2024/05/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にラティスさんが現れました。
ラティス > まだ日の高い時間帯の冒険者ギルド。
冒険者や出入りの人で込み合う中、身長と変わらない長さの剣を背負いその中を歩き。
剣が誰かにぶつかれば視線を向けられるが、そんなものは気にせずに依頼が張り出される一角へ。

「遅かった…もう大して残ってないよ。
ボクで受けれそうなのは…」

張り出される依頼に目を向けると、どれもこれも条件が良いものはほぼなく。
残っているのは市内の見回りや溝掃除という雑用から、採取系というもの。
後は街道などの警護という、労力の割に報酬が安いものばかりであり。

「変に欲を出さないのがいいんだけどね」

そうは判っているが、多少多めの報酬を求めるのは冒険者の性。
少しでも実入りの良い採取や護衛、そういうものがないかと探して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にキュリアスさんが現れました。
キュリアス > そんな風に依頼を物色していると外の方で軽い歓声が聞こえる。
ちらりと窓からみれば、ミレーらしきネコミミを備えた青年がなにかをやっていた。

「さーお立ちあいお立ちあいにゃ!今日やる芸はこれ!」

そう楽しげに言いながら、白い上着に黒いスラックスという。
貴族のようなかなり質のいい衣類に身を包んだ青年がヴァイオリンを持ち。
ミレー故の身軽さか、傍らにあったバスケットボールのようなものに片足で乗る。
その状態からもう片方の明日には木の棒が水平に載せられて。
棒の両辺には煉瓦が積まれていた。

「ひー!これはなかなかキツいかもしれないにゃ!
でもお客さんを楽しませるためならやってやるにゃー!」

など叫ぶと同時に、そのあまりにも不安定な状態からヴァイオリンを弾き始める。
この不恰好とも言える姿のままでも、音色はしっかりと奏でられており。
奏でられる音楽はどことなく愉快さを醸し出している。
視覚的にも聴覚的にも、なかなかに愉快な光景が広がっていた。

ラティス > どうにも気が進む依頼がない。
諦めて日を改めるべきかと考えだした頃、外で聞こえる賑やかな声。
何かあったのかと気分替えに、近くの窓から見ればミレー族と思われる男性が見える。

聞こえる声に何だろうと窓に近づけば、楽しそうな声はよりはっきりと聞こえる。
貴族のように見える服装、窓越しではあるが上質に見える衣装をミレーっぽい青年が着ていることが新鮮に見え。
身軽なしぐさでボールに片足で乗り、もう片方の足には棒、その両端に煉瓦積んでいる姿はバランスの良さがよくわかる光景で。

「凄いバランス。あんな格好でヴぁイオンリンまで」

きついと言いながらもお客のためと楽器を弾く姿は不格好ながら音色は確か。
凄い才能か特訓の成果か、どちらにしても普通には出来ない事をしている姿はすごく思え。
その愉快といえる光景に、窓越しではなく近くで見ようとギルドを出ては近くで見るようにと近くに寄っていく。

キュリアス > 近づく頃にはヴァイオリンの演奏もラストスパートに入り。
彼女がより近くでみると同時に、音色が弾き終わる。
そして

「ほっと」

軽い掛け声と共に木の棒と煉瓦を思い切り空へと放り出すと同時に。
ボールから降りて片足でそれも蹴りあげた後。
ちょうどよく木の棒が青年の手の中に落ちるのを握り。
トス、トス、トスと小気味のいい音と共に木の棒の上に煉瓦が積み上がっていく。
しかもしっかりと積み上がっていく煉瓦にズレはほとんどない。

「後拝見ありがとうございました、にゃ♪……にゃ"!!」

そう一礼したあと…その下げた頭に、先ほど蹴りあげたボールが思い切り当たった。
そこまで含めての芸なのだろう。周囲からは笑い声が響き。
青年が用意していたシルクハットの帽子の中に次々と投げ銭していく音が聞こえる。

「にゃにゃー。ありがとうございますにゃー」

満面の笑みでその投げ銭を帽子でキャッチする青年の楽しそうな姿が目を惹くかもしれない。

ラティス > 外で気が付けばよかったが、ギルド内からでは移動するにも時間がかかり。
近くに行く頃に演奏も終わりに近づいていることに残念に思え。
それでもと近づくが終わってしまう、その事に肩を落とし。

「間に合わなかった……」

肩を落とすのと同時に、軽い声と共に木の棒と煉瓦が空に。
そのままボールから降り、それも蹴り上げられるのを視線で追いかけ。
どこに落ちるか分からないから危ない、そう思うが木の棒は青年の手の中へ。
それだけなら偶然あるかもしれないが、その上に煉瓦がほとんどずれもなく煉瓦が落ちて積み重なっていく様子が神業に見える。

そして終わったと言うように一礼をする姿に拍手を送り。
数度手を叩いた所で、ボールが青年の頭に落ち悲鳴のような声。
しかし周囲からは心配する声でなく、笑い声なのでこれも芸なのだろうと。

