2024/01/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミケリアさんが現れました。
ミケリア > 「ふんふんふ~ん……♪」

大通りから奥に入り、路地を進んだところにある小さな酒場。
少し照明を落とした薄暗い店内は、大勢で飲んで騒ぐような趣とは異なる、オシャレなバーといった雰囲気だ。
そんな店のカウンターに緑髪の女が1人、ひどくご機嫌な様子で座っていた。

「あぁ……これもまた、ヒトの街でないと楽しめない逸品ですねぇ……」

女の前に置かれているのはカクテルグラスと……小さなケーキ。
酒場で提供される品にしては、繊細で上品なスイーツだ。
デザートメニューが充実しているのがこの店の売りの1つ。

エルフに扮した人間好きの精霊は、甘いケーキを肴にカクテルを傾けるという俗世の楽しみを満喫していた……。

ミケリア > 「しかし……小さいのはちょっと難点ですね」

オシャレな小ぶりにカットされたケーキは、すぐに女の口の中へ消えてしまった。
空っぽになった皿を未練がましい目で眺める。

「…………もう1セット頼んじゃいましょうか!」

精霊である彼女は、普通の人間のように甘い物の食べ過ぎに注意する必要はない。
再びメニューを開けば、次は何を頼んだものかと真剣な表情で悩み始める。

そんな風に迷っているうちに、カウンター以外の席は少しずつ埋まってゆく。
店の特色故か女性客が多く、中には酒類を頼まない学生もいるようであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシルフィアさんが現れました。
シルフィア > 路地裏にある店が女性客にも人気の理由は何もスイーツだけではない。
静かな店内に流れる生演奏もまたこの店の売りだった。
そのステージには、腕が認められればプロばかりではなく学生も立つことがある。
けれど、今日ばかりは少し様子が違い、ステージに立ったのはまだ年端も行かない少女だった。

「―――♪」

酒場という場所だけに、幼さを残す少女の姿は場違い感しかない。
けれど、それも少女が歌い出すまで。
少女の澄んだソプラノが、落ち着いた旋律を紡ぐと、店内のざわめきは消え。
訝し気な視線を送っていた客たちも、みな静かなに耳を傾けていた。

やがて伸びやかな余韻を残して、その歌声が店内に溶けていく。
一曲、詠い終わった少女はスカートの裾を摘まんで一礼し。

「リクエストがあればお受けしますが、いかがですか?」

店のマスターのものらしい帽子を逆さに持って、店内を回る。
中には既に数枚の紙幣とコインが入っており。

ミケリア > 「あら…………」

お代わりのケーキを嬉しそうに食べていた女だったが、ステージ上で美しい歌声を響かせる少女に目を向ける。
その魔力や生命力の循環に見られる少しばかりの違和感。
……けれど精霊にとって重要なのは、その歌い手の声が素晴らしく、可愛らしい女の子だということだった。

(あぁ、素敵な子)

他の客同様、その美声に耳を傾けながら、精霊はそっと目を細めて微笑む。
やがてあなたがおひねりを貰いに席を周り始めれば、その帽子に銀貨を一枚入れながら声を掛けた。

「素敵な歌、ありがとうございました~。ふふ、お酒とケーキがいっそう美味しく頂けました。
良ければ……あなたも一緒に甘い物でも、いかがですか? 一品、御馳走しますよ」

元から上機嫌だった精霊だが、あなたの歌と可愛らしさにいっそう気を良くしたようで。
おひねりを渡した上で、そんなお誘いまで。

シルフィア > 「ありがとうございます。
 ――え? えーっと………」

カウンター席の女性から銀貨を貰うと、余所行きの笑顔を振り撒いた。
けれど、続く思いがけない申し出に、思わず固まってしまう。
視線が無意識にカウンターへと向くけれど、そこには空になったお皿しかなく。
仕方なしに、店主の方へと視線を投げかける。
視線に気づいた店主はと言えば、「売り上げに貢献してくれるんなら、構わない」と鷹揚に頷いて見せ。

「お許しが出たみたいなので、お相伴に与ります。」

おひねりの入った帽子を店主に預けると、隣の席へとよじ登る。
小柄な少女には、カウンターのスツールは少し高いらしい。

「お客様は何を召し上がってらしたんですか?
 シル的には、ここのお店はフルーツがおススメです。」

いわゆる出張でのお仕事中ではあるけれど、当然、出張先の美味しいものはリサーチ済み。
むしろ美味しいものがあるから出張を引き受けたと言っても過言ではなく。

ミケリア > 「ふふ、よかったぁ。ええ、ええ、どうぞこちらに」

よじ登るあなたの様子にクスリと微笑み、自然に手を貸してスツールの上に引き上げる。
どうやら見た目よりも腕力はあるらしい。

「私はショートケーキとチョコレートブラウニーにしました。
あ~……でも、フルーツ系も良いですねぇ。確か今月の季節のタルトがリンゴでしたか。
次は私もそれを頼むことにしちゃいましょう」

