王都マグメール内の平民地区。
その名の通り「平民」が多く生活する。
王都内でも特ににぎわう場所であり、大通り、広場、路地裏、宿、酒場、冒険者ギルド、奴隷市場、衛兵詰所などの様々な施設や商店が存在している。
多くの種族、身分の人間が往来する場所である。治安も比較的良い方である。
しかし、それが絶対というわけではない。
濡れ衣を着せられた平民や貴族、王族、囚われた捕虜などが広場で晒し者にされたり、下手に路地裏に入れば襲われることもある。
腐敗した衛兵や役人の罠にかけられることもあるかもしれない。
平民地区と言えど、いまや様々な危険が潜んでいる。
※平民地区の設定にあう範囲で、色々な場所、シチュエーションなどを考えてお遊びください。
なお、ご自身で考えられた施設などとして遊んでくださっても構いません。
Time:00:51:51 更新
■レト > 衛兵の務めとして、万に一つ不審者を見逃したとなれば責任を取らされるのが面倒臭い。
こんな時間に、見通しの悪い暗所から現れたことで男は訝しむ様子で聞き取りを行うが、その実態は驚く程平凡なものだった。
飲んだ帰りだと説明され、ご丁寧にどこで飲んでいたかも示されれば呆気なさそうな顔で、静かにうなずくに留まる。
「そ、そうでしたか……気分よく帰ってるとこ、疑いにかかってすいません。」
メットを被ったまま、浅く頭を下げて素直に詫びる男。
持ち物検査にも応じる様子を見れば何一つ後ろ暗い事情はなさそうだ。
しかし、女性の身体には興味津々の年頃。外套を脱ぎ、ボディラインがハッキリと視認できれば顔を赤くして見入る。
「お、ぉぉぉぉ……っ!!……あ、やべっ!…な、なんでもないです……」
思わず心の声が漏れ出てしまった。
目を見開き、胸や尻に釘付けになってしまったのを誤魔化すようにブンブンと首を振って必死に言い訳をする。
(やべぇむっちゃくちゃ美人だし胸も尻もすんげぇでかいし……なんか近くにいるだけで変な気起こしちまいそう)
「……さ、最近は物騒なので……。……ええと、お帰りになるならご注意ください……。
その……え、えっと……結構……お飲みになってるなら……お足元……お気……お気をつけ……」
女のナイスバディに嫌でも視線が吸い寄せられる。
ズボンの内側ではカチンと硬直化したものが職務中なのに欲求むき出しで主張している。
それを悟られぬよう、内股気味になる男の動きはとてもぎこちない。
■メアリ > 男の目の前に現れたのは如何にも温厚そうな妙齢の女性。
人当たりの良さそうな笑みを浮かべるその様子は密売人や犯罪者からはかけ離れて見えることだろう。
悪人どころか虫一匹殺せなさそう、と表現した方が似合うかもしれない。
「……?」
こちらから尋ねかけた質問に返事がなく、ただ黙ってこちらを眺められると尚の事不思議に思い、
どうしたのだろうかと衛兵の方を見つめる。
「何をしていたかって、そこの裏通りにある酒場で飲んでいたんですよ。」
そこ、と言って裏通りにある酒場の方向を指さす。
メアリが指さした方向には小さいながら酒場が一つあって、今もまだ店の中には明かりがともされている。
持ち物も軽く調べたいと言われると、外套の結び目を解いてそれを脱ぎ、腕の中で軽く畳む。
外套の向こう側は外套越しとは違い、ボディラインや女性らしい豊満な胸元や臀部がしっかりと伺える。
外套の内側は己の身一つしかなく、持ち物らしい持ち物はない。
「何かありましたか?」
衛兵の男から上がった短い声に今度は一体何だと思いながら、凍り付いて注目する先を見て。
何か男の目に怪しいものでも映ったのかと思うが、とくにそれらしいものもなく、メアリの疑問は膨れるばかり。
■レト > 男が慌てて呼び止めるも、同僚たちは武器すら投げ捨ててどこかへ行ってしまった。
一人きりになってフードの人物と相対すれば、密売人や犯罪者であることを警戒しつつ職務質問に。
顔を覗き込もうとしたところで風が吹き、素顔が露わになれば至って温和そうな女性の美しい顔。
年頃の男は思わず唾を飲んで見入り、ごくりと唾を飲んで黙り込んでしまう。
(めっちゃ美人……で、でも何で一人きりで……?)
