2020/10/23 のログ
ご案内:「◆王都マグメール 王城(過激描写注意)」にリシェさんが現れました。
■リシェ > -お約束です-
ご案内:「◆王都マグメール 王城(過激描写注意)」にアンネリーゼさんが現れました。
■リシェ > 「…嫌。そう、ですね……嫌で、す。出来ればそうはしたくない…
同じ事を、返したい、そう思っても。…同じには、なりたく…あり、ません…彼等のようには。
…アンネリーゼさま?ですから、わたし、は…、んん、っ、ん゛っ、ふ…っは、ひぁ゛………!!?」
最後まで、言葉が、続かなかった。
繋がり合う、そのまま。彼女の手が、刻み込まれた、下腹の刻印へと。宛がわれたと思った途端…
流れ込んで来る、強い、熱い、力を感じた。印を刻まれた、その時と同じ程に、灼かれるような感覚を、味わって。
がくんっ、と少女の身体は、跳ね上がる。力が入り、痙攣し…その分。胎内に埋もれた、彼女の肉棒へも、強い刺激を与える筈。
伝播する、魔力、それだけにすら。彼女に、与えられる、注ぎ込まれる、という悦びを。感じ取ってしまう中。
とろとろとした快楽に、蕩けてしまった表情が。それでも、こくこく、頷いて。どうにか、説明を理解した、様子。
…与えられた、力の内。二つは、彼女のそれと、近しい物である様子。
知識、記憶、経験、体感…それ等を、他人にも、追体験させる、能力は。どれだけ凶悪なのか、自身の身で、体験済み。
また、刻印を刻み込む、その力が。どういった効果を、刻印に、乗せるのかは。…今の所、まだまだ、不明瞭。
例えば、少女自身が体験したのは、強制的な発情だった、けど。それはあくまで、作用の一つ、でしかなかったのだから。
…そして、更に。自身の特性にもよるのだろう、固有の何かが。目覚めるのか、そも、存在するのかも含めて。
多分、実際に使っていかなければ。理解も、習熟も、し辛いのだろう…何事も。体験、なのだから。)
「ふぐ……っぅ゛あ、ぁ…っ、ぁは、っぁぁ゛ぁっ…
その為…の、力をぃ…今、授かっ…て……く…ん゛んっ、っひゃ、ぁっぅ……!?
ぁ…ぃ…っぁ゛、んね…アンネリーゼ…さまぁ……お仕置きも、ご褒美も、欲し…ぃです、わたし……
っぁ、ぁっ、甘く…?こんな風に甘く……甘く、気持ち良く、し…て、頂いて…ふ…ぁ、もう……充分に、まるでっ…」
(それこそ、彼女の言うように…恋人のような、甘い愛を与えられている、と。考えてしまう。
少女にとっては、現状でも充分過ぎる程。愛されていると、そう思えてしまうのだろう。
今以上。更に深い愛情…を。果たして、想像出来るのかどうか。そして、実際に、愛されたなら。受け止め切れるのか…どうか。
ぎゅぅ。縋るかのように、強く、強く、抱き締める。罠だと、毒だと、解っていても。求めずに居られない。
絡み付くかのようにして、その実、魂すら絡め取られた、そのままに。後は…どこまで。どこまでも。堕ちていく、だけ。
こつ。こつ。最奥に、幾度も、亀頭の先端がぶつかって来る。その度、口付け合う唇が、震えながら、熱い息を、甘い声を、吐き出して。
それ以上に、肉棒を受け止める、膣全体が。突き上げの度に、収縮して、搾り取るような動きを、見せるのだから。
もう…一番奥、子宮口、その場所が。感じているのも、悦んでいるのも。何より分かり易く、ありありと。)
「っぁ、ぁっ、ぅふ…ぅぁ゛ぁ、ぁっ…!アンネリーゼさま、っ、ぁ、気持ち良…ぃ、気持ち良い、ですっ…
こんなわたしなのに…堕ちて、堕ちて、これからは…悪い事、酷い事も…っんぁ、いっぱい…して…
