2023/09/19 のログ
サタン > このボリュームの料理を食べ終えるには、相応の時間を要したが
その分、エールを頼む回数も増え、廻る酒精は心地良い。
料理が冷めきる前に、食べ終えれば、口の中の脂をエールで流して飲み干し。

「―――御馳走様、また寄らせてもらおう。」

そう、女将へと謝辞を伝え、代金をカウンターの上へと置けば
男は店を後にし、夜の街へと消えていった―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からサタンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にリュエールさんが現れました。
リュエール > 昼間に差し掛かろうという時間。
宿場通りにほど近いところに建てられている冒険者ギルドの一つ。
露出度の高い戦闘服の上から膝丈まである長いマントを羽織っただけの女旅人が依頼掲示板を眺めている。
そろそろ路銀の資金稼ぎをしないとと思って活動を始めたのだが。

「割のいい依頼ってやっぱりなんかクサいのよね」

金額だけで見るなら富裕地区とか王城で、尊き身分の方の話し相手なんて変わり種がある。
条件を見れば若い女だとか見目のいい女だとかに限定されてる時点でひじょーに怪しい。
この国で冒険者が信用されてるのか、別の意図があるのかわからない。
これなら暫くは指定された魔物退治でどうにかしていく方がマシか。
時折足を組みかえて、足鎧を鳴らしながら、しばらくは吟味するように依頼を眺めていた。

リュエール > 「よっし、これにしよ。その前に、まずは腹ごしらえね」

ひとまず王都近辺に慣れる所から、ということで王都近郊の採集系の依頼を選ぶ。
手続きを終えて、近くのご飯屋さんでご飯を食べてから、依頼に取り掛かることを決めた女旅人。
くるりと踵を返して、ギルドを後にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からリュエールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 王都の平民地区、大通り沿いにある雑貨商店。
住民が日々扱う日用品、学生が買い求める学用品のほか、
話題集めのためか、何に使うか一見わからないような見目の商品なども置いてあり、
注文すれば店頭に無いものも系列店や提携店から取り寄せてくれると評判の店。

冒険者向けの商品を置いた区画もあり、ポーションや薬品類、簡易な装備類、道具類なども売っている。
魔獣の素材や採取物、遺跡からの発掘品の買い取りもしており、
冒険者ギルドでそれらを扱う依頼がないときなど、特に中級以下の冒険者には重宝されていて。

その実店主の趣味かと実しやかに噂される性生活用品類の棚などもある。店主は断固否定しているが。
なにせ文字通りの雑貨商店、アーレア・ミラ。
どこかの言葉で不思議な賽子という意味らしい店名に偽りなく、訪れるたび出目のように表情が変わる店。

ここ数日は収穫の季節が近づき、その訪れを表す様な名月が見られる夜が近いとあって、
遠見の魔法が込められたスクロールや精度は高くないものの、遠眼鏡なども置かれた棚ができていた。

「……うぅん……? 誰ですこれ……ヴィーニーにしては洒落が効きすぎているし……?」

店員の誰かが冗談で作った、月見解毒団子(白くて丸いだけ)、月見の盾(白くて丸いだけ)が飾ってあったり。
卵を丸く焼いて甘辛いソースを塗し挟んだ月見サンドイッチを個数、時間を限定して売っていたりと。

こういった催し的なことは店員主導に任せることも多いのだけれど、今回はとみに悪乗りもしているようで。
獣が満月の夜には興奮に狂うからと、狂月薬(ただの媚薬入り精力剤)などとまで貼り出す始末。

まぁ、良識ある客は普通の買い物しかしないし、悪乗りに乗るなら乗った方も文字通り悪い。
店主のセリアスはといえば、見て、よく見えなかったふりで催しの期間はやり過ごす気であった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にユーゴさんが現れました。
ユーゴ > 日用品から冒険者向けの商品まで、様々な商品を取り扱っている店がある。
そう聞いたのは、普段懇意にしている酒場ではなく、人探しに訪れた店でだった。