どうやらこちらもまだ食べるつもりらしい。

「あなたも好きな物を頼んじゃって良いですよ~。
ああ、あと、そんなに堅くならなくて大丈夫です。
お仕事の時間はしばらくお休みでしょう? でしたら、お互いただのお客さん同士です」

なんて、にっこりと朗らかに笑い掛けて。

シルフィア > 手助けして貰ってスツールにちょこんと座り。

「ブラウニーも捨てがたいです。ほろ苦感が堪りません。
 はい、ここのリンゴのタルトは絶品です。
 甘過ぎず、くどすぎず、程よい感じです。」

女性客が既に食したというケーキを聞いて、思わず揺れる。
とはいえ、ここはやはり季節限定だろう。
店主に、「シナモンたっぷりで!」と注文し。

「お仕事は休憩中……になるのかな?」

ちらりと店主の方を見れば、意味深な視線を向けられる。
しっかり接客しろということらしいそれに、やや苦笑を浮かべ。

「シルのことをさておき。
 お姉さんはここの常連さんなんですか?」

既に2皿もケーキを食べているうえに、女性客は更にまだ頼むらしい。
若干、心配しなくもないけれど、お酒でもないのだし、そこは何も言わないことに。

ミケリア > 「ええ、あの程良い苦みと甘いカクテルがよく合うんですよねぇ……」

うっとりと既に皿から消えた美味を思い出しつつ、自分も店主に注文する。
それ程経たずに供されたのは、2人とも同じ期間限定のリンゴタルト。
サクサクのクッキー生地の上に、甘いリンゴのコンポートがたっぷりと載った一品。
あなたの注文通り、食べる前からシナモンとバターの食欲を誘う香りが立ち昇っていた。

「ふふ、あなたも大変ですね。
……とはいえ、折角のケーキです。美味しく頂きましょう」

なお、ちゃっかり女性は新しいカクテルも頼んでいた。
ほんのりと頬は赤らんでいたが、表情や呂律からは酔っているような雰囲気は感じられない。
ちゃんと一見して学生らしいあなたにはアイスティーも頼まれていた。

「ええ、それなりにはぁ。マスターさんにも、随分とお世話になっています~。
私はミケリア。あなたは……シルさん、っていうんですか?」

あなたをニコニコと見つめながら、ご機嫌そうに新しいカクテルを傾ける。

シルフィア > 「シルはお酒は飲まないから分かりませんけど、お姉さんの言ってることは分かります。」

ブラウニーのほろ苦さを思い浮かべると、次はそれを注文しても良いかと思ってしまう。
いくつも奢って貰うのは申し訳ないので、そこは自分で支払うつもりだけれど。

ふたりの前に出されたタルトの皿
丁寧に切り分けられたそれだけれど、いっそのこと焼き立てをまるまる食べたいところで。

「シルはシルフィアって言います。
 こちらのお店には、初めて来ましたけれど、店長さんが良い人ですね。
 今後もごひーきにして欲しいです。」

さっそくとばかりにフォークを刺して、ぱくりとひとくち。
シナモンの香りと、強すぎないバターの風味。そして煮詰めた林檎の甘みが口いっぱいに広がる。
幸せそうに表情を綻ばせて。

「おいしーです♪
 お仕事の後の甘いものはさいこーですね!」

大人っぽくカクテルを傾ける相手とは裏腹に、子どもっぽい仕草で、けれど全身から幸せオーラを放出し。

ミケリア > 「シルフィアの『シル』だったんですねぇ。
……ええ、ええ、是非ともシルさんも常連になってください。
私のオススメも、いろいろ教えてあげたいですし」

自分のタルトを小さくフォークで切り分けながら、カクテルと交互に口に運んでいたが。
いつの間にやら食べる手を置き、あなたが食べる様子を嬉しそうに見詰めていた。

「ふふ……可愛い子が幸せそうに美味しい物を食べているところは、やっぱり眼福ですねぇ」

まるでケーキよりもあなたを肴にしているかのよう。
恍惚とした表情でカクテルを傾け、なんとも味わい深そうに息をついた。

「お酒を飲まない……ということは、シルさんは学生さんなんでしょうか。
このお店一番の楽しみを共有できないのは、ちょっとだけ残念ですねー……」

シルフィア > ケーキの美味しさは及第点
自分が通う分には、申し分ない。
逆にお店の方から呼んでもらえるかどうかは、店長の胸先三寸といったところ。

「おいしーのは幸せですから。
 こんなにおいしいケーキを作れる店長さんは天才だと思います。」

そんなわけもあるので、店長を持ち上げておく。
効果はあまりないかもしれないけれど。
さっぱりとしたストレートティーをストローで飲みながら。

「お酒は、こー……ふわふわしてお仕事できなくなっちゃうので。
 ちなみにシルは学生さんではないですよ。
 時々、学院にはお邪魔してますけど、普段は劇団でお仕事してます。」

