2025/05/17 のログ
■グスタフ > 「いやあ、最近ご無沙汰でね」
客もいないし、マスターと話していたら無駄に猥談が盛り上がり始めて。
下品な会話が先ほどから店に響いていた。
「ハメるまえにチンポの匂いかがせるのが好きなんだよね。
匂い覚えさせてこれからこいつで犯されるのを頭に刷り込んでね」
マスターと下卑た会話を交えながら、ワインが進む。
調子ものって来たのか、変態的な内容になっていて。
■グスタフ > ひとしきりマスターと盛り上がってから
灰皿に押し付けて薬を潰すと、そのままお代を置いて出ていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にれあさんが現れました。
■れあ > そこは昼間の冒険者ギルド。
仕事探しにくるもの。
交流を目的にくるもの。
トレーニングの為に顔を出すもの。
そんな冒険者達で賑わい始めるのが、この時間。
依頼案内掲示板の前で押し合いへし合いしながら、自分にとって望ましい依頼を探す。
美味しい依頼は競争率が高く、力の強く背の高い男冒険者が、パワーに物言わせて奪っていくことが多く、そこで最近はもっぱら、女冒険者限定とされている依頼を漁っていた。
取り合えず今日も、掲示板の前で必死に踏ん張りながら場所を確保して依頼をサーチする。
「女冒険者限定は専用の掲示板に張り出してくれたらいいのに~!」
それくらいの融通を聞かせてくれてもいいのに、ここの役人どもは必要最低限の仕事しかしない。
などと憤りながら、結局手ごろな依頼を掴むことが出来ず、グイグイと痛いくらいに割り込みを掛けてきていた男冒険者の股間に膝を入れたあとで戦線を離脱する。
「美味しい仕事ほしい~…」
そのままホールの片隅にあるテーブルで一時休憩をとりながら、冒険者たちを眺める。
老いも若きも混じって、皆必死だ。
■れあ > 今よりも効率よく美味しい仕事を得る手立てはないだろうか。
そう考えたときに、まず思い浮かぶのは「どこかのチームに所属する」方法だ。
でもそれは無理。なぜって私はコミュ障だから。
「そうなるとあとは──」
自ら売り込みをかけること。
街では時々「仕事ください」って札を下げている人が居る。
すごい人では「セフレ募集」なんて札を下げているめっちゃ性欲強そうな貴族風の男を見たことがある。
私もアレをするのだ。
「美味しい仕事募集してます」って札を下げるのだ。
なぜか不思議と美味しくない仕事が舞い込んできそうな気がするけど、きっと気のせいに違いない。
「よし」
どうせ口下手で、ここで周りの冒険者たちとコミュニケーションをとりつつ、距離を縮めて仕事を得るなんてできないのだ。
それなら「なんだあいつ…」って視線を向けられても、目立った方が何か良い事があるに違いない。
皆が依頼を探しに来てるこの場所で、『美味しい仕事募集してます』なんて当たり前の事を書いた札を下げてみた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアーデルヘルムさんが現れました。
■アーデルヘルム > 基本的に、騎士団の師団は自分たちであらゆる業務が完結されるようにできている。
とはいえ、時として突発的に発生する細かい、大して重要でもない仕事はギルドへアウトソースすることもある。
いつもは副官がこういう業務を行うのだが、今日は件の副官にトレーニングをさせるためにあえて自分でやってきたという訳で。
入り口を開き、ある程度にぎわっているギルド。
以前に仕事を請け負ったことのある冒険者などが声をかけてきたりもするが、直引きはしねぇよ、などと笑って躱していく。
奥のカウンターまでやってきて、依頼書を取り出して、景気はどうだい?などと聞きながら店内を見渡していた所で、目に入る一人の女冒険者。
アレは何?と係員に聞くが、さぁ?と首をかしげるだけ。
顎に手を当てて暫し考えていたが、持ってきた依頼表の内、1枚だけ抜いて残りを係員に渡してから、処理が終わったら教えてくれ、と伝えた後で、
札を下げた女冒険者の方へと近づいて行って
