2023/09/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に玉藻さんが現れました。
玉藻 > データをロードしますか?
はい  <]
いいえ

王都マグメール、平民地区、そのどこか。
人目の付かないその場所で、ぽふんっ、と煙が巻き起こる。
その煙はすぐに晴れるのだが、何もなかったその場所に、気付けば子狐幼女が一人…一匹?まぁ、どちらでも良いか。

ここではミレー族と呼ばれるだろう、その容姿だが。
どちらかと言えば、シェンヤンに居る妖怪に近い存在である。
肩で切り揃えられた玉子色の髪を微風に靡かせ、きょろきょろと見回すのは赤味を帯びた金色の瞳。

「お、おぉ…ナズナめ、またわらわを訳の分からぬ場所に…
しかし、ここはどこじゃろうかのぅ?
少なくとも、宿の中ではないんじゃろうが…」

聞けば訳の分からない呟きを零し、何かを探るように、瞳を閉じて、ぴん、と耳を立てる。
まぁ、探るようにと言うか、実際に周囲に何か無いか探っているのだが。
ゆらりゆらりと尻尾を揺らし、周囲の音に耳を澄ませる。
何でもいい、物音が聞こえたならば、当然のように突貫するつもりなのは秘密だ。

玉藻 > 「む、む…むむむ…」

ぴこぴこと揺れる耳、しかし、何ら反応がないところを見れば、何も聞き取れないのが分かるだろう。
それはそうだ、人目の付かない場所に現れているのだから、何かある訳がない。
しばらくは、そうして続けているのだが…

「………飽きた」

と、そんな言葉が零れれば、瞳を開き、再び周囲を見回して。
ぴた、と視線の先が止まったのは、どこに続くか分からない、薄暗い路地。

「きっと、道はどこかに通じておる…行くのじゃ!」

かっ!と見開く瞳、どう見ても、薄暗い先に開けたような灯りは見て取れない。
だがしかし、一度決めたら曲げられない、それがこの幼女だ。
怖い物知らずなのか、何も考えていないのか。
…きっと後者であろうが、ともあれ、だっ、と幼女は駆け始めた。

薄暗い路地、時折、曲がりくねる道。
誰か居たらどうするんだ、と言われそうな、この状況。
幼女は、風を感じながら、そんな路地を駆け抜ける。
まぁ、誰かが道を通っていたら、間違いなく激突するのだろうが、気にするな。

玉藻 > そんな状態が、いつまで続いた頃合だろう。
薄暗い路地、道を外れる事無く駆け続ける幼女。
だが、それは偶然にも、急な曲がり角がなかったから。
ここまで続いたのは、Y字の分かれ道ばかりだったからだ。
しかし、それもいつまでもは続かない。

突如現れた、目の前のT字の分かれ道。
だが、幼女は足を緩めない…その結果。

「あ…ちょ、まっ…!?」

気が付いた時には、もう遅い。
一気に壁が…正しくは、木製の囲いが目の前となって。

ばきゃぁっ!そんな路地に響き渡る、破壊音。
その音に、驚き近付いてみてみたならば、そこにあるのは、大きく穴の空いた木製の囲いの一部。
もしくは、そこに住んでいた者ならば、自分の家の囲いが壊れた跡が見える事だろう。
それと、それを破壊したと思われる、目を回し気を失っている幼女。

玉藻 > さて、そうした者達が居ないならば。
そのまま、目を覚ますまでは、何事も起こらずに済むのだろう。
…と、そう思われるのだが。
いつのまにか消える、幼女の姿。

そこにあるのは、ただ穴の空いた木製の囲いであった。

データをセーブしますか?
はい  <]
いいえ

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から玉藻さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王都 平民地区/雑貨商店」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 「……いつのまに」

ぼそりと呟いたのは、自身の店の一角において。

王都の平民地区、大通り沿いにある雑貨商店。セリアスが会頭を務める商会の、一応本店である
全体的なレイアウト案であったり、出す品については当然セリアスの指示が中心なのだけれど。
いくつか店員の裁量に任せているコーナー、棚が存在していて。

普段良く出る、さっと見つかった方が助かる普段使いの消耗品類などは、売れ筋を把握している者が。
なにかを探し出す感覚で棚を見ること自体が楽しいような、
見た目が凝ってあったり、必須ではないけれど便利、というようなものは、そういう遊び感覚に優れた者が。

そして店の奥で、区画が分けられてた先の場所では夜の生活を充実させるようなものも置いてある。

歓楽街で働く者たちがよく物色しているので、男一人、女一人というような、
そういう客からも案外近寄りがたいという雰囲気でもないようで、それなりに好評を博しているのだけれど。