数日空けて今日。
聞いた道順を頼りに人通りの多い通りを進み、目的の店まで向かえば扉を開いて店内を覗き込む。
ぱっと見は、聞き及んでいた通りの雑貨店らしい様相だ。
どうやら、季節に合わせた陳列もされているようではあるが――今日の目的はそれではない。
店内へと入り込めば、冒険者向けの商品を取り扱う場所はどこだろうか、と視線を巡らせ。

セリアス > 「ヴィ……違う? いやまだ何も聞いてませんが。え? ああ、あの娘ですか……」

悪乗り商品類について、元気は良いのは評価できるものの、
いつもどこか調子に乗りすぎたり大雑把だったりする店員に問い正そうとすると機先を制して自分ではないと。
どうやら最近新しく入った店員の仕業らしい。

その店員当人はその日は休暇を取って出かけている。旧知に会いに行くとかどうとか。
やれやれ、と、小さく息を吐いたころ、からんとドアに着けたベルが鳴り新しい来客があって。
店員たちの来店を歓迎する声が上がり、セリアスもそちらへと視線を向ける。

通りすがる者が五人いれば三人は視線を遣るのではというような美貌の、中性的な客。
立ち振る舞いは洗練されており、そこらの粗忽者とは一線を画すようで。
その時点で赤い視線をやや不躾に向けてしまうも、おや、と思ったのは彼の耳。
どうやら妖精種族の筋か、と、あたりをつけながらも。

「いらっしゃいませ。何かお探しで?」

涼し気な青の視線を巡らせるのを見れば、初来店なのだろうと当たりを付け、声をかける。
人好きのする緩やかな笑みを浮かべるのは常の事。恰好からしても店主らしからぬ姿であれば、
店員が当然するように、新しい店で戸惑う客に対して接客をと動いたように見えるだろうか。

ユーゴ > 扉を開けた途端、心地良く響く店員達の声。
冒険者向けの商品ばかりを取り扱う店には余りない、親しみのある朗らかさだ。
思わず視線が移れば、愛想良く表情を弛めて目礼を返す一幕も。

向けられる視線には気付くものの、今の自分が客の身分である事もあって、然程気にはならぬ。
他の客の邪魔にならないように、と、店内に入り込んだ身は扉から少しばかり離れた位置へ。
それから、改めて店内へと視線を向けた矢先、かけられた声に双眸が瞬いた。
相手の姿を確認するように上から下へと視線が滑るも、言葉は親切な店員のそれ。
数拍の間を空けてはほんのりと眉尻を下げた笑みを浮かべて口を開き。

「冒険者向けの商品も扱っている、と聞いたのだけど――場所が分からなくて。」

セリアス > 店員の挨拶に礼を返すあたり、律儀としか言いようがない。
この街ではその挨拶だけでも目を付けて、連れ出そうとする輩もいるのだし。
もっとも、この店では店員もそれぞれ身を守る心得くらいはあるゆえに、即座に叩き出されるが。

向けると同じく、相手の視線もセリアスを値踏みするように全身へ巡らされる。
こちらは店の従業員…―店主ではあるけれど―…ゆえに、何恥じることなくそれを受け止めて。

「ああ、冒険者様でいらっしゃいましたか。こちらは雑貨商品の区画でして。
 隣り合う部屋で、仕切ってございます。こちらですよ、どうぞ」

店舗のつくりとして、雑貨商品を置く店舗部と、冒険者用品を置く店舗部が分かれているらしい。
表もよく見れば雑貨商店らしい店構えのほうの隣に、冒険者向けの入り口はあるのだけれど。
メインの客層はやはりこちらのほうだからか、冒険者用品のほうは飾り気のない武骨な入り口になっている。
それゆえ気付かなかったのだろうと、店内のほうから隣り合う冒険者用品店へと案内していって。