何度も瞬きをして、顔やら身体つきやらちらちら眺めて落ち着かない様相の男。
見るからに悪人には思えなさそうに思いつつも、場所が場所なので事情聴取をしない訳にはいかず。
「すいませんね、最近物騒なもので夜な夜な見回りをしてたんです。
……ところでお姉さん、こんなところで何をしてたのか聞いてもいいですか?一応仕事なんで……。
ついでに、持ち物も軽く調……えっ」
男はそう告げると、やはり酒の香りに何度も鼻を鳴らしながら全身を眺めて怪しいものを隠していないかを調べたいと申し出るが……
(…………え???……で、でかくね??)
服越しに見える見事な凹凸に、男は思わず注目してしまい凍り付く。
■メアリ > 衛兵が叫び声を上げて逃げ出せば、フード越しにちらりとそちらに視線をそちらにやる。
何だか騒がしいですねぇ……、とまさか自分が幽霊と見間違えられているなど夢にも思わず、
ただの酒場帰りの傭兵はのんびりと歩みを進めていた。
「ん……?何ですか?」
先ほど騒いでいた集団……今は一人らしいその男に呼び止められては足を止めて顔を上げる。
その瞬間丁度夜風が吹き、メアリがかぶっていたフードが風で吹き飛ばされ、その顔を男の前に晒すこととなるだろう。
「あらまぁ、衛兵さんですか。こんな時間までお疲れ様ですねぇ。」
目の前の男が衛兵と気付けば、にこりと人当たりの良さそうな笑みを浮かべつつ、なぜ呼び止められたのかと頭の中に疑問符が浮かぶ。
「何か御用ですか?」
"今日は"特に悪さはしていないのだから衛兵に止められる理由に思い当たる節はなく、メアリは不思議そうに首を傾げて
■レト > 時間が時間なので衛兵たちの疲労もストレスも計り知れない。
オマケに新米がバカな話をしたものだから闇夜の恐怖は更に増して。
路地裏の向こうは視認さえできない。
視線を向けるだけで何かに引き込まれそうな恐ろしさが渦巻いている。
「……うぉ……。……と、とっとと次いこうぜ……」
男は思わず目を逸らし、周囲の同僚もうんうんと頷いて足早に横切ろうとしたその時だった。
何か物音が聞こえる。
『…………え?』
一人が足を止める。男もつられて、視線を向けるとそこには外套姿がひとつ。
不気味な足取りで迫りくるそれに、一同は凍り付く。
「……い、いや、待て待てって……」
慌てて武器を構えるが、間近に男とほぼ互角の体格の人影が迫れば新米が『出たぁぁぁ!!』と叫ぶ。
それにつられて、周囲の同僚たちも喚き散らし、一目散に逃亡。
「おい!!……おい!!!!……あ、あの、えっと……」
(う……酒くさ……っ。)
あっという間に取り残される男。恐る恐るフード姿の人物に視線を向けると、外套越しでもハッキリ分かる身体の凹凸。
女性だ ……しかし不審者である事には変わりなく、恐る恐るフードの中の顔を覗き込もうと試みるが、酒の香りには思わずすんすんと鼻を鳴らさずにはいられない。
■メアリ > 幽霊話に盛り上がる衛兵達のすこし先――。
通りから外れるために足元を照らす魔導灯もなく、月光もあまり差し込まないような薄暗い路地裏から
ふらりと揺れる人影が一つ。
外套を身に纏い、衛兵の男とそう身丈も変わらぬようなその人物は、まるで幽霊の如く外套の裾をふわりと
揺らしながらゆっくりとした足取りで通りに出て、衛兵の男達の元へとやってくる。
ふわり、ふらり……。
外套のフードを目深く被った人物は一見して男か女か判別つかないものの、よくよく見れば外套越しに
伺える身体の凹凸で女性ということは理解できるだろう。