「よぅ。お前さんが探している『美味しい仕事』ってのはどういう類のことを指してるんだ?」
完全に興味本位。だが、この街ではよくありがちな肉体目当てのナンパとはちょっと違うというような印象の騎士装男が声をかけてみた。
■れあ > 眺めているホールの景色に異色が混じった。
それは、明らかに何か冒険者とは違う空気を纏う男性の出現が原因。
その男──いえ、その男性は、蒼白銀の甲冑を身に着けているだけでなく、その身に気品を漂わせている。
そして、鎧からはスラリとした所作を生み出す長い手足が生え、上方に伸びた首の上には「顔を見ないでもイケメンだとわかる」端正な顔立ちが乗っかっていた──。
なるほど、なんか「上」の人が、ギルドに仕事を持ってきたのか。
あーあー、あーゆー人からの依頼って、きっとスンゴイんだろうな、って思っていた。
『美味しい仕事募集してます』なんて札を下げてる私の所に、あんな人が…。
くるはずが…。
って思っていたものだから、突如こっちにこられて、「よう!」とか言われた日には頭が真っ白になる。
「え???」
私?と自分を指さしつつ、周囲を伺い、周りには誰もいなかったので、彼がゴーストに話しかけているのでなければ、その言葉が自分に向けられているのだと確認した。
「あ。えーと?」
ウケの良い答えをすべき場面で、コミュ力の乏しさがいかんなく発揮される。
「美味しい仕事は、その、労力の割に身入りが抜群にいいっていう…つまり。そういうヤツです」
もっと聞こえの良い、例えば「私の凄腕に見合うやりがいのある仕事よ」みたいな言葉が一瞬頭に浮かんではいたけど、相手の黄金の瞳を直視できなかった所為もあって、情けない解答になる。
■アーデルヘルム > 完全に、面白そうだと思っただけ。
それでも縁がつながることもあるのだから人生分からないものだ。
自分が声をかけられると思っていなかったのか、きょとんとした表情や、自分のことかと驚く仕草。
それらが妙におかしく思えて、小さくこぼれる笑い声。
「ああ、そうだ。お前さん。妙な札下げてるから気になってね。」
どんなとんでもないことを言ってくるのかと思えば、比較的当然と言えば当然な、
そして、大分図々しい希望を口にする彼女の様子に、ぷっ、と噴き出した後で
「あははははははっ!……面白いな、お前さん。
じゃぁ、例えばこういうのはどうだい?」
言いつつ差し出したのは、先程一枚抜いた依頼票。
その中身をみてみるのなら、掛かれている内容は……
『タナール砦への連絡書配送。現在交戦中の砦であるため、危険が予測される。
連絡書を宛先の司令官へと届けることを依頼とし、連絡書が届き、受け取りを持ちかえれば報酬発生。
報酬:20,000ゴルド。危険手当含む。道中の宿泊費、食費等は領収書を持ち帰ることで経費精算をする。
ただし、経費は上限300ゴルド/日』
■れあ > 人生、なにが功を奏するか分からない。
めちゃめちゃ探し回った幸運の青い鳥が実は家にいたように、不幸を呼びそうな妙な図々しい札が、イケメンを…じゃなかった。トンデモナイ幸運を運んでくることもあるのだと知る。
男性は、どこか堅苦しさを感じさせないフランクな雰囲気がある。
しかし隠し切れない位の高さも併せ持ち、こちらとしては一瞬も気が抜けない。
「えっあっ」
狼狽していた私に、男性は大きく笑った後で、徐に仕事の依頼文を差し出した。
まさかの展開。恐るべき図々しい札の力。
そこには──。
「『タナール砦への連絡書配送。現在交戦中の砦であるため、危険が予測される。
連絡書を宛先の司令官へと届けることを依頼とし、連絡書が届き、受け取りを持ちかえれば報酬発生。
報酬:20,000ゴルド。危険手当含む。道中の宿泊費、食費等は領収書を持ち帰ることで経費精算をする。
ただし、経費は上限300ゴルド/日』…?」
全文口に出した後、彼の顔を見る。正確には目は見れないので鼻の頭位を見る。
まあスッと通った高いお鼻だこと!
「20,000ゴルド?」
小首をかしげつつ、彼に金額を確認する。おそらく頷きが帰ってくるのだろう。
一人の女として、イケメン男との会話は苦手でも、仕事の依頼主に対して仕事の話をするのなら、なんら問題はない!
