2023/12/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ > 「昨夜はちィと飲み過ぎちまったか……。
 オヤジ、キンキンに冷えた水をくれ」

この時期の街は賑やかだ。
祭りにあまり興味のない男だが、祭りに乗じて酒や食事が安く豪勢に提供されるという楽しみがある。
お陰で寒い季節にも関わらず、平民地区の露店は大賑わいだ。
男もその賑わいにあやかって酒と食事を堪能し、知り合った連中とひと騒ぎした後に宿屋へ戻って、昼過ぎまで睡眠を貪ってから起き出してきたという状態。

冒険者や商人がよく利用する大きな宿の一角にある酒場は、まだ昼間ということもあり客は他におらず。
カウンター席に腰掛けて主人に注文を告げると、程なくしてジョッキ入りの氷水が運ばれてきた。
氷水では金は取れないが、普段からよく利用しているお陰で、この程度の頼みならば聞いて貰えるようになっている。

「――昨日は飲み食いに夢中で、帰る頃には声をかける女がいなかったのは惜しかったな」

騒ぎ浮かれた女に声をかけるより、美味い食事にありつくことを優先してしまった昨晩。
夜ともなれば欲求不満を抱えた冒険者相手に商売すべく、娼婦がこういった宿屋へ営業をかけに来ることも珍しくないが、なにせ今は真っ昼間だ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からラッツィオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/露店通り」にリュシアスさんが現れました。
リュシアス > 冬至祭りの季節も過ぎ去り、店を出す商人達の姿も客足も疎らとなった露店通りの一区画。
もう一週間もすれば今度は年越しを祝う祭りで賑わう事になるのであろうが、それもまだ先の話だ。

「――――ふーむ………。」

その中で未だ冬至祭りの名残を惜しむように――などと言えば聞こえは良いが、実の所は売れ残りを早い所捌いてしまいたいのが本音であろう。
元の価格を打ち消すように上書きされた値札の掛かる品々を物色しながら、唸り声を上げる男の姿が其処に在った。
その視線の先に並ぶのはブローチにネックレス、髪飾りといった装飾品――それも男の出で立ちには些か不似合いな、女性向けのものが大半だった。

リュシアス > それからその場で悩むように物色を続ける事暫し。
最終的に男が手に取ったのはひとつのブローチ――花を象った装飾の施された台座に淡いエメラルドグリーンの宝石があしらわれたそれを、値札に綴られた値引き額からほんの少しだけ色を付けた代金を店主に手渡すと。
周囲の光を受けながら不思議な色合いを放つ其れを月明かりに翳しながら、何処かのんびりとした足取りで帰路に就くのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/露店通り」からリュシアスさんが去りました。