2024/05/22 のログ
ご案内:「平民地区 出会い宿」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフィーリアさんが現れました。
■フィーリア > 「今日は外れかも」
昼を過ぎたごろの時間帯の冒険者ギルド。
早朝からのアルバイトのお陰で出遅れ、ギルドにやって来れば目ぼしい依頼は既に出た後。
残っているのは単独で受けるには難易度が高いか、手間の割に報酬が安いものばかり。
時々に手間と報酬が合わないような高額報酬もあるが、そういうのは大抵は上手い話は何とやら、なのでスルーし。
「まだこの辺が妥協かな。けどな……」
まだ報酬がマシな採取依頼を手にはするが微妙顔。
どうしようかと採取依頼を手に、複数依頼を眺めては悩み。
このまま採取を受けるか、思い切って複数以依頼で人を待つか、どうしようかと悩んでしまい。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に”徒花”ジョーさんが現れました。
■”徒花”ジョー >
今日も今日とて冒険者が賑わうギルド。
玉石混交。依頼の質も十人十色。
それを受ける目的も各々だが、誰もが目標のために進むべき一歩が始まるのが此処だ。
そんなギルドの扉がぎぃ、と開かれて一人の男が入ってくる。
全体的に色素が薄く、一見魔術師めいた風体の青年である。
身につけたローブを翻し、迷うことなくカウンターへ羊皮紙を数枚出した。
「……依頼を完了させた。事後処理は頼んだ。」
青年は冒険者ではないが、このギルドを通して依頼を受ける事もある。
と言っても、採取や救出、或いは社会のインフラ関係があるものだ。
どれも此れも高額ではないが手間が掛かる。所謂"ハズレ"と言われるものも多い。
それでも、社会の営みに紛れ人助けをするには、青年にとっては体が良かった。
依頼料など元より必要なく、ただ静かに人助けが出来ればそれで良い。
ギルドの事務員が依頼終了の確認等を行っている中、ふと周囲を見渡した。
白髪の隙間から見える風景は、何年経っても変わらないものだ。
冒険者という人種は、何時の時代も変わらないらしい。
何処となく安堵を覚えると、翠の双眸が捉えたのは一人の少女。
何処となく身の丈にあってない装備一式と鮮やかな紅髪の冒険者。
装備には使い込んだ雰囲気が感じられるので手練れのように見える。
しかし、纏う雰囲気とは何処か乖離している。
表情から察するに、何か悩んでいるようだ。
ハッキリ言って、青年にはどうでもいいことだった。
「……おい、何か悩み事か?」
それでも、その性根が勝手に突き動かした。
かつ、かつ、と床を杖で鳴らしながら青年は少女に語りかける。
■フィーリア > 少しでも稼いでおきたいと思いはするが、報酬と労力があっていない依頼はできれば避けたい。
しかし来るのが遅れた以上、贅沢を言える身でもないのが問題であり。
背後で誰かが依頼を完了させたという声が微かに聞こえたことで、早くにいい依頼をとれたのかなと思い。
今日はついてないと大きなため息を吐き、割に合わなくても採取依頼を受けておくべきかと考え。
だがそうは決めても、もしかすれば良い依頼がまだ出てくるかもと思うと中々に決断できるものではなく。
そんな時に声をかけられると驚きに肩を弾ませ。
「わ、私?悩みっていうかね」
驚いて視線を向けると知らない青年、もしかすると何度か見ているかもしれないが思い出せず。
少し悩んで手に持った依頼書を揺らし、受けるかどうか悩んでいると。
■”徒花”ジョー >
どうやら驚かせてしまったらしい。
それもそうか、いきなり知らない人間に話しかけられたら当然の反応だ。
青年は静かに首を振り、翠の両目は彼女に焦点を合わせる。
「驚かせてすまない。どうにも煮えきれない顔をしていたから声をかけた。
お前とは初対面だ。俺の記憶違いでなければ、互いに名も知らないはずだ。」
