2023/08/01 のログ
ヨハン > 彼女の言葉に、また青年はうんうんと頷く。
実際、彼女とこうして会えなくてもこういう美味しいものが見つかっただけでも良し。
一人で酒場で飲んでもよし。こういう場所だからこそ、出会いがあればない時もある。
その時に楽しむ手段は多ければ多いほど嬉しいものだ。

「次はどんな商品が出るかも目が離せないねこれは。
ただ、ちょっと新鮮をウリにしてるせいで結構高めなのがなぁ。
手が届くけど、あんまり頻繁に手は出せない辺り、商売が上手いよ」

なんて、他愛ない会話を続けて。こういう雰囲気に浸るからこそ余計に美味いものも美味しくなるもので。
今はまさにその時、まぁこのスムージーだけを楽しむのならば、確かにちょっと影が薄くなってはいるが。

「そうだねぇ。じゃあ今夜の僕はジェントルマンということで。
ご一緒に歩いて、いろいろ見て回らせていただきましょうかね?お嬢さん?
ふふ、うん。楽しいよ。とってもね……なんなら、僕にとっては今もだからさ」

握った彼女の手は柔らかく、その見た目相応の握り心地であり。
すべすべでもちもちとした感触に少し目を細めながら、しかしそれ以上はすることもなく。
握った手と共に彼女と一緒に立ち上がれば、身長差が際立つだろうか。

「そうだなぁ、したいこと、やりたいことはいくらでも思いつくけど。
じゃあ、そこも歩きながら話そうか。動かないと、余計なことに思考を割いちゃいそうだ。
……僕はヨハン。よろしくね、エリステラ」

笑みをそのまま、導かれる下腹部へと手を軽くさすりながら。
期待こそあるが焦りはしない。彼女の言葉を信じることにしたから。
とはいえ、彼女の内に秘めるそれを感じ取れるかは、また別の機会として……。
この後はしばらくたのしんだあと、各々で解散となったことだろう……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場通り」からエリステラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場通り」からヨハンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に夏虎さんが現れました。
夏虎 >  
夕刻の大通りは夕日が赤々とそこかしこを照り付ける。
道行く人々、街路、商店、露天、エトセトラ――……
手作り感と手塗り感溢れる屋台と其処な主人も例外なく照り付けられて汗を滴らせながら色眼鏡を掛けた。

「あっっっっっっっつ」

湿布、飲薬(錠剤)、飲薬(粉末)、
売れ行きほどほど。
生もの類(魔物・獣の内蔵・皮革)、
本日の入荷は無し。
果実酒やジュース、
売れ行き絶好調。

俺……何屋さんやってんだっけ……?
等と暑さでぼうっとし過ぎて自分の稼業を見失う事数度。
そろそろ日も落ちてきた頃合いだ。
店仕舞をするかどうするか、
人の流れを暫し眺めて考え込む。

「フルーツ、また取りに行かにゃねえ。いやほんと何屋さんだよ俺は。んもう」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から夏虎さんが去りました。
ご案内:「冒険者ギルド」にメレンさんが現れました。
メレン > 冒険者ギルドはいつも忙しいのだがこの時期は特に忙殺される。
セレネルの海を開発し、大規模な海水浴を楽しむのにうってつけな季節限定のレジャー施設のオープン。
……当然、海となれば色んな危機だってある。魔物であったり、海中の危険な生物……

要するに雑事に事欠かない。経験の浅い冒険者でも、なんなら学生も奉仕活動の一環で【海の庭】に赴いているという。
ギルド職員も、好みの異性や水着の話で盛り上がっている一方、眼鏡娘は黙って掲示板に張り出された依頼書の入れ替えなどを進めていた。

「……こんなに忙しいのに、あの子達は本当に……」

学院や、登録中の冒険者たちからの問い合わせが殺到している。
【海の庭】を巡る軽い依頼……そして、皮肉なことに【海の庭】で猛暑に倒れてしまう者達が後を絶たないようだ。

中には、ギルドが斡旋して送り出した冒険者たちが羽目を外して熱にダウンして現地でお世話になったという報告も多い。
その際頭を下げに行くのは決まってギルドの者たちだ。


「これでよし……と」

眼鏡娘は、直筆の看板を掲示板のすぐ近くに並べてふぅ と一息。
壁にもたれかかると、白いインナーで完全に覆ってはいるがデカデカと存在感を放つ爆乳がたぷぅん と揺れる。

『猛暑対策は念入りに!!』
『有毒・有害生物を除いた水難、酷暑における身体的トラブルは保険対象外となる可能性があります!!!』

あまりにも現地で体調不良トラブルに事欠かないので、ギルドも何らかの注意喚起や予防措置に追われる始末。
カウンターの向こうで雑談を続ける後輩たちを眺め、こっそり胸や腹に手を当ててみれば、はぁ……と深いため息。

(こんな身体じゃなかったら……)

水着なんて着る気にもなれなかった眼鏡娘は、期限切れの依頼書を掲示板から引きはがしてまとめ、処分しようと。

ご案内:「冒険者ギルド」にアシュベールさんが現れました。
アシュベール > 海で起こる様々な弊害。
シンプルな海難事故ならまだしも、魔物が跋扈するこの国、この世界ではそういった対応にも追われる。
更に酷暑。と言っても過言ではない此処最近の気温のせいで、熱中症で倒れたりする冒険者もいるというのなら……。
そこにいる冒険者ギルドの職員がため息の一つ二つこぼすのも、仕方がないということ。

