2023/07/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にさんが現れました。
> 平民地区にある冒険者ギルド。
酒場を兼用としている一階、依頼が張り出された掲示板の前に少女は突っ立っていた。
ただ、そのワンピースドレス姿から、その少女が冒険者なのかはわからない。
自分が出した依頼を確認しているのか、今日は依頼を見に来ただけの冒険者なのか、判断は難しいだろう。

ボーっとした雰囲気を漂わせながら掲示板を眺め、時々小さく首を傾げてみせてその度に艶のある黒髪を僅かに揺らす。

では本当はどちらなのかと誰かしらに聞いてみれば。
きっと受付嬢か誰かが彼女は冒険者なのだといった答えをくれるだろう。
まだまだ駆け出しで知名度は低いが、関わった冒険者等からは『戦うだけなら特級品』との評価があるからだ。

それ以外を聞かれた場合、誰からも回答は無いのだが。

> そんな彼女だからこそ、探す依頼は戦う事だけを想定したもの。
しかし、立場上は駆け出しとの立場が邪魔をして良い案件が見付からないのだ。
その手の多くは討伐系となる依頼、それはより確かな腕と実績が求められる。
当然、彼女に足りないのは実績であった。

一応は護衛の依頼も偶にあるのだが、そちらは討伐系と違って毎度あるものではない。
突っ立ったままであるのは、今回、その手の依頼がないからである。
その結果、それ以外でなんとか出来るものはないかどうかを探す事となって、この状況なのだ。

因みに彼女は分かり易いものか、冒険者らしい依頼以外は内容の理解に到っていない。
裏があるような小難しい依頼とか、手を出さなくて済むのはある意味では救いかのかもしれないが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 日曜大工ならぬ休日冒険者として男は冒険者ギルドの扉をくぐった。
少女の背後で立ち止まり一度掲示板をさっと眺め目ぼしい依頼を探す。
少女を見下ろすとその視線の先を見る。頭が僅かに動いていることから仕事を探す側なのだろうと考える。
おそらく駆け出しで何かないかと探しているのだろうと、微かに頬を緩ませた。
ふむ、と呟いてから受付へと向かうとギルド職員といくつか話す。腕が立つという話を聞いて目を見開くと、少女へと首をめぐらせた。
男の半分どころか、三分の一すら生きていないように少女は見える。

「……よぅ、お嬢ちゃん。退治の仕事を探してるのかい?」

少女の横から近づいて、顔を向けるようならば掲示板を親指で示す。
男は少女よりランクは上。とはいえ、年齢にしてはランクが低すぎる。
男は再度退治依頼を見た。ゴブリン、オーク、ワイバーン……様々だ。

「どれか、これを受けたいってやつはあるかい?」

雑談なのか、何か意図があるのか。男は半歩離れ掲示板を向いて少女の横に立つ。

> そんな、掲示板を眺め続ける時間が不意に途切れた。
相変わらず突っ立ったままの少女の隣、新たに冒険者らしからぬ男性が追加され、そんな彼女に声を掛けたのだ。

これは偶然なのだが、その声が自分に向けられたのか、その時には気付けずにいた。
『お嬢ちゃん』に該当するのは自分もそうだと思ったから、他に誰か同じ様な少女が居ないかを確かめる為に掲示板から視線を外し…
そこで男性がそんな自分に気付いて指で何かを示す動作が見えたので、それが自分なんだとやっと気付いた、との流れである。

一見すると一般人のようなラフな格好。
だが質問の内容から同じ冒険者だとは、さすがの彼女にも何と無く分かった。
もう一度、カクンと小首を傾げてから少しの間。
ニッコリと屈託の無い笑顔を浮かべてみせて。

「はい、そうなんですよぉ。
鈴は戦う事だけは得意ですから、何かあるかなぁって思ったのですけれど…
いつもいつも、見付けるのが大変なんですぅ」

その格好だけを見たら、明らかにそうは見えないと思える少し間の伸びたゆっくりとした返答に聞こえる。
しかし職員から彼女の話を聞いた彼ならば、少しは違った考えとなっているだろう。
だから、次の質問も投げ掛けているはずだ。

そんな彼の質問に、彼が示した依頼に目を通し。
また少し考えた様に間を置いた後に。

「うぅん、鈴は戦わせて貰えるなら、何でも良いですねぇ」

彼の意図は理解せずだが、そんな答えを事も無げに返してみせるのだった。

ヴァン > 男が声をかけてきたのは好奇心からのようだ。
戦うのが上手いのは本当なのだろう。とはいえ、伝聞はあてにならない。
ワイバーン一匹無傷で倒すのも、山賊のアジトを非殺で壊滅させるのもどちらも凄腕だ。
その実力のほど、方向性を見てみたいという興味。
この街でよくある、女性相手に下心を持って――というのではなさそうだ。

おっとり、のんびりした口調と内容のミスマッチに笑みがこぼれる。
彼女のランクで受けられる荒事は限られているだろう。
少女の装いからすると軽戦士か魔法職に思える。一見すると武器はないが、どこかに置いているのだろうか?