「……こんな国だ。初対面の相手を警戒する気持ちもわかる。」
今や獣面人心。隙を見せれば誰もが食い物にされるような斜陽の国だ。
特に相手がどうであれ、警戒するには十分な理由となる。
事実、青年の言動は素っ気なくも感じるが、そこに敵意がないのは感じれるだろう。
さて、何処となく場馴れした雰囲気が見れない冒険者の少女。
どうやら、依頼内容を受けるべきかどうか悩んでいるらしい。
青年はふむ、と相槌を打ち彼女の手に持つ依頼者に視線を落とす。
「どんな依頼内容なんだ?それは。」
■フィーリア > 基本的には顔見知り以外には声をかける事が少ない場。
そんな所で声を突然掛けられ驚かないはずもなく。
誰だったか、実は一度ぐらい組んでいたかと思いだそうとし。
「あ、うん。大丈夫。少し悩んでただけだし。
そうだよね?私もあった記憶がないし、あっててよかった」
青年の口から初対面と言われ、会ったことがない事があっていたので安心し。
警戒する気持ちがわかると言われては、この国の実情を知る他国人なのかとみて。
特に悪意や変な親切心というものも感じず、言動はそういうものと気にはせず。
むしろ悩んでいた姿が気に障ったのかと心配になり。
「これ?普通……って言うには割に合わない採取依頼」
依頼書に視線を向けられると、内容を本当に簡潔に説明し。
依頼内容は採取しやすい薬草採取ではあるが、量が多いうえに報酬がシビアというものだと見せて。
■”徒花”ジョー >
言ってしまえば、それは何処にでもあるような内容だった。
恐らくは村か、業者か。何にせよ量が多いという事は個人で使うものではなさそうだ。
薬草一つとっても使い道も効力も違ってくる。
依頼料が割に合わないというのは理解も出来る。
ハッキリ言って、ただ採取だけの依頼は場所によるが
安全な場所なら危険性を考慮して依頼料が少なく見積もられる事も多い。
「……お前が受けないと言うなら俺が受けよう。」
元よりそういった依頼を好んでやる青年だ。
面倒事があれば片付けておくに限る。
視線を少女へと戻せば、青年は問いかける。
「要はお前は、手っ取り早く稼ぎたいのか?
それとも名声を上げ、自らを強く誇示したいのか……。」
「お前が依頼を受ける"理由"が知りたい。単純なもので良い。」
富、名声。
欲望も立派な原動力だ。
それがなくては、何事も成り立たない。
カウンセリングと言うわけではないが、彼女にあう依頼を見繕うという目論見だ。
■フィーリア > 多い依頼ではあるが、量が本当に報酬に対し割に合わないもの。
似たようなものは何度も受けてはいるが、その中でもダントツに安いといえる依頼。
なので余ほどがない限りは受ける事はない類であり。
「え?これ受けるんだ」
絶対に割に合わないが、受けると青年が言えば驚き。
悩んでいる自分よりも受けるという人が受けるべきと依頼票を差し出し。
代わりを探さないとと視線を掲示板に戻そうとするが、視線を戻され。
「そうじゃないよ。そう言うのは大抵危ないか変な裏があるから。
名声も強さの誇示も興味はないよ。
受ける理由って……生活費だけど?」
名声も強さも特に興味がないとさらりと返し。
依頼を受ける理由はいたってシンプルに生活費のため。
それ以上でもそれ以下でもないというように青年を見返して。
■”徒花”ジョー >
「割に合わないだろうが、それで助かる人間がいるならな。」
別に金や名声などに興味はない。
人間社会で生きる上での奉仕精神のようなものだ。
社会で馴染むのは、人に持ちつ持たれつをただ体現している。
それだけに過ぎない。驚かれるのも、もう慣れている。
「……そうか。冒険者以外にも職業の選択はあったと思うがな。
金を稼ぐために冒険者を選ぶというのも、随分と切羽詰まっているのだな、と。」
ハッキリ言って、職業の選択は出生次第だが選ばなければ幾らでもある。
その日の生活費を稼ぐのに、敢えて危険を犯す職業にする理由はない。
