2019/11/15 のログ
ご案内:「霧のセレネル」にルルーエンさんが現れました。
■ルルーエン > 深夜近くになるセレネルの海。6歩先も見えない程深い青黒い霧が立ち込めている。
霧の効果で往復する波は濁り、砂を攫うと、浜辺に張り巡らされている黒紫色の触手が脈打っている。
鼓動する触手は血管の様に様々な太さ長さで、岩や近くの木々、砂に張り付き、暗い海の中で
うっすらと光る血の色が一瞬だけ見え、その周りにはヒトデのような海生の小さな魔物が
ウロウロとさ迷い歩く。
「…………………」
広い海岸の一角で小さく形成された海魔の集まりの真ん中で、背の高い男が、触手の張り巡らされた
岩の上に転寝をするように腰かけていた。胸元に抱える瓶を細く白い指が優しく撫でていて。
僅かに下を向いた目は思いを馳せるように、魔の寄り合いと化していても変わらない波が往復する様を
静かに眺めていた。