2024/05/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からセカンドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」にドリィさんが現れました。
ドリィ > 大通りから一本奥へ入った道沿いに開かれたバザール。
さして広くもない石畳の通りの両脇に露店連なる賑やかな一角、女は一軒の露店の前にいた。

其処は所謂──探索者の店、というやつだ。

旅に出る為の薬類や糧食等の乾物に特化し、店主の趣向を反映し、多少マニアックな品も揃う。
まあ、マニアックさはどうでもいい。粗悪品を扱わない。それが贔屓にしている理由。
量り売りである瓶詰めの薬草や生薬類が並ぶ中、毎回購入している薬草の詰まった瓶を指差し。

「いつものぉー……… ゥん? これだっけ。 ね。葉の色違くなぁい?」

小頚傾いで問えば、『春先の新芽を燻してるからだ』なんて声が返った。
ほぅほぅ。したり顔で返事をしてからに

「じゃあこれにー… こないだとおんなじ配合で調合してくれる?
 そうそう。解毒と…浄化とぉー… ───…んー…忘れちゃった。適当に?そんな感じで?」

んふーぅ、とユルく笑って結局毎回こんな調子で店主オススメ配合というやつになる。
露天商が擂り鉢でごりごりと数種の原料を砕き、調合する間、

「ねーねー、なぁんか面白そうな話とかないのぉ?
 冒険心掻き立てられちゃう感じの──…  ァ。ねえ、この薬なぁに? 初めて見た!」

作業の腰を折るかに暇潰しのお喋りに付き合わせるのが恒例。
客と店主の距離感を器用にぶち抜いてゆく馴れ馴れしさは、この女の美徳且つ悪癖でもあって。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」にキュリアスさんが現れました。
キュリアス > 「にゃ~」

露天の中で、暢気な猫の鳴き声が響く。
いつの間にか、彼女が見ている薬を同じように覗く長身の青年の姿。
気配もなく、忍びよった訳でもなく、本当に今現れたかのように声を出して。

「それは食欲を失くす薬みたいだにゃ。
 旅の途中で飢えの感覚を紛らわす為に飲むことが多いにゃあ。
 ダイエットとか体重を落とすのにも役に立つけど、飲みすぎるとキケンにゃ」

などと解説すると別の瓶を手に取り

「店長さん。こっちの薬お願いするにゃ。
 だいたい一週間ぐらい用意してくれると助かるにゃ」

と、手に取ったのは便秘薬の類。
ただし、出す方ではなく出なくするためのほうで。

「お嬢ちゃんもここのお店贔屓にしてるのにゃ?」

と、待機がてらに話を振ってみる。

ドリィ > 突如響いた猫の鳴き声。否──青年の鳴き声か。
まるで突然傍らに現れたよう、目を惹く華やかな容姿の相手へ、目を丸くし。

「へーぇ。 そぉなの? ───… 合ってる?
 ぁ。それじゃあソレもついでに買っちゃおうかなァ。お腹空くの、困るしぃ。」

店主へと視線戻して問えば、相手の解説は正解らしい。
なんとなく興味が湧いたので頷く露天商へと購入品の追加を告げ。

「お兄さんありがと♡ そぉなの。ここの店、雨でも嵐でも大抵いるし。
 ぁ、ちなみにねぇ、これとぉー…これ、あとコレが、あたしのオススメ。 良かったら買ってみてネ?」

ニッコリと愛想振りまきつつに指差し伝える、毎回購入する類の薬草。

そうこうすれば調合を終え、渡された購入品。
───先程の薬と青年の教えてくれたそれ、そして火酒に沈める香草、糧食を幾つか。

手早くひょいひょいと手持ちのバッグに詰め入れれば、
少しばかり長居し過ぎたか、刻限を気にする仕草は用向きがあったがゆえ。
中々に愉しげな青年の口上を聞きたい欲もあり、場に未練は多少残れど、
青年と店主に片手をぴらりと揺らし、漸く踵を返そうか。

女は約束の用向きへと足早に。翌朝には何処ぞへと発つだろうと──。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」からドリィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」からキュリアスさんが去りました。