2024/06/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメルさんが現れました。
メル > 今日は、定期的に市が立つ日
周辺諸国は当然のこと、遠く海の向こうの国からやって来た商人たちも足を運ぶこともある。
港湾都市に比べれば、異国情緒は薄いけれど、それでも品数で言えば王都の方が勝るもの。
そんな色とりどりの布や装飾品を他所に、少女がまず向かうのは食べ物を扱っている屋台だった。

「今日も、見たことのない食べ物がいっぱいだねー」

残念ながらお金にも、お腹にも限りはある。
叶うなら、屋台の端から端まで食べ尽くしたいくらいなのだけれど。
仕方がないので、屋台を覗き、匂いを楽しみながら、これぞという品を捜し歩き。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルーチェ・カンパネラさんが現れました。
ルーチェ・カンパネラ > 市場の日と知り、ボクは足を運びました。
急いで必要な品はないのですが、見分は大事です。

食べ物の香りがする屋台を見て回っていると、迂闊にもベレー帽を被った方とぶつかってしまいました。

「申し訳ありません、お怪我はございませんか?」

咄嗟に声を掛け、相手の顔を伺います。
普段はもう少し気を付けて歩いているつもりなのですが、どうやら舞い上がっているのでしょうか。

メル > 溢れるほどとは言わなくとも、通りには多くの人で賑わっている。
当然、ぶつかってしまうなど日欧茶飯事で。

「あ、うん。大丈夫だよ。」

軽く手を振って、問題なしだということをアピールする。
一方で相手の方は、身に着けた者は兎も角、その言葉遣いは、
どう見ても、一般人ではありえないもので。

ルーチェ・カンパネラ > 「ありがとうございます。」

どうやらお相手はボクの粗相を許して頂けたようです。
礼を述べると同時に頭を下げます。
ボクは安堵の表情を浮かべると、先ほどと違い相手の顔を眺めました。
年はボクと同じくらいでしょうか。
可愛いらしいお顔をされています。

「お詫びに、何か食べたいものはございますか?」

ボクは少しドキドキしながら口を開きました。
はっきり言って、これはナンパです。
不意な出会いから切り出すべしと本で読んだことがありました。
ぶつかったことはボクの不注意なのですが…。

メル > まさか逆にお礼を言われるとは思ってもおらず。
少し驚いた表情を見せてから、「いいよ」とばかり手を振って。

「ほら、服が汚れたわけでもないし、怪我したわけでもないから、気にしないで?
 ―――それって奢ってくれちゃうとかそういうの?」

相手からの申し出は、言葉だけ聞けばただのナンパに違いない。
ただ相手のその表情が、軽い感じではなく、真面目にこちらのことを心配して
言ってくれているのだと察せられ。

なので決して、奢りという言葉に反応したわけではなく。
ただ、視線は早くも立ち並ぶ屋台の方へと釘付けになっており。

ルーチェ・カンパネラ > 「レディに不快な思いをさせてそのままとはいきません。
…当然です。 なんでも好きなだけ召し上がって下さいね。」

驚く様子の相手にとびきりの笑みを見せます。
初めて声を掛けた方が前向きな反応を返して下さったことに聊か興奮です。

「宜しければ、お手をどうぞ。」

ボクはちょっとドギマギしながら手を差し出します。
許しを頂ければ、エスコートするつもりです。
仮に彼女がボクの手を取られなくても真っすぐ屋台に向かうでしょう。

メル > 「はわ……レディなんて初めて言われちゃったよ。
 ふふ、うん。ありがと。
 でもほんとに気にしなくて良いからね?」

見た目は自分とそうは変わらない、むしろ年下に見える相手
そんな相手が紳士然と告げてくるものだから、少し照れたように笑い。
不快な思いなんてしてはいないから、気にしないでと改めて首を振る。

「え? あぁ、うん。
 ―――こ、これで、いいのかな?」

差し出された手を、思わずきょとんとして眺めてから。
どうすればいいのか少し戸惑いつつ、そっとその手に自分の手を重ね。
これがお城の舞踏会であれば、相手の行動も違和感もなかっただろう。
けれど、ここは人も物も溢れる下町の市場で。

ルーチェ・カンパネラ > 「不味かったでしょうか?
これまで家族意外と何かをするということがありませんでしたので。
ですので、お礼と言いつつ心が躍っております。」