その不審な女は衛兵の男達の傍まで来ると、その横を通り過ぎようとする。
女とすれ違う際、ふわりと酒精の香りを僅かに感じる筈で。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメアリさんが現れました。
■レト > 『先輩、ところでこの辺って……出ないっすか?』
新米の衛兵の言葉に思わず足を止め、何が? と首をかしげる一同。
『貧民地区ってほら……化け物が夜な夜な彷徨ってるって噂じゃないですか。この辺は……』
『バカな事言ってんじゃねーよ、いる訳ねぇだろ見た事もねーよそんなの』
唐突に発せられた疑問は、幽霊やオバケといった類。
周りの男達は小馬鹿にしたように笑い飛ばすが、一人だけ不機嫌そうに「この話やめようぜ」と止める。
「コクマー・ラジエル学院はな……マジらしい。魔法使う奴等が夜な夜な変な儀式したりとか、そういうので……」
男がさりげなく口にした言葉に、一同は青ざめる。
話題を切り出した新米が顔面蒼白になり、露骨に周辺を見回して怯え始めるのを見れば はぁとため息をつく。
「つっても、この辺で妙な話なんて殆ど聞いた事もねぇし。くだらねぇ話してないで質の悪い酔っ払いの心配でもしてろよ」
ほら行くぞ とハンドスピアの石突でレンガの道をコツコツと叩いて同僚たちを催促する。
本当なら人目の付かない路地裏なども見て回るべきだが……、新米が余計な事を言ったせいで暗黙の了解でスルーしようとする雰囲気に。
■レト > 「もしもーし。すいません、起きてください!ここで寝てないで宿屋やご自宅で寝てくださーい!」
深夜の平民地区を巡回する若い衛兵たち。
なんでも、最近路上やベンチで眠ろうとする住居を持たない者が増えているようで住民からクレームが寄せられている。
不幸にもその対応にあたる事となった若い男たちは、真夜中に屋外で寝ている者に声をかけて深夜営業中の宿屋などへ誘導する。
……と言っても、宿代も必ずしも安くはないからこうして泊まれない者が発生しているのでただ起こすだけにしかなっていない。
「ったく、何時まで仕事させるつもりなんだよ……ふぁぁ、オレ達の方が寝ちまうぞこんなの」
『浮浪者っぽいのとか、どこで寝るつもりなんすかねえ……』
「知らねぇよ。役所の仕事……つってもこんな深夜にアイツ等絶対仕事してる筈ねぇもんな」
衛兵たちは今にも帰りたそうな様相で、他にも路上で寝ている者がいないか巡回していく。
酔っ払い、迷子などであればまだいいが、夜盗や暗躍する魔族であるケースもある。
故にチームでの任務となるが……まだ若い男4人だけ。
腕に覚えのある傭兵相手となれば、恐らく簡単に全滅してしまう程の貧弱さしかない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にレトさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からメアリさんが去りました。
■エン > 「その腕ならばそれは名も広まる、さらに容姿端麗ともなると尚更さ」
ふんわりと柔らかい声音と物腰は、とても、気恥ずかしそうに悶える様子は、とても、
獅子奮迅の活躍ぶりを聞かされていた身からしても想像を難くするものではある。
「……ふふふっ。そのお顔は残念ながら見れないけれど……可愛らしい人だねぇ、メアリさん」
ついつい口端が緩くなる様子に口からはついナンパな台詞も出る。
「昔は“火花”などと呼ばれていたが今の時代にはもうすっかり忘れられているだろう名の傭兵だった。