……きっと。嫌われて、しま…ぃ、ます、いろんな方に…それこそ、本当に、悪魔のように……
でも、いい…です、アンネリーゼさまが……アンネリーゼさま一人、がっ、わたしを…!わたしを許して…
わたし、を、愛して…!!下さるの、ならぁっ…!」
(より深く、突き抉られる。覆い被さられて、重みを掛けるようにして、根元まで肉棒が押し込まれて来る。
同時に、胸の肌を、つ、と尖りに尖った乳首を。舐られるだけでも、ぞくぞく、身震いが止まらない。
まして…堅い歯が。軽くとはいえ、敏感な突起に、強い刺激を与えてくれば。もう、今にも、果ててしまいそうになるものの。
…まだ、許して貰えない。最後の瞬間を、与えられるのは、もう少し先。
奥へ、奥へ、その戸口ばかりを叩き上げられる、子宮が。疼いて、下りきって、わやわや、鈴口と子宮口とを吸い合わせていく。
最奥口を、切っ先が抉る。その度、悲鳴のように、張り詰める声。感極まった、快楽に引き絞られる声。
……更には。再度掛けられた、魔術によって。実際の、最奥への突き上げと。魔術による反芻とが、重なり合えば。
子宮口への、快楽による集中砲火は、単純計算しても二倍…実際には、きっと、それ以上へと。
もう、其処への、打撃めいた強い突き上げですら、途方もなく…気持ち良い、気持ち良くて堪らない、声で、締め付けで、全身で訴えていく。
最後の瞬間、それはきっと、快楽と引き替えに…人間性を打ち崩される、悪魔との契約、その物となるのだろう。
構わない。寧ろ、それこそが、望ましい。泣いて、鳴いて、トドメを刺して欲しい、そうとすら訴えて…)
「奥…より向こう、っ、少し怖…く…も…でも、っ、アンネリーゼ……さまなら、きっと…
く……っ、ん、くふぁ゛、ぁ゛、っ!? っ、ぁ゛ ぁ゛、ぉ…くにっ、 来 た……… ひぁ゛、んっ、ん、くぁ゛、っぁ゛っ…!!
す、ご、こわっ、壊れ、ちゃっ ぁ ぁ違っ、こわ…壊し、て、アンネリーゼさま…!今、までのわたし…壊して、っあなたさ…まの、物に……
ひゃ、あああ、ぁ゛ぁ゛っぁ、あっ…!!っぁ っぁああ、ぁ ぅぁ ぁぁ゛ぁ ぁ゛ っ …!!!」
(ぐぢゅ……!強く深く、全身の重みをねじ込まれて。とうとう、一番奥…そう呼ばれる所すら、貫かれた。
気の遠くなるような、快楽とすら呼べない程、強い感覚が。全身を貫いて。がくんっ。彼女を持ち上げそうな程、全身が跳ねる。反り上がる。
ぎちり…音のする程。膣圧が、肉棒の全てへと、喰らい付いて。両手も、両脚も、彼女を抱き締めて。絶対に離さない。
強く、腹と腹とを、押し付け合う形になる為に…ぽこりと、子宮に達して、少女の腹を、内側から押し上げる。彼女の亀頭の存在が。彼女自身にも、伝わる程。
…そして、同時に迸る、熱い熱い白濁が。絶頂に溺れる、少女の意識を、ますます白く。焼き尽くしてしまう。
刻まれた刻印が、最も好ましく感じるのであろう、主の魔力を混ぜ込んで、どくどく、と噴き上がる白濁が。
子宮を満たして、膨らませて…止まらない。絶頂の瞬間が、長く、長く。
快感が強すぎて、気が遠くなり、また絶頂して、消えかけた意識を、無理矢理引き戻される。それを何度も…何度も、繰り返し。
やがて、彼女の射精が、次第に収まり始める…その頃には。ぽこんと胎を膨らませ、息も絶え絶え、意識も朧げ。
…それでも。絡め合わされた指先は、決して離そうとせず。唇が降る度、荒く息を乱しつつも、何度も…何度でも。繰り返す、甘いキス。
