2025/03/03 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区」にズラトさんが現れました。
ズラト >  
痛みにも近い寒気を伴う寒風がびゅうびゅう強く走る深夜帯。
三日月も落ちはじめて飲み歩く客も少なくなって閑散とした平民地区大通り。
の、端の端。集合住宅に両隣を挟まれて狭苦しそうに立った小さな酒場。
【Bar『Pšeničné klasy(小麦の稲穂)』】――
木目の扉の真横には、店の名前が記された置き看板が設置されていて、
木目の扉のあちこちに、営業中の札やら本日のおすすめメニューの黒板やらがぶら下がっている。
外観通りに広いとは言えない店内には蓄音機から奏でられるしっとりとした曲が流れていた。

からん、からん、からん、とその音楽に混じって軽やかに鳴るのは真ん丸な氷がグラスの中でウィスキーと共に揺れる音。
カウンター席の一つに腰掛けて足組んで頬杖ついて、お酒片手に、店主が一人飲み。
一見さんも常連さんもお帰りになったあとの静かで暇な時間を休憩がてらに晩酌中。

ズラト >  
ウィスキーの瓶を飲み干した頃のんびりと立ち上がってお片付け、閉店準備。
今日も丁度良く忙しなく丁度良く暇な一日――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からズラトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルカさんが現れました。
アルカ > 空が橙から黒へと変わる頃。
大きな広場の一角、数人規模の小さな人混みがひとつ。
中心から響くは蒼の髪の持ち主から放たれる透明な声による歌。
即興の歌詞と旋律で奏でられる歌を終えて、観客達からの控えめの拍手が彼に送られる。

「 ーー ありがと、ございましたっ! 」

聴いてくれた一人一人に深々と頭を下げ、足元に置いていた小銭入りの木箱を拾い上げる。
広場を離れて、目に入った路地裏へと入り込み。
観客の皆様がお気持ちとして渡してくれた小銭の数を確認すれば。

「 ……今日はちょっとだけ、贅沢していいかも。 」

口の端を吊り上げて嬉しそうに微笑み、薄暗い路地裏の中でも目立つ蒼髪を揺らす。
昨晩の食事はパンの耳だけ。今日は甘いものでも食べようか。
隙だらけで無防備な少年は、口に溜まる涎を飲み込んだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアルカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 豪雪の中の宿屋」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 温暖なマグメールに襲い掛かる急激な寒波。
この時期には珍しい豪雪や吹雪で交通網は麻痺して、
終いには街中ですら、少し出歩いた末に帰宅難民者が現われる始末。
当然、そんな中で冒険者の依頼など舞い込んでくる筈もなく。
馴染みの酒場も居座られてはごめんだとばかりに酒瓶だけを押し付けて
早々に店仕舞いを決め込んで酔っ払い客を追い出しに掛かる。

「酒場は追い出されるわ。娼館も閉店だわ。
 仕方ねぇっちゃ仕方ねぇが、……たまったもんじゃねぇな」

不幸中の幸いは定宿は前払いの長期契約のため、雪の中、追い出される心配がない事。
調度品も何もない、ただ、大柄な冒険者も使用する想定で広めの寝台のみが備え付けられた部屋で、
寝床の上で胡坐を掻きながら、吹雪に見舞われる街の様子を窓硝子越しに眺めて、
眼下の通りで一宿の塒を求める避難民が宿屋の戸を叩いては断られる様子に肩を竦めて嘆息する。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 豪雪の中の宿屋」からトーラスさんが去りました。