2023/09/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリュエールさんが現れました。
■リュエール > 王都にきて数日経った旅人は、割の良い宿を見つけて早速王都内を散策していた。
平民地区だけでも回れる場所が多いこと多いこと。
ピンクブロンドの髪をなびかせ、比較的軽装とも言えるローブ姿に、足鎧をがしょがしょ鳴らして歩く。
「ギルドもいくつか目星付けたし、また路銀も稼がないとね~」
冒険者ギルド。騎士や衛兵の駐屯所。活気のいい場所、治安の悪い場所。
手に入れた王都の地図に事細かに書き記していく。
美味しいご飯が食べれる場所も知りたいな~とか。
「で、あっちがでっかい王立の学院? で、そっちの奥の方にゃお金持ちが沢山住んでてー……」
平民地区のあちらこちらに繋がる道。
細い路地。抜け道に裏道。数日歩いただけじゃまだまだ埋め尽くせない広さ。
さすがマグメール王国の王都と、女旅人は感心してしまう。
そんな風にマップを見ながら歩いているのに、ぶつかりそうになったらするりと軽やかに身を翻すのだ。
曲芸師か、顔以外に目が付いてるか、なんて思われていそう。
「あれ、ここは何通り?」
土地勘のない場所とは言え、マッピングにはそれなりに自信があるが、日も暮れてきたので迷いやすい。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にコルボさんが現れました。
■コルボ > 嫌が応にも目につくのはその足取り。
ふらついてるピンクブロンド、それがそれほど多いとも言えない人ごみの中で
まるで田舎から出てきたばかりかのように地図と見合わせながら歩き続ける。
だが、人にぶつかることもなく、軽い足取りで人の隙間を縫うように進んでいく。
気になって追っていけば体のラインが出ている食い込んだ装束……、
だが、足の装具や身なりを見ればそれが痴女や曲芸師、さりとて淫魔の類かと言われれば違うと見えて。
「よぉ、お前さん一人か? そんな地図とにらめっこして旨い飯屋でも探してんのかよ」
ふらりと距離を詰め、声をかけようか。
同じように人ごみに逆らわず近づき、ヘラつく男。
見た目こそレザーアーマーにバンダナ、申し訳程度の装備を身に着けたチンピラと言った体だが、
研鑽を嗜む貴女からすれば、惰弱を装った手練れの類と見抜けるだろうか。
男からしても、見抜くだろうと意図して、斜に構えて隙を見せずに軽率に声をかけていて。
■リュエール > 旅用のローブを着た女旅人は声がした方へと振り返る。
がしょ、と音を鳴らして足鎧を纏う足を止めて、声の主らしき人物、その男を目に留めた。
おそらくは自分に声を掛けてきたのだろう男。
バンダナを巻いた頭からレザーアーマーを纏う体。それから足元までじろりと見て。
軽そうなノリの割に隙のない男。わざとそう見せてるのか素なのかはまだ計り知れない。というのが女旅人の印象。
「あたしのこと?
美味い飯屋でも載ってる観光本なら良かったんだけどね。単なる散策よ」
旅人なの、と何でもない風に言って、同年代くらいの男の顔を見て口元に笑みを浮かべる。
王都に来てからまだ日が浅いが、かと言って困ってる様子にも見えない。
運良くいい宿を借りれたし、冒険者ギルドにも拠点登録はしたし。
なので散策だと、素直に告げた。
「それで?
