2024/08/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエンさんが現れました。
エン > 日暮れ過ぎ。夕日が空の向こうに隠れたけれど空はまだ赤々とした時間帯。大通り、歓楽街の賑わいはますます活気づいてきた。各所から酒や飯や女を目玉にして威勢よく呼び込みをかける声が聞こえる。どこそこで飲もう、あそこで食おう、あすこのバニーちゃんはめっちゃデカパイ……云々の雑音もようく聞こえる。そんな賑やかな場所からちょいと離れた所。

「ぁよっこいしょ」

街中を幾つも走っている河川のうちでも大きめで水も清らかな類のすぐそば。
お散歩コースとしてもそれなりに人気で遊歩道になっている道を、すたすた。
お散歩中の盲……と、いっても、杖もなく足取りも危なげないからぱっと見はそうは見えぬが兎角盲目が、見目は若いのに年寄り臭い声と一緒に近場のベンチに腰掛ける。

「ぁ゛~~~……」

休憩だ。手提げ鞄を広げれば氷嚢入りのそこから濡れたタオルを出して、サングラスを外し顔に当てる。
これまた年寄り臭い声を上げながら顔を拭った。

エン > ぴったりと接着されたように降りたままの瞼。ちょっと歩いただけで汗がしとどに溢れる暑さに眉を顰めたり濡れタオルで口元を緩めたり、目は口ほども物を言う、とはいうが目なんぞ伏せられていても表情で目一杯物を語りながらベンチの背もたれに背を預けて一服に入る。

「飯。飯か……」

遠くの方から聞こえてくる大通りの活気。
飯屋や酒場の呼び込みの声。
常人ならざわついた雑音だが常人よりか耳を鍛えてあると少し耳を澄ますと内容も届く。
今日はどうするか、宿に帰ってからにするかたまにはどこかで外食でもするか……
と、サングラスを掛け直してひとりごちながら首を傾げる。

「ん~~~」

エン > しばらく、ん~~~。とか。ぁーーー。とか、悩ましくも唸っていたが。よし、と頷き一つ、小休憩も終わり立ち上がればその足取りは回れ右して大通りの方へと歩き出す。『ラム肉の串焼き』なんて単語が聞こえてきた方へと、るんるん、鼻歌を含みながら歩いていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエンさんが去りました。