2021/12/15 のログ
ご案内:「メグメール 自然地帯 森(過激描写注意)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 神隠し

それは一般的にはあり得ないとされ 巧妙に処理されたがゆえに そう表現するしかない言葉だ

しかし現実的に 目の前で霞むように消えて行ってしまった者
塀を飛び超えた瞬間消失した者
何もない空に亀裂が入り、何者かが連れ去った

等の話は絶えない

メイラのような 暴力 それのみで忠義を重ねてきた者のような
現実の中に非現実を現実化させたような造りの身体ですら、この話の純度は拭いきれない

メイラは装備だって普通に訪れた
黒い服 白いネクタイ 黒鉄を嵌める四肢

唯一 此処でも戦場でも常用できそうな その腰の大小だけが其処にはいつもある


                 メイラは今 血塗れのまま森にいる


「あはっ。」

言ってみればその先だって書かれた 何とか隠し とやらは 現実である
メイラが赴いた理由は、神隠しよりも逆 其処に関係していない何かが現れるという 分布図の違いに
王都近くでは困る事柄だと 調査 探索という クエストという名 雇われ者という手駒を抜きにして此処へ訪れた。

噂は真実で 何とか隠しも 何とか現れも 此処には確かに会ったのだ。

メイラ・ダンタリオ > チェンジリングという 妖精の住処に行けてしまうという 茸の胞子で出来上がる茸の囲い がある
現実的に見れば、茸の増えた形 列が綺麗なだけながら その中に入り込めば別の何かに着けるという


邪妖精という言葉がある

エルフのような草だけ食べているように見えて 弓という狩人の象徴が手にはある様に
実際には狩りをし、肉を喰らうのがエルフだ

妖精は手のひらサイズで背中に虫羽を生やすのではなく
造形様々にむしろ、妖怪 悪霊のように害意と己の自己満足で他者を陥れる者が多い
邪妖精などと言う言葉はむしろ、妖精にとって本来の正しい言葉である

森の中ではいくつもの 誰かを別の場所に連れていき
誰かをこの森に連れてくるという遊びでも流行っていたのだろう
邪妖精らがそれを眺めて 戸惑う姿 分布の違う者が現れることで塗り替わる連鎖の図
それを眺めて小さな声でケタケタと笑う

きっとそれは母親や子供を嚇す時に使う いくつかの魔法の言葉よりも ずっとずっと凶悪だ


「だからこうなってしまったのでしょう?」

己の中で、メイラは妖精の悪戯如きがよくもまぁここまで性質悪く仕上がったものだと
ギザ歯を弓張月に変えて、目の前の爪から後ろが取れてしまった手に 人間の武器を持つ
リザードマンと対峙する

爬虫類人のそれは 鱗 造形 口元長く 尾まで備わり
しなやかな身体と素早く動ける筋力を持つそれ

森の中で フッと現れたリザードマンも、メイラを見て 森を見て 此処の場所に戸惑いを示しながらも
目の前の肉に対して攻撃と捕食の意志を見せる

メイラは、明確な殺意 野生の本能 二つを感じ取るまま
互いの武器と武器が 火花という剣花を咲かせ、鉄が押し付け合わされる
その鈍い音を耳に拾いながら この薄暗い森の中で剣撃を広げていく

互いの目の色は狂気と澄んだそれ
非日常と日常的なことをするかのような目
その中で、メイラは振り下ろしを横に避けることで、逆に剣の峰を思いきり踏みつけて見せる

ガスンッ とその踏み力で、地面に深く食い込ませたことで
自身の爪よりも間合い長くとれていた手を失ったリザードマン
目の前にとびかかってきた 突撃するような出来事に足を踏ん張らせることしかできない

             ぐ ず り っ 

そして逆にその踏ん張りが、二刀 突き立てるメイラの切っ先を深く平突きに肋骨の間をくぐり抜かせ
肺と心臓を破る手ごたえを与えて見せる。

貫いたことで肉と血脂が剣にまとわりつき、引き抜きにくくさせるそれを
更に押し込んで傷口を広げ、新たな肉の切れ目に刃が寄り添うままに、引きと抜きで二刀 力強く抜き掃う。

肋骨に沿って割れた肉の広がり 血流が噴出され、メイラの髪と頬を蜥蜴血で汚していく。
生暖かいそれが吹きながら、二刀を横に寝かせたまま 抜いた後の姿勢で背を向けるそれに
リザードマンは熱が内側から消えていくことを感じ取りつつ、後ろに倒れ伏した。