2025/05/26 のログ
グスタフ > ひとしきりマスターと盛り上がってから
灰皿に押し付けて薬を潰すと、そのままお代を置いて出ていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にれあさんが現れました。
れあ > 昼間の平民地区、広場。

直ぐそこの冒険者ギルドで依頼の取り合いがあり、そして私は今、広場で一人の冒険者と向かい合っている。
一触即発の機運。

正確には、取り合いというか、私が案内板からその依頼書を取った直後に手を伸ばしてきた奴がいたのです。
相手は12,3くらいの男子冒険者で、口調や態度がちゃんとしていれば譲ってあげない事もなったんだけど…。
「それは俺が先に目を付けてたんだよ!」
みたいな感じで突っ掛かってきた。

「そっか。先に依頼書を掴めればよかったんだけどね~(クスクスクス」

って煽り返したら、依頼を賭けて勝負しろだのと暴れ出した。
わざわざ勝負してやることもなく、無視してやろうとカウンターに向かう。
「逃げるのか!ブス!」
なんて暴言が背中越しに飛んできた。
これはクソガキに世の中を教えてあげなければならない曲面なので、私も「表に出ろ!」と応戦して、イマココ。

広場で二人は向かい合って立ち…。
風がひゅうううう…とその間を吹き抜けていた。

れあ > 「子供相手に武器なんて使えないから無手ね」

「おう!」みたいな返事で息巻いている少年冒険者。
実際は本当に依頼を賭けて勝負することになって多少緊張している様子だ。
怖いなら辞めればいいのに…。

「子供殴ってもつまんないから、レスリング(柔術)勝負でいい?」

お前は女を殴りたいのか―?ってじとーっとした目で聞いてみる。
男の子はちょっと躊躇して「おう!」と返事した。
もしやこいつ私を殴りたかったのか──。

「勝った方が依頼書を手に入れて、負けた方は裸で土下座ね」
「え」

罰ゲームの提案に、男の子が少し固まった。
周囲にはギルドからずっと喧嘩を見に来ていた冒険者を含め、ごく普通の一般市民の皆様もいる。
そんな彼らの中で、少年はイモをひきたくてもひけない状況に葛藤し、「オ、オウ!」ってなんかオットセイみたいな返事をした。

「じゃあ、かかっておいで」

こうして…公開お仕置きの舞台は整ったのです。

れあ > 殴るフェーズが無いので、組み付きから戦いは始まる。
タックルとか、抱き着きとか、服を掴むとか。

わーっと勢い込んでやってきた少年の動きは、まるで相撲のよう。
流れるように円運動でいなして足をひっかけて転ばせて、その背中に乗って、そのまだまだなまっちろい首に腕を回す。
きゅっ!と締めれば、男の子は顔を真っ赤にしてジタバタともがく。

「ギブアップ~?」

しかし彼は小さいながらも男の意地で、まいったしない。
やれやれ、と締め技を解いて立ち上がる。
げほげほと咳込んだ後、少年も立ち上がり、再び組み付いてくる。
今度は柔道みたいに、私の小袖の襟をつかんできた。

「ほい」

私も彼のシャツの襟元を掴み。体を入れ替えて彼の身体を腰の上に乗せ、そのまま背負いに投げ飛ばす。
ばちーん!と背中から床に落ちた少年は、本能でぶさいくながらも受け身を取る。
冒険者家業をするくらいだから、身体の使い方は上手な方なのでしょう。
彼がよろよろと立ち上がるのを待って、今度は私から片足を抱き上げるようにタックルして、膝をつかせて、また後ろにくるんと回って、二度目の首絞め。
今度はワザと緩めに技をかけて、男の子が抱っこから逃げる猫みたいに必死にもがいて脱出するのを生暖かく見守る。

「ほーらほーら。皆見てるんだから頑張って」

私って性格悪いですかね?

