2018/09/21 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > 月が空高く輝くタナール砦、そこへと姿を現すのは一人の少女。
とん、と屋上へと降り立てば、そのまま静かに佇む。

「………事の終わった後か、これは残念…
やはり、距離があっては間に合いもせんものじゃのぅ」

再び目を覚ましたのは、やはり九頭龍山脈の麓だった。
今日も何事も無いものか、そう思うも…この離れた場所に位置する、タナール砦に何かしらを感じる。
この場所で何かあるとすれば、争いか何か。
軽い運動とばかりに、こうして赴いたのだが…この状態となっていた。

ふぅ、と軽く溜息を一つ。
これは、今日も外れやもしれんな、そう考えながら周囲へと視線を巡らせた。

ご案内:「タナール砦」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
タマモ > 「ふむ…」

周囲を確かめ、少なくとも目で見て何かあるようなものはない、それは分かった。
それならば、後は、この砦内でも確かめてみようか。

「………まぁ、何もなければ、先に進むのも良かろう」

もう数歩先に歩み、屋上から魔族の国を眺められる位置で止まる。
このまま行っても良いが、一応は…そう思い、今度は目を閉じ、周囲の気配を探る。

エシル・アルトワーズ > 死屍累々の地獄の中。
床に剣を衝き立て、杖代わりにしながら暗い通路を歩く。

――防戦中の砦の援護。
ギルドで聞いた依頼は確かにそれだった。
しかし着いた先に待っていたものは屍、屍、屍。
既に陥落し蹂躙された後。
まるで誘い込まれたかのように独り現れれば血走った目で遅い来る魔物の群れ。

――生存者は、いない。

「畜生、誰かいねぇのか・・・ッ!」

自身の血と。その比にならないほどに夥しい返り血で紅く染まった装束で、居るかわからない――あるいは、居る筈もない生存者を探し彷徨う。

「くそ、何が防衛戦だ・・・呆気なく落ちやがって・・・っ」

からん。剣が手を離れ硬い床に転がる。
気力尽き、石壁を背に崩れるように座り込む。

「だれも・・・いねぇのかよ・・・っ」

悔しさに涙が伝う。
脳裏に過ぎるのは、知った顔をした兵士の亡骸。

膝を抱え、自分の非力さを恨むように、肩を震わす。

タマモ > 「………ふむ…生き残りか」

広げた意識に引っ掛かる、何かしらの気配。
閉じていた目を開き、さて、どうしたものかと首を傾げる。
嵐の去った状態となれば、万全で残れた者は居まい。
いや、偶然助かり残る事が出来たとしても、楽しめそうな相手であるかどうかは疑問だ。

…だが、まぁ、他に何らか楽しむ事も可能やもしれん、何も無いよりは良いだろう。
とん、と再び床を蹴れば、その姿は瞬時に消え去った。

屋上で起こっていた出来事から、ほぼ直後であろうか。
砦内、その石壁を背にした存在、その目の前に少女の姿が現れるだろう。
狐の耳と複数の尾を持つ、明らかに異常な力を湛える存在。
もっとも…勘の鈍い相手ならば、変わったミレー族程度にしか見えない外見なのだが。

まずは、何も言わず無言で眺めてやろうか。
反応次第で、どうしてやろうかを決めようと考えて。

エシル・アルトワーズ > 多少の時間が過ぎ。
幾分かの体力と気力を取り戻せば直後聞こえる硬い音。
同時に漂う異質な雰囲気。

「誰だっ」

ざ、とすばやく横へ飛び退く。
目の前の妖異に、警戒心を隠すことなく身構える。


(こいつ、何者だ・・・?砦の者にはみえないが・・・)
「お前、魔物側の者か?」

構えたまま、言葉短く質問を投げる。

タマモ > 「ふむ…人間、とは少々違うようじゃな、混ざり物か?
まぁ、悪くはない反応じゃが…」

どうやら、それなりに勘は鋭い相手らしい。
己が前に現れた途端、その姿は横へと移っていた。
もっとも…己を前にして、その程度では…余りに鈍い。
視線は常に相手を捉えたまま、そちらへと向いている。

「さて、どちらの者じゃろうな?」

相手から見えたのは、己がゆらりと軽く揺れた程度の動きか。
言葉で示すならば、瞬き一つをする程度、少女は身構える相手の真ん前に居た。
その距離は、息を吹けば吐息が届く程の僅かなものだ。