2024/09/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にカルネさんが現れました。
■カルネ > 「ぁ、あの……すみません。魔法書を探してるんです、けど……」
ふいに鳴り響いたドアベルの音に続いて、静かな書店に少女の甘い声が響いた。
少年が目を向けると、客であろう小柄な少女もまた少年の姿に気付き、
おどおどと視線を逸らしながら歩み寄りながら眉尻を下げて用向きを伝える。
「が、学校の課題で必要になる本で、えっと、初歩的な教本なんですけど……。
私、まだ買えてなくて……取り揃えて居たら、一冊用意して欲しいん、です」
少女が伝えたのは通常の書店にも当たり前の様に置いてある本の筈なのだが、
偶然、最初に目に留まった書店が此処であった為――と少女は続けて少年に伝えた。
寡黙そうな少年を前に居心地が落ち着かないのか、少女はそわそわと身体を揺らす。
小柄な身体に似合わぬ豊満な肢体が衣装の上からでありありと見て取れるその姿。
エルフの様な長耳に銀の髪、大きな紫の瞳を潤ませる少女は、人形めいた美貌に不安げな表情を覗かせている。
■ラリー > 「…いらっしゃいませ。魔法書、ですか」
ドアの向こうから現れたのは長耳に銀髪の、外見は自らと年の近そうな少女。
その口から告げられた要件に、無表情なその目を少しだけ丸めながら咀嚼するように繰り返して。
続けて伝えられた内容に無言で耳を傾けては、ふむ、と小さく唸り。
「…ここは主に古書を取り扱う店なので、そういう一般図書は基本的に置いていません…ですが、
僕も学院の生徒なので、私物としては所有しています。
なのでそれをお譲りする…ということで如何でしょうか…?」
少し思案する仕草を見せた後、ゆっくりと言葉を紡いでそんな提案をする。
その間、そわそわと落ち着きなく揺れる少女の豊満な肢体を感情の見えない瞳で眺めているが、彼女はその視線に気づくかどうか。
言い終えてから改めて視線を合わせ、意思を問うように首を少し傾げてみせ。
■カルネ > 「えっ、あっ、そ、そう、なんですか……っ。ごめんなさい、じゃあ……」
少年が『置いていません』と伝えると、少女は気恥ずかしそうに俯いて狼狽を見せた後、
大きく頭を下げて踵を返さんとするが、少年の後の言葉を聴くと振り返り
「私物、ですか……? で、でも、良いんですか……?
ぁ……っ。その、ラジエル学院の、生徒、なんですか……?
私も、学院の生徒で……も、もしかしたら、後輩かもしれません……っ。
もしそうなら、その……ぉ、お借り出来たら嬉しい、です。
後日、学院でお返し出来ると思います、し……ょ、宜しければ……っ」
眼鏡の奥、無表情に眺める少年の視線に気付かぬまま、少女は再び大きく頭を下げた。
少年の目前でたわわな乳房が大きく揺れ、開いた胸元からは、無防備に深い谷間が覗いている――
■ラリー > 「…そうですね、おそらくお客様の『先輩』に相当することになるかと。
僕はもうあの魔法書を用いる課程は済ませているので…。
なので商品としてお譲りしても構いませんが…まあ、そこはお客様にお任せしましょう」
同じ学院の生徒同士ということで、商売から貸し借りの話にシフトしていくが、
まあそういう形で接点を持っておくのもいいかもしれないと考えて
敢えてその辺りの判断は少女に任せることにして。
「…では、本を探してきますので一旦失礼します…お待ちの間、落ち着かないようでしたら、
適当に本を読んで頂いて構いませんので…」
乳房の豊満さを示す深い谷間を見やって目を細めてから、その奥にある感情を
まるで感じさせない平坦な口調でそう告げてゆっくりと背を向け、店の奥に足を向けて。
■カルネ > 「そ、そう、なんですね……っ。
ぇ、えへへ……初めて、学院の先輩とお話、出来ました……。
ありがとうございます、先輩。私、えっと、カルネって言います。
カルネ・レフィール……です。宜しく、お願いします……っ。
