2018/11/04 のログ
ご案内:「王都富裕地区 裏路地(過激描写注意)」に繰黎さんが現れました。
繰黎 > あーぁ。あぁ、あー …あぁー――…

(前に、後ろに。男達が幾人か。
大体の者達が、身なりも決して良いとは言えず、それ以上に雰囲気やら表情やら、剣呑で。
少なくとも、富裕地区と呼ばれるこの辺りに、相応しいとは言えない輩ばかりだった。
一人か二人の例外が、逆に豪華すぎて、薄暗い夜の路地から浮いている。
…つまる所。良からぬ貴族と、その取り巻きたる反社会的何ちゃら、なのだろう。
世が世なら、組とか団とか言われる連中か、それ未満の半グレか。
彼等を見回して、がしがしと頭を掻いた)

えー。何だろう。何だっけ。
何処の何方か、こちとらさっぱり。記憶にゴザイマセン、なんだけどなぁ。

(ぶっちゃけ。怨みを買うのは当然、寧ろ、買った怨みも仕事に役立つような身の上だから。
多分、貴族だと思わしき誰かさんに、恨まれているという事なのだろう。
首を傾げつつ、棒読みで容疑を否認してみよう。
…実際。仕事の中でも、程度の低かった物ならば。
依頼主も、対象も。…その対象が如何なる目に遭ったのかも。雑にしか覚えていない物も有ったから)

繰黎 > でもさ ぁ?
覚えてないけど。多分、貴男達みたいな輩相手の、仕事って言えば。
…誰かが、貴男達に受けたモノを。お返ししただけだと思うんだよね。
何が返ってきた?撲たれた痛み?焼かれた苦しみ?何かを盗られた悲しみかな?
……ぁっは、ヤられた感触とかだったら、男にとっちゃぁご愁傷様だけど。

(その中に正解が有ったかは分からないが。
色めき立った、殺気立った者が居たから…多分、当たらずとも遠からずなのだろう。
だから。それはもう大袈裟に、溜息をついてみせ)

だったら自業自得って事で。単なる配達人を恨むのは、筋違いって奴ですよ、と。
これからは怨みを買う事の無いように、品行方正な生き方を心掛けなさいな……って。ありゃ。聞いてない感じ。

(煽られている、からかわれている、と。彼等が思うのは当然だろう。実際そのつもりで言っているから。
輪が詰まった。不穏で剣呑な、短刀だの何だの持ち出して来る輩も居る。
もう一度。先程より、更に深く。辟易加減の息を零して…)

繰黎 > (鮮血が噴き上がった。悲鳴が迸った。
――――男達の)

あーぁ。だぁから、痛み分けで納得しときゃ良いのにさ。
その方がよっぽどマシだったのにさ。
…それに納得出来ないというのなら。三つ目以上の穴からは…這い上がれると思うなよ?

(男達の中心。黒く染まる。声が、気配が、そして姿その物が。
足元から這い上がった黒。闇。影。
それが泥の如く形を変え、爪の如く辺りを掻き裂き、男達を傷付けた。
決して鋭利な刃ではない。だがそれ故逆に、傷痕は雑で、酷く歪。
正しく獣の爪痕じみて…そう簡単には、縫えも癒せもしないだろう。
半グレ共すら悲鳴を上げるのだから。お金持ちの、それ以外の力を持たない者なんぞは、早々に逃げ出して…
頭が失せれば、身体も着いていくのが当然の理。
呆気なく、路地は静けさを取り戻す。
もっとも、物音以外に関しては。地面に滴る鮮血と、その臭いとが残り。とても平穏とは言えないかもしれず)

ご案内:「王都富裕地区 裏路地(過激描写注意)」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 請け負った仕事は相も変わらず警備だ見回りだと退屈なもの。
金持ち連中が何に怯えているのやら。
まぁ、成り上がるためだとか、生活を維持するために何人も犠牲にしてきた。食い物にした。
そういうことなのだろう。
だが、自分にはその被害者のことは関係ないし、意味のない義憤に駆られることもない。
請け負った仕事をこなすというだけ。たとえそれが退屈なものであっても。

「ふぁ…」

噛み殺すあくびも何度目か。だが、路地に差し掛かったところで…様子が変わった。
血の臭い。嗅ぎ慣れたそれだが、このあたりでそれをかぐことなど殆どなかった。
だからこそ敏感に察知できた。視線を送るは裏路地。

「……勘弁しろよ…」

自分の当番中に問題が起こるとはついていない。だが、行かねばなるまい。
それが仕事だ。

繰黎 > (そして、その中には。
路地に拡がった血臭の中には。
地に垂らした自らの指先から、滴り落ちる物も含まれていた。

――傷を傷として返すのではなく。
此方から先に傷付ける為の呪いは。傷付ける側、即ち自身が傷付かねばならない。
魔法のように便利でも、奇跡のように好都合でもない。
きちんとした交換の、代償の、因果というシステムに括られている。

おかげで。酷く渋い顔をして)

…あぁもう。いちいち、余計な怪我、させるなよな……ぁ?