「ふむ。コレは……いいの?私で。実は不安だったりしてるなら、テストとかしてみます?」
椅子から立ち上がり、190cm近くありそうな彼の前に立つ。
例えばここには訓練施設もあるし、求められる方法で、私の力を示すことが出来るにちがいない。
■アーデルヘルム > 差し出した依頼票を確認した彼女が、金額を確認してくる。その言葉に頷いて
「ああ、そう。20,000ゴルド。流石に依頼票に細かいことまで書ききれないから、実際にはもう少し細かい条件がある。
……いや、条件は言い過ぎか。周辺情報を確認して、それから実際に受ける受けないは決めていい。
20,000ゴルドの仕事ってことは、それ相応の理由があるってことでね。」
金額だけを見れば相当割のいい仕事だ。
とはいえ、ここまで割りが良ければ多少の裏はあるもので、だからそれを聞いてから決めていい、と告げる。
同時に彼女から、テストをするかという問いかけ。
立ち上がった立ち姿を上から下までじっくりと目視で確認すれば……
肉体の値踏みという意味では同じかもしれないが、この男が見ている場所は首周りの筋肉のつきかたや手足の鍛え具合など。
性的な値踏みというよりも、どれだけ優れた道具を持っているかの見極めのような。
その後で一つ頷いて。
「いや、テストが必要なほど不安はねぇよ。
お前さんは、こういう仕事には間違いなく向いてそうだ。
で、詳細を聞くかい?聞くなら……」
言葉を紡ぎながら、併設の酒場の方へと視線を向ける。
お茶でもしながら説明しようというかのように。
■れあ > 男性は告げる。相応の危険があると。
でもぶっちゃけ私は、「この仕事内容なら余裕でしょう」と思っていた。
タナ―ル砦って、なんとか街道の先にあるゾス村だったかを通ったあっち側でしょう?と。
依頼者が身体を値踏みする視線をこちらに向けてくる。
わかってます。性的な値踏みじゃなくて、身体つきをみて、私の強度を計っているのだと。
わかっているけど、イケメンがじぃ~とみてきてるの状況を脳が勝手に勘違いして体温が上昇する。
大丈夫かな?
おっぱいとか見せるべきかな?
なんて若干の混乱。
そんなこんなで、彼の視線に身じろぎしつつ、その査定にはどおやら一発で合格を貰えたらしい。
さすが私。
「まちがいなく向いてる」とまで言ってもらえたお礼を返す。
「ありがとう。じゃあご期待にお応えして、最短で返書を持ってきてあげようかな」
本当は詳細なんて聞く必要もなし、今から早速駆け出してもよかったのだけど、ここは彼の顔を立てるところ。
あとはイケメンと会話して少しでも対男性トークスキルを磨くところ、そう判断した。
「正直、私は何を聞かされても仕事を受ける気ではいるけど、詳細も聞いておこうと思います」
彼の視線に頷き、併設酒場に移動して、お茶を手に彼の話を聞くことになった。
彼と一緒にいるだけで、周囲の目を引く。
他の女冒険者が、こっちを睨んできてる気がしなくもない。
そんな彼女たちに流し目をキメた。
実は内心は全然余裕ないケド。
■アーデルヘルム > 「こちらこそ、受けてもらえてありがたい。では……」
受けると告げた彼女へと向ける礼。
そして促して併設の酒場へと移動する。
席へとつけば、2人分のお茶を注文。
お茶請けを望むなら、注文しても笑って見せるだけ。
そして、実際の話になる。
「相応の危険っていう奴だが、今タナール砦を攻めている魔族軍が、なかなかの精鋭でね。
攻め手は当然砦の向こう側に入るんだが、竜種がそこそこ数がいる。
連中は空を飛ぶだろう?……つまり、こっち側にもちょっかいを出してくる可能性があるってことだ。
とはいえ、連中と遭遇したら倒せ、という仕事じゃない。
可能な限り遭遇しないように隠密で行動してもらいたい。
これが一つ目」
危険性の話をしていれば、お茶が運ばれてくる。
