2021/11/22 のログ
ご案内:「森の中(過激描写注意)」にエンデさんが現れました。
■エンデ > ―――そぼ降る雨に紛れて、なにかが聞こえた気がした。
獰猛な獣の低い唸り声、あるいは咆哮、
それとも哀れな獲物となった誰かの悲鳴―――わからない。
けれど、それがさほど遠くないと感じれば、看過は出来ない。
天候のせいか、最近はとくに寝込みがちな母を小屋に残し、
なにげない風を装って、そっと外へと踏み出した。
認識阻害をもたらす微弱な結界に守られた小屋を背に、
鋭い眼差しを周囲に巡らせ、すん、と鼻先を蠢かす。
血の匂い、獣の匂い、そうしたなにかを嗅ぎ取ろうと。
濡れた土の匂い、冬でも枯れぬ青々とした木々の匂い、それら以外に、なにか。
「――――――…」
少し考えてから、木靴を脱いで手に持った。
裸足で歩くことも珍しくない、見かけによらず頑丈な足裏で、
湿った土を踏みしめて―――慎重に、歩を進める先。
果たして、待ち受けるのは――――――
■エンデ > 深追いすることは出来ない、なんと言っても丸腰である。
なのである程度、近くに危険がないことだけ確かめられれば、それだけで。
ひたひたと足を進める、小柄な娘の姿はそれでも、
然程小屋から遠ざからぬうちに、雨の中に紛れて、見えなくなり――――――――。
ご案内:「森の中(過激描写注意)」からエンデさんが去りました。