焦点の合わない瞳、男達の存在どころか、自分自身すら忘れそうな程の、夢見心地。)
■アンネリーゼ > 「大丈夫。私が与える力は、リシェの使い方次第で色んな事ができるわ。
リシェが受けたものを誰かに返すのだから、これまでの我慢を思い出せばいいの。
剣を持った大男でも十度の絶頂を一瞬で味わえば、放心して隙だらけになってしまうもの。
えぇ、同じになんてなっては駄目。もっと、私の物として相応しい魔族になりなさいな」
彼女の刻印を灼き直した。彼女の体は、この熱すら、痛みすら、甘い愉悦に変換する様だった。
彼女の中に流し込む魔力。それが形成する新たなる力。それは、彼女が育てる才能の芽だ。
それが彼女の中で育てば、彼女の能力や素養と有機的に交わり、新たな力の萌芽に繋がる。
少女ですら予見し得ない、彼女だけが持つ可能性の分岐。それもまた、楽しみの一つだった。
「えぇ、私の力の一部をあげる。それから私の心の一部も。思い出に記憶を割いてあげるわ。
――ん、くっ、ふふ、きゅっきゅって、締めてくるのが分かるわ。欲しがりさんね、リシェは。
勿論、お仕置きもご褒美もたっぷりとあげる。私を満たしたなら、もっと良い思いもさせてあげる。
ぁ、はっ……えぇ、しっかり、離れないように抱きしめて。貴女との距離が、その分近づくから」
彼女の抱擁は、その矮躯からは想像できない確かな力を秘めていた。
それだけ離れたくないのだろう。強く、強く、彼女の心を実感できたような気がする。
無論、彼女の感覚は正しい。少女は毒で、罠だ。それも、この王城に巣食う貴族達より余程悪辣な。
だが、彼女がもし仮に、少女を魅了出来るだけの魅力を持てば。その時は、真の愛すら、育むかもしれない。
人生万事塞翁が馬。行きあたりばったりを楽しむ少女からすれば、持ち物に絆されるのもまた一興なのだ。
逸物の切っ先で、子宮を打つ。時には奥を小刻みに揺すり、時には腰を大きく動かして、中を雁首で引っ掻き抉る。
調教師にして拷問吏を謳う少女の腰つきは、遊び慣れた貴族に負けず劣らず、雌を貪るためのものだった。
「えぇ、リシェはこれから、沢山の悪事を成して、真なる魔族としてこの世を生きるの。
貴女を嫌う者も、貴女に仇なす者も居るでしょう。貴女の敵になる者も、きっと。
だから、私が応えてあげる。愛して許して受け入れてあげる。私だけが、味方で居てあげる」
体重をかける。それこそ彼女への思いの証と言わんばかりに。苦しい程に、愛を与えると示す。
彼女の肌は、汗ばみながらも仄かに甘い。彼女固有の味なのだろうか。心の踊る味わいだった。
ちゅ、ちゅ。小さく響くリップノイズ。乳首に刺激を与えて、乳房にも幾つかの跡を刻んで。
同時に、彼女の中を掘削する動きが加速して、彼女の奥を貫いて。魔力を込めた精液を躊躇なく注ぐ。
彼女の子宮にも、少女の存在を知らしめるため。魔力の波長と精液の情報を、本能に刷り込むため。
腰の奥から全てを引きずり出されそうな快楽に、少女も彼女をきつく抱きしめて堪える。
お互いに、絶頂の波の最中に居ながら、相手の存在だけを現世との縁とするかのように。
そして、幾重もの口吻を交わす内に、永い法悦が終わる。息も絶え絶えな彼女のなんと愛しいことか。
とろりと快楽に蕩けた眼差し。焦点のぶれた瞳。そこに自分だけが写っているのだと思うと誇らしくすらある。
少女の腹の下に、彼女のポッコリ膨れた腹がある。すべすべした肌が擦れ合う感触に、頬を緩めて。
「あぁ、私の魔力の大半を根こそぎ注いでしまったわ。この味を、感覚を、忘れないでね?
