2024/11/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にレイチェルさんが現れました。
■レイチェル > 人でそれなりに混みあう冒険者ギルドの一角。
そこで手にしたいくつかの採取依頼、どれも一度に森に行けば達成できるものの内容を確認する。
「これとこれは、浅い場所ね。
こっちは少し奥だけど…問題はないね」
採取品を再確認すれば、浅い場所で見つかる薬草から少し深い場所に潜る必要があるものまで様々。
深い場所のものは戦闘を考えると人手は必要だが、避けるなら一人でもなんとかなるものばかり。
これならば無理をしなければ一人で行くのも問題はないものばかり。
直ぐにでも出発してもいいのだが、もう少しに多様な依頼が出てくればそれを受けての出発も悪くなく。
もう少しだけ様子を見、依頼を追加で受けれるならそれも受けていこうと考えてギルド内に待機して。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にユーミルさんが現れました。
■ユーミル > 冒険者ギルドの一角、掲示板に貼られた数多の依頼書を一人の少女が唸っていた。
灰翠のショートボブヘアに健康的な小麦色の肌の年若い少女だ。
すらりとショートパンツから伸びた脚と、きらきらと光る快闊そうな切れ長の瞳が印象的だ。
それにしても。この少女随分と長いことその場に佇んでいる。
「ァー… んー… 取ル…タマゴ…? いル…森………?」
ムムムン。眉が寄っては眉間に皺を刻む。
薄菫色の双眸が生真面目に文面と睨めっこし。そして。
首を傾げ、また反対側に傾ぎ。途中であっさり諦めて次の依頼書へ。
「食べル… ヒト……? ワル… 悪い……?食べ…??」
ムムン。また唸って──…唇をへの字にして別の依頼書に目を向ける。
先程からそんな無益な行為を繰り返していた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 冒険者ギルドのカウンターにて受けた依頼の達成報告を行なって、
謝礼金を受け取り、懐へと収めると掲示板へと視線を向ける。
其処で独りの少女が唸り声を漏らしているのを見掛ければ小首を傾げ。
関心を惹かれたのは、彼女の不可思議な行動のみならず、
背後から見ても分かる、健康的なスタイルの良さがあるだろう。
軽く口笛を吹き鳴らしながら口端を緩めると少女の背後に近寄っていき。
「森に棲息する巨鳥の卵採取に、こっちは人食い悪鬼の討伐か。
……お嬢ちゃんはどんな依頼を受けたいんだ?」
掲示板に張り出された依頼文を眺め、口に出して内容を読み聞かせながら、少女へと話し掛ける。
王都に暮らす住民の中でも文字の読み書きができない者は少なからずおり、
それが地方の出身者ならば益々数も増す事だろう。
親切さを装いながら、その隣りに立てば、少女の顔立ちから胸の膨らみ、足までを一瞥してほくそ笑み。
■ユーミル > 単語はそれなりに…読めないものもあるけど読めるものもある。
しかし少女のオツムからは文法知識が全く欠落していた。
なんなら師がよく唱えていた古代語の方が馴染みがいいくらいである。
次いで眺めていた依頼書も程なく脱落。次を眺める堂々巡り。
「ぁーー……ウ゛ー……。言葉、難し。ワカンない…。」
また唸る。唸っていれば、不意に背後から軽妙な口笛が聞こえ、振り返る。
見知らぬ男だ。とはいえ王都自体見知らぬ男ばかりなので、ぱちぱちと双眸を瞬くばかりで。
「……! 森、キョチョウ? 卵! サイシュ──… 取る?
人喰い、… 悪鬼! 」
どうやら男は親切なヒトのよう。
男の読み上げてくれた内容を反芻し、ぱっと表情を輝かせ、彼と依頼書を交互に見遣った。
漸く意味が解ったと言わんばかりであるけども、本当に解っているのかは甚だ怪しい。
「アリガトぅ、ね。依頼読めないノ、困るの。ずっと此処、ウーンしてた!