わざわざ声をかけてきた貴方は誰? 何か用かしら?」
金とは言い難い明るい黄色の瞳が瞬きもせず、じっと男の顔を見る。
■コルボ > 測りかねると言う表情、雰囲気を感じ取って肩を竦める。
これだけの身のこなしで鞘を当てに来てないとあれば相当の手練れ。
それか、別の強みでもあるのか。
「強そうでイイ女が一人この国に慣れてません、って感じで歩いてたら話しかけたくもなるだろ。
まあ足取りは目をつむってても歩けますって感じだったけど。
だからま、目的はナンパだな。」
あっさりと、そう言ってしまう。歳の頃合いは近いようだし話し易いかもという期待もある。
旅人、とはいえ、腕に覚えがあるなら既にギルドに登録もしてるだろうか。
「それに、腕に覚えがあるならお近づきになりたいのもあるさ。
つか、旅人って、内乱辺りで稼ぎに来たのか?」
ふと、近いうちに城塞都市で起こるであろう内輪の小競り合いの話を持ち出して。
■リュエール > 「そう? 世話焼きなのか下心満載なのか。あ、後者なのね」
あっさりナンパと認めた男に肩を竦ませる。
男の事情は知らないし、強そうでイイ女と称した相手にわざわざ声を掛けてきた辺り本物の惰弱ではない。
まあねえと同意を示しながら通り道から数歩下がって何かの店の壁際に立つ。
道のど真ん中で話し込んでスリに合うほうがめんどくさい。
察しのよさそうなこの男なら、勝手についてくるだろうという見込み。
「ふぅん? 割のいい汚くない仕事でも回してくれるのかしら? てか、内乱?」
常にこの国はきな臭いとしか聞いてない。
そう言えばギルドで東北方面、アスピダだかなんだかの緊急招集みたいな説明を受けたような。
ん~……と腰に手を当てて軽く顔を傾けながら、あまり興味のなさそうな表情。
「あたしみたいな異邦人がわざわざ首突っ込むのもなーって感じ? 稼げるってんなら別にアリだけど。めんどくさそーな雰囲気になったら、別の国にまた旅立つだけよ」
今のトコ、それぐらいの印象しかない。
何せこの国にはまだ着いたばかり。事情も知らないし、と女にとって内乱云々はどうでも良さそうだ。
■コルボ > 「下心を通すコツは下に隠さず上に掲げるもんだよ。」
立てた両手の人差し指と中指を折り曲げる仕草を見せて強調しながら、
人通りから離れるように手近な店舗の際に立つ。
もっとも、二人して聡く目敏くあるならば、それらしい素振りの者はいるが、
二人の佇み方を見てすぐに視線を逸らしていくだろうが。
「汚くないってのは手が汚れるほうか? それともどぶさらい的な意味でか?
どっちにせよソロよりペアのほうがやれること増えるから一気に稼げる仕事は増えるだろうよ。
国を見て回るなら羽振りのいい商人だのの護衛について、
路銀タダで一通り主だった都市を見て回るのもトータルプラスになるぜ。」
お前さんなら奴隷都市も危なくはないだろう、と付け足しつつ、
内乱、と聞かれつつも相手の様子を見る。
興味はない。となれば、噂を聞きつけてきたわけでもない。
単純に物見遊山なのだろうか、とあたりをつけつつ、
夕暮れ時になって店を引き上げ始めた果実水売りの行商に声をかけ、
二つ買って一つを貴女へ寄こして。
「この国は色々渦巻いてるから多少よそ者でも気にしねえよ。
その分悪感情はミレー……、奴隷扱いに良くされる種族に向けられてるしな。
稼げるにゃあ、稼げるんだろうが……、不確定要素が多いからあまりお勧めしない、ってのが正直なところだな」
国もアスピダも変な隠し球用意してやりあうって噂だけは聞こえるな、と。
要は、足掛かりになる地元の人間と繋がりがある方が何かと便利だろうという具合
■リュエール > 「あははっ、面白い持論だね。成功率は何パーセントぐらいなの?」
存外結構高確率で通せていそうだと、おかしそうに笑う。
壁に寄り掛かりながら、面白い男の話を聞く姿勢。
汚くないの質問には「どっちも」と答えた。
ギルドのブラックリストに乗る気はないし指名手配も御免だし、悪事や犯罪はめんどうだからと。
「あと臭いのきらーい」とも答えておいた。
男の話にはまあまあメリットもデメリットもありそうだなと頭の中の計算機をはじく。
腕が立つ相手であることは間違いないけど、美味しい話には裏があるとまず警戒するのは旅の基本だ。
「奴隷都市とかあんの。すご。今度行ってみるわ」
物見遊山的な発言をしながら、行商を引き留めて買ってくれた果実水を受け取る。
ありがとー♡と満面の笑顔でお礼。
自分の顔の使いどころを分かってるあざとさを感じるかもしれない。
「ま、あーんまよくない噂立ってるよ、外の国ではね。
ミレー族だって別に獣人族とそう変わんないのに不思議な感じ。
かわいいじゃん、耳とか尻尾とかさ。
ふぅん? 情報通っぽい貴方のいう事だし、そっち方面はしばらく行かないよーにしよっかな」
果実水を一口飲む。
ほんのり甘味があって美味しい。とご機嫌の表情。
■コルボ > 「お国柄っつうのかね。わりかし高いよ。八割ぐらい?