忘れたら、寂しい思いを抱えながらお仕置きしなければいけないもの。だから、記憶に刻みつけて。
……さて、リシェ、貴女に与えた力の試運転は必要かしら?あそこに丁度よい的が幾つかあるけれど。
流石に、良い年した無様に喘ぐのは見たくないから……そうねぇ、こういう趣向で遊ぶはどうかしら。
リシェがこれまでに受けた中で、一番苦しかったり痛かったのを教えてあげるの。いい薬になると思うわよ?」
彼女が望むなら、試運転と称して彼女が味わった快楽や苦痛をこの身で受けてみるのも良かった。
だが、そうするとうっかり性欲が再びこみ上げて、彼女が壊れきるまで貪欲に求めかねない。
それはそれで、味わい尽くしたとは言えるだろうが、単なる契約相手以上に気に入ってしまったのだ。
お気に入りの玩具は、大切に扱う。幼い子供でも分かる理論で、彼女への邪な誘いを断った。
代わりに、後背で小さく悲鳴が聞こえたような気がするが、生憎と、汚い雑音は耳に入れない主義である。
「それと、リシェのことをとても気に入ったから、私に逢いたくなったら呼び出せるようにしてあげなきゃね。
お仕置きとご褒美兼ねて、色んな場所でデートしましょ。私、こっそり連れ出すのは、得意なんだから」
腹の刻印に全てを担わせるのもよいが、それはなんとも芸がないような気もする。
折角だから、何かアクセサリのような形で一つ――少し悩んでから、にんまりと笑みを浮かべた。
こっそりと片手を後ろに回し、彼女に見えない場所で作り出すのは、シンプルな金色のリング。
己の髪と同じ色のそれを、手の中で転がす。最後にサプライズ。お近づきの印として――。
「リシェ、左手出して?良いものあげるから」
――半ば強引に彼女の手を取り、そっとリングを薬指へ。少女を召喚できる、彼女専用の魔法具だ。
少女が彼女に会うときは、気まぐれにふらりと現れる。代わりに、彼女がどうしても少女に逢いたい時に、その願いを叶えるもの。
そんなものを渡す扱いがそも恋人みたいだなどと指摘されたら、珍しく照れて、ついとそっぽを向くかもしれない。
■リシェ > 「不…思議です、アンネリーゼさま…に、そう…言われると。…出来る、気が、してきます……わたしにも。
んっ、んふ、ぁ、は…!この……気持ち良さも、…逆の痛みも、苦しみも……皆、誰か、に…色んな人に……
使い方も、それぞれで…わたし、なりの?……っっふ、ふ…考えて……みます…
あなたさまの、下さった力、あなたさまの物…下手な、使い方、出来ませんね……?」
(あまり、無様を晒すような、真似をしたら。力を与えてくれた、彼女の顔に、泥を塗るような気がするから。
使うとすれば、慎重に。練習を重ねて。そして…咎を追求され、危険な魔族として、城の者達に捕まらないように…処断、処刑、されなように。
少しだけ、魔法を教わった、とでも。言い訳出来る物なら良いが。与えられた力は、とても、平穏とは呼べず。
見る人が、見たのなら、魔族由来である事も。直ぐに、知られてしまいそうだから。
だからきっと。成長も、萌芽も。当面は密やかに。…彼女だけしか知らない、少女と彼女だけとの、繋がりの一つとなりそうだった。)
「く…んっん゛、っぁ、あは……ぁ…!ふ、っぁ…っぃ、わたし………こんなに…も、欲しがりで…
身体、に…心に、も、アンネリーゼさま……っ、欲しい…です、刻みつけて…忘れ、られないように…
っぁぁ゛、ひぁ゛………!?アンネリーゼさまも、っ、い…一番奥、っも…っと、 くんん゛っっ…!!?
