2023/04/02 のログ
ご案内:「名も知れぬ寒村 異教の祭場(過激描写注意)」に尻子神さんが現れました。
尻子神 >  
マグメール王国の山間部。
地図にも載らず、名前すらないその寒村は、数年に一度大勢の参拝客による賑わいを見せる。その村で不定期に行われる祭に参加するために王都の各所から、時には遠く離れた他国から集まる客の多くはヴェネチアンマスクで顔を隠した富裕層。
本来であれば間違いなく邪教認定して殲滅に掛かるだろうノーシス教が、長年にわたって目こぼしを続けているのは偏にその恩恵ゆえ。時には現教皇までもがお忍びで訪れるというのだから、余程の奇跡が起こされるのだと伺い知れよう。

その神事が行われるのは落陽の紅も消え、星空が天蓋を覆う頃。
盛大に焚かれた篝火と魔導光のスポットライトで幻想的に照らし出された奉納台に、東国の巫女にも似た装束を纏う乙女が登壇し、神楽を舞うのである。

花簪や純白の千早、緋袴を纏ったその姿はノーシスの聖女とは趣こそ違えども、神に仕える乙女の清廉が見て取れよう。ただ唯一の、そして恐ろしく目につく違和感は、その緋袴がチャップスめいて股間を大きく露出させている事だ。

無論これには理由がある。
この祭にて顕現される"尻子神"と呼称される蛇神は、巫女の腹腔にて受肉し、その尻穴より現世に降臨するのである。

穢れ無き巫女の腹にて受肉して、敢えて不浄の孔より生まれ出でた蛇神の長大な身体全てを引きずり出した後、ぐったりと力を失ったその長胴をぶつ切りにして参拝客に分け与えるというのが神事の概要。
尻子神の肉を食らった者の身体からは病も呪いも取り除かれ、数年の若返りを起こす事さえあると言う。異教の神のそうした奇跡を目的に、今宵も多くの貴人が祭の夜に集っていた。

ご案内:「名も知れぬ寒村 異教の祭場(過激描写注意)」にマツリカさんが現れました。
マツリカ > 或る夜。日常を学び舎で過ごす少女は、何処とも知れぬ山奥の寒村に居た。
未だに薄っすらと寒さの残る花冷えの夜に、少女に所縁もない村は厳かな空気に満ちている。
何でも、今宵は村に伝わる儀式の日だそうで、その為にわざわざ足を運ぶ者も居るらしい。
その所為なのだろうか。ぴんと張った緊張感の在る雰囲気は、日常ではなかなか味わい難い。

では、少女もまた観光でこの場を訪れているのか、と言えばその答えは否だった。
少女はあくまで『依頼』としてこの場に来ている。曰く、巫女として舞を奉納するのだとか。
どの様にしてこの依頼が少女の下にやってきたかは仔細を省くが、話を聞いて成る程とは思った。
少女はかつて、生国で先見の巫女として舞踏を神に捧げる立場にあった。言わば、お誂え向きというやつだ。
自国の他にも自国と同じ様な儀式が在るのか、と感銘を受けた少女は素直に頷いて、依頼を受け入れた。
それが数日前のこと。無論、儀式の詳細や真の狙いは一切伝えられていないのは、言うまでもないだろう。
その裏で、とある少女の縁者たる何者かが報酬をかすめ取っていることも、同じくである。

ともあれ、少女はつい先程まで大袈裟過ぎる程の歓待を受けて、贅沢な時を過ごした。
用意されたご馳走は、普段少食な少女でも目一杯に、食べ過ぎる程に楽しんでしまうものだった。
それから、潔斎と称して行われる湯浴みも、村の女手に全身に香油を刷り込まれ、隈なく清められた。
そうして、全ての準備を整えてから、用意された巫女服を纏って――今更ながらに後悔していた。

「……こ、これ、本当に、巫女の装束なんですか?」

身に纏う衣装は異国めいた風情のもので、ある一部を除けばなんとも清廉かつ美麗だった。
たった一つ、明らかに異常なのは、股座を覆う布地が一切なく、陰部が顕になっていること。
元々着ていた服は全て村の女手の手元にあり、下着も含めて全て取り上げられてしまっている。
そして、ここまでの歓待を受けた以上、今更この衣装では踊れないと拒絶するわけにもいくまい。
結果的に、少女は羞恥心で耳まで熱く火照らせながら、しかし胸を張って舞台の袖に立っているより他はない。
これは儀式だ。決して恥ずかしい行為ではない。そう自分に言い聞かせるながら。