憧れか、拘りか。シンプルな理由故に質問をしてしまった。
ただ、すぐにでも静かに首を振って、言葉を続ける。
「いや、答えたくないなら別に良い。
そもそも冒険者は"そういうもの"ではある。危険を省みずして路銀は稼げない。」
「その結果泥沼にハマることになっても、な。
……だが、安全を考慮してという気持ちを理解する。難しいものだな。」
リスクなくして見返りはなし。
とは言え、そこのジレンマに陥っているのなら必定。
他人事ではあるが、他人事ながら悩ましく溜息が漏れた。
■フィーリア > 「それはそうだけどね」
青年の言う事はわかるが、やはり報酬も大事。
人助けは大事だが、自分も報酬を貰わないと生活ができないということもあり。
「他もやってるけど、こう……アルバイトっているもある訳じゃないからね。
それに、その依頼は割に合わないけど、普通にお金になる薬草採取もあるだよ」
色々とアルバイトを探すよりは冒険者のほうが割が良いかもしれないと言う事に気が付いたということもあり。
身の危険は勿論あるが、うまくアルバイトにあり付けるか判らない事を考えると冒険者も変わらないかもしれないが。
「本当に生活費の為だって。
薬草採取の依頼でも、酒場のアルバイトより稼げるんだよ」
時間とバイト代、危険と仕事にありつけるかというのを考えた結果の今。
リスクはあるが、薬草採取や時折にPTに参加すればリスクも少ない。
今回は安全と報酬が割に合わないのが多いだけと告げて。
■”徒花”ジョー >
「気に触ったならすまない、別に疑っている訳でも馬鹿にしている訳では無い。
確かに冒険者よりか稼げないかもしれないが、路銀を安全に稼ぐなら幾らでもあるからな。」
大抵の覚悟もなくなれるような職業でもない。
文字通り体を、命をかけて稼ぐような職業なのだ。
勿論、彼女の言うように金になる採取依頼もあるだろうが、危険も伴う。
要するに、軽はずみな気持ちでなって痛い目を見ないかとお節介だ。
とは言え、所詮は勝手な気持ちである。気に触ったのであれば素直に謝罪するのが礼儀だ。
青年は非礼を詫び、軽く一礼。
「お前が受けないなら、その薬草採取は俺が請け負う。
……先程の非礼の詫びではないが、お前の路銀稼ぎを手伝う事も出来る。」
そう言うとカウンターから送られてきたのは麻袋。
まとめて達成した依頼の報酬だ。塵も積もれば、というやつだ。
麻袋を懐へとしまえば、再び彼女へと向き直る。
「こうみえて腕には自身がある。
依頼料はお前が全部受け取れば良い。どんな高額な依頼も受け入れるつもりだ。」
「悪い取引ではないと思うが、どうだ?」
■フィーリア > 「別に気にしてないよ。冒険者をやる理由なんてそれぞれだしね。
それはそうだけど、冒険者は自分に合ってると思うからやってるだよ。
路銀じゃなくて生活費だから、どこにも行かないし、行く予定もないからね」
リスクが大きく、なるときに少ない貯蓄は完全になくなったが今では好きでやっている冒険者。
依頼は今回はついていなかったが、いつもならそれなりの採取も受けれている。
それに危険そうな依頼は基本的に避けるか、臨時のPTを探しているのでたぶん大丈夫という考えはあり。
謝られると気にしていないと首を振り。
「いいよ、私が悩んでるより受ける人が受けるほうがいいからさ。
別に気にしなくていいよ。依頼がない日があるのも冒険者なんだし」
今までも無いときは無いし、悩んで受けなかったのもあるので、今日はそんな日と考えていて。
そんな時に青年に麻袋が送られ、稼いでるんだなとみて。
「そういうのは悪いからいいよ。
それにそんな事したらギルドから依頼も貰えなくなるのは私なんだし」
そうして青年の提案には首を大きく左右に振って大丈夫と断り。
今日依頼を受けることができなければ明日探せばいい。
少なくとも2,3日はまだ持つはずと考えもあり、何より誰かが受けた報酬をもらうというのは冒険者としておかしいと思うのもあって。