誰より…わたしの、知る誰……より、奥まで、貫いて…持っていって、くださ…ぃ、ませ…」
(身悶えすら繰り返して、何度でも、絶頂感に酔い…ながら。
四肢の全てで、彼女の身体へ、抱き縋ってみせるなら。それこそ、躍動する腰以外は、皆、一体化しそうな程。密着を図る。
互いの乳房を、寛げ合い、尖る乳首も、捏ね合わせ。勿論…唇も、舌も、皆交わらせ。全身で味わい、味わわせる、快楽。
子宮を抉る、内側から掻き毟る、亀頭や雁首の感触に。声を上げて、悦ぶばかり。
ぐじゅ、ぐじゅ、酷使と言っても良い行為に、それでも、繋がり合った結合部は、溢れる程の蜜に潤んで。よりスムーズに、どこまでも、突き込みを受け容れる。
寵姫にして、性処理道具と見なされる、少女の肉孔は。快楽を与えられれば、与えられる程、悦んで、餓えて。
肉棒へと喰らい付き、音すら立てて啜り上げ、彼女にもまた…肉の悦びを、とことんまで、捧げるようで。)
「………っふ、ふぅ…ぁ゛……ぁ…っぁ、…はぁぁぁ………
今よりも……ずっと、わるいこ…になって、しまうの、……ですね……
…すこしだけ。…すこし、だけまだ……こわい、です………だから、アンネリーゼさま……後一つ、だけ、わがまま…許して下さい。
……もっと、キスして、くださ…ぃ、こわいの、融けて消える…くらいに、何度…も、もっと…ぉ……」
(また一つ。侵食される……少女の味方をしてくれる人は。決して、皆無ではない筈…なのに。
そういう人達が、少しではあれ、存在していたと。つい先程、少女自身も、語ってみせたのに。
大事な、その人達の事を。今だけは、忘れてしまう。許してくれるのも、愛してくれるのも。彼女だけだと…思えてしまう。
そんな彼女に、愛して欲しくて、受け容れられたくて。蕩けきった、朧げだった意識が、少しずつ戻って来ても。
まだ、口付けをやめようと、思えなかった。濡れた瞳が、焦点を取り戻し、彼女の顔を映し込めば。今度は、少女の方からも。唇を、交えていく。
乳首に、乳房に。傷痕すら残っても、構わない。それもまた、彼女によって、刻み込まれる物だから。
膣に、子宮に。精液と共に、魔力が染み込んで。刻印と反応し合い、文字通りに、覚え込まされてしまっても。構わない。
寧ろそれは、少女にとって、心から願ってしまう、望みでもあり。きっと、この先も…彼女の精を、注がれるなら。何処まででも、快楽になっていく筈だから。
……長い、長い、二人の絶頂が。射精の収まりと共に、退いていく。
それでも尚。少女からではなく、彼女の方が、次の行動に移るまでは。ずっと、ずっと、飽きずに口付けばかり、重ね続けて。
唇がふやける程の、繰り返しを経て、やっと。戻った意識が、彼女の、次の言葉を受け止めるなら。)
「忘れ……られる、わけが。無い……ですから。……あなたさまの……アンネリーゼさまの、何もかも。
………?ぁ、ぁ。…そういえば、そう…でした。わたしが……するの、ですね。彼等に……」
(彼女の事は。魂にまで、刻まれて。もう、忘れようがない。
逆に、立ち尽くす、男達の事などは。もうすっかり、忘れていた、と。彼女と抱き合い、覆い被さられる、その体勢すら。変えないまま。
億劫げな、瞳だけが。ほんの少し、彷徨った後。……流石に。全員は気が退けたのか。それとも、眼中に無いだけか。彼等の中心、貴族の男へ、向けられて。
……薄暗さの中。少女がヒトとは異なる、唯一の証、ぬらりと光る金の瞳が。今までとは違う、より深く…毒々しい煌めきを見せた、直後。
男は、その場に、崩れ落ちる。糸が切れた人形。そうとしか言い表せない、手足の自由を失った態で。
力が入らない。動かそうという意思を、男の四肢は受け付けないし……男自身、四肢からの感覚を、得られない。
それは。彼女に言われた通り、過去最悪を思い出し、再現したから。
…一時的にではあれ。両腕を、両脚を、断ち切られ。文字通りの、玩具のように弄ばれた、その時を。
感覚だけだから、という事も有るのだろう。何事が起きたのか、理解しきれない男は。無様に地面で胴をくねらせ、声を上げる。
そう遠くない内、少女の魔力が切れて、元に戻るのだとしても。この体験は、さぞ、トラウマめいて。男に、刻み込まれるに違いない。
一度、恐怖を知ったなら。…口止めの必要は、有りそうだが。今後は、態度も変えるのかもしれない。
…従者達にまでは、手を出さなかったが。狂乱する主に、動転し、混乱して、成す術もなく慌てふためく姿で…まぁ、溜飲を下げても、良いだろうと。
其処まで、やれば。もう一度、彼女に向き直す。数瞬前までの、あらゆる意味で、追い詰められきったかのような。壊れそうな表情を。
事後の甘さと、柔らかさに、随分と緩和された様子で。…ぱちぱち、瞬くのは。
少女が、男達に、対処していた間にだろうか。彼女が、何処から取り出したのやら、目の前に、差し出してくれた物が有ったから。)
「…わたし…いつも。…外に、出るには。許可が要るのですが……アンネリーゼさまと、こっそり、になりましたら。
ふふ、ますます…わたし、わるいこになりますね…?