尻子神 > 『勿論です。この村に昔から伝えられる由緒ある装束ですよ。』

にっこりと微笑み応える饗応役の言葉に淀みは無い。てきぱきと装束の準備を整える娘衆にとっても巫女のそうした対応はいつもの事なのだろう。何を気にする様子も無い。

『さあ、巫女様。時が迫っております。お着換えを手伝わせて頂きますね。』

言うが早いか染み一つ見つけられぬ美麗な裸身に、掛襟の朱も鮮やかな白衣を着せ、そっと持ち上げられた細脚に猥褻なデザインの緋袴を穿かせていく。ここしばらくの巫女達の中でも特に優れた少女の容姿には、助役の娘達とて思う所があるのだろう。
その肢体を掲げ持つ手つきは妙にいやらしく、その体臭を嗅ぐかの様に寄せられた鼻先が吐息で乙女の柔肌を淫靡に擽る。恭しく跪く娘達が前からも後からも巫女の恥部を覗き見て、性別に関わり無く身を擡げる劣情で少女の背筋をぞくりと粟立たせる。
千早を羽織り、清楚に結われた真珠髪が花簪で飾られた。程なく準備が整えられ、最後まで伴を務めた年嵩の娘にそっと薄い背を押されて此度の巫女が舞台上へと送り出される。

途端、篝火と魔導光のスポットライトで照らされた奉納台下の暗がりで、マスクに覆われ貌の見えぬ参拝客たちから静かなどよめきが広がった。
異国情緒と神秘性の漂う衣装に飾られた巫女の清廉な美しさと、それ故余計に目につく緋袴の露出に目を奪われた結果の反応だった。
口々の囁きが潮騒めいて少女の耳朶に届けるのは、その美しさを湛える言葉と秘裂への露骨な感想。
この時点で既に発情蜜など溢れさせていたならば、そこには色欲もはっきりと滲む嘲りの言葉も含まれるだろう。

マツリカ > 村側の窓口とも言えるのだろう、饗応役の者は少女の問いかけにもさらりと答える。
恐らく少女以外の巫女も戸惑ったのだろう。無論、真っ当な感性からすれば淫猥だ。
とは言え、儀式に必要という一言を持ち出せば、少女はそれを拒否する術を持たない。

よくよく思い返してみれば、この衣装を纏う時の助役の娘達もどことなく淫靡だった。
その繊手は他者の女体を扱うことに慣れていると言わんばかりで一切の迷いがなかった。
或いはその視線もどこか熱っぽく、少女の姿に何かを想像しているかの様な雰囲気だった。
とは言え、股座以外は違和感なく、寧ろ清楚可憐なことこの上ない上等な衣装である。
全身が映る姿見の前に立つと、上半身だけ見たならば正しく姫巫女といった様相だった。

そうして、万端の準備を整えて、ついに儀式の幕が開く。
覚悟を決めようと深呼吸をしかけた少女だが、随伴した助役の娘にはとんと背中を押されてしまって。
ふらりとよろめく様にして、少女は無数の視線が突き刺さる奉納台の上――光の下にまろび出る。
同時に漏れ出るどよめきは、嫌でも彼らの注目を意識させられるものだった。視線の先は、衣装かそれとも。
それから少しの後、観衆が落ち着きを取り戻すと、徐々に広がり始めるのは少女への感想だった。
衣装への賛美、容姿への感嘆、そして何より少女の恥部――無毛の秘所を褒めそやす言葉。

「うぅっ……」

見られている。その事実に心音が加速して、頭の中がくつくつと煮えたぎる。
意識してしまえば、視線は文字通り突き刺さるような錯覚すらあるような気がして。
過去に刻まれた凌辱の名残故か、つぅと一筋、透明な蜜が零れ出て、銀の糸を伴い床に落ちる。
目敏くそれを見つけた者が居るならば、降り注ぐ指摘に皆が気づき、口々に少女を嘲るだろう。
神聖な儀式がそれで良いのかとも思うが、饗応役も助役も止めに入る様子はない。
凛と張り詰めた空気はいつしか淫猥な雰囲気へと変わり、潜む情欲の気配が滲み出ているようだった