コレ。キョチョウ…… チョウ 卵? コレにする。」
そして即決。べりべりっ。小麦色の腕が、依頼書を豪快に引っ剥がす始末。
■トーラス > 「あぁ、喜びヶ原の森林の奥地に棲んでいる馬鹿でかい鳥の卵を獲ってくる依頼だな。
そこそこの強さを誇る奴だが、お嬢ちゃん、大丈夫か……?」
正確には鳥は鳥だが、ただの鳥ではなくれっきとした魔物の一種。
身振り手振りで示した卵の大きさは、彼女の頭くらいのサイズはあるだろうか。
勿論、初心者向けの依頼ではなく、中級者以上推奨と剥がされた依頼書に記載されており。
「確かに依頼文が読めないのは困るよなぁ。
その依頼だと、お嬢ちゃん一人じゃ、受け付けてもらえないかも知れないし、
……良かったら、俺が一緒に付き合ってやろうか?」
何処ぞの田舎から出てきたばかりの常識知らずの新米冒険者。
彼の眼には少女の存在は、そのように見て取れた事だろう。
警戒心もなく、御しやすそうな相手に笑みの色を深めながら、助力を申し出る。
尤も、ただの親切心などではなく、下心満載の申し出ではあるが。
■ユーミル > 「森のー……おっきイ、強い鳥、…んー…… 大丈夫だヨ。ユーミルできルよ。」
淡菫の双眸を、くるんと上向けて思案する。記憶の中に思いつく鳥は幾つかいる。
採取自体は問題無い。少し心苦しいけどもオネガイすれば卵も分けて貰えそう。
卵も多分、上手く頼めば運んで貰えるだろう。
ただ、問題は。もっと根本的なモノで。
「…………喜びヶ原……ドコ…?」
駄目である。ムムムン。また眉に皺が寄る。
そして、依頼を受け付けて貰えないと言われれば、それはそれで困る。
なので少しばかり思い悩むように男と手の中の手配書を見比べて。
「一緒に、行クはいらないの。
ユーミル一人できる。できないは、受付。一緒、シて?あと、場所、教えテ?」
■トーラス > 新米であるから実力が伴わない者も居ない訳ではない。
彼女の自信の程は何処から来ているのかは分からないが、
勝算があるのか、或いは、新人特有の驕りであるのかは判断が付かず。
その事に対しての追及は行なわないものの、次いだ言葉には双眸を瞬かせる。
「喜びヶ原を知らない、だと……。
おいおい、お嬢ちゃん、一体、何処からやってきたんだ?」
王都北部に拡がる自然地帯である喜びヶ原。
貧民窟に住まう読み書きできないストリートチルドレンであっても、
最低限の常識として、その位置関係は把握している事だろう。
予想外の返答に驚きを露わにしながらも、ふむ、と呟けば、掲示板に残されたもう一枚、
オーガ討伐の依頼文を剥ぎ取って。
「まぁ、……じゃ、一人で出来るならば途中まででも道案内する位は良いだろう?
別に報酬を寄越せなんて、せこい事は言わねぇよ。取り敢えず、案内を済ませようぜ」
彼は彼でオーガ討伐を受けるという意図を見せれば、受付カウンターへと向かう。
怪訝な受付係を説き伏せて依頼を受ければ、その後、道中を共にするかは彼女次第で――――。
■ユーミル > 男の些かの驚愕を含んだ言葉に、少女は双眸瞬かせ。
「ユーミルは、お師サマと一緒にいたヨ。」
地図の見方は知っている。北部に拡がる自然地帯の存在も知っている。
だが、彼女にとってその呼び名は──“喜びヶ原”というヒトが交わすそれではない。
そういうことであるのだけども、それを彼が知る由は無いだろう。
そしてそんな娘の独特過ぎる感性を面白がった師がその辺りの知識を教えることを端折ったのだ。
実に難儀な話であり。
彼が依頼書を剥ぎ、そのように告げたなら。
今度こそ娘は頷いた。道中が一緒なら仕方ないとばかり。
「ン。 ソッチ受ける…道、同じ?
そしたら一緒する。 イイよ。」
少女なりに納得がいったらしく、彼の後を付き従って受付カウンターへと向かうだろう。
受付係と男が何やらひそひそと話し込んでいたようだが、
さて娘の出発は彼の裁量により無事に成し遂げられたのか───。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からユーミルさんが去りました。