この時に一度言葉を止めて、店員が去って、お茶に一口口をつけてからまた言葉を続ける。
「次に、期限が少し厳しい。
騎士団の早馬を出すほどの急ぎではないんだが、とはいえ、ちんたらやっていい状況でもない。
最低限、10日かかる所を8日で往復してほしい。
それより短くなるようならば、相応のボーナスも考慮している。
これが二つ目。」
まずここまでは大丈夫か?と確認する言葉と仕草。
■れあ > 私は少し浮ついた気持でいる。
理由は勿論、イケメンとお茶してるから。
周囲が結構ザワザワしてるので、目の前の男性は「やっぱりなんかすごい人」に違いない。
他の女冒険者からの嫉妬の視線が心地よい。
最近自己肯定感が地に落ちていたので、ここで思いっきり充電しましょう。
なんて思いながら、それでも一応真面目に彼の鎖骨辺りを見ながら、その言葉をきく。
「ご安心を。隠密行動は得意ですから」
そして多分、その魔族というのも倒そうと思えば倒せるのだろう、なんて思いつつ。
続けて説明を聞く。
運ばれてきたお茶を優雅に飲む彼の姿に見入った後、意識して同じような作法でお茶を一口飲む。
うん。味わかんない。
指示の二つ目も、恐らく問題ない。8日と言わず、5日くらいでなんとかなっちゃうんじゃないかなーって考えながら、お話を聞く。
「わかりました。たぶん8日もかかりません」
勿論これは怪我とかしない場合の見積もりではあるけど、それはそれ。
そうだ。ここで一つ私もいい感じに返事しよう。夜の酒場のお仕事のためにも、対男性トークスキルを磨くのだ。
「まずここまでは大丈夫か?」
と確認してきた彼に対し、両手にはVサインをつくり、顔は少し傾けて笑顔をつくり…。
「はい❤平気ですぅ❤」
……って返事して自分でもそのまま固まる。なんか違う気がする。
■アーデルヘルム > 仕事の話をし、確認の問いを向けた後で、返ってきた返事が、ちょっと妙。
Wピースで笑顔、ちょっと言葉に甘さが混じっている。
流石に面白い。面白過ぎた。
「ぷっ……あははははっ!本当に面白いな、お前さん。
大丈夫、ね。じゃぁ、あと二つ。
ここまでが大丈夫ならあとの二つはさほど問題はないと思うんだがね。」
そんな言葉を紡ぎながら、更なる二つを開示する。
「本来タナール砦の入り口から入る、と思うだろうが、今回は半包囲されている状況だ。
下手すると、おまえさんが着いた時には全包囲されているかもしれない。
だから、本来の入り口は使えない。
そこで、脱出用の隠し通路を使うか、好きを見て砦の壁を超える必要がある。
どちらで行くかはお前さんに任せるが、隠し通路が敵にバレてもダメ。
壁を超える時に視認されてもダメ。外部からの連絡があったことを絶対に知られないこと。
これが任務遂行の最低条件となっている。これが三つ目。」
その後で、初めて表情が苦笑めいたものにかわり
「そして、配送先の司令官なんだが……相当な女好きなんだ。
だから、女しか会わないし筋金入りのエロ親父だ。
とはいえ、別にアイツに体を許す必要はない。
そのために、これを渡しておく。
これを見せれば、おまえさんは俺の庇護下にあることになる。
無理を通せば……アイツの方の首が飛ぶ。
別にこれはなくしても問題ないが、なくしてしまったら……まぁ、分かるよな?
これが最後の四つ目だ。」
そう告げて、取り出してテーブルの上に置いたのは、小ぶりのカメオ。
そのカメオには、第四師団の紋章が入っている。
この紋章が入っていて、『俺の庇護下』ということは、目の前の男が第四師団長、なのだろうと予測はつくだろう。
■れあ > 盛大に笑われた…。
おかしい、「おもしろい」じゃなくて「かわいい」あたりを狙ったのに…!
そして残りの問題点を聞く。実は結構深刻なやつだった。
「あの、魔族って…話とか通じます?」
実は魔族をよく知らなかったのだ!