尻子神 > 山間の村中でも最も高い場所に建てられた神の社。
その舞踏台からは無数の星が散りばめられた群青の空と、それを大胆に切り取る山峰の黒々とした稜線、そして王都の中央広場にも負けず広々とした境内に詰めかけた無数の人群を見下ろす事が出来るだろう。
仮面の目孔から覗く瞳の多くが、恥毛の一本も存在せぬ純白の肉丘に向けられている事は巫女姫にも感じ取れよう。
厳かな静けさの中で膨らむ彼ら彼女らの期待、その猥褻な雰囲気までもが直接的に少女の下腹に突き刺さるかの心地。

そんな静謐を乱す事なく、舞台脇に控える楽師が笙や龍笛の波音を響かせる。その合間に挟まれる鞨鼓や琵琶が神事の始まりを告げた。
大神殿のステンドグラスから差し込む神光に包まれているかの荘厳さの中、ふわりと巫女の細腕が持ちあがり、白足袋の足先が檜床を滑る。
かつての舞巫女としての来歴もあっての事か、その舞踏は神に捧げられるに相応しい流麗で初春の夜気を揺らした。
一流の舞踏家による舞をいくつも目にしてきただろう貴人をして思わず息を呑み、見惚れる神楽なればこそ、大きく切り出された緋袴の股間から覗く乙女の肌色と、楚々たる恥丘に刻まれた割れ目、柔尻の谷底に潜む不浄の窄まりが注視を集める。

巫女の意識に関わりなく動く手足。
徐々に高まる体温。
否応も無く意識させられる淫らな凝視が、ぬめぬめと秘裂を、尻穴を舐め回しているかの様な背徳の怖気。
それに反応した身体が幼女めいた一本筋から粘りを帯びる甘露を溢れさせたなら、即座に気付いた数人が労働に晒される事のない指先でそれを指し示し、周りの参拝客にも巫女の秘めたる気質を喧伝する。
曰く、舞い始めて早々に濡らす淫乱は久方ぶりだ。
曰く、美しい顔立ちをしていても所詮は下民。日頃から男達の逸物を嬉々として咥え込んでいるのだろうよ。
曰く、後でたっぷりと労ってやらねばなるまいな。
それらの心無い言葉の刃が少女の柔肌に突き立ち、切り裂く。
しかし、それによって生じるはずの痛みは、全てが全てマゾヒスティックな悦びとなって華奢な背筋を舐め上げる。

マツリカ > この村の中で最も高い場所に存在する奉納台は、正しく神の足元のうてなである。
頭上遥か彼方に天界なるものが在ると言うならば、正しく最も近い場所だろう。
独りで立つが故に、想像以上に広く感じる台の上で、少女は神だけでなく皆の視線を一身に受ける。
仄かに濡れた股座を認められてから、より遠慮なく秘所へと向けられる視線は不可視の触手めいていて。
するり、ざらり。眼差しの棘を無数に集めたヤスリが、少女の尊厳や羞恥心を同時に削っていく。

やがて、長い時にも思える一頻りの間が終わると、遂に楽師が演舞の始まりを告げる音を出す。
異国の楽器だろうか。どことなく切なげな笛の音色が空間を満たすと、少女の腕は自ずから動いた。
自らの意識とは一切関係なく、しかしその音色を完璧に捉えた動き。流麗な巫女の舞だ。
恐らく他の娘でも同じ動作は取れるのだろう。だが、踊り手としての経験は積み重ねた量が違う。
隅々、細かな所に滲むキレやノビは、少女の舞踏に慣れた肉体故の洗練されたものと変わって

「っ……勝手に動くなんて、聞いてません、けどっ!?」

抗議の声を漏らしながらもその動きは乱れなく、着実に奉納の舞を追いかけていく。
ただ、動きを操られているため、観衆に股座を見せないように舞う様な真似は出来ない。
音色に合わせて動くとなれば、無音になると敢えて間を取ることもする。同時に舞も止まる。
そうなれば、体勢を維持している間は一切隠さず見放題。全てが明け透けに晒されてしまう。
例えば、神より物を賜る演技で音が止まれば、背を見せ平伏した姿勢のまま釘付けになる。
そうなれば、腰を折った体勢は観衆にセピア色の窄まりをこれでもかと見せつける様なものだ。
或いは別の姿勢であっても、観衆に股座を誇張する形で間が取られるのは気のせいだろうか。