、と、ぇと………ゆび、わ、ですか……?…綺麗です。まるで、アンネリーゼさまの……ぇ、っ、ぇ……?」
(男と、女。その関係を。肉体的な物でしか、知らないような、少女だが。それでも…流石に。知識だけは、有った。
薬指。其処に、指輪を嵌められる、という事が。本来ならば、どういう意味を、持つのかを……)
「ぁ、んっ、アンネリーゼ…さま?これは、そ…の。……ぅ、あ。ぁりがと…う、ございます。
……こういった物。いただくのは、初めてで……ぁ、ぁ、ぇ……と。そぅ、ですね、まるで………」
(思い浮かべてしまうから。少女の方も、動転しきって。上手い事、指摘は出来無かったが。
そんなにも、慌てふためく理由が有る、と察されてしまえば。結果として、同じように。二人して、照れる事になりそうだった。
…その頃になって。もうすっかり、意識の外、でしかないが。動く術を失った、貴族の男を。従者達が、運び出していく。
これで漸く。本当の意味で、二人きりとなり…)
■アンネリーゼ > 「リシェの力は自分の経験を他者に与える、だから、貴女が酷い目に遭えば遭うほど、強力になるわ。
そもそも、魔族は人より丈夫なことが多いから、体験を与えるだけで人を殺せてしまうかもしれない。
――まぁ、それは、リシェが常人なら死を迎えるぐらい苛烈な目に遭う必要があるのだけれども」
彼女に与えた力への補足とともに、彼女の返答には首肯を見せる。
結局彼女が魔族なのは、前も後も変わらない。ただ、牙を剥かなかっただけなのだ。
今度は飼い犬に手を噛まれることになる彼ら――その瞠目はぜひ見てみたい。
無害だと思っていた相手に手向かわれる。それこそ、高貴な者の自尊心に傷をつけるのだから。
そうして、少女は彼女の奥の奥。子宮の奥までもを徹底的に味わった。
子宮口が、膣壁が肉棒をきゅうきゅうと締め付ける。竿に粘膜が絡みつく。
一部の隙間もない抱擁。互いの体温が混ざり合う。融け合うと言ってもよいのかもしれない。
打てば響く、可憐な形と底しれぬ闇を持つ彼女。思った以上に、好みを射抜かれている気がする。
「――そう、ね。でも、求めてくれるんだもの。嬉しい限りよ。
全く、わがまま。だけど、今はご褒美の時間だもの、許しましょう」
してと言われれば、望むままにする。口吻は、少女としても快いからいくらでもだ。
一度吸う度に、彼女の正気を吸い取っているような錯覚。人としての何かを奪う感触。
その手応えは、虚構や思い込みではないはずだ。彼女は、確かにこの手で変えたのだ。
正直な所、彼女との口吻に飽きることはなかった。甘く、切なく、満たされ続けるのだ。
それでもどうにか未練を断ち切れたのは、未だ部屋に残る無粋な存在の気配のおかげだった。
彼らこそ、彼女が身に着けた力の試金石。この時のためにわざわざ残しておいた供犠なのだ。
忘れない。その言葉が愛しい。やはり、彼女は拾うに相応しい良い子だ。この目に狂いはなかった。
確信を得ながら、彼女の様子を見守る。彼女が、彼らをどう扱うか。それこそが今夜の成果の一端。
彼女の目が妖しく煌めいた。目を合わせずとも、魔力の動きで理解が出来る。刹那、悲鳴が上がる。
何を付与したのかは問わない。だが、後背に感じる狂乱は、まともな責め苦ではありえない。
腕が、足が、と悶える様に、イメージも得られた。なるほど、四肢をもがれた彼女も素敵だ。
いつか、治すことを前提としてやってみたい。そんな嗜虐心を引きずられる風情だった。
やがて、悲鳴が弱々しくなる。それは男が力尽きたのか、彼女の魔力が切れたのか。
いずれにせよ、彼女の初仕事は終わった。成果は上々。ならば、確かな褒美を渡すのが肝要だ。
「――えぇ、許可が居るのは分かっているわ。罰なら雌奴隷として、褒美ならこっそり連れ出すの。
雌奴隷として借りられた日は、たっぷり酷いことしちゃうんだから。泣き顔だって見てみたいし」
などと意地悪を言いながらも、彼女の指に指輪を通す時は、言葉を発さずに真剣だ。
性別も身分も超越して、彼女に寵愛を与えても良い。気に入ったのだからその位は保証する。
どうやら彼女も意味を理解できたらしい。その上で、彼女の言葉の雰囲気に、行間に、少女は頬を朱に染め。
「……気に入った子に、思いを伝えるのは当然よ。無くしたら許さないわよ?
