2024/12/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 「……困った……」
言葉通り途方に暮れた声で漏れる呟き。
冬至を迎えて一層寒波も厳しくなり、冬将軍が存分に猛威を揮う頃。人々は暖を求めて酒場に駆け込み、あるいは柔らかで暖かな人肌を求め。もしくは暖炉に薪をくべて帰りを待ってくれる家族のもとへと急ぐ。
しみじみと深まっていく真冬の宵は寒気を吹き飛ばそうとするかのように明かりを灯し火を焚き酒を供し年始前特有の喧騒にざわめいていた。
そんな宵が深まるほどに賑わう都の明るい表情とは裏腹に、少し蒼褪め悄然と焦燥の合間に立ったような顔でそれまで通り過ぎてきた道を引き返しながら、路地の隙間、店の軒先、重なる木箱の合間などを丁寧に覗き込んでは溜息を吐き出す一人の女。
「あぁ……どこに行っちゃったのかな……」
不安を声に滲ませながらついには膝をついて這いつくばって道端に放置された足つきチェストの下を覗き込んでは、目を細くして落ちているものはないか確認し。
「良く、見えない……」
街の光は明るかったが棚の下は当然ながら灯りは届かずに、掌を隙間に差し入れてぺたぺたと軽く上下させてみるが虚しく地面を叩くだけで指先に触れる物はなにもない。
道端とはいえ、人々の行き交う舗道で蹲っているもので時に邪魔くさそうな顔をされ場合に依っては――、
「っぃ……!」
そんなところに人がいると予期されず臀部を蹴飛ばされたりした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にホーセーアさんが現れました。
■ホーセーア > 「♪~~
もうす~ぐ、新年♪さような~ら、今年っ♪」
奇妙な歌小さな声で歌ってくるのは、自らの背丈より大きな杖右手に持って
石突きでコツコツ音立てながら歩く少年モドキ。
こんな夜にわざわざ出歩いている訳は、懇意にしている洋菓子店に
特注のケーキ・・・普通なら3日持つかどうかのはずだが、
特別な作り方で仕上げればむしろ熟成に1週間、そこからさらに1週間は
賞味可能という代物を受け取りに行くからである。
一見すると背伸びして魔術師めいたローブ纏った子供にしか見えないが
こう見えて100年以上生きている少年モドキは、結構甘み好きな一面があり
故国で作られていた菓子の製法を、本人が知る限り詳細に提供し、
その見返りとして試作品代わりに1品よこしてもらう契約結んで
それが出来上がるのが今日だった。
もうそれが楽しみでしょうがない少年モドキは思わず普段より足取りが軽く
それなりに鍛えている足を、思い切り上げ下ろししていて。
結果。道端でしゃがんでいた女性に気づいた時には、
その豊かな尻を思い切り右足で蹴飛ばしてしまっており。
なお、履いている靴も運動用の堅いつま先の物であったため
相当なダメージであっただろうと予想され、流石に慌てて
体勢崩してしまっているであろう相手に駆け寄り。
「す、すまない。今のは完全に僕の不注意だ。
大丈夫か?怪我をしているなら出来る限りの治療した上で
施療院まで連れて行くぞ、無論費用は全部僕の方で持たせてもらう」
ケーキの事は一瞬で頭から吹き飛んで、年の瀬近いと言うのに不慮の事故で
負傷させてしまった申し訳なさだけが残って、無意識に泣きそうな顔になりながら声かけ。