そう言って告げるのは、王都ではそれなりの知名度がある人形劇団の名前
もしかすると、相手も知っているかもしれない。
なにせ可愛らしい少年少女の姿をした人形が多く在籍しているわけで。

ミケリア > 「おや~、劇団の一員でしたか。通りで歌がお上手なわけで」

そしてもう1つ、あなたを初めて見た時の違和感にも納得する。
見目麗しい少年少女を多く抱えた劇団となれば、この精霊の耳に入らないわけもなく。
ケーキを食べるあなたの姿をじっと見つめた後……ちらり、とマスターに視線を送る。

その視線の意味を知っているのであろうマスターは、渋い顔をしていたが……。
来店する度、それなりの量のケーキと酒を注文してくれる太客相手だからか、渋々ながらも首を縦に振った。

「……ふふ、シルさんは美味しい物が好きなんですねぇ。
それに、お酒も飲んだことはある、と……。

でしたら、どうでしょう?
店長さんには私からもお願いしておきますから、今日は私のお酒に付き合って頂けないでしょうか。
折角の美味しいケーキと美味しいお酒なのに、1人だと少し味気ないと思ってたんです」

両手を合わせ、とっても良い案!とでもいうように。

シルフィア > ぺろりとケーキを平らげてしまうと、もうひと皿行くべきか悩むところ。
食べる方は自腹でも構わないのだけれど、お仕事を放ったらかしという訳にもいかず。
そんな風に悩んでいると、今度はお酒のお誘いが。

「お酌ですか? そのくらいは構いませんけど……」

店主の方を見れば、何やら渋々ながら頷いている。
どういう形であれ、許可が出たのなら、「いいですよー」と軽く請け負い。

「じゃあ、シルはブラウニーもお願いします。
 ミケリアさんはどうしますか?
 シルはお酒のことは分からないので、ミケリアさんにお任せしますね。」

お客様が喜んでくれて、自分も美味しいものが食べられる。
こんなに良いことはないと、スツールから浮いた足をバタバタさせて。

ミケリア > 「ええ、ええ、美味しい物は伸び伸びと食べませんとね。
この後お仕事だから……なんて考えず、いろいろ頼んで楽しんじゃいましょう」

快く了承してくれたあなたに明るい笑みを浮かべ、メニューを開いてあれこれと注文を始める。
あなたのブラウニーも含め、ミルフィーユやらモンブランやらチーズケーキやら……なかなかの量。

「じゃあ、カルーアミルクにしましょうか。
初心者ならきっと甘くて飲み安いと思いますよ。
苦めのチョコレートブラウニーにもよく合いますしね」

そうして最後に出て来たのはカフェオレ色のカクテルグラス。
見た目は普通のドリンクのようだが、確かに酒精の匂いが香っていた。

「さ、シルさんも気になった物があれば遠慮なく召し上がってください」

その様相は、さながらちょっとしたケーキバイキングのようであった……。

シルフィア > 「ふゎぁ……ミケリアさん、いっぱい頼みましたねっ!?」

カウンターに並ぶケーキの数々。
店主としてはこのまま売れ残るよりは良いのかもしれないけれど、
果たしてふたりで食べきれるかどうかという心配はあるわけで。

「その時はその時です。
 とりあえず乾杯ですね!」

カフェオレに似た色の液体が入ったグラスを掲げ、軽く触れ合わせる。
甘い口当たりは確かに呑みやすく。ほろ苦いケーキにもよく合っていて。

「んぅぅっ♪ 美味しいです!
 ミケリアさんのケーキもちょこっと味見させて貰っていいですか?」

ぱくぱくと次から次へとケーキを口へと運んでいく。
あっという間にブラウニーも平らげてしまうと、まだ目の前に並んでいるケーキに目を付ける。
期待の滲んだ瞳で、じぃーっと見上げる様子は、あるはずのない尻尾まで見えてきそうで。

ミケリア > 「量が少ないと、遠慮してしまうでしょう?
余ったらお土産として包んでもらえばいいですしねー。

……ふふ、はい。それでは乾杯、です♪」

イタズラっぽい笑みを浮かべてウインクし。
リィンと清んだ音を響かせながらグラスを合わせれば、カクテルを呷った。
口当たりが良く、まるでジュースのようだが……カクテルなのでアルコールは相応に強い。