そこの管理担当は自ら己はむっつりなんで、と日頃冗談めかしている者。
一応は、セリアスも目録自体には、目を通していたはずなのだけれど――……

気付けばそこはやたらと充実していた。
ローションや一人遊び用の道具類はかわいいもの。

避妊具、特殊なプレイに使うような道具、衣装、卑猥な下着。
男性のモノに取り付けて持続力と同時に女性への刺激部位を増やすという触れ込みの道具。
これは不敬だとして下手すれば何か言われるのではないかという、騎士"風"の服。

それぞれ個数は限られているものの、ちょっとした見本市のようで。
こういうのを考えて作るのが好きな職人は確かに商会で囲っているが。
棚担当職員と、その職人が遺憾なく趣味を発揮した結果が、そこにはあって。

ご案内:「王都マグメール 王都 平民地区/雑貨商店」にランヒルド・ダールさんが現れました。
ランヒルド・ダール > 軍人、兵士、職人、官僚──いかなる人間であれ、私生活は存在する。
日頃は厳めしい軍服姿で王宮を闊歩する女文官も、今宵は私服で──あまり気合いの入っていない格好で出かけていた。
単純に、日用品の買い出しである。
高級品なら富裕地区に行けば良いが、日常使いの品を手広くということなら、平民地区の商店が勝る。
特にこの店は、私宅から距離も程近く品ぞろいも良く、割と頻繁に訪れている。……この、地味な服装で。

そして一通りの買い物を済ませ──持ち帰るのではなく、家へ届けるように手配をして。
用件から解放され身軽になった女は、何気なく見渡した折に視界に入った、いっそ禍々しい気配の生ずるコーナーへ訪れていた。

「……わ。わー、わー……割と良く出来てる」

文字列があると、つい読んでしまう性分。〝夜〟向け商品の宣伝文句まで、じっくり目を通してしまう。
騎士の衣装を模した、だが生地は妙に薄っぺらい服を見れば、袖口の意匠に顔を近づけて眺めたり。
……視野が狭くなっている。そもそも近眼なこともあり、

どんっ、と貴方にぶつかってしまう。

「あっと、失れ──────」

振り向いて謝罪の言葉を述べようとし、口を開けたままで硬直した。
こういう場所で知人に会う気まずさは格別であった。

セリアス > まじまじと棚を見るのは、よくもここまで、という店員への感心の思いと。
いやこれはいっそ別店舗でよくないか? という複雑な心境から。

そもそもこういう商品は専門店は少なく、娼館やらそういう仕事の場所に降ろしたりが多い。
ゆえに、雑貨商店にひっそり置いておくと色々と密やかなニーズが知れたり、などもあって。
しかしひっそりという状態でないのを、どうしたものかと思っていたら、身体にぶつかる感触。

「っと、いえ、こちらが……道を、塞いで、いたので」

肩口にぶつかった相手に、謝罪の声を返そうとしては言葉が途切れ途切れになる。
目の前にいたのは、見間違えようもない、知人の顔。

幾度も王宮や貴族たちの屋敷で、取引や交渉の場で顔を合わせ、
その縁から何度もお互いに便宜を図り合い、良き取引を続けている文官の女性。

自分の店を伝えていたことは、あっただろうか。なくても商会の店というのは、わかるかもしれないが。
互いにそれぞれ忙しい身であるから、店先で出会うのは初めてで。

ちら、と、彼女が見ていた騎士衣装を視界に映し。
"不敬罪"が脳裏をちらつき、ぎぎぎ、と、軋む音がしそうなくらいゆっくりと、視線を戻して。

「……お買い物ですか、ランヒルド様。ご利用いただき、誠にありがたく」

当たり障りも無い挨拶だが、如何せん場所が悪い。
これではまるで、彼女が性生活を大いに盛り上げる品々を利用していると、そう揶揄するようでもあって。

ランヒルド・ダール > 口が開きっぱなしで固まったまま、視線がせわしなく周囲に飛ぶ。
仮装用の衣装から手を離し、背筋を伸ばした普段通りの立ち姿に。
とは言え軍服姿ではなく、人と会うことを考えていない地味な私服姿ではあるが──。

「ひっ。……ごほんっ、ごほんっ」

思いっきり声が裏返った。咳払いを幾度か繰り返す。

「……久しぶりですね、セリアス殿。その、……なんとも、その、妙なところでっ。
 あっ、いえ、別に利用してるわけじゃないんですよ!? ちょっと見てただけで──」

気まずさに混乱しているのか、誤解を生じる自己弁護。
実際、商品を見ていたことは間違い無い。周囲に他の客がいれば、さぞや赤面させられる羽目になっていただろう。
顔の前で両手を振り、重ねての否定を繰り返す。相当に泡を食っている。