「戦う――と言っても、色々ある。
そうだな。じゃあ、この二つのうち、どちらがいい?
一つはワイバーンの討伐。殺せばいいが、空を飛ぶ相手への攻撃が必要だな。
もう一つは山賊の壊滅。殺さずに捕縛した分だけ見返りが増える」

単純な金額であればワイバーンの方が高いが、山賊の方は捕縛のボーナスがある。略奪品も後者の方が貯め込んでいるだろう。
奇しくも、対象の所在地は双方街から徒歩で二時間程度の距離。今から出れば十分夜までに戻ってこれる。
どちらも男のランクでは受けられない筈だが、任せておけとばかりに笑った。

> 彼は好奇心から声を掛けてきた様だが、彼女は何時も誰もと変わらない通常運転だ。
答えた言葉に笑みを浮かべる彼に、不思議そうに首を傾げたままジッと見詰める。
特に何かを探る様な視線ではなく、単に会話をする時に視線を合わせるタイプだから。

そんな彼女へと、彼は次の質問を与えて来る。
ワイバーン討伐と山賊壊滅、その二つの選択肢に説明を加えて。
説明が入れば、それはそれで少し答えを考えてしまうのだけれど。

「鈴としては、どっちも大丈夫ですけどぉ…
うぅん……そうですねぇ、ワイバーンの方が、鈴には簡単そうですぅ」

そう答えたのにはちゃんと理由がある。
ワイバーン討伐での攻撃手段はあるが、山賊の捕縛に自信がないのだ。
だから依頼の達成としては大丈夫だが、どちらかの選択ではワイバーンを選んだ、との流れであった。
もっとも、それを変わらない笑顔のままであっさりと答える少女に対し、どう彼が思うのか。

ヴァン > 「ワイバーンか」

簡単そう、という言葉に感心したように頷いてみせた。
少女は男の実力を計算には入れていない。つまり、おそらく単独で倒すことができる。
こともなげに言うのはその自信に根拠があるからか。周囲の評判は伊達ではないということか。
ちょっと待っていて、と言うと男はワイバーンの掲示を剥がし、受付へと向かった。二言三言受付嬢と会話すると少女の元へ戻ってくる。

「今、ワイバーン退治を受注してきた。協力者として一枚嚙むかい?
……っと、自己紹介がまだだったな。ヴァン、という。
得物は打刀。回復もできる軽戦士と思ってくれればいい。君は――鈴さん、というのかな?」

言い終わってから何事かに気付いたのか、酒場のテーブルを示す。
男と少女の身長差はおよそ30cm。見上げ続けるのも辛かろうと椅子に座った。
少女も座ったならば話を再開するだろう。

「もし協力してくれるなら、ギルドには依頼完了報告の際に君と協力して達成した、と報告する。
報酬の取り分だが、六体四でどうだ?俺が依頼を受けた分、二をもらう。残りを折半だ。
君に十分な実力があれば、次はもう少し難しい依頼を受けようじゃないか」

そうやって退治依頼を繰り返しこなせば実績が積み重なり、やがてランクが上がる。そうなれば一人で受けられる退治依頼が増える。
少女にとっては悪くない内容だろう。男はその分楽ができるのがメリットと言える。

ただ――少女は疑念を持つかもしれない。
この男は先程受付嬢に話し、依頼を受注した。本来ならばこの男単独でこの仕事を遂行できる、という意味でもある。
それをなぜ、わざわざ二人でやるのか。楽をするというのも十分な理由ではあるが――。

> 「はい、そうですよぉ」

再確認か、確かめる様にもう一度言う彼に頷き答える。
と、その答えを聞いた彼が依頼書を剥がして受け付けへと持って行った。
察しが良ければその行動にすぐ理解を示せるのだが、彼女にはそこまで察する程の理解力は無い。
依頼を受注し、戻って来た彼がそれを伝えた時でさえまだ気付いていない程で。
少女はまだ首を傾げたままだ。

