2023/10/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にレンジュさんが現れました。
■レンジュ > 裏通りの広場に、ずどむ、と鈍い音を立てて男が空中を舞う。
その男が地に伏せたのをいつもとは違う冷ややかな目で見降ろす影が一つ。
「恨むなら短絡的な自分を恨めよな。」
そう言って男の懐から財布を抜き去ると、
中身を丸まるごっそりいただいて路地裏へと移動していく。
「これでしばらくは生活できそうだな。」
忘れてはならない、この女はコソ泥である。
時と場合によってはスリや、このような窃盗恐喝何てもござれ。
今日も今日とて、ちょっと色を見せたところでへこへことついてきた男を血祭に挙げたところ。
どーも♡と上機嫌そうに歩く中、その金をしまうための鞄を見て少し顔を曇らせるが…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 「ま、待てコラこのッ……ウゲッ……――」
意気揚々と去りゆく女の背中に声がかかる。
振り向く先には先ほど強かな一撃を受けて地に伏したはずの男。
ぜいぜいと肩で息をして下腹部を押さえつつ、何とかもう一方の手を掲げて指を立て。
「て、てめ~、待ちやがれこの――うごっ、げふっ、なんつぅ一撃くれやがんだ畜生め――」
見れば追ってきたは良いもののまだ足に来ているらしく弱々しく両脚は震えている。
もう一撃喰らわせれば完全に昏倒させられるという様子である――
■レンジュ > 「……なんだよ、まだ飛んでなかった?意外としぶといな…。」
何となく複雑な心境で去っていこうとした背中に震える男の声がかかる。
くるうり、と振り向けば男は下腹部を押さえており、それは自分の一撃が狙い通り直撃した証拠。
なのに諦め悪くぷるぷる震える両脚で立とうとしている姿はいっそ滑稽でもあった。
「なんだよ、俺みたいなやつの言うこと信じた自分が悪いだろ。」
なんだったらもう一撃いる?と、するりと膝を持ち上げると男の股間を膝で撫でる。
さすがに男の精を根絶させる気は無いのか、ふりだけだが…。
■エズラ > 男の額には脂汗。
表情も明らかに青ざめて苦しげだが――
「……ああ、だから反省したぜ」
相手が余裕タップリに掲げた膝にわずか、てのひらを触れさせる。
発動するのは麻痺の魔法。
よもやゴロツキ同然の男が、その実、経験豊富な魔法剣士であるとは分かるまい、という裏を掻いた一撃。
本職魔法使いのそれに比すれば発動時間も威力も十分ではないが、相手が油断していれば十分に自由を奪えるほどの効果を及ぼす筈である――
■レンジュ > ひひ、と、男を見降ろす顔には笑みが浮かんでいる。
子供には向けられない、冷淡なそれ。
しかし…。
「あ?――――ッ!?」
膝に男の手が触れただけ、それだけでびりりと全身がしびれて、
がくんと膝が折れてその場に倒れ込む。
ジワリと今度は逆に自分が額に汗を滲ませる。
明らかに油断しすぎていた。
そこらへんにいるごろつきを相手にするようなものと思っていた。
そんな男が魔法を使ってくるという可能性を完全に意識から外に出してしまっていた。
「んっ…!!っく、畜生………。」
地面に爪を立てて身じろぐも、現状まともに動くのは口くらいで…。
■エズラ > 「ムフ……――」
作戦は成功裏に終わる。
実際問題、男がゴロツキそのものであることは疑いようもない事実。
それ故にうまくハマったということか。
立場一転、地に伏した大柄な女に対し笑みを浮かべる――
「さぁ~て……カネはもちろん返してもらうがよ~……ひとつわからしてやんねぇとな……?」
明らかな助平心を露わにしつつ荷でも抱えるように相手の体躯を肩に載せ、路地裏へ消えていく――
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からレンジュさんが去りました。