながら力にはなれない。
自慢じゃないが、その辺りには全然適性が無い様でね、
弟子からもデリカシーが足りないとは言われているよ」
ものすごく都合のいいシチュエーション聞かされたような気がするが、
期待に沿えそうにはないから、肩竦めながら軽く頭を下げる。
「・・・僕の言い方が悪かったかな。
あくまで万が一、と言っただろう。
まあ言ってなかったから知らないだろうが、
僕がここにいたのはここの蔵書を閲覧させてもらった帰りだったからで、
責任者・・・神父殿とは面識がある。
彼がそんな事を言い出すような人間だったら、
僕だってこんな提案はしないとも。
魔法でこっそり直しておいて知らん顔でもさほど問題はないからな。
まあ・・・教会の中で無暗に魔法使ったりすると
後々気まずいというのはあったりするんだが」
別に彼女に無理やり金を払わせたいわけじゃない、
あくまで善意の第三者として目撃証言してくれればいいのだと。
そうでなければ、教会内で犯人捜し始まるかもしれず、
立てなくてもいい波風立てたくないから。
確かに彼女は無関係・・・状況の被害者に他ならないのだが
好奇心からとはいえ現場に立ち会ってしまったなら
それくらいはいいだろうと。
幸いにして自分も事件を目撃はしているから、
二人で証言すればまず大丈夫だろうと。
後ついでに折角再会したのだし、前回一緒に行った甘味処また行かないかと
誘ってみたり。
■ティアフェル > 「……今の流れでなにかしらの浪漫を感受したのはどういう感性のなせる技かしらね?
はい、天然ということは理解したぞ」
デリカシー以前に……特異な感性の持ち主と云わざるを得ない。
まあ、見て欲しくない場面をすらっと見ないフリして惚けておいてくれないのは確かに何らかのデリカシーにかけると云える気もする。
「万が一でも弁償なんてい!や!で!すーぅ!
兆が一でも許さん。
まったく……くれぐれも云っときますけどわたしゃビタ一文出さないからね。
それ前提でなら、別に説明しに行くくらいしてもいいわ。
もちろん一緒ならという条件もつくけど」
現場を見ただけの人間が疑われて弁償なんて事態になりかねないと思ったからそろっと逃げようとしたのである。
彼の云うように万が一程度にはそういうこともありうるのだから。
極力不利になるような事態は避けるが吉だろう。
『割ってない』『はいそうですか』とはなかなかなりにくいものだ。
しかし、教会の関係者と面識がある相手と状況を説明しに行くくらいだったら、渋々ではあるが了承しよう。
取りあえず、割れた場面だけ見られるという最悪の事態では避けられてつくづく安堵した。
はー。やばかったと汗を拭いつつ。
甘いもの!気晴らしにはうってつけではないか、とその誘いには一も二もなく。「乗ったァ!」と肯いた。
■ホーセーア > 「いや、僕が真顔で『やぁいい夜だね、お嬢さん』とか
いうようなタイプに見えるのかなと思ってね。
もしそんな事があったら、恐らく揶揄い半分だろうから
期待しないでくれという事だ。
ついでにいうと、君が立ち去った後に
こっそり魔法で修復しておくといった風な気が利かないのも、な」
基本上からっぽく対応する少年モドキとしては
いくら状況が整っていたとしても
文字通り歯が浮いて飛んでいきかねないような台詞を
真顔で吐く事は出来ないと、もう一度肩を竦める。
それに偶然とはいえ一部始終見てしまったのだから
知らんぷりも出来ない質だと。
「判った判った・・・君を無理やり誘ったのは僕だし、
本当に弁償するように言われたら僕が全額出そう・・・
多分大丈夫だろうとは思うが。
そうしてくれると助かる、いくら学術の為とは言え、
門外漢の僕の為に書庫を開いてくれた彼に
余計な気苦労かけたく無くてね。
むしろ猫が倒したくらいで割れるような壷を
あんな安定悪そうな台に飾っておくべきではないとの
忠告もしておかないとだしな」
・・・何というか、ジモティーであろう彼女の振る舞い見ていると
たとえ教会と言えどそのような理不尽な振る舞い行う者が
多いのだろうなと、他国民である少年モドキは実感する。
まだまだ自分が学ぶことは多いなあと思いながら、
神父の所まで行き事情説明すると、さほど時間かける事無く
『それは仕方ありませんね、わざわざ知らせに来てくれてありがとう』
と頭下げられて、心置きなく甘味屋へと出向くだろう。
余談ではあるが気を悪くさせたのだろう迷惑料も兼ねて、
好きなだけ頼んでくれと言った少年モドキの財布が
無事だったのかはまた別の話で。
■ティアフェル > 「いい夜だね、くらい云いなさいよ。そんなに特殊な単語でもないわよ。
あと……ちびっこに浪漫を求めたり口説いてくれとか思う程切羽詰まってないから安心して」
腕を組んで真顔で告げておいた。
大分噛み合ってないのはよくよく感じ取れた。
「いや! マジで弁償沙汰になったら訴訟よ!
あなたが払うのも間違ってる! 教会がそんな理不尽通したらいかん! 神が許してもわたしが許さん!
まあ……説明するくらいならいいわよ。
事実しか語れないけど……このおでごのひっかき傷は説明が終わるまで治さないでおく。
門外漢の割りになに、その気合の入った格好……コスプレ?
確かに、もうちょっとこう…割れ物なんだしせめてもちょっと固定しておくべきよね」
おかげで無駄に肝を冷やすことになった。
もう不用意に礼拝堂には近づくまいと胸に誓う。
不承不承ながら壺が割れた経緯を説明しに行き、ついでに『これがその時引っ掻かれましたデコです』と額の傷も見せておいて。
納得してもらうとほっと安堵して。
夜中になー甘いもんはなー太るよなぁ~とか躊躇しながらも季節の果物を使用した甘味なんかをいただいて。
今度はわたしがごちそうするね、と次があるのか定かでもないがそう笑いかけては、ごちそうさまでしたとお休みをいって別れたのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からホーセーアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王都巡回乗合馬車」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都内の主要拠点を巡回する二頭立ての乗合馬車。
雨除けの幌が付いた荷台の左右には腰掛ける為の長椅子が設置されており、
中央通路部分には前後に梁のような棒が通されて、
立ち客が転倒しないように掴まる為の吊り革が垂れ下がっている。
王都内とは言っても、舗装されていない悪路では相応に揺れを伴なうからだ。
「――――……。」
尤も、路線によっては吊革にも掴まれない程に通路に人が溢れる事もある。
特にルート上に王立コクマー・ラジエル学院が存在する乗合馬車は、
学院生達を乗せているために通学時間は満員となってしまうのが常であった。
今も、学生ではないながらも非常勤講師として学院に通勤する中年冒険者が、
座席に腰掛ける事ができないばかりか、満員の通路部分の真ん中にて、
吊り革にも掴まれずに馬車の振動に押し合いへし合いされている始末。
踏まれる足に辟易しながら、退屈しのぎに周囲の女性客を物色するように眺め。
ご案内:「王都マグメール 王都巡回乗合馬車」からトーラスさんが去りました。