昔話で良ければ色々とあるから話させてもらおうか。
ああ、それでは、そちらに向かおう。お手をどうぞ?」
まるで見えている様だと勘違いされるのも詮無しに、あるかないかの風切り音、彼女の細指が指した動きで顔が向く。
歩き出す直前に忘れ物に気付いた様子で声を上げれば差し出すのは、右手。
盲が手を引かれる、のではなく、盲が手を引く、なんておかしな話であるが男が女性をエスコートするのは当然とばかりの仕草。
これにまた笑みを浮かばせたか、手を取って貰ったか、ここから向かう先でどんな話と美味と美酒があったかは、さて、
どれだけ長い夜になったかも含めて二人の秘密になるだろう――……
■メアリ > 訓練と資質次第と聞けば単純にもちょっとやってみようかななどとそんな気になったり。
美麗な顔が嬉し気に笑みを浮かべると、つられてこちらも笑み。
「あら、お恥ずかしい。そう名前が知られているなんて……。」
傭兵としての自身の事を知られていたと聞き、さらに褒められていたとなれば、気恥ずかしそうに口元抑えて視線を逸らす。
その仕草はまるで乙女さながら、普通の一般人からみればこの女が素手で鉄を引きちぎったり拳で防御魔法をかち割ったり
する姿は想像できないに違いなく。
「昔の憂炎様みたい、ですか?それは興味がありますね。
私もぜひ憂炎様の昔のお話を聞いてみたいです。それにお顔もしっかり見せていただかなくては。
温かいものでも構いませんし、なんならまだお酒でもお付き合いできますよ。
確かここからすぐそこの酒場がまだ空いていた筈……」
そういって少し先の通りを指さすメアリ。
思わぬ出会いに喜々としながら、誘いに乗って向かった先は酒場か否か。
長い夜はまだまだ終わりそうになく――…。
■エン > 「まだまだ、まだまだまだ、修めるには程遠いけれど多少なり形にはなったかな。
メアリさんも興味があるなら訓練してみては? まずは暗い自室で瞳を閉じてね」
称賛が面映ゆく、んふふふ……と照れ臭そうな含み笑いが溢れるし髪を撫でながら顔が反れた。
元来そういう構造・生態の生物ではないからその段階まで行くのは難しいにしろ、
訓練と資質次第では己と同じかそれ以上にだっていけるものだと頷きながら零す。
「おや。見る目がある。うん。自慢の一品でね、ふふふ」
化粧をようく施せば演劇で女形もこなせるのでは? 何て印象も抱かせそうな面構えがまた嬉しそうに撓む。
「……。ああ。思い出した。今日が初めましては間違いないが古い友人から聞いた事があったんだ。
やはり名うての人だったな。戦場ではかなりの活躍だと随分褒めてたよ」
曰く、素手で鉄をも引き千切る、曰く、鎧も盾も魔法防護も拳でぶち割る、曰く、挙句におっそろしく早い……云々。
昔のお前みてぇ。等と言われていた女人の傭兵がたしか“メアリ”。
同名の人違いかとも思ったがこの、聞く限りは一致する特徴からして恐らくそうだろうと踏んで一つ頷く。
「うん、なんだか、勝手な話だがどうにも、昔の俺みたいだと言われてる人だからこう、親近感というか後輩感というか?
寒さは平気とはいうがこんなところに女性を立たせっぱなしというのも気が引ける事だし、ああ、顔もしっかり見せたい。
どうだろうか? 酒、は、飲んだばかりだろうから暖かいものでも一杯奢らせてくれないかね、もう少し親睦深めたい」
よいしょ、と一声掛けながら立ち上がれば、もう遅い時間にしろ向こうの大通りにはまだまだ空いている店も幾つかあるから探るようにもサングラスや耳を巡らせながら、飲みに行かないか? なんて誘いを一つ首を傾げながらに投げる。