2023/08/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエンさんが現れました。
エン >  
市で賑わう大通りから幾らか離れた橋の袂。散歩用の遊歩道。
随所に設置された花壇や透き通る川の流れやを眺めて歩く人、
随所に設置されたベンチへと腰掛けて休んでいる人、
其処に混じってベンチの一つに腰掛けて背を丸めて一休みといった風情でサングラスを川へ向けている。

「……」

サングラスの奥にある瞳はぴったりと瞼を綴じた侭右手を右耳に当て聴力の回復中。
偶々通りがかった商店で店員がミスをしたのか派手に硝子を割った音が響き渡って、
音を拾って視界を形成している身としては此れがかなり耳に突き刺さったのだ。
耳鳴りがしてしまって、周りの音が全く聞こえない、訳ではないが聞き難く歩き難い。

「……杖を持つべきか……」

こういうアクシデントもあるので備えも必要だろう。
が、しかし、盲目ですと訴えるような格好は……
あまり治安の良くない此処では余計な厄介事を招きそうで憚られる。
ん~~~……なんて悩ましげな声を上げつつ、
中々通りがよくなってくれない耳を擦った。

エン > 「ぃよし。何とかなってきた」

上の橋を行き交う足音の種類や、川の流れを泳ぐ魚の数まで、大分音を拾えるようになってきた。
それでも健常人の視界で例えるなら視界がまだぼやけた状態だが歩いて帰る程度なら十分出来る。
腰を持ち上げ、踵を返して、用事はあったが後回しにして一旦宿へ戻っていく――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエンさんが去りました。