「えぇっと…?
あ、分かりました、ヴァン様ですかぁ。
鈴は、鈴と言います、戦うだけなら得意ですねぇ」

そう答えながらも、彼が酒場のテーブルを示したならば、その後を付いて行って。
チョコンと椅子に腰を下ろしてから、改めて彼を見詰めて話の続きに耳を傾ける。

「鈴は戦う事しか出来ませんし、難しい事は分かりませんから、全部お任せしますよぉ?
鈴を連れて行ってくれる人達には、何時も何時も色々とお世話になりっぱなしですからねぇ」

その答えから、彼女はそこまで報酬に拘りが無い、または無頓着だと考えるだろうか。
その言葉がどこまでのものを指しているのか、それを彼が知ればきっとその理由も分かるはずだ。
彼女は嘘偽りのない真実を彼に何度も伝えている。
細かく伝えるなら『討伐依頼を受ける上で、出来る事が本当に戦いだけ』との主張を。
更に言えば、相手が伝える場合もそうだと彼女は考えている。
相手の言葉に一切の疑念を感じている様な雰囲気が全く無い事で、それは彼にも分かるかもしれない。

ヴァン > ややあってから分かった、という声に少し首を傾げる。
実力は十分ありそうだが、冒険者としての経験は浅そうだ。

「……そ、そうか? その、報酬は結構大事な要素だと思うが。割合に不満がないならいい」

この子大丈夫だろうか、という表情になる。
先程受付嬢が言っていた『戦うことだけなら彼女は凄い』という言葉が脳裏をよぎった。
少女自身も『戦う事』『戦うだけなら』と言っている。
己は好奇心からこの話を持ちかけたが、悪知恵が働く冒険者ならば戦力として雇うだろう。
この様子なら相手の都合のいい分配にされていても彼女は文句を言わないのではないか……?他人事ながら不安になった。

「よし。ならば善は急げだ。今から行けば夜には祝勝会ができそうだ。
ワイバーンの『狩場』に顔を出せば向うさんから襲ってきてくれる。そこを仕留めよう。
――あぁ、そうだ。討伐の証明は角を二本だから、くれぐれもそこだけは原型を留める程度にしてもらえるかな」

もはや少女の強さを疑ってはいない。むしろ、強すぎる――加減ができない可能性を懸念していた。
先程のワイバーンと山賊の二択で即答したことから、彼女にとって山賊が『弱すぎる』、簡単に壊してしまう可能性に思い至る。
少女が見た目通りの人間ではないのは確実だ。だが、討伐証明ができないくらい強いとなると話が変わってくる。
討伐の証明はギルド職員が現地に赴き確認するという方法もあるが、時間がかかるし報酬も低くなってしまう。

「場所は街の北西、平原地帯。一緒に行こう。倒した後も、一緒に街に戻ってくる方がよさそうだな」

> 自分の答えに、どこか不安そうになる彼の様子。
だが何に対しての不安なのかは分かっていない為に、彼女はただ不思議そうにしたままだ。
とりあえずは話が纏まった様に感じたか、彼の言葉に大きく頷いてみせる。

「お金は大事です、分かってますよぉ?
ご飯を頂くのにも、色々として頂くにも、お金が必要ですからねぇ」

そう笑顔のままで答える少女。
報酬=お金、それが大事であるのは彼女の言葉でも分かるだろう。
それでも、彼女の言葉は良く聞いてみると、色んな部分で首を捻ってしまいそうな部分が所々にある訳で。
後は、それをどこまで彼が気にするかどうか。
彼が今考えた事の一部は実際にあったのだから。

「鈴はいつでも大丈夫ですから、ヴァン様が大丈夫なら直ぐに向かえますぅ。
……?
そこは大丈夫です、ちゃんと倒した後には捌きますから、そんな勿体無い事はしませんよぉ?」

そして直ぐに向かうつもりで彼がいるなら、彼女もまたそれで大丈夫だと答えてみせる。
ただ、ここでもまた不思議な発言が見え隠れするだろう。
証明する部位を残す、それは大丈夫そうではあるが。
『捌く』『勿体ない』それが何を指しているのか考えさせられるかもしれない。

