2018/05/17 のログ
アシュトン > 「体力的にも精神的にも、大分参ってきているみたいですね」
『愉しみたいのは山々だが、完全に壊してしまうにはまだ早いな。ワシも疲れたし、一息入れるのも良い』

(革張りの柔らかなソファーへと、依頼主は深くと腰をおろし。
従者が用意した赤いワインを一口含んだ後に、火のついた煙草をくわえくゆらせはじめた)

『しかしまた山羊であるな』
「山羊ですね。ご親族に?」

(似たようなやり取りが行われる。
全く別の男二人の胤で、両方ともこうなったのであれば、既に必然と考えてもいいだろう。
まつられていた神に、何かしら山羊の要素があったのだろうか。
随分と古いモノで余り情報が残っていないが、調べてみる必要性はありそうだ。
従者達も二度目であれば、少しとばかりと慣れたらしい。
膣穴や子宮の方は、もとに戻るに殆どを任せ。
赤子には乳を吸わせたままに、肌へと付いた羊水を布地でぬぐっていく
依頼主のほうも、どうやら赤子が乳をのむ姿を眺めている心算のようだ
先の様子から突然暴れる、という事はないとは思うのだが。衣服を整えながら、少しとばかり様子を見ておくとしよう)

レアナ・サランサ > 「…ぁ…ぅ…ぁぁ…」

(母乳を赤子へ与えながら、男達の声は届かないまま呻き続けていて。
赤子はそんな母親の様子に不思議そうに首を傾げつつも、母乳を満足するまで飲んでいく)

「ぅ…ぁ…ぅぅ…ぅ…」

(失意の底に沈み、ただただ涙を流しながら呻き、そんな母親を赤子は山羊の瞳を細めて見つめ。
乳首から唇を離せばずりずりと母親から、分娩代からおりてメーメーと鳴きながら貴族の方へと手を伸ばしはいはいしていく。
そしてソファに座る貴族のもとにたどり着けばもぞもぞとその脚を這いあがり、胸元を上がる。
貴族が気味悪がって引き剥がそうとしても、赤子とは思えない力でしがみつき、貴族の首筋に甘えるような素振りで顔を埋めて貴族の首をぺろぺろと舐めだす。
男がそれを見てもまだ観察しようと様子を見るのなら、赤子は山羊の瞳を歪ませて嘲笑うだろう。
そして母親を悲しませるコレの首筋へと腐食性の唾液をたっぷりと塗りこみ、皮膚を溶かし肉を溶かし、血管さえもとかして頸動脈を破壊してしまう。
噴きあがる血飛沫の中で、赤子は高らかにメェェェェェと鳴き、連れ出された赤子もメェェェェと鳴いて応えて…その鳴き声は徐々にこの部屋へと近づいてくる…)

アシュトン > (流石に怪しげな赤子が、依頼主に張り付いた辺りから。
何かしら危険を察知して、無理やりにでも引きはがしてやろうと、思った矢先であった。
突然の凶事に、片目が僅かに見開かれ。
食らいつかれた貴族と言えば、言葉にならない悲鳴を上げながら、両足と両手をばたつかせている)

参ったなぁ。まぁ、契約内容に、依頼主の警護が入ってなかったのが、不幸中の幸いか。

(小さく唸るような声が喉から響くものの、声音自体は何処か冷めたモノだった。
纏っていたロングコートが僅かに翻ると、腕の振り抜きに合わせて黒い物体が複数と奔る。
狙いの先は、突然の事態に硬直している従者達の喉元だ。
荒事慣れしておらず、また状況に対応できていない従者がそれを避けるのは、難しいだろう。
深々と刺さり鮮血をまき散らすと、違和感の突き刺さった喉を確かめるように触れ。
ぐらりと身体がくずれると、そのまま倒れ堕ちてゆく。
端的に言えば、証拠隠滅。
密室で起きた、表ざたにはならない事件だ。隠滅のしようは幾らでもある訳で。死人に口なし、である)

で問題はこいつだな。
アイツなら喜んで受け取るだろうが、うーむ。

(脳裏に過る、鬼畜魔術師の姿。襲ってくるなら、始末せざるを得ないが。
なるべく関与したくないのも事実であり。従者の死体からナイフを回収しつつ、出口の方向へとそろそろと忍び足で向かってゆく)

レアナ・サランサ > 「ぁぅ…ぁ…あぁ…あ…?」

(赤子、赤いな赤いな赤子、目の前の惨劇、仇が死んだ?突然の出来事に少女も忘我から戻ってきてしまう。
両手両足をばたつかせながら致死量の血を噴きだす仇と、その首筋に顔を埋め血で染まる赤子。
啼く声に呼応するように鳴き声が近づいてくるのを、どこか他人事のように聞いていて…)

