2024/01/23 のログ
■メルリンディア > なにかの取引か、それともただの荷運び作業か。
今は分からずとも、今日の仕事は続く。
ご案内:「王都マグメール 風俗店通り」からメルリンディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアウローラさんが現れました。
■アウローラ > 「はぁ~、さむさむ、今日もさむいねえ、熱い酒がヨくキくわ」
平民地区の歓楽街、とも呼べる場所
酒場も多く、飯と酒を提供する健全な店から、宿屋つきの酒場、娼婦などを買える店もあるのだとか
温めて美味しい東国の透明な穀物から出来る酒を提供できる異国情緒溢れる店を選んだ若い娘が一人
外見だけ見目は麗しく若々しいが、尖り耳が目立つ長命種の血を半分引いている
装飾のついた樫木の杖を肩にかけ、一つにまとめた髪を揺らし、くいーっと小さな猪口とやらを傾ける
きゅーっと喉を焼く酒精に、くはぁ、と美味しそうに息を吐く
「このアツカンっておさけ、さいこ~!
この国でも飲めるなんて奇跡だぁ……」
白い頬をほんのり色づかせて、ご機嫌に口元をだらしなく緩めて、青い双眸がアーチのようににんまりしている
おさけはおいしい、さいこー、そんなのん兵衛が温かい徳利をトトト…と傾けている
おつまみに卵を巻いたものと、モチを海苔で巻いたものと、油で揚げた山菜と肉のテンプラもついていれば、この店を行き付けにしよう、とも思うものだ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に影時さんが現れました。
■影時 > 今日は一段とよく冷える気がする。子分たる小動物二匹が寝床に詰め込んだ布地に埋もれたがるわけである。
そんな子分たちのために、温めた石を布によく巻いたうえで寝床にそっと添え、一人外に出る。
小腹が空いたのだ。行きつけの店は幾つかあったが、しばらく見ないうちに畳んでしまっているものも少なくない。
「……こーゆー時に限ってとは言え、畳んじまったってなら責めようも無ぇわなァ」
道行く人の合間をすり抜けつつ、零す人影はこの地では珍しい羽織袴を着込んだ男の姿だ。
余所者が他所の国の服を着るというちぐはぐさはなく、己のものとして着こなしているが故に違和感はない。
何気ない足取りにも拘らず、足音静かで気配がどこかおぼろげなことを除いては。
通りの左右の店を眺め遣りつつ、足を進めていればふと、鼻につく匂いに目を瞬かせて。
「――こりゃ驚いた。あー、悪い。やってンかね?」
嗅ぎ取る臭いは他所の国であるとは思わなかった、昔の暮らしでよく嗅いだ匂いのそれら。
まさかなぁ、と思いつつ感じた先に見えてくる店の扉を開き、店主と思われる姿に声をかけてみようか。
先客と思しい娘の姿が視界に入れば、尖り耳含め物珍しげにしながら、会釈を一つ向けて。
■アウローラ > 入口には布の暖簾、異国の言葉とマグメールの言語で店名が刺繍されている
蝶番の扉が基本の建物にしては珍しい摺りガラスの引き戸
彼の故郷であれば当たり前にどこにでもありそうな、そんな店の中は木製のカウンターと高めの椅子
壁にかかる木製の札はメニュー表、店主もまた黒髪黒目の異国人で「らっしゃい」と彼を席に促すだろう
先客たるハーフエルフの娘もまたカウンターに一人座ってちびちびと飲んでいる
大きな木樽のコップでラガーやら黒エールを流し込むのも嫌いではないが、美味しい酒をちょっとずつ味わうのも好きだ
先客へと会釈する男と視線が合えば、にへらとだらしなく笑う酔っ払い具合
「いよぅお兄さん、店に似合う風体だねぇ! 同郷のお店かい?」
酔って気が軽くなっているのか常日頃からそうなのか
男が着こなす服装を見ればよく似合っているとうんうんと頷いている
娘は金髪碧眼に尖り耳、典型的な白洋の出自と思しき風合いできっと彼の着ているものは着こなせないだろう
故に異国情緒溢れるそれをまとう彼に興味がわいた
おいでおいでと手招きしながら横の椅子を引いて、おすわんなさいよ、と言わんばかりの絡み
彼がエルフ、という長命種について知っているのであれば、なんともまぁ人間くささが垣間見えるだろう
知らなくても噂に聞くなら、ちょっと変わりモノだな、ぐらいの印象は与えそうである
■影時 > 他所の国で故郷のモノと思うものと会う。または遭う。
こういう出来事は無いとは勿論言いきれず、同様の事例はいくつも体験している。体感している。
直面すると都度、不可思議な感慨を抱かずにはいられない。
故郷とはどこまでもついてくるものでもあり、縁とは己が忘れ去っても絶えずに続くのか――等々。
脳裏に過る諸々の思いを、頭を振って払う。腰に差した刀を鞘ごと外しつつ、響く声に頷いて。
「そう云われると照れるねェ、お嬢ちゃん。
俺の見立てが間違いなけりゃあ、多分そうだろう。あぁ、何処の出とかは云わなくても良いからな?店主さんよ」
店の中に這入り、後ろ手に引き戸を締めながら中を見回そう。
見るべきものは色々あるが、手近ですぐに目に入るのは先客である尖り耳の娘だ。
既に出来上がっているような口ぶりの言葉に、は、と口の端を釣り上げつつ答え、引かれる椅子の方に向かう。
カウンター席に刀を立てかけ、袴と羽織の裾を払って座せば、忝いと先客に黙礼しよう。その後、木札を見遣る。
「……俺も熱燗をくれ。
あとは、そうだな。今日のおすすめと、刺身はあるかい?酢で締めた奴でも良いが」
ぱっと目についたものをとりあえず頼みつつ、横目に出来る先客を観察しよう。
エルフという種については、知己が数人いれば知れるものはあるが、多くを知っているとは言い難い。
若いのか、若くないのかというのは、話してみて漸く知れるというものもある。
立ち振る舞いを見るに、少なくともまだ若い――といわれる部類であろうか?と。そう見立てよう。