(そうして表情を歪めた、侭。上げた顔を、頭を傾がせて。
一つ、二つと瞬きを。
邪魔な連中共は、我先に逃げ出していったと思ったのだが。
どうやら一つだけとはいえ、逆に柄付いてくる気配が有る。
紅い血に濡れた右手を、握ったり開いたりしつつ。
近付く足音へと目を向けた。)

ブレイド > 歩めば、進めば、血の臭いは増すばかり。
遠くに聞こえた悲鳴のようなものはこれのせいか?
富裕地区にあっても薄暗く、人の寄り付かぬ路地…
いや、寄り付いたとしても人目をはばかる用途にしか使われぬ道。
その奥に一人、人影が見えるところまで来た。

その人影は思った以上に小柄…どこかしかけだるげに見える。
血の滴る右手と、そして男の死体。
逃げずに立つその影は…つまりそういうものだ。

「あんた、なのか?これ…」

十中八九そうなのだが…聞かずに飛びかかるわけにもいかない。
だが、その手は得物へと伸びている。

繰黎 > これ?って、ぁー…

(これという指示語。血溜まりの事かと思いきや。
どうやら、血だけではなく、肉も残っていたらしい。
あくまで肉と称してしまうのは。それが、つい先程までの生有る存在から。
単純な屍肉と化した物体だったからに他ならない。
一番前で影を喰らったならず者。…だった物)

うん、うん。そうだな。私がやったのは間違いないというか。
でも正当防衛だしなぁ、寧ろか弱いしょーじょに、此奴等が襲い掛かってきた訳だしなぁ。

(とてもとても棒読みだった。
まぁ、襲われたから反撃した、というのは、決して間違っては居ない事実だが。
その証拠だと言わんばかりに。血に濡れた右手も差し出してみせる。
…あくまで、掌だけ。その向こう、袖に隠れた出血部分は。
手首を切ったかのような傷や、其処に刻まれた呪紋自体は。隠した侭でいるのだが)

それに。なんていうか、アレだ。
死んだからって、誰かが困るような。悲しむような。
そんな奴じゃないらしいから、気にしない気にしない。…って、さ。

ブレイド > 「あんたがなにもんかわからねーが…
襲撃してきたとか、強盗だとか…そういう類のもんじゃねーんだな?」

警戒はする。
一見丸腰に見える少女が起こした惨状であることにはかわりなさそうであったから。
曰く、正当防衛らしいが、信じれるか信じれないかと言えば、まだ半信半疑。
血溜まりと肉片。まともな殺し方じゃない。
警戒するに越したことはない。

「怪我…か?とりあえず、ちゃんと見せてみろよ。
つか、状況がさっぱりだ。変な動きはすんなよ?」

恐る恐ると少女に歩み寄る。
片手は腰の背中側に装備した大型ナイフの柄を握っている。
少女の言葉は棒読みだし、このような事態を生み出したと言う割には軽いものだ。

「悲しんでるわけじゃねーけど、見回りの依頼受けてんだ。
なんかあったら、話くらいは聞かせてもらわなきゃいけねー。
とりあえず右手、見せてみろ」

すでに少女の間合いだ。油断はできない。
注意深く少女に手を伸ばす。

繰黎 > 少なくとも、此奴の自業自得。
其処んトコは保証する。って事で。

(まぁ良いかと。嘘は言っていないのだし。ただ、真実の方も全ては語っていないというだけだ。
か弱い云々はともあれ、少女というのは本当だ。それを、どういう類の存在だと勘繰られているのやら。
後ろに回された彼の手は、きっと、何か護身の為の代物を握っているのだろう。
かったんと傾げて見せた首はその侭。無手である事を示すように、両手を挙げてみせようか)

っと、む。
…あれか。もしかして、警邏、って奴?
だとしたら、仕事増やしちゃって御免ね、だけど。
状況は、言った通りで全部さ?
此奴等が刃物とか持ち出してきた。だから、やり返した。それだけ。

(人の親切というのは、断りづらい。
渋々、右腕を差し出した。刃物は話題に出したものの。
それに切られた様な傷ではない…複雑な、刺青に添って皮膚の割れ、肉の避けた傷。
痛いのかと問われれば…当然だ。
慣れで、口調自体は平静じみているものの。
表情自体は、沸き上がる苦痛に、すっかり顰められた物。
特に、彼に手を取られた際には。殊更痛みを覚えたのか。堪らず肩口を跳ねさせて)

――――。……っ、……!

