2023/11/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフー・メイユウさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシロナさんが現れました。
■シロナ > 同時入室失礼しました
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシロナさんが去りました。
■フー・メイユウ > 平民地区、大通りに面する喫茶店のオープンテラス――
本日は朝晩肌寒くって昼間は暑め夏日というやつで日差しも強めである。
道行く人もパラソル下でアイスコーヒー啜ってる桃髪も額には汗が滲む。
「やーっと涼しくなってきたと思ったら……」
グラスにもぽつぽつ水滴浮かんでたまに滑りそうになりつつミルクと砂糖をどばっと追加。
それをまた一口含みながら愚痴も溜息も溢れる。
お買い物に出てきて一時間ちょっとで蒸れてしまって胸元を寛げては摘んでぱたぱたと煽り、
色気のないブラトップと色気はあんまりない小さな乳房は偶にちらちら傍目にも伺えるが……
こんなもん見たところで誰が喜ぶんじゃい!
な精神で気にしない。
「まあ暑いは暑いでね。くんずほぐれつが蒸れるのは良いよ、うんそれは良いよ、ただなー」
可愛い子ちゃんやら綺麗なお姉さんやらと汗をかくのはいいのだが一人で暑いと鬱憤溜まるだけである。
ぶつぶつ言っててもどうしようもないので頭を一振り、なるべく気を取り直して。
メモ帳を取り出すとお買物メモに済マークやら仕入れられなかったものにバツマークやら付けて、たら、
可愛い子ちゃんがどうの綺麗なお姉さんがどうの言ってたらメモにうっかり書いてしまった。
「……」
済マーク付けてやろうか? 何て首傾げては、店内やら大通りやらに赤い瞳をくるりと向けて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフー・メイユウさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルマースさんが現れました。
■アルマース > 「お花、誰も持っていかないの? 本当に?」
夜の夢を提供する小さなショークラブ。
お触り自由のいかがわしい特典付きの店も多いなかで、年季の入った実力派の歌い手と、ショーガールのダンスの質の高さでもっている珍しい一軒。
本日の舞台が終わり、楽屋にて。
きらきらしい衣装の踊り子たちが着替えや帰り支度をしている。
そんな中、抱えられないくらい大きな生花の花束が雑に積まれている前で立ち止まる黒髪の女。
「もったいなあい。お花なんていくつあっても良いけどなあ。
貰ってって良い?」
『チップの方が良いに決まってる』『すぐ枯れるし』『全部持っていきな』
――現実的な返事の数々に、そういうものかとも思う。
砂漠の生まれ育ちのせいか、生花は希少という感覚が抜けきらない。
砂漠にだって花は咲くけれど、やっぱり種類は限られている。
■アルマース > 「やっぱ赤かな」
全部は持って帰れないので花を選別する。
いくつかの花束には贈り主からのカードが添えてあった。
その中に自分の名前が無いのは、最近このあたりに流れてきた身なので当然と言えど、早晩目指したいところである。
愛の告白めいたカードがついたものは、別人が持ち帰るところを贈り主が見たらさすがに可哀想なのでやめておこう。
結局選んだのはシンプルな真っ赤な薔薇の花束。
『あんた赤ばっかりだね』との先輩のお言葉に、へへ、と笑う。
今夜の衣装――お尻と腰周りにふわふわの羽毛のついたコルセット――も真っ先に来て赤を選んだ。
「なあんか元気が出る色でしょ? それじゃ、また明日ー」
明日も同じ演目があるので、衣装の上にローブを羽織って帰ることにした。
宿に戻ったら肌にちくちく当たっていたところを繕おう。
衣装係の禿頭の眼鏡男に頼めば良いのかもしれないが、何だか気難しいのだ。
鼻先を血のように赤い薔薇に埋もれさせ、すうっと深呼吸。
よし、と頷いて、華やいだ香りを両腕に抱え、裏口の階段を上り外の路地へ出た。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアドラーさんが現れました。
■アルマース > たくさんの花を抱える、それだけで心が浮き立つ。
足取り軽く、同じ地区内の宿へ向けて夜道を歩き出す――
――が、数分後。早くも後悔し始めていた。
花束で前も足元も見にくいし重たい。
おまけに、ローブの下の衣装の羽毛飾りがもこもこして歩きにくさに拍車をかけている。
ヒールだけでも履き替えれば良かったと思うが、戻るのも面倒だ。
「馬車……いやいや節制……あ、ごめんね、一本どうぞ」
馬車を拾うことも考えたが、懐事情を鑑みて首を振る。
目抜き通りに出ると人通りが増え、ぶつかっては相手に薔薇を手渡す。
もう、これで行こう――少しずつ薔薇の量を減らす作戦に切り替えた。
男女問わずに花を渡せば、不思議そうな顔をしながらも、大体笑顔で受け取ってくれる。
「はいどうぞ、どうぞ、あなたもどうぞー。
ええと~……お金は良いんだけど、貰えるものは貰っておくかー。ま、毎度ありがとー?」
花売りと間違われてお金を渡されたりもする。
予定と違うが、市民の皆様におかれましては喜ばれていることだし、いっそ配り切ってしまおうか。
■アドラー > 冒険者としての依頼を終え、大きく伸びをしながら夜道を歩く。
不安定な気候や気温のせいか、依頼数も日によってムラがある。
普段ならばもう少し早く帰路に就くはずなのだが、こんな時間になってしまった。
早く帰って明日の準備と思っていた矢先、ローブに身を包んだ人物がバラの花束を配っている様子を目にする。
花売り、にしては足取りが覚束ない。
というか今、人にぶつかってはいなかったか?と目を細める。
「…失礼。私にも一本いいかな?」
早く帰って明日の準備…をするつもりだったが好奇心には勝てず。
ローブの人物に話しかけて花を一本買おうとする。
■アルマース > 「はあいお兄さん、一本で良いの?
