2023/08/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフィニスさんが現れました。
■フィニス > 平民地区の露店が並ぶ通り。
呼び込みの声や、値段交渉の声で今日も賑やかだ。
昼下がりのこの時間ともなれば、様々な軽食の匂いも漂って来て
活気、という言葉を体現したような有様となるだろう。
それは今日も、何も変わることはなかった。
夏の雨が、しとしと――という感じで降っているが喧騒には関係ない。
むしろ、人々の身に付ける雨具のせいで余計に賑やかに感じる。
「やっぱり、賑やかだな。」
傘を差して、人ごみに飲み込まれないように露店通りを歩く。
学院は今日はお休み。従者も、用事があって出かけている。
だから、散歩がてらに来てみたという形。
傍から見れば迷子に見えてしまうかも知れないけれど
蒼い瞳を、瞬かせながらきょろきょろと視線を巡らせる。
見たことがないようなものや人
食べたことがないようなものを見ながら歩く。
傘にぽつぽつ、と雨と頭上からの声が当たる感覚も楽しいし。
■フィニス > だから、露店通りの果てまで
少年は愉し気に雨の中の散歩を楽しんで歩いて――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフィニスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にセリアスさんが現れました。
■セリアス > 平民地区の大通り沿いにある雑貨商店。
普段から扱う日用雑貨や学用品、冒険者向け消耗品に混じって、
この季節は暑さを和らげるための道具であったりも、主な商品として並べている。
日傘やつばの広い帽子、触れている個所を冷やす魔導具。
高価にはなるが暑さを和らげる魔術の掛かったアクセサリー。
変わったものだと異国風の薄手の着物なども、話の種にと置いてみている。
公衆浴場の湯着にも使える、というような触れ込みも店員に仕込んで。
それに合わせて同じく異国風の扇……扇子とかいうモノなども仕入れた。
「シェンヤン方面のものの、少しアレンジ風ですかねぇ。
スタイルの良い方が着ると目の保養になりそうで……」
売れる売れないより、普段と違うモノという観点と、仕入先との伝手の都合で仕入れたもの。
それを見ながら、あらぬ想像ににやけた顔を見せる商会主に、店員は露骨に白けた視線を向ける。
カウンター傍の椅子で寛ぐ店主は口元を隠しながら、
売ることでなく使用法を考えているらしい。しかもろくでもない使用法を。
とはいえ平常運転といえばそれまで。慣れた店員は触れることなく、粛々と自分の業務をこなしていた。
■セリアス > 暫く、そうして色々と考えながらヘラついていると決裁の必要な書類が上がってくる。
それを目の前に従業員がちらつかせると、赤い瞳を細めてはため息を吐いて。
書類を受け取り、奥の執務室へと引き込んでいく。
後は、何時ものよう店は営業を続けていって――……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 外は大雨。まだ宵の内だというのに、店内はがらんとしている。
主要な客である周辺住民は、おそらく今日は家で夕飯をとるのだろう。
宿の宿泊客は早々に食事を済ませ、ほとんどが階上へとあがり休んでいる。
店内にいるのは退屈そうにカウンターで酒を飲んでいる銀髪の男と、バーテンダー服を着た黒髪の女店長。
互いに言葉を交わすこともなく、窓の外の雨を眺めている。
「……こんな日に来る客は、たいてい碌なもんじゃないが」
普通の人間はとっくに室内にいて、嵐に耐える備えをしている。
こんな時分に外をうろついているのはたいていが訳アリだ。もしくは、この街や国に不慣れな者か……。
来客を期待する気半分、平穏を好む気半分。天秤はどちらに傾くか。
■ヴァン > 時を告げる鐘が鳴る。
銀髪の男は天を仰ぐと懐から金貨を取り出し、女店主に押し付けた。
にやにや笑いながら女は受け取り、ポケットにしまう。――どうやら、決まった時刻までに客が来るかどうかの賭けをしていたようだ。
負けを認めついでにジョッキを突き出しスタウトの追加を頼むと、女店主は上機嫌に応じた。
雨はまだ、止みそうにない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からヴァンさんが去りました。