俺もよその国旅してまわったことあるけど、この国ほど見込めるとこなかったな。
ああーでも、掛け値なしな分人外、狐だ龍だには受けが良かったな」
嘘やごまかし持ち出す相手とはアンタも面白いと思わないだろ? と共感を持てるか投げかけて。
読み通り確率は高く、そして自分もかつては旅人だったことを告げた男は、果実水に口をつけながら臭いのきらいと言われれば穏やかに笑って。
「人間なら、なんなら中にゃ魔族でも仕事ちゃんとこなせば実入りは良い仕事回してくれるギルドのほうが多いから心配すんな。
冒険者なんざ腕が立ってなんぼなのはどこの国も変わらねえよ。」
そこまで考えてるなら後は良い仕事に出くわすだけだよ、と。
……相応に腕が立つ以上、修羅場も潜り抜けているなら、依頼書の文面に潜む行間を読み取ることも出来るだろう。
男の振舞いには善人面で必要以上に心配してる素振りはない。
逆に、腕が立ちそうだから声をかけた、という雰囲気が強く出ていて、
……もしかすれば、最初に斬り捨てた”世話焼き”も幾ばくか含まれているのかもしれない。
「……お、そういう目でちゃんと値踏みしてくる女は好きだぜ。
タイミング会った時に一緒に仕事出来りゃいいなってのと、
ねんごろになって良い仲に慣れるのもちゃんと考えてるぐらいだよ」
本当に包み隠さず、下心を堂々と掲げて笑う始末。
嘘は己を守る手管、弱者の作法。だがそれを必要とせぬだけの在り方を所作で見せていて。
「あるよー。先月まで豪遊してた貴族の娘が売り飛ばされてたりするよー。
なんなら角へし折られて魔力封じられた魔族とかも売られてるよー。
あんたも、そういや名前聞いてなかったな、俺ぁコルボ。情報屋で斥候……、スカウトやってる冒険者だよ」
異国の言葉で”カラス”を名乗る男は貴方の名前を求めるように視線を向けて。
だが自分の見目の良さを自覚している振舞いには苦笑して”そりゃどうも”などと木の杯を打ち合わせて。
あけすけなカラスは下心を公言するが、女性に向ける下卑た欲望の類を今のところ見せることは、いやさっき見せていた。
「あ、やっぱそうだよな。俺も国の外出てからやっと思えるようになったっつうか。
どうなんだろな。過去になんか先祖がやらかしたっていうが、
ヘタすりゃ魔族のほうが扱いいいからな、ミレーってのは。
おう、アスピダは山の中でも更に奥だからな。気をつければとばっちり食うこたねえよ」
■リュエール > 「へえ。結構やり手なのね。てか、相当女好きね、貴方」
嘘を吐かれるのは当然気分がよくない。
それに明け透けにするのが好みという意見もまあわかる、と頷いて見せつつ。
若そうな見た目の割に随分苦労人みたいな助言をくれるのねえと肩を竦ませた。
別に新人というわけでもないので理屈はわかるし、というかこの国魔族にも仕事を出すんだと果実水を飲みながら思った。
前に案内人みたいに振舞った傭兵の男も含め、この国の男は存外世話好きなのかしら?
