2018/08/16 のログ
ご案内:「遺跡の一角(過激描写注意)」にアイディールさんが現れました。
アイディール > メグメール自然地帯。
鬱蒼と茂る森の中にその遺跡はあった。特に目新しい遺跡ではない。
とっくの昔にすべて探索され尽くしてしまった場所だ。
今はたまに住み着く魔物退治や、初心者冒険者の力試し、あるいは密談などに使われるような遺跡。
ただ、最近この近くで行方不明になるものが増えている。
その地下2階の一室の中央に、その魔石は安置されていた。

――透明で小さな石の中に、まるで燃えているような光が存在する。
薄っすらと、時間に応じて色を変えていく。青、赤、黄、緑、紫――。
きらきらと煌めく色の中に、時折黒く闇のような色合いが走る。

それはそんな石だった。
ただ、静かに静かにそこに存在し、いつか消えてしまうだろう。
そこに存在するのが極自然で――けれど、決定的にどこか不自然な光。
そんな風に、今宵“それ”はそこで何かを待っていた。

ご案内:「遺跡の一角(過激描写注意)」にスピカさんが現れました。
スピカ > 「ふぅ……こんな物かな?」

まだまだ初心者冒険者。
こう言う余り難しくない遺跡なんかで自分の力を見ていくのも大事な事だ。
自分の実力を分かっていないから行方不明になんてなってしまうのだ。

「……ん?」

そんな訳で探索中。
如何にも何かありそうな部屋の中で、その石を見つけてしまったのだった。
魔法に疎い彼女にとって、それはただの綺麗な石。
その輝きの不自然さにも思わず惹かれてしまう。

「これ、宝石かな……なんだろう?」

透明な石を掻き分け、魔石に手を伸ばす。
まるで自分を待っていたかのような、そんな気分に誘われ、摘み上げようとした。

アイディール > 少女の目に映るの透明な輝石。
じわりじわりと、誰にも気付かれない程度の速度で大きさが変わっていく。
彼女の手にちょうど収まるように。
その煌めきは彼女の青い瞳を受けて、青く、青白く、煌めいている。
まるで少女の手に取られるのをずっと待っていたような光。
だから、摘まみ上げようとするのを邪魔する者はいない。
むしろその時を待つような煌めき、それに彼女の手指が――触れた。

――その刹那、魔石から光が迸る。
一瞬で少女と石を取り囲むのはまるで硝子のような透明な壁。
彼女が魔石から手を離して飛びのかなければ
周囲を直方体に囲んで、そして急速にその体積を縮めていくだろう。
中の魔石ごと、それを摘まんだ少女ごと――。

スピカ > 「綺麗……こんな所で、誰も持って行かなかったのかなぁ」

それは思わず見入るほどの輝き。
やはり自分を待っていたのか、と思うほどの丁度いいサイズ。
疑問は抱いた物の、それを塗りつぶす程の魅力をその石は湛えていた。

「えっ……?」

石を手に取った瞬間、透明な壁に辺りを取り囲まれた。
思わず飛びのこうとはするが、盗難防止のトラップだと思ってしまった。
石はしっかりと握ったまま。
縮んでいく空間からは逃れられない。
思わず立ちすくみ、声すら上げられない。

アイディール > 綺麗と認めるものをこの石は逃がさない。
魔石を中心に縮まっていく空間。
少女ごと縮小して、半分に、そのまた半分、さらに半分――。

キィ――ン!

そして――消える。
まるで硝子が噛み潰されるような音を響かせてその体積は零になる。
あとに残ったのは、ありきたりの遺跡の部屋のみで――。

ご案内:「遺跡の一角(過激描写注意)」からアイディールさんが去りました。
ご案内:「遺跡の一角(過激描写注意)」からスピカさんが去りました。