「なにをお求めで? こちらは消耗品類や薬品類はそれなりを自負しておりますが、
 武具類は正直、あまり上等なものはございませんよ」

彼が冒険者用品店のほうに入れば、そこは冒険者なら見慣れた商品類が並ぶ棚ばかり。
ポーション類、薬品類、野営道具、探索用の道具。魔術の籠るスクロールや少々値が張る冒険者向けの魔導具など。
店の噂を吹き込まれているのなら、少々特殊なものでも取り寄せてくれる可能性はあると、そう聞かされたかもしれない。

ユーゴ > 己の見渡せる限りの範囲にあ、そう言った道具が確認できなかったものだから、
説明を受ければ、「ああ」と納得したような声が短く零れ落ちた。
一度分かれば、店の造りとしては分かりやすいし、客層を分ける意味でも分かりやすく、やりやすいに違いない。
ありがとう、と一声かけては案内される儘、相手の後へと連れ立ち進む。

隔てられた区画へと足を踏み入れれば、そこには己も見慣れた商品が陳列されている。
表情には分かりやすく喜色が乗り、再び視線を店の中へと巡らせ。

「それは助かるなあ。今日はその消耗品の類を目当てにお邪魔したんだもの。
 ――ちなみになんだけれど、ここでは素材も取り扱っていたりするかな?」

巡る視線は一般的な回復薬を一瞥しては、別の物を探す様に直ぐにと移る。
ポーションから薬品へ。道具類は眼で撫でるだけで通り過ぎ、スクロール類と魔導具の類には長く留まる。
然程隠しもない目線の動きだ、『目的の物がある』とも、察せられそうな。

セリアス > 彼に先導して店の中を歩き、隣の区画へと。
高級品店のように、突出した性能を重視したものよりも普段使いに耐えうる、
そして買い求めやすいような値段設定の品々。
商品類の間を巡る淡く薄い青に乗る色を見れば、いくらかは彼の要望を満たせそうかとも思い。

「どうぞ、ごゆるりと――……? 素材、ですか。それは、買取という意味で?
 当店では依頼等に関係なく、一定種類の素材買取は常時させていただいております。
 素材を用意する方でしたら……物による、としか。」

彼の視線が映る先。よく使われる攻性魔術のスクロールや補助効果のある魔術のスクロール。
魔導具類はもう少し限定的な効果のものを多く置いてあるようで。

そのまま、視線が素材類にも留まるなら、薬品や魔術の触媒などに冒険者が利用する程度のものはあるのが見えるだろうか。

「何かご事情が込み入っていれば、奥でお話をお伺いもできますし。
 こちらでよろしければ、そのままお伺いさせていただければ、当店の在庫なり都合できるかなり、お調べできますよ」

そこに彼の目的の代物がなく、説明をする店主の言葉に反応して男のほうを見るのなら、
薄く浮かべた笑みは変わらずに、赤い双眸が彼の視線を受け止めるのだろう。

ユーゴ > 置かれているスクロールの多くは、魔術を使えない者か、所謂『なりたて』が使う為の物の方が多いのだろう。
目当ての物の類はなく、魔導具類も既に試し終えた物が目に入る。
素材も似たり寄ったりであったのは、言わずもがな。
種類の多さで言えば、早くここに来るべきだった、とも思うのだけれど。

「そう――だよ、ねえ……。」

彼の台詞を聞けば、凡そ返ってくるだろう言葉は分かっていたものの、思わず独り言染みた脱力感溢れる声が零れ落ちた。
とは言え、依頼中に消耗したポーションや薬品類も補充はせねばならぬ。
深く吐き出した吐息と一緒に項垂れていた頭を戻し――次いだ言葉に、視線が流れる。
己の持つ青とは真反対の赤とかち合い、真意を探る様にも据えた儘。

「……余り、人に聞かれたくはない内容になるのだけど――――相談、させてもらっても?」

それから、ふ、と短く呼気を吐き出し、周囲を窺い見た。
己等の直ぐ傍にはいないものの、他にも客はいる。
再び困ったような、淡い苦笑を浮かべては、少しばかり声量を落とした声で繋げ。