「話半分で今は聞いとくわね、そこらへん。
ちゃんと女の管理ができる男だってのはわかったわ」
冗談めかすように笑いながら、軽く木の杯を傾けて奴隷都市の話も聞いたりして。
この国の奴隷産業は本当にすごいのねえとどこか感心した様子。
昼間に広場で奴隷市場が開かれてるのも見たけど、ミレーを中心に色んな人種が売りに出されてた。
性奴隷が多かったのもこの国の特徴かしらね。
そんな話をしつつ、名前を尋ねられれば顔を上げて。
「コルボね。へえ? あたしはリュエールよ。旅人で冒険者。パーティ役割的にはアタッカーってところね」
と軽くローブの裾を持ち上げて足鎧を見せる。これが女の武器であると彼もわかるだろう。
生憎その下の肉感的で扇情的な服装までは見せはしないだろうけど。
女も別に自分の性を安売りするつもりはない。気分屋なので。
「歴史の話でしょ? 案内人っぽい感じの人も言ってたわ。
まあそれを調べるのも面白そうだけど、国ぐるみならそうそう見つからないでしょうね。
遺跡の奥とか行けば文献くらいあるかしら? 売れると思う?」
アスピダの忠告は聞いたのでその話は区切り、話題を旅人らしく、冒険者らしく、そっち方面に持っていく。
■コルボ > 「女好きじゃなくてもあんたになら男は親切になるだろ普通」
顔立ちだけではない、振舞い、印象。そして何より話していて面白いと思える。
これは下心がなくても好ましいと思ってしまう。
釣りに行ったつもりが釣られたようなものなのだ。
助言と言われれば”これでも中堅より上に行かなくて済むくらいにやってるからな”と。
暗に、評判が良くないこの国では、中堅以上になれば、下手に目立てば面倒なことが
実入りより多く流れ込んでくるのだと暗に示唆して。
自分の意志で中堅であることを維持するだけの立ち回りをしていて。
「管理はしねえよ。女がいて男がいてようやく気持ちよくなれんだ。
むしろ面倒見てもらってほしいぐらいさ。
リュエールな。……やっぱさっきの音はそう言う奴だったんだな。
しかし無手、っていうのもおかしいが得手がそれってのも面白いな。
足取り軽いあんたみたいなほうがこっちも合わせやすいんだよな」
性奴隷の話には、まあ安くても買えるのがいいところでも悪いところでもある、と言いつつ、
身のこなしの秘訣、その立ち回り方に納得すれば口笛を吹く。
良く設えた銀の具足。おそらくはミスリルだろうか、ラインに合わせているが故に脚線美も伺えて
男は知らず口笛を吹いて。
「だな。過去にどうとかっていう、この種族は生まれながらの奴隷である、
ってよその国でも聞く話さ。
んー……、売れるか、って言えば、あらぬ容疑かけられてお尋ね者に、かな。
この国はなにせ”歴史を大事にしてる国”だからな」
国の者とは言え、諸国漫遊をしてきた男は、同じ外から見た視点で、
尚且つ内情を語る。男とて全てを知るわけではない、というより、
男の手には歴史の真相はおよそ手が届く者ではない。
それでも、言い知れぬ不穏さを感じ取っていて、だからこそ言外に忠告を告げて。
「ああでも儲かる遺跡ってなら分かりやすいのは無銘遺跡だな。
常に魔族が潜んでて迷宮の構造を変えるし、その分財宝を仕掛けたりする。
ネックなのは、好色な罠の配分が多めってぐらいだな。
ただ魔導機械、この国でも活用されてる遺物見つけられたら結構実入りはいいぜ」
一番の目玉。リスクはあれど汚れることもなくリターンが得られる典型を旅人に明かして。