何れにせよ、観衆たる老若男女は、皆口々に少女の淫らな舞を談じて、言葉の刃物を向けてくる。
所詮は下民、と宣う辺り、少女の素性すらも彼らには漏れているのかもしれない。
しかし、悲しいかな。少女はかつて入念に調教を施された雌である。罵倒すら甘美な痺れに変わる。
じくじく、ずくずく。腹の奥が熱を帯びる。明確な発情に、肌がとろ火の炎で炙られた気すらして。
巫女服の形状や舞の動作が噛み合ってしまったならば、下腹部に刻まれた文様すら見えてしまうかもしれない。
ハートを蔦で絡め取るようにして子宮をデフォルメ化した淫紋――妖しい赤紫の雌の証すら、余すことなく。

尻子神 > 魂は細部に宿るという。
一見しただけでは違いの分からぬかつての巫女と今代の巫女姫との舞いの差異は、指先どころか臓物の位置まで美しく見せんと行き渡った意識の違いなのだろう。神の御手によって操られ、変わらぬクオリティを誇るはずの神楽舞が今宵はこれ程に衆目を見惚れさせているのはそれが理由だ。
突如としてその身を乗っ取られたかの舞踏に思わず漏らす少女の困惑は、実際には一言たりとも下界に漏れていない。その美貌は先と変わらぬ厳かな澄まし顔を維持しており、引き結ばれた唇が僅かばかり震えたのみ。神楽の最中、その唇に許される自由は、神事を阻害する驚きの声音を紡ぐ事ではなく、耐え難い悦びに思わず漏らす喘ぎや参拝客を悦ばせる淫猥なセリフばかり。

すすす…と滑らす摺足が千早の小躯を舞台前面へと運び、緋袴の裾をバッと蹴立てて広がる脚は、それに引かれた恥丘の溝を割り拡げ、淫水に濡れ光る乙女の媚肉を覗かせる。
ドンッと力強い震脚の音を響かせ止まった大股開きはしばしそのまま動きを止めて、ぱっくりと左右に開いたクレヴァスの合間で戦慄く雌華の蠢きを見上げる貴人に長々晒した。
それに合わせて密やかに漏れる感嘆と興奮の声音は、大勢が合唱めいて示し合わせたかのように一致した拍子によって意外に大きく夜闇を揺らす。
己が恥部を観客に晒して小銭をせしめるストリッパーの如き有様なれど、酔客の野次も無く、響く楽音は神秘を湛え、そのちぐはぐな塩梅は余計に少女の羞恥を煽ろう。
美乳の奥に秘めた少女の背徳を知悉する神の戯れにも似た演出が、下腹に灯る淫熱をどこまでも炙り昂らせる。

ぱっくり開いた緋袴の股間、恥丘だけはきっちり晒しつつもその上部を覆っていた白衣の短裾が、トン…と跳ねた乙女の飛翔の着地際にふわりと浮いて、下腹の淫紋を長々晒す。
気付いた貴人が口々に漏らす囁きは、どこまでも無責任に美姫の性質を貶める。美しい物程穢したがる度し難い性癖による嘲りすら、被虐の悦びを知る今代の巫女にとっては劣情を膨らませるスパイスとなるのやも知れない。

直接的な愛撫など一つも無く、雅楽の響く舞台の雰囲気はどこまでも厳か。まさしく神事と呼ぶにふさわしいロケーション。
しかし、少女の身体がじくじくと昂らせる火照りは、舞い踊る四肢の疲れが醸す物としては聊か過剰に思えよう。
巫女服の内にてしっとりと汗ばみ始める柔肌は、その下腹にはっきりと熱の源泉を感じる事だろう。