一本の薔薇の花言葉は『あなたに一目惚れ』、嬉しいわありがとう~」
花売りにしてはやけに化粧の濃い顔が振り向く。
半分花に埋もれているが、長い睫毛も目元も星よりきらきらしている。
妙に慣れた売り口上になってしまうのは旅するうちの諸々の経験のせい。
路上で芸を披露する時なんか役に立つのだ。
薔薇を手に、くすくす笑いながら立ち去る二人連れを見送って。
薔薇を引き抜くうちに茎を束ねていたリボンが緩んできた。
声を掛けてきた青年に、ちょっと待ってね、と言いながらベンチに一度薔薇を置き、ローブを摘んで中に風を送る。
赤い羽毛とコルセットの衣装がちらっと見えたら、花売りの正体の謎は更に深まるかもしれない。
「――告白しに行くまでもてば良いけど、もう何本か持って行ったら?
素敵な恋の橋渡しができるならお代は結構よ」
■アドラー > 「詳しいんだな。では聞くが、二本のバラの花言葉は存在するのか?」
口達者な彼女の言葉に乗せられ、二本分の料金を支払う。
フードに下に見えた化粧の濃い顔や星よりも美しい目元に一瞬だけ花売りであるか疑うように眉間が動く。
更に薔薇をベンチに置いて整理する際にローブの中から見えたのは見えたのは赤い羽根とコルセットの派手な衣装。
この短時間で様々な情報が流れ込んできて、やや混乱。
相手の正体は気になるが詮索するような野暮はせず。
固くなりつつあった表情を笑顔に戻して。
「ははは、悪いが好きな相手も好かれている相手も居ないのでね。
バラの花束を持って駆けつけるほど情熱的な恋をしてみたいものだよ」
恋愛的な話になれば、笑いながら縁がないと述べる。
■アルマース > 「ふふ。二本はねえ、『世界にあなたと私、二人きり』。
花言葉って誰が決めたんだって話だけどねー。ありがとう~」
お代は貰えるなら貰っておくけれど、薔薇は勝手に五本くらいつけてしまおう。
よく考えてみたら他人への贈り物を、更に貰って、勝手に売りさばいているのはとてもよろしくない。
突然の花売りの仕事でかいた汗を冷ます間、見えた怪訝な表情。
包むものもないのでそのまま薔薇を手渡しながら、微笑んだ。
「なあんだ、険しい顔してるから、当たって砕けに行くつもりなのかと思っちゃった。
にしたって、好いてくれてる相手がいないなんて分からないでしょ。
陰からそーっと誰か見ているかもしれないじゃない。
求めよさらば与えられん――ってこういう時に使っていいやつだっけ?
あ、お代は本当に良いのよ。貰い物でお金取るのもねえ」
追加料金など渡されたりしたら困るので、そう付け加えて。
■アドラー > 「ロマンチックだな。特別な相手ができた時に言ってみよう
礼を言うのは私の方だ。ありがとう」
五本くらいついてきた薔薇を受け取りながら、懐にしまっていた布で
花が崩れぬよう優しく包む。
しかし、花売りなのに包装もないとなると余計疑念が深まる。
フードの中にちらっと見えた衣装は、踊り子のそれに見えたが
それが多量の薔薇とは結び付かずに悶々とする。
「どうやら私は勘が鋭いみたいでな。陰から狙われているなら気配でわかる。
あぁ、恋をしたいなんて冗談さ。今は冒険者としての仕事で手一杯でね。誰かに恋い焦がれる余裕なんてないさ。
第一、私を好きになるような異性は居ないだろう。
…あえて聞かなかったが、君は花売りではないのか?」
貰い物という言葉に耐え切れず、彼女の正体をついに聞いてしまう。
一瞬だけ間を開けて、「別に言わなくてもいいが」などと気を遣って付け加えるが。
■アルマース > 花束はまだだいぶ残っている。
ベンチの上で緩んだリボンを結び直しながら、陰から狙われている――という男の言い方がツボにはまって笑ってしまった。
「ねえ、恋する女の子の視線をそんな……刺客みたいに言う人いる?
女に嫌われちゃう呪いでもかけられてるの?」
ヒールを履いても見上げるくらいの上背の相手。
腰に手を当て、上から下まで見てみたところ――
人が避けるような角も牙も無し、モテても何もおかしくなさそうだけれど、と首を傾げる。
「ふふー。本当に知りたい?
恋なんて、相手の知らないところを勝手に妄想して、自分の理想を作り上げないとできないんじゃないかしら。
隠すことは何にもないけど、答えを聞いたらあたしに花束持ってくることになるかもね」
特にもったいぶることは何も無いのだが、本当に聞く?と悪戯っぽく重ねて問うた。
■アドラー > 「ふふ、大体の場合は恋する乙女の視線では無いからな。
もしかしたら知らぬ間にそういう呪いに掛かっているかもしれない」
彼女の笑顔につられて、こちらも冗談交じりに微笑む。
何もかも、戦闘や仕事に結びつけるのは男性の悪い癖かもしれない。
上から下まで観察されて、首を傾げる相手に何を見ていたのか気になってはてなマークを浮かべる。
「どうやら私は、一度何かが引っかかるとそれを解決しなければ気が済まない質らしい。
ここはロマンチックに『このまま去ってしまったら君の正体が気になって今夜は眠れない』、とでも言っておこうか。
はは、それはそれで、私の夢が一つ叶う。むしろ光栄だ」
やや勿体ぶり、悪戯っぽく問う彼女に対して
こちらもちょっとだけ口説くような形で言葉を発する。