れあ > 少年にとっては、周囲を取り囲む大人の男性冒険者達は勿論、一般市民に舐められるのは心底イヤに違いない。
皆に見守られながら、女冒険者に手も足も出ないなんて悪夢に違いない。

ぜぇぜぇ言いながら体当たりしかけてくるのを受け止めてそのまま腕を取り、手首、肘、肩と極めて、そのばばバタンっと仰向けに押し倒す。
関節技が極まっていて力ずくでは逆らえずに藻掻く男の子のお腹の上にどすんっと乗っかり、技を外す。

「大人に喧嘩うるのもいいけどね、そーゆーのはちゃんとトレーニングしてからにしなさい。誰かに師事するのをお勧めします」

例えば私とかでもいいんですよ~って、そんな口ぶりで諭す。
少年は私をお腹に乗せたまま、上がった息を整えようと腹筋を必死に上下させている最中で、しゃべる余裕もない。
私は優しいので(子供は好きなんですぅー)、そのまま彼がしゃべれるようになるまで待ってあげる。

「……」

皆が見守る中、ぜぇ~ぜぇ~という男の子の呼吸音だけが響く。

れあ > 皆が少年の回復を待つ時間が過ぎ、数分で復活した彼は、そのまままた暴れ出す。
回復力は流石に子供!
お腹の上にのった私を振り落とそうと、えびぞったり、左右に寝がえりうったり、コメツキムシLV10って感じでめっちゃ頑張ってる。
でも、私は彼の上で上下する程度で、振り落とされる心配は微塵もない。
ただ彼の筋トレにおもしとして付き合ってあげてる状態。
このまま尊厳破壊してしまうのもアレかな~なんて気を使うレベル。
やはり勝負を受けたのは大人げなかったか。

暴れた彼が二度目の休憩に入る。
彼のお腹と私のお股の接着面は、汗でびっちょびちょ。
私はすこーしだけ気持ちいい。

「ほらぁ、がんばってがんばって」

少年が復活パワーアップして暴れる→休む→また復活パワーアップして暴れる→休む。

こうして少年がコメツキムシLv100くらいにまで成長した頃、彼の筋肉には乳酸が溜まり、その意志とは無関係に行動不能となった。
脱水もあるかもしれない。
馬車に踏まれたカエルの生まれ変わりとなった男の子から立ち上がって、小袖の前垂をパタパタと仰いでそこに籠った熱を逃がす。

手荷物から水筒を取り出して飲んでから、残りをカエル…じゃなかった男子冒険者の顔にじゃばばばば~とかけた。
僅かな水分で、男の子は息を吹き返す。
しゃがんでその顔を覗き込む。

「はい。もう素直に負けを認めましょう。裸で土下座なんてしなくていいから、生意気言ってすいませんでしたって言いなさい」

れあ > ここで彼がゴメンナサイをちゃんと言えたら、依頼を譲ろうと考えていた。
懐からそっと依頼書を取り出す。
なんて美しいフィナーレ!

──が、12,3歳くらいの男の子は、いっちょ前にプライドを持つだけではなく、中二病だとか、天邪鬼病だとか、反抗期だとか、精神に大量の問題を抱えている事が珍しくなかったのです。

彼自身の最後のプライドは、「私のいう事なんか聞かない」って方向に全フリとなり、生まれたての馬の子みたいに膝をガックガクいわせながら立ち上がると、突如衣服を脱ぎだした。

「うるせー!ブス!デブ!」

とか言いながら脱いだシャツを地面に叩きつけ、ズボンをおろして、全裸…少年の状況を正確に示すなら「フルチン(フリチン?)」となる。
褐色に日焼けした歳相応に細い針金みたいな身体ながら、そこそこ鍛えた自負が見え隠れする筋肉の付き加減。ある程度の修羅場経験を感じさせる切り傷。
そして…臍まで反り返ったおちんちん。
「はっはぁ!」とか言いながら腕を組み仁王立ちしてる子供。
若干恥ずかしそうだけど、それ以上になんか満足そうなのが気になった。
コイツナルシストの素質が…。
あと勃起してるのも気になる…。

「……で。土下座は?」

めいっぱいツッパって見せた彼に、ボソッと告げる。

「う、うるせー!ブス!デブ!もらい!」

彼は私の手から依頼書をひったくり、「ひっかかったなバーカ!」とか言いながら、まるで今回の勝負が「痛み分け」であるかのように演出して、裸のまま通りを去って行った。

冒険者なんてコンナモノデス。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」かられあさんが去りました。