そして、そんな時期―――。
冒険者ギルドに棚卸しをしている魔具店の店主も、これまで以上に悩殺されることとなる。
海に向かう冒険者をサポートする魔具。その大量発注。そして棚卸しが必要だからだ。


「あー、お邪魔しまーす……。はーい。ちょっと、邪魔するね~……。
 ……うへ~……大変そうだなぁ、今日のギルドも。」

その手にはアイテムを収納している宝箱―――にしか見えない魔物を抱き、如何にも運搬中みたいな雰囲気を醸し出して、ギルドの中へ。
其処に入れば、空気が普段よりも慌ただしい事が分かる。
デカデカと貼られた注意書きに視線を送れば、この理由が自分としても理解することが出来た。
そして。そんな中、深い溜息を吐き出しているのは――この冒険者ギルドで、時折受付をしている女性だ。
カウンターに居る職員たちが談話しているのもあってか、ついつい足が向かうのは彼女の方。

「お疲れ様ー、メレンさん。今日も大変そうだねぇ~。
 あ、これ。【海の庭】に赴く時の紫外線対策のクリームと、遠泳用のウェットスーツ。
 後、倒れた時用の補水液。今日も納品しにきたよ~?」

メレン > 「こらこら、休憩長すぎっ」
しばらく雑談で騒いでいる後輩に、束ねた依頼書でぺちんと壁を何度かはたく。
子供のようなリアクションで、しぶしぶ解散して各々の仕事に戻る後輩を見れば、やれやれとため息。
己よりもスレンダーで何を着ても無難に着こなせそうな職員……中には絶対にセレネルの海に行く気満々なのか
中身はビキニ姿の職員まで。

ギルド職員があまり過激な恰好をするのもいかがなものかと言う話だが、時期が時期ゆえにイベントの宣伝も兼ねて
ギルド職員が水着姿で応対するのは認められている。
……この眼鏡娘はそれに靡かなかったのだが。

不意に、ギルドのドアベルがかららんと鳴って来訪者を知らせる。
そこにいたのはローブ姿の小柄な少年。幼いながらも店の経営までこなす冒険者ギルドとも縁の深い男の子である。

「アッシュくん、こんにちは。暑かったでしょ、今日もわざわざありがとうね?」

丸眼鏡を定位置に整えながら、にこやかな笑顔で応対する。
少年が口にした各種真夏日の御供には、うんうんと頷いて今度は安堵のため息をついた。

「来てくれて助かったわ。単なるお仕事じゃなくて……やっぱり海の季節だから。
 仕事なんだけど遊びの気持ちでうっかり……な冒険者が本当に多いの」

少年が抱えている宝箱にみえる物質を見遣れば、「待っててね」と一言添えて後輩を呼ぶ。
例の備品が来たからよろしく! と告げれば、後輩がとことこやってくるだろう。

「飲み物、いる?酒場まで普段より早くお店開けてて、冷たいドリンクは入れてくれるのよ。
 アッシュくんは今日、納品で来てくれたからサービスしておいてあげる」

アシュベール > 彼女の元に向かうまで、視線をギルド全体へと向ける。―――何処か浮ついた雰囲気なのは気の所為じゃない。

何故か水着を着用しているギルド職員。
そして、そんなギルド職員の事を見て鼻の下を伸ばしている冒険者。
何なら、その冒険者の中には「セレネルの海にこれで行こうと思うんだけど!」みたいに、此処でか外でか購入しただろう水着を持ち、
自慢気に見せつけて似合っているかを仲間に聞いている冒険者だっている。

「やー、本当暑いね~……朝も昼も夜も暑くて、どの時間帯でも干からびそうだよ……。
 そっちこそお疲れ様~。色々な意味でね~?」

それは先程、雑談していた他の職員に注意をしていた様子を見ていたから。
色々な意味で真面目な人というのは、こういったアイテムの棚卸しの際に何度か世話になっているのもあり、把握している。

「去年よりもかなり暑いって聞くからね~……実際、海だけじゃなくて王都でも搬送された人がいるって聞くしー……。
 熟練の冒険者でも水着で素肌を晒してたら、やられちゃうってことなのかなー……。
 とと、どーもどーも。うへへ、じゃあ、これが納品物だよー。」

呼ばれた他の職員が近寄ってきてくれたなら、宝箱から取り出すのは―――魔具だ。自分が素材から作った特殊なもの。
小瓶に入った真っ白な乳液。肌に塗ると日差しを阻み、日射病や日焼けを防いでくれるもの。
ぴっちりとしたインナー――に似た、競泳水着に近しいタイプの水着。水の加護を刻んでいるので、泳げない人でも浮くことが出来る優れもの。
後は、スタミナポーション。熱中症で倒れた際に体力回復、水分補給を手軽に出来るもの。
それらを並べたなら、確認のために後輩の職員さんは裏に戻っていくはずで。

「じゃあ、品質の確認、お願いね~。
 ……おー、良いの? それは有り難いね~。何せ貧民地区から此処に来るまでもかなりキツかったし。お言葉に甘えさせてもらうよ。

 ……そういえば、さっき溜息吐いてたけど、メレンさん。どうかした? 何か悩みでも~?」

―――此処でふとした疑問。声をかける前、その豊満な爆乳や腰回りに手を添えながら、溜息を吐いていた姿を見ていたので。
身長差のせいで、その胸元越しに瞳を見上げる格好になっているが、心配の色を織り交ぜて。