そして青年のシルクハットに投げ銭が投げ込まれていくのに合わせ、数枚のゴルドを取り出し。

「凄かったよ」

そう言って自分も投げ銭をシルクハットに投げ。
満面の笑みで楽しそうにする少年の姿を、頑張ってるなと見てしまう。

キュリアス > 少女が青年に近づけば、青年の長身に気がつくだろう。
少女と比べれば頭が二つ分ぐらいまで高く、より近づくことになれば大きく見上げなければ顔すら見えないだろうとも。
長身痩躯の青年は、投げ銭をくれた少女に目をやって。

「ありがとうございますにゃ。初見のお客さんかにゃ?」

そう少女の姿をみると、粗方投げ銭が終わったシルクハットを見た後。
なんと銭が入ったままそのシルクハットを青年は被る。
美しい銀髪の上でゴルドの硬貨が擦れる音が聞こえるだろう。
青年はそんなことも気にせずにヴァイオリンと木の棒を少女に見せて。

「にゃにゃにゃ…ばーん!」

パリン、とガラスが割れた音が聞こえた気がする。
同時にぱっぱっと手に持っていたものを振るうと瞬く間にそれらが消えてしまっていた。
これも芸であり、手品なのだろう。

「初見のお客さんにはサービスにゃ♪
僕ちゃんはネコのキュリアスにゃ♪
せっかくだし可愛らしいお嬢さん。お名前を聞かせて欲しいにゃ」

しっかりと作法に乗っ取った一礼をして、身の丈もある剣を持つ少女に自己紹介を。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にキュリアスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にキュリアスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にキュリアスさんが現れました。
ラティス > 「……大きい」

窓越しに見ている時には気が付かなかった、しかし近くで見ると背が高い。
自分が低いだけというのもあるが、それでも見上げないといけないのは少々不便。

「良いものを見たから気にしないで。
さっきそこで見えたから」

初見かと問われると、近くのギルドの窓を指してから頷き。
中のおひねりを出さないままにシルクハットをかぶる青年の頭から聞こえる硬貨の音。
痛くはないのか、重くはないのかと思うが、青年が大きな反応を見せていないので大丈夫だと思うことにして。

「…え?魔術?」

そんな青年にヴァイオリンと木の棒を見せられ。
掛け声と共にガラスの割れるような音、それに合わせてヴァイオリンと木の棒を振れば消えてしまう。
どこかに隠した様子はなく、魔術かそういう芸なのか解らずに目を丸くして。

「もうちょっとおひねり出したほうがいい?
ネコ?ミレーじゃなくて……?
ボクはラティスだよ」

作法に乗っ取った一礼、その見事な動きを見つめ。
少し驚いたり呆然としたりしながら、名前を反射的に名乗り返してしまう。

キュリアス > 「ラティスちゃんにゃー。よろしくにゃー」

そう呆然としている彼女を気にせずに、腰を曲げる。
目線を合わせるようにしながら、にこにこの笑顔を見せて。
透き通るような水色の瞳が、同じように水色の瞳のラティスを見つめる。

「ラティスちゃんは今、懐がお困りだったりするかにゃ?」

などと、首をかしげながら。

「もし今暇なら、僕ちゃんとこれから食べ歩きとかどうかにゃ?
お金は出せないけど、奢ることは出来るにゃ。
もちろんお金が欲しいなら…うーん。僕ちゃんに良いことしてくれるならあげるにゃ。
まぁ、要は暇潰しに付き合って欲しいんだけどどうにゃ?」

そう言うと、曲げていた腰を戻して、彼女に、手を伸ばす。
依頼を受けているならわざわざ自分の芸を見た後銭を投げたりはしないだろう。
ましてこうして間近まで見ようとしたのだから。
まぁ、単純に気になりすぎてそっちの方が優先だったかもしれないが。
さて、彼女の反応はどうだろうか。

ラティス > 「よろしく、キュリアス」

見上げるのが大変なこともあり、視線を合わされると正直助かり。
笑顔を見けられると小さく笑みを見せて、よろしくと。
そして視線が合えば、青年の瞳もよく見えて。

「懐?それなりにね」

数日は困らないだろうが、少ないといえば少ない。
特に今日は依頼がなかったので明日に見つけなければ、困る事になるがそこまでは口にせず。

「依頼もなかったし暇も言えば暇だよ。
奢ってくれるは嬉しいけど、いいの?
付き合うなら食べ歩きだけ」

食べ歩きはともかく、それ以上は何か違うと思えば首を振り。
背筋を伸ばした青年を見上げるようにして、少し考え伸ばされた手を掴み。
あくまで食べ歩きに付き合うだけと返し、普通なら断るのが今受けるのは、少ししか見れなかったとはいえ良い物を見れたから。
なので食事だけと青年に告げて。