セリアス > 普段、きっちりと細部までをお手本のように整えた軍服姿しか見ていないからか、
簡易なデザインの上下を纏った彼女の姿はどこか新鮮に見えて。

いつもは隙の無い才女ぶりを見せ、その眼鏡の奥は油断なくこちらを射抜くのに。
今日の彼女のレンズ越しのそれは、状況のせいでどこを見るかも定まらないよう。

声を跳ねさせ、喉とこの状況と、自分の慌てようを誤魔化す様な咳払い。
それを聞いてから、普段は見せてくれなかった彼女の姿に、男の内心に悪戯心が湧いてくる。

「最近は隊商に出たりで、取引も部下任せでしたからねぇ。
 ……おや、そうなんですか? ……もし、ご愛顧いただいているなら、他でない貴女ならサービスしますし」

"それに、特別な試供品などもありますよ"、等と。あわてる彼女の耳元に囁きかけてみる。
彼女の体面の為に、こっそり耳打ちしたようにも見えるし、妖しく誘うようにも聞こえたかもしれない。
男はどこか普段の取引の際よりも生き生きとした様子で――笑みは普段と変わらぬままでいて。

ランヒルド・ダール > 普段の軍服が強調する、ほっそりとした手足と、案外に豊かな胸元。
そのいずれも、この野暮ったいとさえ言える私服では目立たず──目立たないからこその服装なのかも知れないが。
故に、女ひとりでこのようなコーナーに迷い込もうと、声を掛ける悪党もいなかった訳だ。
……或いは、最大の悪党をひとり釣り上げてしまったのやもしれないが。

「なんっ……!? だ、だからっ! 別に利用してるわけじゃ────」

耳元へ吹き込まれる声に、またも弁解を繰り返す。
だがその声は語尾へ向かうにつれてか細く、力のないものへ変わっていく。
耳腔を撫でる吐息に力を削がれたか、或いはその言葉に──久しく仕事漬けだった身体を疼かせてしまったか。

「──その、あの、時々……本当に、時々……そういう、もの、は……」

背中を丸め、俯いて、視線を床へ向けたまま棚を指差す──ディルドだとか、魔石を組み込んだバイブレーターだとか、並ぶ棚。
言い訳のしようもない〝ひとりあそび〟の為の道具類を指し示して、女の頬はかあっと赤く染まる。

セリアス > かくて悪党は普段通りの笑みの中に隠して愉悦を楽しんでいるところ。
いつも王宮で拝見するのはきちりと着込まれた格好が魅せる女らしい身体。
そしてその印象を塗り替える、しっかりとした管理能力。
交渉事は多少苦手と聞いていたけれど、その様子はいま、目の前で自分の発言を覆す様子からも、見て取れて。

「おや、おや。ええ、ええ。ではやはり、ご愛顧の御礼をさせていただければ。
 お時間が許すのなら、どぅですか? もちろん、お客様の秘密はお守りいたしますよ」

そっと、この日の装いに隠された彼女の細い腰元にと、腕を伸ばそうとしながら。
彼女が否やと言わないのなら、そのまま、さぁ、さぁ、こちらへ、と。

店の奥へと、彼女を誘い込んでいこうとする。

途中、彼女の興味を引いたらしい道具類も、いくつか手近にあった籠に放り込み。
どういったものが好みか、などと、ここぞとばかりに羞恥を煽るように囁きかけながら。

ランヒルド・ダール > 腰に回される腕に身を委ねた女は、小さく頷いて歩き始める。
スカートに閉じ込められていた身体のライン──くびれたウエストから広めの骨盤へ続く曲線を貴方の手へ知らしめつつ、
足取りはゆったりとしたもの。だが、重くはない。促されるままに歩を進め──

「……あなたは本当に、悪趣味ですね…………ぇ、と……その、それも……」

ここが知人の店であることは把握していた──故に、頻繁にこのコーナーを訪れている訳ではないが。
とは言え、立地と品揃えという条件は中々捨てがたい。
〝そういう気分〟が高まって、細かいことを考えられなくなった折、幾度か買い物をしたことはある。
ご愛顧──というのも、あながち嘘ではないのだ。
そして、学問と書類仕事で培った記憶力。どこにどのような商品が置かれているのか、一通り把握してしまっていた。
殆ど俯いたまま、好みの品を指差す。指差したものが籠へと放り込まれる──例えば、
球が幾つも繋がったような形状のディルド。挿入するにつれて徐々に球が大きくなる開発用の玩具。
革の手錠、首輪。あからさまな拘束具は、自分ひとりでは楽しめないもの。相手がいる事が前提の道具。

「……別にいつも、こんなものばかり買ってる訳じゃあないんですからね。
 今日は、……そう! ちょっとそういう気分だっただけなんですから……! ……あっ、あとそれも……」

体内に挿入して膨らませる、拡張バルーン。これは今まで手を出したことのないハードな玩具。
相手へのというより、自分への言い訳を口にしつつ、店の奥へと──。

セリアス > 【移動致します】
ご案内:「王都マグメール 王都 平民地区/雑貨商店」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王都 平民地区/雑貨商店」からランヒルド・ダールさんが去りました。