ブレイド > 嘘を言っているようには…見えない。
というか、男の悲鳴が複数聞こえたことや、自分に対して現状何もしていないことを考えると
少なくともすべてが嘘というわけではなさそうだ。
少し警戒を緩めるように肩の力を抜く。
術のたぐいは詳しくないが、少なくとも見立通り丸腰であることは確かだろうし。

「そういうこった。
ま、刃物出してきたってならしかたねーか。
オレだってコイツがなにもんかわからねーし、少なくともコイツのためにあんたを捉えようとは思わねーよ。
とにかくだな…」

差し出された手を取る。
ナイフに伸びていたても離し、両手で彼女の腕の怪我を見る。
刀傷はない…が、何かの傷。裂けたような?
首を傾げつつも、尋常な怪我ではない。

「いてぇか?わりぃな。だけど、とりあえず…」

彼女の返事や反応をまたず、テキパキと血を拭い、傷を洗い、清潔な布を当てて包帯を巻く。
この程度の応急処置ならばお手の物だ。

繰黎 > (そもそもは、自分が彼等に恨まれていた事と。
更に元々は、彼等が自分の依頼主に恨まれていた事と。
其処等の事情をばっさりカットしてしまったから、非常にシンプルな説明だった。
が、それで彼はある程度、納得してくれたらしい。
……実際、若い娘が、男に襲い掛かられた、と。そういう事例ならば、此処だと日常茶飯事だろうから。
そんな中の一つだったのだと思って欲しい)

それは何ともお疲れ様。
この辺、思ったより、ろくでもない奴等居るよな、ぁ…
ま、貴族だろうと金持ちだろうと?人は、人だ。
仕方ないのかもしれないけれど。

(血を拭ってくれる。
少し、緊張が抜けたような息を吐きつつ。声音はまるで世間話。
…実際。例え路地裏とはいえ、一応はこの界隈の地区で。
一気に治安が悪化するとは思っていなかった。
首を振りつつも、時折眉根を寄せる。
消毒液は酷く染みるし、包帯を締められる際も、じわりとした痛みが走る。
処置というのは、そういう物なのだから。仕方なくはあるものの)

――――ふぅん?
慣れてるね、その辺もプロ?
いや、ありがと。自分でやったら、きっとぶきっちょだったしなぁ。

(包帯巻いたら、ギブスみたいな太さになった、など。多分冗談口にしつつ。
真白い包帯で包んで貰った腕を軽く一振り。
…実際の所。その腕、その傷、こそが。術の類で、だから丸腰ではないのだが。
余計な事を言わないのは、その点に関してもだった)

ブレイド > 女性であっても油断はできないというのはわかっている。
が、実際はどちらが被害者であったとしても
自分の仕事のじゃまさえしなければそれでいい。
彼女の言うことが正しいならば、この男はこうなってしかるべきものだっただろうし
嘘だったとしても、こうやっておとなしく治療を受けているのだ。
自分が床のシミにならないなら、別にそれでいい。

「むしろこういう場所にこそ多い気がするぜ?
自分が偉いとか、金で買えないものはねーとかさ。
あんたも変なのに絡まれるなんてついてねぇな」

処置は痛いだろうが我慢してもらうしかない。
何も痛めつけようというわけではないのだから。
治療が終われば一安心と一息ついて。
壁や床のシミを気にする様子も見せない。
こちらもそれなりに鉄火場はくぐっている。

「医者に見えるか?
ただの冒険者だっての。応急処置みてーなもんだから
きちんと治すなら医者に行きな。
まー、今回の件は別に何も聞かねーよ。これ以上は。怪我した上に面倒事なんてやだろ?」

よし、ととりあえず治療した上から少女の腕を撫でてうなずく。
手の動きやら腕の回転を阻害はしないと思う。

繰黎 > (それに正直、痛み分けなのだ。
お互い、傷を負った。但し相手は、傷の付き所が悪かった。それだけの差。
だから矢張り、言っている事は間違っていないと。
自信が有る故の、揺らぎのない声音。
後は、確かに彼の言う通り。仕方ない、というものだ。
どう説明しようが、結局、怒ってしまった事態は。変えようがないのだから)

そっか。…そうかー…参ったなぁそれは。
この辺良い店が多いから、結構気に入ってたんだけど。
金払いさえ良けりゃ、サービスも良い界隈なんだけど。
金がものをいうってなると、しょうもない理由で威張る奴も、増えるのかなぁ。

(何処の世も、金満万歳の輩は尽きないのだろう。
そういう者程、実際、世の中で幅を利かせるものだ。
巻き込まれる側は堪った物ではない、などと。
いけしゃぁしゃぁと付け足しながら、首を振ってみせるだろうか)