――さぁ、あの男達には退場頂くとして……そう言えば、一つ聞き忘れていたわね」
二人きりになった今なら、この問いをしても良いだろう。理由は単純。男達に聞かせるのは、癪だったのだ。
先程までの抱擁とはまた雰囲気を変えて、彼女を抱き枕のようにきゅっと抱くと、とくとくと早めの鼓動を伝えつつ。
「私は、リシェにたっぷり思いを伝えてあげたわけだけど……リシェの心も教えてほしいわ。
ねぇ、余計なもの全部取り払って、難しいことは全て忘れて――私への想い、教えてくれる?」
魔力もごっそり注いでしまったから、体力的にもヘトヘトだ。後は、二人で穏やかに眠るつもり。
それならば、夢を見る前に少しばかり、魔族ではなくただのアンネリーゼになってみてもよいだろう。
その答えが満足行くものならば、満面の笑みで彼女を抱きしめるし、不満なら頬を膨らまして拗ねる。
だが、今夜はもうこれ以上、彼女の心を、体を貪るつもりはない。一先ずは、確かに満たされたのだ。
だから、これは単に、夢見を少しばかり良くするためだけの問い。それ以外に意味を持たないお話。
いずれにせよ、彼女の答えを聞いたなら、もう一度、長い長い口吻を終わりの合図に、眠りに落ちることだろう。
翌朝の食事は、少女の希望で彼女とともに。別れの時間が来るまでは、由無し言を語りつつ過ごしたのだとか――。
■リシェ > 「…それは、つまり。……わたしを、ヒトではない、と……人間よりも、酷い事をしても、良いのだと……
そういう、人達に、対して。同じ事を、してしまえる……そう、なります……ね?
……嗚呼、殺して、というのは。怖いです、仕返しも…私自身が、どう感じるのかも。
それに。死んでしまえば、もう…きっと。苦しいも、気持ち良いも、何も…ないのでしょうし…」
(一思いに、楽にしてやる、など。そんな発想は無い。殺さないのは、優しさだけではなく。
死体などという、隠匿しようのない、証拠は残したくないだとか。そんな罪は、背負いたくないだとか。もっと自分勝手なものだ。
そういう風に、考えてしまいつつある、打算めいた思考も。罪人めくというのか、魔族らしくなっていくのか。
どのみち。少女が、純粋な人間でない事は、公然の事実であって。その上で、無力であるとも、知られているから。
魔族という存在達への、ぶつけようのない、負の感情の。スケープゴートとなってきたのも。また事実。
その少女が、魔族としての力を、密かに育て始めるのなら。…王族に。貴族に。何が、待ち受けているのだろうか。
一先ず。今日の所の、被害者は、先程の男一人だけだろう。
理由が無いなら、更なる被害を拡げる、という事もないし…今は。彼女に抱かれていたい。
子宮に雪崩れ込んだ、鮮烈な熱さが。時間を置き、胎から少女の全てを安らがせる、温かさへと。置き換えられていく間。
きっと、飽きる…という終わり方は、存在しなかったのだろう口付けを。何時まででも、交わし続けて。
許されている、褒美を与えられている、という実感も、また。温かくて、心地良くて……しあわせで。)
「……んふ、んっ、っぁ、ふ、……く……んぅ…、っ……ぁ、ぁふぁ……
ごめん、なさ……ぃぃえ、ありがとう御座い…ます、アンネリーゼさま………ぁ…」
(例えそれが、本当に、正気や理性と、引き替えだったのだとしても。構わない。彼女との…快楽に、快さに、溺れられるのなら。
許されたという、事自体へ。嬉しいと、有難いと紡ぎながら。重ね続ける、口付けは。行為の途中のような、濃く、深い物ではないものの。