ボクは顔に出ちゃう性質です。今も口角が上がっているのを感じます。
お相手の照れた顔がとっても可愛らしいです。

「ありがとうございます。
…今度、もっと自然な振る舞いができるようにしますね。」

お手を取り、腕を絡ませます。
ちょっと目立つ行動になってしまっていそうですが、ボクは下町らしい行動をあまり知りませんでした。
これから勉強です。

戸惑う彼女をエスコートし、まずは揚げジャガを御馳走します。

「どうぞ。
熱いので気を付けて下さいね。」

メル > 「あはは、だいじょうぶ。
 不味いとかそういうことはないから、安心して。
 強いて言うなら、ちょっと驚いただけだから。」

楽しんでくれているというのは、その表情を見れば十分に伝わってくる。
ならば、手くらいはいくらでも繋いであげよう。
と、そう思ったのだけど、手だけではなく、腕まで絡められ。
柄にもなく少しドキマギしてしまい。

「こんなお嬢様扱いされたことなんてないから、ちょっと照れちゃうよ。
 ありがと。一緒に食べよ?」

年下の男の子にリードされっぱなしなのもどうなのか。
ちょっとした照れ臭さもあって、受け取った紙の包みを開いて、そう告げる。
切ったお芋を素揚げして、軽く塩を振っただけのシンプルの料理
湯気の立ちそうなほど熱々なそれをシェアしようと。
上流階級っぽい相手が、食べ歩き、それも分け合って食べるというのを、どう思うかはいざ知れず。

ルーチェ・カンパネラ > 「そうですか?
ボクは街中に出たことがこれまでなかったので、
問題があれば教えてくださいね。」

首を傾けつつ尋ねます。
どうやら、今のところはお互い楽しめているようです。
ただ、お互い頬が少し熱くなってるように思います。
これは日差しの所為では恐らくないでしょう。

「実はボクも照れてるんですよ。
可愛い女性にお声がけなんて経験がありませんから。

ありがとうございます。
…とてもおいしいですね。」

揚げジャガを指で摘み、口に運びます。
熱いので火傷に気を付けながら頂きましたが、塩が効いてて良い味です。

「良ければ、お名前をお聞きしても?
ボクはルーチェ・カンパネラと言います。」

メル > これが酒場にやってくるような豪快な男どもであれば、
多少の女の子扱いをされたところで照れたりもしなかったのだろうけれど。
年の近い、少し可愛らしささえ感じさせる男の子にそういうことをされるのは初めての経験で。

「そ、そうなんだ?
 もしかしてお忍びってやつなのかな?」

もしそうなのだとしたら、こんなことをしていて大丈夫なんだろうかと少し心配になる。
楽しんでくれているのは嬉しいのだけれど、迷惑はかけられない。
お芋を摘まみ上げる相手の様子をそっと上目遣いに窺いつつ。

「揚げたては、やっぱり美味しいねー
 ボクはメル。よろしくね……って、言っちゃっても良いのかな?
 ―――カンパネラって、公爵家の名前だよね?」

揚げじゃがを受け取るために腕は解いていたけれど、
すすすっと身を寄せると内緒話をするようにこっそりと耳打ちして。
傍から見れば、年若い初心なカップルにも見えるかもしれない。

ルーチェ・カンパネラ > 「実は明日から学院に通うことになりまして。
単独行動が許されるようになったので色々見て回っている所です。
ひとまずはお友達を作りたいなと思ってます。
なので楽しんで頂けているのでしたらそれが一番嬉しいです。」

心配そうな様子に、ボクは頬を擦り付けて甘えようと。
少しはしたない気もしますが、社交の場ではないので。

「揚げたてもありますけど、誰かと一緒の食事はいつもより美味しくなります。
よろしくお願いします、メル様。
…よくご存じですね。 大丈夫ですよ。
身を護る術はありますし、もともと隠すつもりもありませんでしたから。」

耳元でメル様に囁かれ、僕は身体が震えていました。
頭上の兎耳も落ち着きなく動いてしまいます。
ボクは頬を赤らめ、口を動かしている間も視線は泳いでしまいます。
これはデートと思っていいのでしょうか。

メル > 「はわわっ……!?
 ひとりで出歩いても良いんだったら、良いんだけど……っ
 その、そういうスキンシップは、その……ちょっと心臓に悪いかな!?」

まさか頬を摺り寄せられるとは思いも寄らずに、素っ頓狂な声を上げてしまう。
可愛らしい顔で甘えられてしまうと、ドキドキしてしまう。
気を落ち着かせるように、何度か深呼吸を繰り返し。

「ボクも、たまに学院には通ってるから、出会うこともあるかもね。
 そういうことなら、よろしくね?」

可愛いだけではなくて、ちょっぴり頼りがいもあるらしい。
赤くなっている様子だけを見れば可愛い男の子なのだけれど。
何となく悪戯っぽく身体を寄せてみたりして。
揚げじゃがを食べ終わると、少年の手を取って、次の屋台へと。
ちょっとした食べ歩きのつもりが、思いのほか楽しい市場デートになり―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からメルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からルーチェ・カンパネラさんが去りました。