2024/07/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 昼下がりの娼館」にルルマリーさんが現れました。
■ルルマリー > 未だ空気の乾き、白んだ昼下がり。
夜は活況を呈す娼館通りも、この刻限とあらば利用客は疎ら。
世間話に興じる呼び込みの男や、しどけない寝起きの態で二階の窓辺に侍り煙草を蒸かす娼婦。
はたまた娼婦に見送られ欠伸を噛み殺して家路につく客等…どこかまったりとした、怠惰な時間が流れていた。
そんななか。こんな刻限だからこそ、訪れる者もある。
とある娼館のエントランスにて、大振りの花瓶の前で、あくせくと花を活ける小娘がそうだ。
年の頃十代半ばか。くすんだ桜色の髪をふわほわと揺らしながら、
剪定バサミを片手に、華麗な花を器用にバランスよく挿してゆく。
ソファにて寛ぐ暇そうな娼婦に見守られながら、チョキンと茎に鋏を入れて長さを整えては
「…………… ふぅっ。」
こんなものかと、一歩離れて全体を見、最後にすこぅしだけ鋏を入れてから、息を深々吐いた。
きょろきょろと店内見渡し、店を切り盛りする世話役の老婆に声を掛けて
「あのぅ、終わりました…!どぅ、でしょうか……っ。」
■ルルマリー > 救貧院で育てて売る花は平民地区の花屋のものより安価でもあり、
且つ、孤児出身の娼婦なんてのも多々いるため、比較的固定客はこの界隈に少なくない。
夜の華で賑わう時刻は流石にお届けには来ないけれど、
白昼なら多少の客はいても、比較的穏やかだ。
勤労に励む場違いに純朴そうな少女は、『まぁまぁイイんじゃないかい。ありがとさん』なんて老婆の言葉を受け
ほぅ、ともいちど小さく可憐なくちびるから息を吐いて、硬貨を受けとり鞄に仕舞う。
「ありがとうございます…! ───… ぇ? ぁ? ひゃぅ!?
ぃえ!?ッいえいえっ、 こんなにたくさん貰えません…ッ…!!」
そして、金を仕舞い手空きになった娘の両手に、暇を持て余す娼婦から高そうな菓子が振り撒かれる迄が毎回恒例。
待ち構えては仔猫を可愛がるかのように少女を愛で、お菓子をくれたがる女もいるのである。
ふんわりとお花みたいにイイ匂いの娼婦の、たゆんと揺れる白い乳毬にドギマギと双眸キョドらせながら、
あわよくば娘に色々施そうとする色街の女達から抜け出すにいつも苦心するわけで。
「わ、わわわわわたし! つぎの仕事がある、ので……っ……!」