2022/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地(過激描写注意)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 武器を手にする者は色々な名称が耳に付くだろう

剣士
闘士
殺人鬼
ナイフ使い
槍使い

色々な型があるものの、須らくテーマというものが決まっている
それぞれに特化した何かがあるからこそ、鍛え続けた一角があるからこその呼び名だ

なら、武器に拘らず その姿勢だけを貫いた者は何て呼ばれるだろうか

戦士だろうか

武者だろうか

どちらにしろ、今行われている惨劇は達人とは呼べない。

武器と怪力 経験と斬り方 足していくだけで混ざり合うことがなく
違う武器だとしても突撃してしまうのなら それはイカれや狂戦士と呼ばれても可笑しくはなかった。


「―――シャアアッ!!」

ギザ歯を剥き出しにし、黒髪をなびかせ、赤い瞳は夜でも黒く見えることはない
魔性を混ぜた赤は、この暗い中で赤を失わせていない
獰猛な表情はただ一つ 殺す を示し妥協も捕らえも感じさせていなかった。

メイラは現在 富裕地区大裏路地にて
昼は老人がゆったりと散歩できる場所であれど
表通りとは違い、地域に住まう使用人らの買い出しなどでも小話ができたかもしれない

それを夜の間に 愛刀の“二代饕徹”を抜き身にし、月明りだけが頼りな中で衛兵が来ても構わないとばかりに
その反り返った刃を用いて右片手振りによる斬撃を放つ

身なりの好い男と女が混じり合うグループ
暗がりではどんな色も黒になる どんな色も影と同じ
衣をいくら挿げ替えようと メイラの逆鱗に触れた原因があったのか
胴体を両の腕と共に 骨身を 背骨を 分断された男が切り口も綺麗に
まるでベリッという音が幻聴されたかのように、剥がれ落ちる

「逃がしませんわ。」

振るい切った刃は右側へとなるそれ
返す刀が両手で握りなおされると、もう一人の肋骨下の腹をめがけて横薙ぎに一閃される。
切っ先から半ばまで入り込んだそれが スクリ と通り抜けるのならば
圧に負けたそれが切り口が大きく開く前に白い小腸をこぼれさせ、切り口からぼろりだらりと
地面へとたれ落ちて見せるそれは、黒い灰色を帯びているかのようだった。

地面へと倒れた肉の塊に一瞥を向けることもなく
次の相手へと襲い掛かる姿
見境なし 間合いの内側に入りさえすれば 全て斬る
刀を持ち込んだ怪力令嬢の姿を、剣士とも達人とも呼ぶわけにはいかない
魂の入った切れ味の鋭いそれを用いて、殺陣続ける 狂戦士。

メイラ・ダンタリオ > 悲鳴 足音 武器の音
それと共に肉が落ちる音 はがれる音 飛沫が黒く吹きあがり、真上へと上がるそれだけが
見上げれば白い月明りで、ほんのり赤く見えたかもしれない

富裕地区で 擬態し メイラが斬り殺しつづける場
何という事はない メイラが行った誅義ではなく、メイラを狙ったことで行われる
恨みつらみか 厄介者を消すそれだ

王が空位の今だからこそ 王にだけ夢中な者程 こういった現場もあり得るのだろう
富裕地区で馬車にも乗らずに出歩いていたのか メイラ・ダンタリオを伐っしようとするそれが
こうして殺し合いの現場へと成り立たせていた。

一人くらい、生かしておけば色々と謡うこともできただろう
しかし それが計画的な行為であろうとも 王やメイラと近しい者への害でもない限り
ダンタリオに恐れも 絶滅させる気概もない この場で全て終わらせるだけで良いと
だからこそ躊躇いも、加減もない

「カァッ!!」

鍔競り合い
怪力令嬢と名を打つそれと、競り合いなどしたとして
武器が負けるか 腕が負けるかでしかない 一対一ならば
しかし多勢にはそれは致命的なもの 片手で制した上で、腰に差された二刀目
大脇差のそれを抜き放つと、強引に刃を掛けて両腕を上げさせるように仕向け
振るわれた一刀 脇腹から肋骨の間めがけて突き刺されていく。
横薙ぎり振るったそれが、肺を断った手応えと共に、切っ先に乗った赤が弧を描いて線を作った
ビチリッと、石床渡に描かれる黒
刀ごと腕で横側へと放り投げるように飛ばしてしまうのならば、次の獲物へと向かっていこうか
月明りは 互いの剣の銀煌と、赤い瞳だけを映し出す。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地(過激描写注意)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。