2025/04/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にれあさんが現れました。
れあ > はいはい。今日もやってきました冒険者ギルド。

基本的には危険度が高くても、報酬の良さで仕事を選んでいるけれど、今日の昼間に見つけた依頼は「これは絶対私がやる」ってものだった。
他を押しのけてその依頼をゲットし、そして任務から僅か2時間で仕事を達成。
依頼主の貴族に報告して、少し休憩をしてからギルドに戻ってきたのです。
達成の証をギルドに報告し、役人の「マジか?早過ぎんだろ」といった視線を浴びながら、報酬を受け取る。

「あ、これも」

私の仕事が余程よかったのでしょう、大喜びした貴族が、特別手当を出すようにと気を利かせて一筆書いてくれたのだ。

その仕事とは──猫さがし。
え?もう一度言ってくれって?
だから、猫探し。逃げちゃった飼い猫を保護してくれって言う仕事。


「さて、次なる仕事は…体のキレもいいから、討伐系でなにかないかな~」

上機嫌にそんな事を言いつつ、依頼案内板に並ぶ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグライドさんが現れました。
グライド > ギルドの扉を潜る。
手には、簀巻きにされた男二人が掴まれ、引きずられており
其れを受け付けの方まで引っ張っては、慌てたギルド職員が出て来るのを見て
後は任せたとばかりに手放し、軽く埃を払った

気絶して居るのか、簀巻きの男達が抵抗する様子は無く。
職員達が人相を確認する間、やれやれ、と肩を竦めて、受付に軽く凭れた

「おう、街の中で紐切りの盗みなんてやってやがったからよう。
憲兵に突き出すより、こっちだと思って捕まえて来たんだが。」

ただの盗賊なら憲兵に突き出すだけで済む話なのだが
場合によっては、懸賞金の掛かった連中、という可能性も在る
ただ働きよりは、小銭でも稼げれば御の字だとばかりに
適当に沙汰を待ちつつ――其の、中で。
案内板の傍に並ぶ女の姿が目に入り、僅かに片眉を跳ね上げた

――此処最近、矢鱈と仕事の早い新顔が居る、と言う噂があった
その噂で伝え聞いた容姿に、如何にも似ている、様な気がする

「……あの嬢ちゃんか…?」

つい、ぼそりと呟いた言葉は。
距離を考えれば、普通は聞こえ無さそうな物だ、が。

れあ > 聞えちゃった。その呟き。
私は超耳が良いから…ではなくて、忍びの習慣として、新たに入ってきた人物すべてに気を配っていたから。
その中でも、呟いた男はその容姿体格と振る舞いがひと際目立つっていた。
だから、掲示板を見ながら、神経だけはそっちに寄せていたのだった。

「……」

視線は掲示板に向けたまま。
聞えた呟きに「ピクリ」とも身じろぎしなかったけど、ほんの一瞬だけ体の動きは止まったかもしれない。

ん~?私がなんだって??
母国関連の追っ手だろうか。
それともバカ貴族の仕事を請け負ったか。

探りを入れたいけど、自分から行くのも躊躇われて、とりあえずぜんぜん身が入らなくなった依頼探しを続ける。

でも、アクションはしておこう。
一息ついた後、くるりと振り返り、呟いた男の方を見た。

まず褐色の肌と、黒鉄のような髪が目に付く。
鍛えた体…とはいっても、筋肉をって感じの鍛え方だけど、その体格から滲む自信。
重たい鎧を着てなお結構な速さで動きそうだ。
顔は見てないので目は合わない。

再び視線を掲示板へ。

あの男が…いったいなんだろうか??

グライド > 職員の確認が終わったのか、男達が受付の向こうに引っ張り込まれて行く
と言う事は、恐らく懸賞金の付いた連中だったのだろう
依頼と言う訳では無いが、今夜の酒代くらいになってくれれば良し
己の目の前で盗みなんぞ働いたのが、何よりの運の尽きだったなと
そんな事を想っては――直ぐに、連中の事は頭から抜けた

戻って来た受付に視線を向ければ、女の方からは二人して
何やら会話している様相が、少なくとも見る事は出来るだろう
そして、其の内容が先刻の盗人では無く、女の事であろうと言うのも
所々聞こえる単語から類推は出来よう

「あれがそうか?」『えぇ』「腕は立つのか」『恐らくは』

あくまで、世間話の延長で言葉を交わして居るだけ、だ
女に対してどうこうと言う事は無く、この場において敵意や害意を感じる事も在るまい
――だが、其の後で。

「確かに、ここいらじゃ他に見ねぇな。」『でしょう?』「ああ、シノビたぁね。」

――少なくとも女の姿を見て、其れが何なのか、を理解して居ると
其の言葉の端切れで、理解は出来よう

『勝てますか?』「あ?俺様だぜ。 ……ま、油断はしねぇさ。」

それは、あくまで女に言葉が届いて居ないと言う前提の会話で
あくまで、新人と腕を比べて如何なのか、というシンプルに下世話な話だった訳だが
聞きようによっては、少々不穏な台詞で在ったかも知れず

――そうして、先刻の男達の懸賞金を受け取れば
女の傍を通り過ぎて、上の階へ――ギルド付属の宿部屋へ続く階段を上るだろう。

れあ > その男は、どーゆー訳か私の話を役人としている。

全部聞こえる。
どうも私の顔が売れてる…ということっぽい。
それもそうか、母国から追っ手がかかるはずもないし、そもそも彼は東邦人ではないし。

「腕の立つ女冒険者を探してるとかかな」

なんて呟いて、あとは誉め言葉を聞いてる気分で会話を盗みきいていたんだけど…問題はその帰結。

は?