「ええ、ええ、どうぞどうぞ。
カクテルも追加しましょうか。甘いケーキには爽やかな柑橘系のカクテルなんかもオススメですよ~」

にっこり笑ってあなたの方に寄せられる女の取り皿。
可愛らしくおねだりするあなたを思う存分甘やかすように、欲しいケーキはあなたに与え、
グラスが空になればまた新しいカクテルが注がれてゆくのだった。

シルフィア > 甘いカクテルは、ジュースのようにすいすい飲めてしまう。
これが柑橘系なら、なおのこと。
ケーキをさらにひと皿、ふた皿と平らげ、グラスも2回ほどお代わりして。

「えへへ~♪ しょーとけーき、おかわりですー」

楽しそうに満面の笑みを浮かべているものの、酔っているのは一目瞭然
背の高いスツールの上で、ふらふらと危なっかしい。
それでもお腹の方はまだまだいけるらしく、ケーキのお代わりを注文し。

「ミケリアさん、お酒が止まってますよぅ~?」

どれだけ可愛らしく言ったところで、絡み酒には違いない。
飲まなければ、不機嫌そうにぷぅーっと頬を膨らませるだろうが、
それ以上の実害がないのがせめてもの幸いで。

ミケリア > 「あらあら……仕方がないですねぇ」

想定以上の底知れずな胃袋に、さすがにちょっと苦笑を零す。
それでも、可愛い女の子の我侭ならば、叶えてあげたくなってしまうのがこの精霊の俗っぽさ。
言う通りにショートケーキの追加注文をしてあげながら、あなたが椅子ごと倒れないよう腕を回して支える。

もう少し可愛い女の子とのケーキパーティーを楽しみたかったのだけれど……これ以上飲ませると倒れてしまいそうだ。

「はいはぁい、今新しいの頼んでるから、ちょっと待ってくださいねぇ。
ああ、シルさんのグラスも空ですね。一緒に頼んじゃいましょうか~」

なんて、笑顔で新たに差し出されるのは……アルコール度数の非常に高いホワイトルシアン。
倒れる前に切り上げるどころか、この精霊はあなたのことを酔い潰す気満々なのであった。

シルフィア > お代わりでやってきたイチゴのショートをぱくり。
甘酸っぱい苺が、さっぱりとしていて、クリームとよく合う。
ゆらゆら揺れる身体を支えられると、無意識にそちらの方へと身体を預け。

「んぅ……お酒おいしーですねっ! のみすぎ、ちゅーいです!」

クリームいっぱいのグラスを両手で抱えるように受け取ると、こくりと口に含む。
フルーツのお酒も美味しいけれど、クリームの甘さが堪らない。
立て続けにふたくち、みくちとグラスを傾けて―――

「ふにゅぅー……なんだか、ぐるぐる……ですぅー」

くらりと身体が傾くと、カウンターにぺちょり。
電池が切れてしまったおもちゃのように、ピクリとも動かなくなってしまう。
まぁ、気持ちよさそうに寝息を立てている様子からも、壊れてはいないのは見てわかるだろうけれど。

ミケリア > 「うーん、これもまた可愛らしいですけどー……ちょーっと心配になっちゃいますねぇ」

まあ、酔い潰したのは自分なのだけれど。
少し申し訳なさそうに苦笑を漏らす。
その一部始終を目撃しておきながら何も言わなかったマスターも、これには複雑な表情。

そんなマスターに、ケーキと酒代の勘定にしては多い額を支払いつつ。

「それじゃあ、後は私が責任持って『介抱』しますので……また奥の部屋、お借りしますね?」

オシャレで女性向けの店とはいえ、そこはマグメールの酒場。
そういった需要のための部屋も必ず用意されているもので。

「ふふ……それじゃあ行きましょうね~、シルさん。二次会ですよ~」

気持ち良さそうに眠りこけるあなたをそっと持ち上げ。
精霊の女と人形の少女は、店の奥へと消えていくのだった──。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシルフィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミケリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイナさんが現れました。
ロイナ > 平民地区の、ありふれた街路。夜も更けてきたが、見ただけならいつも通りに映る。
だが──雰囲気はどこか忙しない。『あっちにはいない』『どこに行った』『探せ』
…衛兵たちのそんな言葉が飛び交っている。

そんな衛兵の目から逃れるようにして、路地の隅に隠れる少女。

「……参ったな~」

一見して切羽詰まっているようには見えない表情で、しかし困り果てていた。

つい先程のこと。
いつものように王都をぶらついていると、衛兵から声をかけられた。
先日、そこそこの家柄の淑女が何者かに犯された、とのこと。姿かたちが似ているため声をかけたらしい。

「違うって言ったのに……」

身に覚えがないので知らぬ存ぜぬで切り抜けようとしたが、疑いの目は晴れず。
連行されそうになったので慌てて逃げだして今に至る…

「こりゃ、暫く出られないかもなぁ」

やれやれ、と路地の隅でひとり溜息をつくロイナ。