医者というより。
荒事に慣れてる。切り抜け方や事後の対処法に慣れてる。
町中の見回りよりも、色んな所で色んな事をこなしてそうだ…ってね。
これだって。現場で直ぐに出来るレベルを、出来得る限りの速さで、だったし?
うんうん、ありがとありがと。……まぁ、放っておいても、良いのか。
こういう場所にこそ、多いんだったら。)

(改めて軽く腕を振り。処置の具合を確認すれば、素直に頭を下げてみせた。
…ちらりと、肉塊にも目を向けて。実際の警邏が言うのならと、放置プレイ。
――そして。血肉を見付けても、何の揺らぎも見せない辺りからも。
彼が、こういう荒事や不測の事態に慣れて居るのだろうと。
取り敢えず。不問に処して貰えるなら有難い。
もう一度。謝意を示す様に、今度はきちんと頭を下げる)

ブレイド > 「増えるっていうか…もとからそういうもんだろ。
でなきゃ、富裕だの貧民地区だのねーよ。
そんなもんができてるってこと自体が、そのしょうもない理由で威張るやつーがいるってことさ」

呆れたような仕草で周囲を見渡す。
たしかに彼女の言うような店も多いが
ここに暮らす貴族や富豪と行った輩にそういう考えのものが多い。
この国では少なくとも貧民や奴隷や高い身分を持たない女には横暴になるものが多い気がする。

「そうだな。冒険者だし、無傷で切り抜けれることもすくねー。
なんせ弱っちいからな。おかげさまでいろいろ小器用にはなっちまってるけどな。
まぁ、あんたは何もしなくていいっつ~か…見られたらあぶねーだろ?他の奴らにさ
掃除やら片付けはしとくさ。それも仕事のうちだ」

肩をすくめつつも頭を下げる少女にはひらひらと片手を振る。
気にするなというサインではあるが…まぁ、面倒なのは事実だ。
肉片をゴミ箱に捨てるのもあまり気持ちのいいことではないのだから。

繰黎 > ……まぁ仕方ないか。
出来ればお近づきになりたくないけど、欲って人としては当たり前の物だし。
欲業なくして、罪業なくして、こちとら商売成り立たないし。

(確かに、彼の言う通りだった。
お登りさんとして、この国の割と愉しい所ばかり、巡っていたが。
人は人、何処の国であろうとも、本質は変わらない。
それでも、裏を返せばそんな輩は、良い金蔓という事だ。
良くも悪くも受け容れるしか無いだろう…何、やられたら、やりかえす位の術は有る。
それこそ、だから今宵のような事が起きたのだから)

それも含めて。ちゃんとしたお仕事出来るのは羨ましいなぁ。
細かい所に注意の回る男ってのも、嫌いじゃないし。
ふふ、いやぁ助かるよ。感謝感謝。
ん、また会えたら、ちょっとお礼とか考えとこう。
――――繰黎。あっちの娼館とか、その向こうのホテルとか、よく駄弁ってるから。

(…別に娼婦という訳ではない。
言った通り、この界隈の店舗はサービスが良いから、遊びに使っているだけだ。
ひらひら、包帯の巻かれた手を振って。好意に預かり歩き出した。
…実際、次に会えるやら、会うなら何処やら、は解らないが。
食事なり何なり、考えておく事にして)

ブレイド > 「金払いがいいのは事実…だけどな。
価値が分かってんだか分かってねーんだか…とにかく金さえだしときゃ黙ってるだろって
逆に金さえ出せばなんとでもなるって思ってるあたりはタチがわりーけど扱いやすい」

少し仕事の愚痴のようになってしまったが、概ね言っていることに間違いはないだろう。
今回彼女が襲われたのは、何か意にそぐわないことがあった…とかそういう些細なことだと思う。
だとすれば、それこそ運が無いというやつだ。
自衛の術はもっているようなのでなんとかなりはしただろうが
そうでないものは、だいたい玩具にされるものなのだ。
自分が見た光景が、今以上に気分の悪いものでなかったことは感謝しなければ。

「ま、これで実力がありゃ万々歳なんだけどな。
褒めてもらってわりー気はしねーし、また変なのに絡まれねーうちに行きな。
逃げた奴らがなんか連れてくるかもしれねーしな。
オレはブレイド。また会えたらな」

去りゆく少女を見送り、手を振り返す。
事情を聞かれたら…まぁ、言い訳はなんとでもなるか。

ご案内:「王都富裕地区 裏路地(過激描写注意)」から繰黎さんが去りました。
ご案内:「王都富裕地区 裏路地(過激描写注意)」からブレイドさんが去りました。