2021/10/12 のログ
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」にダリルさんが現れました。
■ダリル > ――――――今朝がた、王都を出発したパーティは、既に壊滅状態だった。
初めに聞いた限りでは、そう深くもない迷宮で、潜む魔物もだいたい弱く、
それなりの実入りが見込める、という話だったのだ。
だからこそ、シスターとして、回復役として誘われたとき、
わかりました、と微笑んで頷いたのだし。
けれども入ってみたら、これだ。
確かに、魔物の数はそう多くなく、熟練の冒険者なら蹴散らせる程度の強さだろう。
しかし、少年を誘った連中は、どう見ても―――素人目にも、初心者以上、中級未満。
その上、迷宮のあちこちには、意地の悪いトラップが張り巡らされていて―――――
結果、パーティは離散して、それぞれの生死も知れない。
逃げ足の速さを自負する少年も、手傷を負って、通路の片隅に蹲ってしまっていた。
ウィンブルは既に無く、シスター服の裾も、袖も、襟元も、
あちこち破れて、ちぎれて、見る影も無い。
携えてきたロッドもどこかで、まっぷたつに折れて転がっているだろう。
そして、少年は先刻から、痛みに―――――というより、少し前からそれを凌駕し始めた、
熱く甘ったるい疼きに、額に珠の汗を浮かばせて。
歯を食い縛り、トラップに引っかけてつくった脇腹の傷を押さえて、
悩ましげに顔を歪め、はあはあと荒い呼吸を繰り返していた。
「ち、くしょ……なんなん、だよ、これ、ぇ………」
カラダが熱い、お腹の奥が、特に、ずきずきと疼いている。
催淫毒のたぐいが、あの刃には塗られていたのかも知れないけれど、
それにしても、どうしてこんな利き方をするのか。
これではまるで、本当に、少女になってしまったようだと思う。
自分がソウイウ性癖に目覚めたのだなんて、思いたくはない、けれど――――。
■ダリル > 「はぁ、っ―――――――― ぅ、……」
震える右手を持ち上げて、掌の真ん中あたりへ、意識を集めようと試みる。
普通の状態であれば、そこにじわりと白い光が宿るはず、だったが、
――――――腰の奥がまた、ずくりと疼いて、びく、と身を撓らせた拍子、
集まり始めた力はすっと霧散してしまった。
二度目を、すぐに試みてみる体力はない。
こんなところで野垂れ死ぬ気はなかったけれど、まだ、しばらくは無理だろう。
遠く、どこかで、誰かの掠れた絶叫を聞いたような気がしたが、
少年の意識は急速に、熱に飲まれて溶け落ちようとしていた――――――。
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」からダリルさんが去りました。
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」にダリルさんが現れました。
■ダリル > 誰かの悲鳴が、あるいは断末魔の声が、遠く、聞こえた気がした。
けれども、少年は―――――白いシスター服のあちこちを解れさせ、
左脇腹のあたりを血の色に染めた少年は、細い通路の片隅で、
壁に背中を預け、ぐったりと四肢を投げ出したまま、
力なく閉じた瞼を、持ち上げることさえ出来ずにいた。
カラダの奥に渦巻く熱感は、未だ引く気配がない。
たぶん、そのせいで血が止まらないのではないかと思う。
発熱状態が続いているからなのか、こうしていても体力は削がれるばかりで、
みずからの傷を癒す、あるいは、傷口を軽く塞ぐ程度の力さえ、
いまは、絞り出せそうになかった。
「……… ハ、ラ、減った、…… ぁ――――――…」
掠れた呟きを洩らすくちびるからも血の気が引いて、
ぴたりと閉じ合わせるのも億劫なまま、細い吐息が零れる。
もしかしたら、このまま、ここで。
その先を考えるのは、やはり、少しだけ怖いけれど。
怖い、という当たり前の感情さえ、霞の向こうに在るような。
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」にグラウ・ブレックさんが現れました。
■グラウ・ブレック > 罠だらけの場所も、這い寄るスライムにはあまり関係が無い
矢も、毒ガスもその体は受け付けないからだ
そんな、スライムにとっては餌場でしかない場所で
スライムは死にかけの餌を見つけた
その餌は弱っているにも関わらず美味そうな熱をその身に湛えている
勿体ない、と育ったスライムは思考する
このままではこの餌は死に、溜め込んだ熱も冷めてしまうだろう
それは、勿体ない
そう判断したスライムは…命の火を失いかけている餌の足元へ小さな体で近づき
ゆっくりと、ゆっくりと
片方の足元から…アンクルブーツを遡り、その細い体へ徐々に徐々に…火照った体には冷たく感じるであろう粘体が、纏わりついていこうとする
溶かすことなく、むしろ癒すように。
■ダリル > ずるずると、這い寄るなにものかの気配を、察知する余力は既に無い。
もしも察知できたとしても、どうせ、逃げ出すことは出来なかっただろう。
それほどまでに、彼岸に近いところに居た。
だから、それはある意味、救いと呼べるものだったのかも知れないけれど―――――、
「―――――― っ、……ふ……… ぁ、」
湿った床の上、投げ出した足のくるぶしあたりへ、ひんやりとした何かが触れた。
ぴくん、と小柄な体躯が身動ぎ、吐息に乾いたくちびるから、
掠れた喘ぎが細く零れる。
火照ったカラダに心地良い、ひたと寄り添い包み込む、柔らかくて冷たい、何か。
それが何であるか、目を開けて、確認することが出来たなら、
先刻誰かが上げたような悲鳴を、少年もまた、この場に響かせたかもしれないが。
幸か不幸か、少年にそこまでの力は無かった、ので。
足許から這い上ってくる、何ものかが望むまま、夢うつつに漂いながら。
少年は『ソレ』の餌として、捕獲されてしまうことに――――――。
■グラウ・ブレック > 【お部屋移動】
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」からグラウ・ブレックさんが去りました。
ご案内:「とある迷宮(過激描写注意)」からダリルさんが去りました。