2025/01/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都内の主要拠点を巡回する二頭立ての乗合馬車。
雨除けの幌が付いた荷台の左右には腰掛ける為の長椅子が設置されており、
中央通路部分には座席に座れない立ち席の乗客が転倒しないように、
前後に梁のような棒が通されて、掴まる為の吊り革が垂れ下がっている。
王都内とは言っても、舗装されていない悪路では相応に揺れを伴なうからだ。
「――――……。」
尤も、路線によっては吊革にも掴まれない程に通路に人が溢れる事もある。
特にルート上に王立コクマー・ラジエル学院が存在する乗合馬車は、
学院生達を乗せているために通学時間は満員となってしまうのが常であった。
今も、学生ではないながらも非常勤講師として学院に通勤する中年冒険者が、
座席に腰掛ける事ができないばかりか、満員の通路部分の真ん中にて、
吊り革にも掴まれずに馬車の振動に押し合いへし合いされている始末。
踏まれる足に辟易しながら、退屈しのぎに周囲の女性客を物色するように眺め。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にセカンドさんが現れました。
■セカンド > 休日の夜は比較的、『ザ・タバーン』の客は少ない。
主要顧客である地域住民は家で食べる者が多く、パンをはじめとしてテイクアウトの注文が多い。
翌日が朝から仕事という者も多いからか、エールやワインの出も芳しいとはいえない。
つまる所、女はヒマだった。早々にホールスタッフも帰宅させ、いるのは自分と厨房担当のみ。
客は――宿六が一匹。スタウトを飲む魔導機械と化している。
「今から団体さんも来ーひんやろ。窯の火ぃ落としてもええんちゃうか?」
サンドイッチやその具材(サラミとかチーズとか)がセットで出せる。火が落ちても酒は何の問題もない。
早々に縮小営業を開始した。
もとよりこの店を訪れるのは地域住民、王都周辺の農村の民、駆け出し冒険者くらいだ。
女自身、あるいは目の前の宿六を訪ねてくる者も皆無ではないものの、相当に珍しい。
■セカンド > カウンターに肘をあてて頬杖をつく。
理由があって宿屋兼酒場の雇われ店長をしていたが、それももう終わった。今は惰性で続けている。
この生活で得た知己は大切なものだが、心は鉄火場を求めていると自覚しつつあった。
己が当事者でなくとも、錬金術師として魔導機械を提供する支援者として最前線で見られればそれでも良いのだが。
目の前の宿六を見る。
ちょっと前までは一匹の飢えた狼のようであったが、今では小さな群れを率いるアルファというのが適している。
自分はその群れの中に属している……の、だろうか。自覚はあまりない。
「はぁ……なーんも考えんと生きるんがえぇのになぁ。ヒマがあると碌な事考えんわ……」
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からセカンドさんが去りました。