「分かりましたぁ。
えぇっとぉ…それでは、一緒に向かいましょうかぁ」

向かうのも一緒、戻るのも一緒。
そうする事の、彼のその判断は正しかった。
もし彼が、少女一人では迷うかもしれないと考え、そう言ったのなら。
その考えに間違いはなかったからだ。

ヴァン > 報酬については理解した上で、分け前についても不満がないことが確認できた。
少し、いや結構街での生活能力に疑問符がつくが、この年齢くらいの少女だとそんなものなのだろうか。
極端な環境、たとえば戦場に長くいると平時の過ごし方を忘れるというが――。

「見た所武器は持っていないようだが、鈴さんは格闘家か何かかい?
『捌く』?ワイバーンの肉は脂が少なくて美味しくないって言うが」

魔術師ならば魔法発動体、杖のようなものを持つのが一般的だ。すぐ出発できるという言葉に、疑問を口にした。
魔物の部位は錬金術の材料として使われることもある。少女が希少部位を知っているのかはわからない。
男も詳しくはないが、希少部位の何点かは知っている。助言くらいはできるだろうと考え、冗談を言う。

「そうだな。……手は繋がなくて大丈夫かな?」

途中ではぐれたら、この子は迷子になってしまうかもしれない。星や地形から現在地を知り、街に戻るのに時間がかかるかも。
出会ったばかりということもあり杞憂とは言い切れない。それでも冗談は忘れない。
庇護欲のようなものが湧き上がってくるのを抑えつつ、席を立つ。
そのままギルドを出て、男は適切な助言を繰り返していくだろうか――。

> 彼が色々と疑問に思うのは当然の事だろう。
それ程に彼女の生活能力は皆無に近いのだ。
それが言葉だけでは正しく伝わっていない、それだけなのだから。
それは何れ、彼は知る事が出来るのか、出来ないのかは後々の事となろうか。

「うぅん…一応は刀がありますが、使う事は滅多にないですねぇ。
でも、格闘家ではないですよぉ?
それでも、お腹は満たせますので問題ないですぅ」

自分の力をどう相手に説明するのか、彼女にとってはそれが何時も悩み処ではあるだろう。
だから、示された予想には素直に答えてはみせるに留まる。
そして部位については、少女は食べれるか食べられないかでしか判断は出来ないのだが…そこも、また何れは知る事が出来るのかもしれない。
ただ、今の質問で少女がワイバーンでさえ食べる気満々である事は確信が持てるはずだ。
冗談が真実の一部を導き出した、その瞬間であろうか。
それを笑顔で答えるのだから、笑い話にもならないだろう。

「鈴は構いませんよ?それでは、手を繋いで行きましょうかぁ」

心配から紡ぎ出された言葉だが、やはり少女は真に受け止めた。
彼が席を立てば、続いて彼女も席を立ち、そう彼へと返すと共に手を差し伸べるのだ。
その手を取って行くも、そうしないで行くも、それを決めるのは彼。
そうして、ギルドを出た後は色々と助言などを受けながら目的地へと向かうのだった。

その依頼がどう達成されたのか。
それは二人のみぞ知るところだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からさんが去りました。
ご案内:「公園 平民地区2」にエルビー・カルネテルさんが現れました。
エルビー・カルネテル > 今日も学校帰りに飲食系の屋台を見て回った余。
いつもいつも余が知らない食べ物を知ることができるのだが、
今回も見慣れない食べ物を買ってしまったので公園のベンチでじっくり見て回る。

「ほ~~~、これがそうか…。」

まずは小さな入れ物の蓋を開ける。
蓋を開けると丸い小さな食べ物がたくさん並んでいる。
食べ物の上にはタレが塗ってあり、食欲を注ぐ香り。

「ほうほう、これで食べるのだな。」

添え付けの小さな串のようなもので丸い食べ物を突き刺し、口に運ぶ。

「~~~~~!」

…しまった。 出来立てなのでとても熱い。
余は吐き出さないように注意しながらベンチの上で悶えてしまう。

「今のは熱くてゆっくり味わえなかったが、これは珍しい味だのぅ。
これがたこ焼きと言うのか。」

エルビー・カルネテル > ちなみに、今日の余はただ買い食いをしているだけではない。
今は夏だが秋になると学院では文化祭というイベントがあるらしい。
その時の出し物にしようと思っているのだ。

「専用の型を用意するのが大変そうだが、
他は練習すれば余たちでもできそうじゃないか?」

たこ焼きを串? 爪楊枝? で分解しながら分析する余。