――ぁ、はいっ。わかりました、ここでお待ち、します。
えっと……じゃあ、少しだけ、読ませて貰いますね。ぇ、えへへ……」
少年の返答に、少女は不安気な表情を笑顔に変えて再び大きくお辞儀を返す。
『本を探して~』と伝える少年に何度も相槌を返して見送ると、ほっと一息といった様子で胸を撫で下ろす。
少年が戻るまで、少女は人気の無い書店を恐る恐る見回しては、重い想いに書物を開いて待つだろう。
■ラリー > 「…僕はラリー・リブラントと言います。では、ごゆっくり…」
先輩後輩ではあるが、今は店員としての態度は崩さず敬語で。
奥の扉の向こうに姿を消す寸前、少年の口元に薄く浮かんだ笑みに彼女は気づくことはないだろう…
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
■カルネ > 【移動致します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からカルネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリセさんが現れました。
■リセ > 授業で使用する学用品を買いに出た時はまだ降ってはいなかったけれど、傘はきちんと持って家を出た。
一応は貴族の娘という立場でありながら使用人に買いものを任せる……と云ったこともできない身分。
屋敷雑用すらも回ってないほど使用人の数は限られており、買い物を始め部屋の掃除やちょっとした調理など自分でやらなくてはならないため、学用品を買いに出たついでに家のお使いまですることも珍しくない。
だから要は買い物ひとつにもたついていた。
怪しくなっていく雲行きが心配ではあったが、ついあれこれと品物を見比べている内に黒い雲はどんどん街の上空を覆い尽くしてゆき。
「………あ……」
最後に焼き立てのパンを買い込んで店を出て、いくらか行き過ぎたところでぽつぽつ…と降り出した雨はあっという間にザーザーと音を立てる土砂降りと変わった。
すぐに持ってきていた傘を差そうとしたが、
「あっ……」
手にしていた筈の傘は、あちこち見ている内にどこかの店の前に立てかけたままうっかり忘れて行ってしまったらしく。
「ぁ、あ、大変……っ」
雨からノーガードの上、手には紙袋に包まれただけのパン。
濡れてしまったら駄目になる。
慌てて大通りに立ち並ぶ店舗の軒先へ駈け込んでいき。
そこに先客がいれば、
「す、すみませんっ……」
呼吸のごとく取り敢えず謝りながら隣に滑り込むのだった。
■リセ > 無駄にぺこぺこと、毛先を振るようにして頭を下げていたが。
しばし軒先で並んで雨が止むのを待っていた先客も、やがて諦めて濡れるのを覚悟でばしゃばしゃと水溜まりを蹴散らしながら雨の中を駆けだしていった。
「ぁー……決断、も大事……ですよね……」
いつまでも軒下で時間をすり減らしているのも確かに無駄である。
雨に濡れながら通りを走り去っていく後ろ姿を見送りながら、いつまでも決断できずにぐずぐずと軒先でパンを抱えて溜息を吐き出した。
雨はやむどころか一層勢いを増して街を洗い流してゆき、さらにごろごろと不穏な唸り声を立て始め。
「――っきゃ……」
カッと空が一瞬光ったかと思えば、その後に遅れて生木を引き裂くような雷鳴が轟き。
反射的に耳を塞いで屈みこんで身を小さくし、
「か……かみ、な、り……――っひ……!」
根性もなければ度胸もない。雷が鳴っただけで怯えるくらいにはメンタルふにゃふにゃ柔らかプリン状態の下層貴族令嬢。
ガラガラピッシャーン! と徐々に雷鳴が近づいてくれば蒼白でがくぶる震え、大層情けなくただでさえ小さめの身をさらに縮こまらせて軒下で小動物のごとく……いやむしろ小動物にも負ける脆弱極まりない有様で蹲っていた。
■リセ > その後、雷雨がやむまで大通りのとある軒先で縮こまっていたのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリセさんが去りました。