2023/12/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエンさんが現れました。
■エン > 年が明けるまであと半月ほど、
年の瀬のいつも通り王都のそこかしこでその準備に慌ただしが気温はいつもと大きく違う。
普段なら外気は肌に刺さり吹き付ける風は身に染みるところではあるが。
今ときたら空は暖かな青色であり日差しは日光浴をしていると汗が滲むほどに熱いときた。
空模様は生憎と見えないが日差しの強さは肌に刺さるからようくわかる。
「いやあ。いい日だ。うん。何なんだろうねぇ」
散歩日和だ。散歩に出掛けて、一応持ってきている杖の先っぽで時折地面を叩きながらに、周りの音を頼りにのんびりすたすた。
大通りを歩いて、商店街を歩いて、川に掛かった橋の近く――
休憩に丁度よいベンチの一つに腰掛けて手摺にステッキを預けた。
「よっこいしょ。
んむ……いかん」
よっこいしょ。なんていかにもジジくさい声をつい上げてしまったのに眉根を寄せて独り言ちながら、
道中に露天で買ってきたジンジャーエールに口をつけると弾ける炭酸と生姜の辛味と甘さに舌鼓を打つ。
「はー……」
他にも散歩や散策等々の往来があるようで人の足音や犬猫の息遣いを聞きながら、ひと休憩。
■エン > 人の往来と喧騒に、動物の足音や息遣い、川のせせらぎ、等々、等々。飲み物が尽きる迄それらを聞きながらのんびりとしているとそろそろ日差しにずうっと当たって結構熱くなってきた。飲み物も冷たく風も涼しかったがじりじりと肌がちょっぴり痛い。んんむ、と何とも言えない声を上げながら立ち上がれば、背伸びしたり足首をつま先支えに捻ったりと軽く身体を解してから、手摺に預けた杖を取ってまた散歩再開することにした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシェーネスさんが現れました。
■シェーネス > □
「はぁーいおまちどう、ゴル牛の角切りステーキにシープ羊の煮込みだよ!
エールのおかわりもここ置くわよぉ!」
平民地区の歓楽街の酒場の一つ。
ひときわ明るく通る女の声が一つ。
ミルクブラウンのうねる長い髪、夕焼け色の瞳を持つ快活な笑顔を浮かべて、ドンドンドン! と注文の品を置いていく。
熱々出来立ての湯気を立てる料理と木樽コップに入った麦酒。
大きなトレイを手に、そこに空になった皿やコップを乗せて、また別の声に「はぁ~い今いくよぉ!」と返す小気味のいい声。
酒場が最もにぎわう忙しい時間もそろそろ終わる頃。
落ち着くまでは酒場の給仕をする女も、その後は娼婦として働く時間が残っている。
寒い時期になってきているとは言え、酒場の給仕は忙しなく動き回るだけで汗だくになる。
女の服装もまた、その豊満な谷間によくよくくびれた腰にと露出が高く、同じく給仕をしている他の面々も同じもの。
舞台の上で観客の目を楽しませる踊り子たちもいて、美味い酒と飯と綺麗な女たちとが集まるこの店は、料金が多少割高でも常に満席の状態だった。
「いらっしゃ~い、悪いねぇ、今満席なの! 一人なら通せるけれど何人かしら?」
また新たな来客を知らせるベルが鳴る。
一番近くにいた女が、すまなさそうに苦笑しながら告げた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアキアスさんが現れました。
■アキアス > 夜も更け、酒場も賑わいも店の外に響く時間。
そこに勤める酒場の給仕兼、娼婦が目当ての男は、酒と食事目当ての客が捌けるころに酒場に脚を向ける。
彼女とはまだ自分が淫魔と混じる前からの付き合いで。
色々と酒場を転々とする彼女と別れたり再会したりとしながら、何だかんだと馴染んだ間柄。
ゆえに自身に淫魔が取り付いてからも、かつての自分を懐かしむかのように、
居所を知っていれば、こうして通っては、ただの人としての時間を楽しんでいて。
とはいえ目当ての相手は人気もある娼婦で、すでに客を取っているかもしれないが、
それなら他の女たちも居るしと、懐の財布をぽんと叩き扉を開いていく。
「おぅ、相変らず盛況だなぁ。シェーネス、まだかかるか?」
からからと鳴るベルを聞きながら店内に入れば、
たまたま入り口近くに目当ての給仕兼娼婦にと声をかけられ、そちらを向いて。
一人だ、と、告げながら、周囲を見回すと、まだまだ客で埋まっている。
彼女の言葉通り一人分の席くらいしか空きも見えない。
となると、まだ彼女の夜半の仕事の時間とも行かないか、と、顎を撫でながら。
傍を通っていく別の給仕の女の尻に手を伸ばし、軽く触れるようにしてにへらと笑う。
■シェーネス > □
「あら! 誰かと思えばアキアスじゃない。久しぶり~!」
入ってきた男の190台に乗るような巨躯を見上げればすぐにわかる。