そうしてあるタイミングでふと気付く。
いつしか腹奥に灯されていた排泄欲に。
最初は軽い違和感として。続いてはっきりと意識出来る臓腑のうねりとして。ふっと湧いてはすぐに収まる排泄欲は、徐々に、徐々に、欲望を浮かべる頻度を増し、腹奥に蟠る圧迫感を大きく太く膨らませていく。
踊りを中断し、今すぐトイレに駆け込みたい。
そんな刹那的な衝動がはっきりと感じられる程の排泄欲が、寄せては返す波濤めいて巫女姫の脳を犯すも、赤い靴ならぬ白足袋を穿いた細い脚はみがきあげられた床上を滑り続け、細腕は優美な広袖を世闇に翻し続ける。

既に幾度もこの神事を見て来たのだろう常連は、巫女舞に生じるノイズにも早々に気付く。彼らが囁く。『そろそろ始まるぞ』と。

本来は在り得ぬ事だが、今や少女はほんの数時間前に食した多量の馳走が全て糞便と化し、消化管を末端から腹奥に至るまでぱんぱんに膨らませているかの錯覚を覚えているはずだ。
それほどの排泄欲は美貌の額にも汗を滲ませ、淫靡に紅潮した頬から形良い顎先へと伝わせる。

マツリカ > 少女は確かに声を上げた。その筈だった。少なくとも、"意識は確かに声を上げていた"。
しかし、実際に奉納台の上に少女の声音が響いたかと言えば、その答えは否だった。
肉体をただ操られているだけではなく、自由を奪われたのだということをようやっと理解する。
意識だけが僅かにずれて自分を俯瞰している。言うなれば、幽体離脱して自分を見ている感覚だ。
凛とした澄まし顔の己が軽やかにその身を翻し、時に力強く足を踏み込み、時にぴたりと止まる。
踊り手として鍛えられた体幹が成せる、研ぎ澄まされた静と動。そこに足されるのは邪な淫猥さだった。

(あ、足広げてっ……うぅ、視線がっ……!)

秘所が左右に開いたならば、今度こそ紛れもなく発情の証たる雌の蜜が垂れ落ちる。
汗等と言い逃れできない、とろりとした粘性のそれが銀色の糸を伴って床とを繋ぐのだ。
その後も、細部こそ美しくもやけに淫猥な二律背反を孕んだ舞は続いて、衣装にも汗が滲んで。
しかし、壇上の少女は羞恥を頬の赤らみだけに乗せながら、あくまで真剣な表情を装っていた。
他方で腹に感じる疼きはただの発情とも言い難く、食事に何か盛られていたのか思える程で。
だが、それすらも今宵の演目の序章でしかないことに、この後ようやく気づくことになる。

(っ……やっぱり、食べ過ぎだったでしょうか……おな、かがっ……!!)

食後に苛烈な舞を踊っていたからだろうか、腹の奥がぐるりと低く鳴った気がする。
それは常人ならば何事かと首を傾げるだろう、しかし少女にとっては馴染み深い予兆だ。
慣れ親しんでいたからこそ分かってしまう違和感――排泄、それも腹に秘めた不浄の鳴き声。
それは、先ず腸の中を意識させる様に蠢いて、次いでじんわりと腹の中一杯に広がる錯覚。
みち、みち。腹の奥から、緩やかに膨れ上がる感触。強い圧迫感が静かに肥大化していく。
同時に、舞踏にも僅かなノイズ――腸内の空気を強引に押し出されての放屁がかすかに混ざった。
目ざとい客はこれだけで予兆に気づいて、これからの流れを想起し、各々に楽しむのだろう。
にも関わらず、少女の肉体は強い排泄欲求を一切表情に出さず、舞を辿ることに専念していて。
ただ、少女の精神だけが、魂だけが途方も無い便意に悶絶し、この先を予見して怖気を抱く。

(ひっ――ぁ、あぁあっ――!? お、なか、あ、ぁあっ、や、だっ! やめ、や、あぁっ!
 し、しない、ですよねっ!? こ、こんな、場所で、おもらしなんてっ――ぃいいいっ!!)

みちり、みちり。徐々に腸が膨れる悍ましい感覚は、常人ならば先ず味わうことのない感覚だろう。
少女の場合は、好き者の相手をした折に淫術や転移の魔術等で経験こそあれど、親しむ様なものではない。
ぞわり。舞踏によるものとは別の、排泄欲求による焦燥の冷や汗が滲み、肌を伝い落ちる。
その中でも舞は止まらず、放屁の回数や音も増して、少女は少しずつ、"奉納"に近づいていく。