2019/07/19 のログ
ご案内:「王都マグメール・平民地区(過激描写注意)」にアポティさんが現れました。
■アポティ > サマーシーズン到来!! …とでも叫びたくなるような、カラッと晴れた夏の昼下がり。
人通りの多い王都のとある街路、並び立つ家屋と家屋の間、人1人がようやく通れるような狭い路地の入り口。
木箱や樽が雑に積まれたその陰に、1つのガラス瓶が転がっていた。
その周りを囲んで囃し立てるように踊るは、ワンピースをまとった4人の小人達。
「わーん!とじこめられたよー!」「たいへんたいへん!」「たすけて!」「アポティをたすけて!」
よく見れば、高さ20cm程度のガラス瓶の中にも小人が1人閉じ込められている。周りの子らと違って全裸だ。
瓶の口はコルク栓がぎっちりと詰められ、アポティたちの力で開けるのは厳しい。
ペンペンと厚いガラスを叩いて叫ぶ赤髪のアポティ、その周囲で赤個体を心配するように取り囲むその他のアポティ。
「あつーい!きゅうくつー!」「このままじゃ死んじゃう!」「アポティ死んじゃう!」
「ちっそく?」「ねっちゅーしょー?」「だっすいしょーじょー?」「きっと退屈で死ぬー!」
「たいへん!」「たすけてー!」「だれかたすけてー!」「ちくしょう誰がこんなことを!」
ピーピーと泣きわめく5人の小人たち。背中からトンボめいた翅を生やす姿は妖精にも見えようか。
街の雑踏に飲まれ、彼女らの声はかき消される。よほど注意深いか偶然が伴わないと、アポティ達の存在には気づけないだろう。
そして、そんなふうに悲鳴を上げ続ける小人たちだったが、よく見ればそんなに切羽詰まってるようにも見えない。
……5匹とも、満面の笑みで泣き喚いているのだ。瓶の中の個体すらも。
■アポティ > どうして彼女らはこんな目にあっているのか? 赤アポティを瓶詰めにしたのは誰なのか?
「あのおちんちん、許せない!」「ゆるせない!」「アポティをこんなメにあわせて!」
「ちょっとズボンの中に入っただけなのに!」「ちょっとおちんちんを触っただけなのに!」
憤ったように歯を剥き、両手を振り上げて地団駄を踏む4匹。
瓶の中の赤個体も同じ仕草を取ろうとするが、彼女のボディに対し瓶が狭すぎるので、歯を剥くだけ。
「ちょっと皮をむいてあげただけなのに!」「おとなチンポの仲間入りさせただけなのに!」
「あいつー!!」「泣きながらアポティを瓶に詰めた!」「その辺に落ちてた瓶に詰めた!」「無理やり!」
「らんぼー!」「ふじょうりー!」「パワハラー!」「レイプ案件ー!」「性犯罪者ー!」
どうやら、アポティからちょっかいを出した相手に復讐されてしまったようである。
未熟な性器に触られたことでパニックになり、まるでカブトムシを捕らえる時のように瓶に詰めてしまったのだ。
その本人はもうこの場にいない。
ついでに言うと、瓶の中の赤個体が裸なのは、自分から幻術を解いたからである。
今はワンピースを着ているように見える残り4匹も含めて、身にまとっているのはリアルの布ではなく幻術の服なのだ。
赤個体はなんで幻術の衣服を脱いだのか? その理由はよくわからない。
■アポティ > 「たすけてー!」「だしてー!」「蓋とってー!」「………あっ?」
あがくように内側からガラス瓶を叩き続けていた赤のアポティだったが。
突然、パンと水風船が割れるように、瓶に叩きつけた小さな握りこぶしが『弾けて』しまう。
赤い透明な粘液がほとばしり、ガラスの壁面にぶちまけられて垂れる。
「どーしたのーアポティ?」「あはは、へんなのー」「手がこわれてるー」
「そんなにあついのー?」「うん、あっつーい!」「溶けそうなんだね!」「溶けちゃうんだー!」
右手の手首付近から先がまるごと消し飛んでしまった赤個体。その断面はまるでゼリーを砕いたようにツルンとしている。
地面からの輻射熱により、瓶の中の気温は致命的なまでに上昇していた。
これによりホムンクルスの体が変質し、徐々に崩れ始めているのだ。
「あっ!」「あー」「脚もこわれた」「どろどろー!」「べちゃべちゃー!」
「お尻まで溶けてるー」「あははー!」「このままだとどーなっちゃうのー?」「全部溶けるー?」
やがて、何もしてないにも関わらず両脚さえもが同時に輪郭を崩していく。
瓶の底の表面に沈むように脚先から膝へと溶解が波及し、お尻をついてしまうとそこさえもドロリと溶ける。
人型の四肢を象っていた体組織が赤く澄んだ液体へと変性し、瓶の底に溜まっていく。
「わー!」「アポティとけちゃうー!」「赤い汁になっちゃうー!」「たいへんだー!」「こまったねー!」
妖精型のボディの大半を溶かして身動き1つ取れない状態に陥った赤個体。
しかし、当の本人は、そして周囲の4匹のアポティすらも、その状況にまったく緊迫感を見せない。
楽しげに、実に楽しげに満面の笑みをたたえ、悲鳴めいた字面の合間合間でのんきな笑い声を上げている。
■アポティ > 「がんばれアポティ!」「がんばる!」「生きてアポティ!」「生きる!」
「生きてその瓶から出てきたら」「今度こそ!」「あのガキのおちんちんを!」「精通………あっ」
必死の激励も虚しく。
瓶の中の熱気が臨界点に達し、赤アポティの生体維持機能が強制終了する。
すでに下腹部までもドロドロに溶けていた赤個体の体、そのすべての輪郭が飛び散るように崩れた。
赤い髪も瞳も、そして白い肌も瓶の中から消え失せ、トロリとした均質な粘液へと変ずる。
「あーあ」「アポティ死んじゃった」「アポティ溶けちゃった」「どろっどろー」「あははー!」
赤い液体に満たされた瓶を取り囲み、4匹の妖精もどきは瓶を指さしながら口々に囃し立てる。
「あのおちんちんがアポティをころしたー」「悪い子ー!」「きっと未来の犯罪者ー♪」「きっと性犯罪者ー♪」
「クソガキに殺されたアポティかわいそー」「かわいそー」「かわいー♪」「でも今はどろどろー♪」
かごめかごめでも踊るように円を描いて、瓶の周囲ではしゃぎまわっていた小人たち。
しかし、ふと我に返るように、4匹は同時に脚を止める。ふぅ、と退屈したように吐息を吐くと。
「じゃ、帰ろうかー」「うん、帰ろー」「どこに帰る?」「どこだろ?」「決めてないや」
「まーどこでもいいけどー?」「猫がいないとこならどこでもー」「帰りながら考えよー!」
ビィン、と鋭い羽音を立ててアポティたちは飛び上がり、細い路地の奥へとすばやく消えていった。
残されたのは、赤く透き通った粘液が湛えられた瓶1つ。
アポティだったものはもはや身じろぎひとつせず、物ひとつ口走らない。
まさかこんな怪しい落とし物を口にする者はいないだろうけど、もし仮にこの液体を飲んだものがいるならば…。
…きっとその者は、3日3晩は収まらない灼けるような発情感に見舞われ、眠ることすら叶わないだろう。
ご案内:「王都マグメール・平民地区(過激描写注意)」からアポティさんが去りました。