その分、恋人達が、啄み合うかのように。ひたすらに甘い…甘い物。
こそばゆく、むずがゆいかのような。けれどそれは。淫らに、生々しく、犯されてばかりの少女にとっては。逆に、なかなか味わえない物で。
確かに、男達という、生贄が居なかったのならば。一晩中でも、続いていたのかもしれず。
そして。魔術的に、四肢を奪われたにも等しくなった、男は。抱え上げられ、這々の体で、部屋の外へと消えていく。
錯乱して、喚き続ける声が、遠離る。…その内に、未だ初心者である、少女の力が尽きて、解放はされるのだろう。
術さえ、解ければ。幻視にも似た、感覚上での、不具からも。立ち直る事は、出来るのだろうが…それまでの間に。
体験した恐怖や、絶望、理解を超えた混乱は。さぞ、大きな傷となって、男の心に残る…筈。
改めて言う。殺しはしない。けれど、彼等が今まで、少女に刻みつけてきた物を…不可視の傷痕として。永劫、抱えていくが良い。)
「それも、それで……どきどき、します…どんなお仕置きされるのかも……どんな風に、……その……愛して、ぃ…いただけるのか、も。
…アンネリーゼさまに……次に、お遭いする時は……どちらなのでしょう…ね……?」
(もちろん。どちらになる、としても。きっと、其処には。文字通りに、人外としての、法悦が待ち受けている筈で。
快楽も、被虐も、たっぷりと体験してきた、少女ですら。改めて、頬を染め。期待せざるを得ない様子。
どうしても、荒いまま、なかなか落ち着かない呼吸を。指輪を嵌められていく、その合間だけは。思わず飲み込み、見守って。
…無事に。左手の薬指。其処を飾って貰えたのなら。止めてしまっていた息を、きっと。安堵と共に。大きく零し…
それでも。やはり、当分の間。落ち着くなど、出来そうにない。キスの余韻が、注がれた胎内が。熱くて、温かくて。
指輪の事を、考えてしまうと。それだけで、痛い程、胸が高鳴ってしまい。
…何より。未だ、繋がっている、抱き合っている、そのままなのだから。
二人きり。静けさの訪れる、部屋の中。改めて、横たわり合うように、抱き直されると。
重なり合う、胸に、鼓動に。擦り寄せた頬の、熱さを。彼女へと、伝え返しつつ……少女の唇は。彼女の項から、耳元へ。)
「……それは。…なかなかに、難しいのですが………えぇ、考えて。考えてしまう、きっと…たくさんの、言葉に。なりそうで。
……ですから…アンネリーゼさま?今は……一つだけで、ゆるして下さいね……?
アンネリーゼさま……だいすき、です。 」
(きっと、難しく考えてしまう、肉欲や被虐、憎悪や嫉妬、様々な負の感情が、言葉を濁らせてしまう。それが、いつもの少女だから。
考えて、ではない、考える事を放棄して。…たった一つ、心に残る物を。唇に乗せた。
囁きと共に、耳元に、一度だけキスをして。これで満足して貰えるかは、判らないものの。どうあれ、後は。彼女の、腕の中に、収まってしまう。
甘えるように、頬を寄せ、抱き付いて、やがて。眠りへと、落ちていく事になる。
次の朝。二人に、食事を用意する、城の侍女達は。気が付く事など、無いだろう。
ごく普通の、少女達のように。他愛のない会話を重ねる二人が。昨夜、いかなる契りを果たしたのかも。
そして……今日を境に。王城の中という、最も安全であるべき、この場所に。新たな、ヒトに害為す魔が、生まれたのだという事も……)