2024/05/29 のログ
■ティカ > ぱっと見の雰囲気、なんとなくの印象。
そういった曖昧な決めつけがトラブルの元となるのは多々ある事だ。
初見で彼が口にした《でけぇ腹》というのもその類。
ティカが孕んでいると知り、初対面でその余計な荷物を堕ろすのを手伝おうかと持ちかけたのも、チビの事情をまるで知らぬからこそだろう。
互いに顔を合わせるのはこれが初めてなのだから、知らぬのは当然の事だし、それを責めるつもりもない。
しかし、だからこそまずは会話でその辺りを探るというアプローチが必要なのだ。
眼前の大男はティカを《そういう目》で見て、雑に決めつけ、こうすればヤれそうだという推測から先の言葉を発したようだった。
ウェイトレスに向けた言葉からも、そういった彼の性質が伺えた。
「さぁな。あんたにゃ関係ねぇ話だろ」
それ故に、問いかけに対する返答も好意的な物ではなくなった。
先ほど運ばれてきたばかりの紅茶をぐいっと一口で飲み干して、その代金をテーブルに置いて立ち上がる。問を向けてきた男には、もう一瞥も向けはしない。
最初のやり取りは突拍子も無いものだからこその面白さもあったのだけれど、ヤりたいだけで近付いて、ヤれないと分かると目の前で他の女に粉を掛け始める。
チビの妊娠事情などどうでもいい。
そんな風に考えているのだろう男と、これ以上話を続けようとは思えなかった。
タイミングの悪さも大いにあろう。
筋肉質ででかい男は好みだし、紫煙をくゆらす姿にはある種の色気も感じるのだから、ティカが精液中毒を発症しているタイミングなどに出会えていれば、また違った結果にもなったかも知れない。
「よけーな世話とは思うけど、あんたさぁ、もう少しちゃんと相手の事見た方がいいと思うぜ。じゃあな」
出口に歩を向けた小躯は最後の最後、肩越しに告げると未だ大雨の降りしきる中を駆け去っていった―――。
■クロス > (話を始めるも空気はかなり悪い状態であった。
問いかけに対する返答も好意的とは言えない様な態度であった。
それもそのはずだ。
先ほどの会話、少女の事情も知らず自身の欲のために持ちかけた話。
聞き方によっては不謹慎極まりない話になることだろう)
「・・・。」
(去り際に言われた言葉。
その言葉を聞いて去っていった後に口に含んだ煙草の煙を天井に向けて吐き出す。
ため息の様に重々しい息を吐き出しながら、運ばれた酒を一気に飲み干して、酒臭い息を吐き出す。)
「…しばらく続きそうだな…」
(走り去った少女とは逆に男は窓の外の雨を眺める。
ただボーっと雨が止むころ合いを見計らっては支払いを済ませて自分の住処へと帰ることとなるだろう。
先ほどの荒々しい雨が闇、ゆっくりと日が落ちる空を眺めながら一人地面に大きく長い影を照らし帰路につくのであった・・・。)
ご案内:「平民地区 大雨の日中」からティカさんが去りました。
ご案内:「平民地区 大雨の日中」からクロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。