2019/01/12 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 路地裏 (過激描写注意)」にツァナさんが現れました。
ツァナ > ここの所、暫く。王国の注意は魔族の方へと向かいっぱなしであるらしい。
辺境、王都、問わずに。締め付けが緩んでいるのは、有難いコト。
だから、敢えて。国内を移動しても目立たずに済んでいた。
折を見て街を離れ、天使騒ぎの収まった街道を通り、もう一度。以前少しだけ訪れた、ココへと戻って来たのは。

「や、やっぱり、こう。…こうして、やらなく、ちゃ、ッ…」

ヌルリと血に塗れた手。握った刃から滴る鮮血に、軽く舌を這わせて、
それが確かに。以前目を付けていた、とある奴隷商の物なのだと。その臭いで確認した。
…臭い、そう、臭い。臭い臭い、臭くて堪らない、腐臭のようなモノ。
きっとソレは、ヒトという種族の、欲望の臭いなのだろう、と思う。
やがて。この路地の外。市場通りから聞こえてくる、騒ぎが大きくなり始めた。
道行く途中、すれ違い様、誰かに刺されて倒れた商人に。
やっと、警備だか、治療士だか、それとも…あわよくば、葬儀屋だかが。駆けつけつつあるらしい。

ツァナ > 「ざま、ァ。怖がる、かな、嫌、がる、かな。
…ちょっとは。思い知ると、良…い、良い、ケド。」

その商人は。奴隷の中でも、とりわけ、ミレー族の子等を取り扱っていた。
家事の為でも、労役の為でも、勿論、身の回りの世話をさせる為でもなく。
只只、ヒト達が欲望をぶつける、都合の良い玩具を取りそろえています、と。謳い文句にしていた。
…以前の下見の時は。同じような奴隷商達の下から。
幸い何もない内、幸運にも救われて、安住の地を目指す者達にも、出会えたものの。
やはり、それ等は運が良かった事例、当然少数派の例なのだと、解りきっていた。
…だって。彼女達が多数派だったのなら、こんな市場は、とっくに廃れている、筈。

「よし、よし、こ…コレ、で。コレが、最初。後は、ナニ、探す、…かな…?」

取り敢えず。真っ先に狙ったのは、仕事が手広い、闇が深い、よりは。
非常に目立つ、派手な商売をしていたから、だった。
その分人目への露出が多く、接触の機会も多かったし、周知されているという事は、事件その物も、より大勢に知られるから。
…とはいえ。少し荒い息を吐きつつ、壁に凭れ、ズルズルと座り込んでから。
改めて。次のターゲットも、何も決まっていない。と。ノープランを自覚する。

ツァナ > (とにかく、今現在が、都合の良いタイミングであるコト。
だから、出来るだけ、動くべきであるコト。
そういう、簡単なコトだけは。単純な頭でも、ちゃんと、理解出来ていたから。
改めて、狙うべき、ターゲットを選出する所から。もう一度、きちんと、始めよう。
王国の目が、魔族にばかり、向いているというのなら。
きちんと、思い出させなくてはいけない。
彼等が恐れるべきなのは、魔族だけじゃない、その他の多くの種族もだ、と。
…多くの、種族。同族以外も、ちょっぴり、護りたいと思いだした。
これは、こっと。この国での数少ない、良い出会いがもたらしたモノの一つ。

「今の、トコ…は。ヒト。やっぱり…やっぱり、ヒト、が。ヒトを、探さなきゃ…」

探さなきゃ。そして、狙わなきゃ。同種以外を虐げる、カミサマに逆らう、そんなモノを。
ヒトという種族の中に、特に多い存在を。
やがて、下手人捜索の手が、この路地へと及ぶ前に。
スルリと、夜の闇に紛れ込む。微かな、微かな、血臭の残滓だけ、その場に残して。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 路地裏 (過激描写注意)」からツァナさんが去りました。