2025/02/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 豪雪の中の宿屋」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 温暖なマグメールに襲い掛かる急激な寒波。
この時期には珍しい豪雪や吹雪で交通網は麻痺して、
終いには街中ですら、少し出歩いた末に帰宅難民者が現われる始末。
当然、そんな中で冒険者の依頼など舞い込んでくる筈もなく。
馴染みの酒場も居座られてはごめんだとばかりに酒瓶だけを押し付けて
早々に店仕舞いを決め込んで酔っ払い客を追い出しに掛かる。
「酒場は追い出されるわ。娼館も閉店だわ。
仕方ねぇっちゃ仕方ねぇが、……たまったもんじゃねぇな」
不幸中の幸いは定宿は前払いの長期契約のため、雪の中、追い出される心配がない事。
調度品も何もない、ただ、大柄な冒険者も使用する想定で広めの寝台のみが備え付けられた部屋で、
寝床の上で胡坐を掻きながら、吹雪に見舞われる街の様子を窓硝子越しに眺めて、
眼下の通りで一宿の塒を求める避難民が宿屋の戸を叩いては断られる様子に肩を竦めて嘆息する。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 豪雪の中の宿屋」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアルティリスさんが現れました。
■アルティリス > とにかく寒かった。
とても外に出る気になどにはならない。
女の生まれた国は砂漠の国だった。
砂漠の夜も温かいわけではない……むしろ寒い……だから寒いだけなら耐えることもできたかもしれない。
けれど王都の寒さは砂漠の夜の寒さとは質が違うようで骨に染み込んでくるような寒気はひどく身体に堪えた。
「はぁ……お酒でも飲まないとやっていられないわね」
王都に借りたこの借家だって平民地区の他の建物に比べれば相当の安普請だ。
寒さ対策をしてはいるがとても追いつきそうにない。
もちろん暖炉などという贅沢なものはないから火鉢のお世話になっている。
持っている衣服の中で一番温かいガウンをドレスの上から着込み今夜は凌ぐしか無いだろう。
「お酒、残り少ないのよね…」
溜息をこぼすと数えるほどしか残っていない酒瓶と睨み合うのだった。
■アルティリス > 「ここはスープでも飲んで誤魔化そうかしらね」
金属製のポットを火にかけるとスープの材料になりそうなものを適当に見繕う。
身体の温まりそうなものを選んで小さく切りまな板の上に並べた。
「材料は適当でいいわよね…あんまり充実させると太っちゃうし」
とにかくお湯が沸くまで待つとしよう。
震える手を火に近づけるとほわっと温かく感じる。
「きっと外は相当な寒さね……宿から追い出される人もいるのかも…」
窓にかかったカーテンを開けると外の寒さが入ってくるような気がするのでカーテンを開ける気にはならなかった。
■アルティリス > 「さてと……」
切った材料をゆっくりと煮込んでいる。
ついでに沸かしたお湯の一部を飲んで寒さを誤魔化す。
「あつっ…」
危うく陶器のコップを思わず落としそうになった。
ゆっくりとコップに唇をつけて少しずつお湯を飲んだ。
スープの材料はまだ煮込みきれていない。
早くできないか焦る心を落ち着けながら鍋の下で燃えている火をぼーっと見つめている。
■アルティリス > 鍋から良い匂いがしてきた。
鍋の中を見ると程よく具材が煮込めてきたのが分かる。
肉はあまり入っていないが生姜を主成分とした野菜スープができた。
「さて……いただこうかしらね…」
野菜スープを鍋から深い皿に取り分けると火を弱くして鍋を温め続けることにして自分はテーブルへと移動する。
安っぽい椅子に座ると出来立てのスープを啜った。
「はぁ……温かい……」
身体がじんわりと奥の方から温まってくるのを感じる。
外は風が強まってきたようで時々窓がカタカタと音を立てるようになった。
「早く暖かくならないかしらね……」
ぼやきながらスープの温かさに身を委ねる。
■アルティリス > 「ふぅ……温まったわ」
スープを飲むと一旦皿を洗っておく。
まだ鍋の中にスープは残っているが立て続けに飲んでしまっては夜をやり過ごせない。
とはいえ、今夜はお酒を温存できそうな気がしてきた。
身体が温まっているうちに窓辺に寄って外の様子を見てみる。
当たり前だが外は暗かった。
「まぁ、こんな夜に外をうろつく酔狂な人はそうそういないわよね?」
ガウンの前を合わせつつ窓の外を見渡してみる。
■アルティリス > 外に人がいないことを確かめるとカーテンを閉めた。
ドアの方に移動して戸締まりを確認する。
まさかこんな寒いときに強盗など来はしないだろうが用心するに越したことはない。
「さてと火鉢火鉢……」
また寒くなってきたので火鉢の傍へと戻っていく。
もう一杯スープを飲んで身体を温めたら今夜は早めに寝たほうが良さそうだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアルティリスさんが去りました。