特徴的な紅い髪に筋肉質な体躯も、客として何度か相手をした人物。
気軽に声を掛けられれば「これが引いたら時間出来るわよ~」と、明るい笑顔で答える。
とりあえず空いている一人分の席をてきぱきと片付けてから、アキアスを案内する。
その際に、別の給仕の尻を撫でる男にオレンジの瞳を半眼にしてじとりと睨めつけた。
「ちょっとぉ、私の前で他の子に手を出すのぉ? なんてね。さ、どうぞ。ご注文は?」
冗談めかすような口ぶりで笑えば、もう一つの仕事の時間になるまで、酒と食事で腹を満たすぐらいは出来るわよと女は唇の端を持ち上げたまま告げる。
と言っても飲むもの食べるものなんて酒場にあるありふれたものになるが、ここのご飯は美味しいし量も多い。
酒もなみなみと注いでくれる。
ただ他の酒場に比べれば割高なのだけれど、それもきっと承知の筈だ。
■アキアス > 快活な声、人好きする笑み。
見上げてくる顔をこちらは見下ろせば、その笑顔の向こうに柔らかそうな膨らみが見える。
相変らずの男の目を惹きつける肢体に衣装、自然と頬が緩んでしまいながら。
軽く手を上げて、これが引いたら、との言葉に了解の返事とする。
その手を降ろし際、また別の給仕の尻に手を伸ばしかければ、向けられる視線にひょいとその手を上げて降参の仕草。
「オマエが空いてりゃ出さねぇよ。あー。あんま食うと後で動きづらいしなぁ」
案内される席に座れば、適当に腸詰やらのつまみ盛り合わせと、エールを頼む。
一人で来ているし食事よりも目当ては彼女との時間だ。
もちろん酒場はそんな客を見越しての値段だろうし、注文せず居座るような不作法はしない。
このあたりはマナーというも変な話だが、暗黙の了解というところ。
ちらほら顔見知りの客や、他の給仕にも見知った相手も居るのだろう。
そちらにも目配せや手を振ったりしていて。
■シェーネス > □
「ふふ、宜しい! 声はかけて貰ってるんだけど、やっぱりコレよね♡」
と、親指と人差し指で輪っかを作ってお金のマーク。
来るもの拒まずとは言うけれど結局はお金がモノを言うのだ。
酒場娼婦は娼館と違って、基本金に上乗せで相手を決める。何せ体は一つなのだから。
ちなみに今日の金額は数時間なら400ゴルド、一晩なら800ゴルドまで上がっているけれど、と笑顔を見せる。
まさかここで尻込みしたりなんてしないわよねぇ、と視線の刺さる胸の谷間から、乳房に指を這わせて柔さと弾力を示す仕草。
「なぁに、どこかで食べてきたの? まいど~ちょっと待っててね」
注文を受ければひらりと手を振って、給仕に戻る。
他の酒場娼婦や踊り子たちも「アキアス~♡」と投げキッスをしていたりするので、きっと相当モテるのだろうなぁと思うところ。
少しの時間を置いてから「お待たせ~、ロムール豚の腸詰とエールね」と彼の席に置いていく。
そのまま時間が過ぎれば踊り子たちの仕事の時間も終わり、娼婦目当ての客を残して引き始める頃。
もう一つの夜の時間が始まろうとしていた。
娼婦たちが自ら客の傍に行くこともあれば、客からの指名が入ることも。
割とルールは臨機応変、自由なもので、女も給仕の腰エプロンを外せば早速というように、男の下へと近づいていく。
「はぁいお待たせ。今夜は泊まり? それともご休憩?」
カウンター席の隣へと腰を下ろせば、にこにこと笑顔で時間を尋ねた。
■アキアス >
「ま、そりゃあそうだ」
彼女が見せつけてくるコインを象ったハンドサインに同感というように頷く。
男は貧民街の出身で、持たざる者が得られるものなどたかが知れていると身に染みて知っている。
とはいえ、彼女が豊満な胸に細く美しい指を這わせながらに告げてくる彼女の値段には、少々ひくりと頬が揺れた。
しっかり稼いできたところだけれど、高級娼婦と言える値段に差し掛かっている。
彼女との時間は大事にしたいが、富裕地区にある娼館と脳内でちょっとだけ比較してしまった。
気を取り直しひらひらと他の給仕に手を振りながら、持ってこられた腸詰とエール。
酒をあおり、二杯目を頼みながらぱりんと腸詰を噛み切り咀嚼する。
純粋な人であったころと変わらない時間。
それを噛みしめるようにしながら、肉を酒精で腹に流し込んでいき。
――やがてショーも終わり、食事が目当ての客は大部分が席を立った後。
客と娼婦がそれぞれ思い思いの相手に声かけあったり、指名したりとしているところ。
「おう、お疲れさん。いつも通り、泊まりだ」
よほど都合が悪い時を除いて、彼女との時間はゆっくり取ることにしている。
だから、当然、とでも言いたげな風にエプロンを外した相手にそう告げて。
そうなればどこで過ごすかだが、男の塒か、娼婦の息がかかった宿か。
適当な相手なら近場の宿だが、彼女相手のときはは大抵、任せているから、
残ったエールを飲み干してはトン、とカウンターに置き、その横にお代も置いていつでも移動できると示していく。