2023/10/01 のログ
ロロ > 「そりゃそうだ。 ――最初から御存知でしょう? こちとら、犬、なんだから」

犬から嗅覚を取ったら何が残るというのか。僅かばかり苦笑めいて目元を細めるものの。
それ以上の愛想を見せ、例えば、にっこりと微笑んでみせる――ような可愛気は。発揮出来そうにない。
とはいえそれでも。この場合、目の前の男に逆らえば。不興を買えば。犬自身にとってだけでなく、”今の飼い主”にとっても、どれだけ迷惑がいくのかを。
かねがねの噂から容易に想像出来てしまう分。拒む、抗う、等といった素振りを見せる子とはない。
彼方が腕を掴んでくれば。強く引かれて痛みを感じるよりも先、自発的にするりとスツールから滑り立ち。
相手に従い促される先へ、そのまま着いていく事となる。

「 ……ぁぁ。けれどこれは……面倒臭い事になるんだろう な――」

ぽつり。酒場を出て夜闇に紛れるその間際。零した声音は実に怨めしげ。
そんな怨み節を向けられた店主も、客達も。だが自分の身や生命が大切なのだろうから…仕方ない。
この場で只独り。自身の身よりも仕える主や、其処に通じんとするこの貴族――をこそ一番に考えねばならない、ミレーの飼い犬。
連れ去られた先、男が今宵借り受ける事となった、その犬を。如何様に扱うのかは未だ知れず――。

ロロ > 【移動いたします】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からバーンハルド・ストルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 「…よし」

ある日の平民地区の古書店。開店の準備を済ませた目立たない少年は、感情の起伏というものが
見られないながらどこか達成感を滲ませる声色でそう漏らすと、静かに店の扉を開けた。
店の方角の関係で陽光が店先に差すことはないが、代わりにその向かいの景色は明るく太陽に照らされている。
その光景にまぶしげに少し目を細めてから、扉の掛け看板を反転させ"CLOSE"から
"OPEN"に変え、開店の作業を完了する。
あとは店内に戻り、いつもどおり悠々と読書しながら来るかもわからない客を待つ…そう思って
いたところで、こちらに近づいてくる足音が聞こえる。
珍しく開店早々の客の訪れか、それともなにかまた別の用向きか…
ともかく少年は緩慢な動作で顔を振り向かせてそちらを見た。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。