(勝てますか?)(油断しなければ、な)

「……」

男はどうもよくない依頼を引き受けてしまったようだ。
なるほど、賞金首狩りを生業にしていて、あのバカ貴族が私に懸賞金でもかけた…って流れか。

と、一人で納得した。

それならば遠慮はしないで先手必勝。

階上に移動する男の後をトレスして寝首をかくか、呼び止めて皆の前で叩きのめすか。

まあ見せてあげましょう、忍びの技を。
それだけ気配をまき散らしていたら、二階に姿を消した後も、どの部屋に入っていったのかなんて見なくてもわかる。

すっと掲示板から離れて、暫くその場で待つ。
男の姿が完全に消えた後、さて私も~と上の階へ──。

グライド > 階段を上がれば、幾つもの部屋が並ぶ
其の中の、一番奥の部屋へと向かうのは、単純に今しがた宿を取ったばかりだからだ
角部屋は嫌いではない、片側に気を遣う必要が無いのだから

のんびりとした足取りで、廊下を歩む姿は、背後から見れば隙だらけにも見えよう
実際、ギルド直下のこの宿で、襲われると言う状況は考えにくい
そも、気を張っている方が不思議なのだろう、が

――其れでも、完全な油断、では無い。 何処かで、気を張り続けて居るのだ。

「……そういや、何て名前だっけか。
……まぁ、自分で聞けば良いか。」

職員なら、名前くらいは把握して居るだろうと今気づくが
人づてに聞くよりは、機会が在れば、自分で聞き出せば良いだけだ
手にした鍵を持ち上げ、扉の前に立てば、錠を開く

そうして、別段他の部屋と変わらぬ間取りの室内へと足を踏み入れれば
後ろ手に錠を閉じ、携えていた大盾を、壁際へと立てかけて、鎧を外して行く

革鎧を外せば、己が身を守るのは、鍛え上げられた筋肉の鎧のみ
上の肌着をも脱ぎ落して裸身を晒せば、テーブルの上に置かれた酒瓶を迷わず手に取って
其れを、ぐい、と煽るのだ。

れあ > 「はいはい。角部屋ね~」

敵の姿を視線に入れての尾行は、行わない。
階段をのーんびり上がり、途中で足を止め、窓の外を見たりしつつ、男が奥の部屋に入って行った気配を確認した後、上の階に到着。

今の姿を見る人が居れば、ただ廊下を歩いているだけの女、それ以上でもそれ以下でもない、そんな空気を纏いつつ、足音皆無で部屋の前に立つ。

壁の向こうの男の様子も大体わかる。

装備をそこに立てかけて─。
鎧も脱いで、脱いだのはそこに置いて─。
…ふ、服も脱いで雑に椅子の背にでもかけたか─。
そして何かを手に……この香り、酒瓶か─。

彼がごくと喉を鳴らす音までもを聴く。


扉に手を触れつつ、錠を破れる(ぴっきんぐできる)のを確認。

さて、もう少し待ちましょう。
それとも、窓から入るのもいいかな。

勿論、これは暗殺とかじゃなくて「わからせる」ためのもの。

色々段取りを考える。
男がそのまま寝てしまえば一番手っ取り早い。
その上で、いっちばん効果的で、いちばん精神的に優位を生む、そんなタイミングと登場の演出を考える。
それが出来れば戦にも勝てるというもの。

グライド > 決して高い酒と言う訳では無いが、其れが良い事も在る
咽喉から鼻に抜けて行く酒精は、一仕事終えた後には最高だ
酒瓶を持ったまま、軽く身体を拭いてから、寝台に向かう

サイドテーブルを引っ張り寄せ、軽く寝転がりながら酒瓶を煽り
そうして、部屋に置かれて居た王都内の公布なんかへと眼を通しては
脚を伸ばし、直ぐには動けぬ姿勢と変わろうか

「……相変わらず、戦争とまでは行かねぇ感じだな…。」

此処最近の情勢は、閉塞感にも似た状況が続いている。
九頭竜山脈への侵攻が、起きるのか起きないのか、今は小康状態
傭兵である己にとっては、明日を読めぬ状態が、もう暫く続いている事になる
――戦争なんて物は、起きないに越した事は無い、が
人が人である限り、起きない事は無いのだとも知って居る。

「………どうなるやら、だ。」

なる様になるだろうし、なる様にしかならぬ
己が、頭を回して考えた所で、何が出来る訳でも無し
肩を竦め、紙を放っては、ぐい、と酒瓶を再び煽って、完全に寝台に転がった

テーブルの上に置かれた酒瓶は、もう、空となって居たろう。