2021/12/16 のログ
■メイラ・ダンタリオ > 鮮血 剣撃 倒れ伏す音がどさりと後ろから聞こえる
両手に伝わる充実 全身で浴び、季節柄すぐにその熱は失われ、粘り気を帯びるかのように錯覚する痕
メイラは王だけに仕える騎士として かなりアクが強くも真っ直ぐに立っている
狂気に浸されて強さを貪った姿の中で、唯一己を活かす場所は 闘う舞台
だからだろうか まるで殺人鬼のように愉悦した笑み 己に立ち向かってくる
ここではないどこかの誰か 自然界の悪戯めいたアケローンといえる場所の中
メイラは愛刀二刀 二つを今だ鞘に納めず両手に下げたままで笑みを浮かべている 弓弦ような三日月のそれを。
「一度この近辺を、適当に焼き穢す必要がありそうですわね。」
そうしたら、この小さな騒ぎもおさまるのだろう 収まってしまうのだろう
切っ先に滴る赤いこの話は此処で終わってしまうのだ。
リザードマンも 剣牙獣も 貴族に買われている 忠実 なれど知恵無しの 言葉すら喋れぬ巨体も
全員が斬れなくなってしまうのだろう
気まぐれと故意で生まれた 邪妖精の悪戯場所の中 メイラは再び始まった
視線も呂律も揺れている 今度は真っ当な人間で しかし壊れてしまった何かと剣をぶつけ合う
此処ではないどこかを経由して ここではないどこかで どうにかされてしまった相手
メイラと剣と刀 擦れあう鉄火の中でも、猿吠のような声 技術以外 楽になってしまった姿の果て
首筋 肩 頭部 脇腹 急所と武器を持てなくさせる為の場所を的確に振るってくる狂鬼
メイラは狂悦で応え乍ら、最後には力づくで、上から剣を抑え込む
片手がミシリと力を入れて、片手が大脇差をゆっくり鞘へ納める納刀音
両手で柄を握りしめ、ただ押さえ込むそれに、剣は小さく悲鳴をあげる
悲鳴は大きくなるのではなく 連なる 小さなそれが 食い込みが増して
殺吠えは怯え混じりに、押し返そうとするものの、剣がもう保てなくなることを知っていた。
「嗚呼、武器を理由に死寝るなら、まだいいでしょうよ。」
そう言って、剣が キンッと斬れ折れたと同時に、捻り角度を変えていた切っ先
首を捉え、片手が跳ねる
首が廻り、地面へと転がり落ちた表情は、こちらを薄目を開けて見つめ
薄く開いた唇から残った赤が小さく つつり と垂れていく。
「ふふ なんでも呼び込まれてきますわね……。」
ゆとりもできた心の内側
獣の声は理性を強くするように、刀を振るってから
ゆ っくりと鞘の内側へ
カシ、ンと 伸びもせず収まって。
「フフッ。」
手指に纏う黒鉄 それを濡らす赤
ここは赤がもう こんなにも多い。
ご案内:「メグメール 自然地帯 森(過激描写注意)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。