包囲されている中に入るとして、こっそりルートの抜け道とか壁越えが推奨されている。
でも例えば、普通の戦争で相手と意思の疎通ができる場合は、敵を騙して中に入るルートもなくはない。
例えば、難民を装う、投降兵を装う、やり方は様々だ。
そんな意味で、男性に尋ねる。言葉で油断を誘ったり、騙したりできる敵なの?と。
そして最後の「エロオヤジ問題」を聞く。
「あー…それで私…というか女冒険者を…」
女にしか面会しない司令官とか、なかなか酷いものだと思う。
もしかしたら目の前の彼さん、自分の可愛い部下♀にこんな事をさせたくないからと、ギルドに足を運んでいるのかもしれない。
それでも「女冒険者ならどうなってもいいだろ」って感じではなく、わざわざ「お守り」まで渡してくれた。
見れば見る程色々悪用できそうなカメオだ。
簡単に人に渡せるものでもなさそう。
彼の前でカメオに唇を落とし、胸元にしまう。
そして一層高まっている、周囲の女冒険者達の視線に気付き、今度は彼女達に向かって笑顔でダブルピースした後、改めてイケメンさんの目を見る。頑張って目を見る。
「わかりました。私におまかせくださいな。想像よりもうんっと早く戻ると思うので、お手当もよろしくね❤」
■アーデルヘルム > 残りの二つ問題を伝えても、少なくともそこに問題があるとは感じていない様子。
手練れなのは間違いないが、同時に自信過剰では少し困るか?などと思っていたら、斜め上の質問が飛んできた。
「おっと……今回の相手は話が通じる連中もいるだろうが……あまり期待しない方がいい。
一兵卒レベルなら、獣と変わらない位と思っていた方がいい。
指揮官レベルなら会話は出来るだろうが、そんな連中が歩哨をしているはずもないだろう?」
お互いにはっきりと口にはしなかったが、お互いに何をしようとしているのか、そしてそれが可能なのかが伝わるだろう。
ある意味で、周囲で見ている冒険者たちとしても、この会話の意図が分かる者が何人いる事か。
『可能性はなくはないが、相当低い』という共通認識が得られたという事が分かる者が。
最後のエロ親父問題で、得心した様子に少し申し訳なさそうな表情に。
そして、カメオにキスをしてしまう様子を見やれば頷いて。
その後で、初めて視線が重なって、自信満々に告げてくる言葉。
鷹揚に一度、頷けば
「では、お前さんに任せよう。……ああ、もちろん。期待している。
凄腕を証明してくれたら、似たような仕事の継続も期待してくれ。」
そう告げて、右手を差し出す。
契約の証、握手、というように。
それが叶うにせよ、叶わぬにせよ、依頼票にお互いのサインを認めることで、契約が完了する。
最後に、帰ってきたときの報告先として、第四師団本部の位置を教えてから、男はここの飲食代を払って帰っていく。
次の邂逅は、任務終了後。その時を楽しみにしておくと言葉を残して。
■れあ > これで正式に依頼を受けることになった。
その書面で知ったのは、彼が第四師団なる所の長であるという事。
その見た目と佇まいからして、納得しかない。
これはすごい幸運!
願っていもない人脈!
成功すれば更なる仕事が。
失敗すれば……ええと、どうなるんだろう??
エロ司令官との性交とか…は一応返書を持ち帰れるなら成功のうちか。
なら、魔族というのに殺されるのが失敗と言えそう。
「まあ、問題ないでしょ」
食事代を祓ってくれた男性に頭を下げ、嫉妬の視線をかき分けて、彼をギルドの外までお見送り。
颯爽と去り行く男性騎士を見送った後で、3回屈伸運動をする。
「じゃあ、ひとっ走りしてきますか」
身も軽く駆け出し、一路タナ―ル砦を目指すことになりました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアーデルヘルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」かられあさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区――酒場」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > 己宛に「頼み事のある相手が居る」――ギルド窓口よりそんな言伝を貰ったのは数日前の事。
普段ならば見なかったフリをして捨て置く類の紙きれ一枚に、気紛れが働いたのは
指定された場所が、少しばかり――否。随分と、「趣味のいい」酒場であったから。
その店の存在はずっと知っていたが、女は“鍵”を持たなかった。
平民地区にありながら、定められた道筋を正確に辿ってゆかないと扉に出遭えない――それゆえに。
正直に言えば、依頼が云々よりも奇異でとびきり偏屈な店で、酒を舐めたかった。
ぶっちゃけてそれだけである。なので。
店に入る“鍵”――…道順を知れただけで、女にとっては既に御褒美だ。
「――――… ンー…、満足♡」
既に約束の刻限を過ぎて、未だ待ち人来たらずであるが、それも佳き哉。
白妙の繊指に杯を絡め、黒褪せたカウンターに肘置き、年代物の蒸留酒を舌に転がす今が至福であるのだから。
遅れ誰ぞが訪れるのか、それとも他に女の酒の肴たる何某が現れるのか。
それとも此の儘優雅な一人酒か。――扠。
■ドリィ > 時折、店主と会話を交わしつつ。
洋燈のゆらめきに生じる琥珀の影を手遊び、店に蟠る趣深い薄闇を愛でようか。
夜は未だ長く、おだやかに女とともに在り――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区――酒場」からドリィさんが去りました。