キュリアス > 「わかったにゃー。この辺に美味しい屋台があるんにゃ。
甘いのもしょっぱいのも。ご飯もデザートもあるにゃー」

手をつかめば、やはり身長差から青年は少し背を曲げて。
ラティスの歩幅に合わせながら歩き、そこそこのにぎわう露店へと。
焼かれた鶏肉やら、焼き魚などが香ばしく食欲を誘う。
ほかにもパンケーキや菓子パンなども売られている店があり。

「ラティスちゃんは肉と魚どっちが好きにゃ?
僕ちゃんはもちろん魚が好きにゃ。生でも焼いててもどっちも大好きにゃ!
あ、でも川魚と海魚だったら…どっちも甲乙つけがたいにゃあ」

うーんうーんと串焼きにされた魚を眺めて。
どれにするかを悩んでいるようであった。

「ラティスちゃんも好きなのを買っていいにゃ。
甘いものでもなんでも…あ、でも辛いのは勘弁してくれにゃ。
においすらネコちゃんにはキツいかもしれないんだにゃ」

ラティス > 「この辺りにそんな屋台あった」

屋台は普段使うことがないので、美味しい所があると、いろいろとある様子に関心し。
身長差から手を掴むと青年が背を曲げるのは申し訳ないが気にしないことにし。
歩幅の違いも青年が合わせてくれるので問題はなく。
そうして歩いていくと賑わい、露店が近づいてくる。
色々な食欲を煽る香り、デザートなどに視線が移り。

「肉と魚?どっちも好きだよ。
でも……この辺りだと肉のほうが安いから肉かな。
魚は焼かないとちょっと不安かも。
川魚は時々獲ったりするよ」

屋台の料理を眺めては、少し考えてから答え。
買うなら何がいいかなと焼き物をメインで見て。

「そう?だったら遠慮しないよ?
辛いのは苦手だからボクも買わないよ」

辛いのは匂いもキツイと聞くと判ったと言うように頷き。
そして買うのが魚と肉の串焼きを一つずつ、これなら分けれるとも考えて。

キュリアス > 「なるほどにゃ。確かに値段は大事だにゃあ。
ラティスちゃんは割りとどっちでもいいと….わかったにゃー」

そう言いながら、彼女が買ってきた串を持つ。
香ばしく焼かれた肉や魚に、香り付けの薬草が刻まれて乗っている。
切り込まれた箇所から見える内側の肉にごくりと生唾を飲み込み。

「飲み物は適当に果実酒買ってきたからそれにしようにゃ。
あれ?でもラティスちゃんお酒大丈夫かにゃ?
ダメなら果物ジュースでも買うけど…」

と、心配そうにしつつ、共にベンチにでも座って食べ始めようか。

ラティス > 「一つの値段を抑えると多く食べれるよね。
好き嫌いはない方だから」

元の生まれと冒険者という仕事をやっていると好き嫌いはなくなっていき。
そこに金銭問題が絡むとそこを重視してしまう。
買ってきた串を青年が持ってくれるとお礼を告げ。
選んだ串焼きは薬草の匂いもありとても良い香り。
青年が唾を飲み込むのに気が付けば、かわいく見えて。

「買ってきたんだ。それでいいよ。
少しなら大丈夫」

食事をご馳走してもらうのに、飲み物まで我儘は言えず。
少しなら大丈夫と告げてはベンチに座り、そして魚の串を一口食べ、おいしいと口にし。
青年に美味しいと言ってはその串を青年のほうへと寄せ、果実酒に口をつけて。

キュリアス > 「そうだにゃあ。質より量がいいにゃ。
僕ちゃんは辛いのと苦いのはあんまり好きじゃないかにゃー。
野菜とか嫌いにゃ」

そう言いながら、彼女が差し出した串焼きを口にいれる。

「あぐっ……んー!白身が柔らかくて美味しいにゃー。
この串を買ったのは正解だったにゃ、ラティスちゃん」

にこにこと満面の笑みを浮かべて租借して。
同じように果実酒を飲み、一緒に飲み込んでばたばたと両足を動かす。
そして肉の方を持ち、それをひとかじりして。
同じように、それを彼女へと差し出す。

「お返しにゃ♪」

そうしながら、楽しい時間を過ごしていき…。

ラティス > 「量がないとね。
辛いとにがいはボクも苦手だよ。
野菜は取らないとダメだよ?」

青年の言葉に野菜をとるようにと告げ。
差し出した串焼きを青年が口にすれば、もう一口を口にして。

「白身は焼いても柔らかくて美味しいよね。
香草もいい感じだし、これは正解だね」

白身の美味しさにうなずき、正解だという青年に頷き。
果実酒の酒気でも顔を赤くし、青年から肉の串を差し出されるとそれを一口齧り。

「ありがとう、こっちも美味しいよ。
脂っこいかなって思ったけどあっさりしてる」

食べた味の感想を告げては笑みを見せ。
そうして楽しい時間を過ごしていき、食事が終われば屋台を冷やかすことになって。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からキュリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からラティスさんが去りました。