「あ…え…あぅ…な、に…?」

(そしてばたばたと倒れる物音に顔を向ければ、従者たちが倒れ伏して。
仇とは違う憎い男がしたのだろうか、何が起こっているのか混乱したままの頭で、どうすることも出来ず。
そして男が触れた出口のドア、下のほうがしゅうしゅうと音を立てて熔けて、そこから山羊の瞳の赤子が現れる。
赤子は男を一瞥した後、いやらしげな笑みを浮かべてから母親の拘束される分娩代台へと向かい、母の拘束を溶かし出して…)

アシュトン > 酷い臭いがするな、肉の焼けただれる――強酸性か。
身体能力に影響が出ている程度と思ったが、甘かったな。完全に化け物じゃないか。

(いっそ、レアナの息の根もここで止めてしまうのが、良さそうにも思えてくるが。
アレが居る状態では厳しいか。動きを見る限りでは、自分でも勝ち目はありそうだが。
と、出口付近で一瞬思案しているのが、良くなかったらしい。
奇妙な煙とにおいに視線を下げれば、奇妙に出来た穴から覗く顔。此方は、俺の方か)

――……撤収!!

(少女の拘束が溶けてゆくのを見ると同時に、扉を前蹴りでぶち破ると。躍り出るようにその場を後に。
惨事となり始めた屋敷から、すぐさまに逃げる――訳でもなく。一応に、記録されていた映像と、後は持てるだけの現金を頂戴してゆくとしよう。
依頼主死亡だが、貰うモノは、貰っておきたい)

(……という訳で。まさかの軽くトラウマを植え付けられる状況に遭遇してしまった訳、だが。
知人の鬼畜魔術師に協力を得て、例の祭壇は破壊――不可能なら、せめて入り口を封印しておくと、しよう)

レアナ・サランサ > (赤子達は母親を助けられればそれで良いらしく、自分の父親であるにも関わらず最初の赤子は男を無視してしまう。
それこそ、逃げるならどうぞご自由にとでも言うかのように…)

「あぁ…あぁ…私の、赤ちゃん……」

(憎い男、憎い仇、それに孕まされ産まされた赤子であるにも関わらず、自分を助けようとする赤子達へと湧き上がる感情。
それは深い深い母性本能で、拘束を解き胸に甘えるように吸い付き母乳を吸う赤子を二人、抱きしめて)

「………いこうね、二人とも……」

(拘束が無くなれば起き上がり、ふらふらと頼りない足取りで地下室を出る。
途中、どこかで自分が着るものと赤子達を包めるものを手に入れて屋敷も出てしまう。
もう一人いた、憎い男…姿が消えて名前も知らない、それでもいつか、必ず復讐する。
そんな暗い感情を胸に灯しながら、赤子達へは愛情たっぷりの笑顔を向け、夜の闇へ、消えていく、消えてしまう。
どこかで、なにか、おぞましいものが、豊穣を悦び、微笑んだ……………)

ご案内:「とある貴族邸地下室(過激描写注意)」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「とある貴族邸地下室(過激描写注意)」からレアナ・サランサさんが去りました。
ご案内:「王城地下(過激描写注意)」に縷々さんが現れました。
縷々 > 「あぁうん、ヤベー……」

しみじみ、呟く。幾度目ともしれない、同じ台詞の繰り返し。
その声を上塗りするかのように、かしゃり、手枷が音を立てた。

――仕事に失敗した。

殺すべき相手を殺せず、その場でとっ捕まった侭、直ぐに地下へと放り込まれた。
牢獄なのだか、尋問室なのだか。酷く薄暗い石造りの部屋、手枷を填められ壁際に吊されて、数時間。
一糸纏わぬ所まで、所持品は全て没収されて、其処がショック。
服は、まだ良い。幾らでも手に入る。
個人的には、大事な大事な商売道具、刃物やら暗器やら、それを持って行かれた方が大問題だった。
例え何が有っても…万一大脱出に成功しても、帰ってきそうにないのだし。)

ご案内:「王城地下(過激描写注意)」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……よくよく考えると俺、ここに縁多すぎないか」

王城の地下に進入した男は一人ぼやきながら歩く。
足音と気配を殺しつつ、ゆっくりと目的地へと。
そうして歩くこと数分。男は一つの部屋の前に立ち、ゆっくりと中へと入っていく。

「……もしも~し。いらっしゃいますか~?」

小声でささやきつつ中を見る男。そこにいた少女の姿を認めれば。
懐から一枚の紙を取り出し相手と紙を見比べる。

「キミ、縷々ちゃんか?」

そうして男は相手にそう確認する。どこかこの場所にふさわしくない、のんびりした口調だ。
立ち方も聞き方も、敵意など欠片もない。相手に警戒心を抱かせないように、と。
男は両手を広げ、武器を持っていないことをアピールする。

「端的に言う。助けに来たぜ」

その言葉と共に笑顔を相手にプレゼント。さてさて相手は信じるだろうか?

縷々 > やがて、足音が聞こえてきた。
少女を捕らえた者達、或いはその上に立つ誰か。
にまり、笑う。さんざ殴られ血の滲んだ唇を歪ませる。
何をされるやら知れた物ではないが…いや、剥かれ縛められた状況からして、お約束しか待っていなさそうではあるが。
少なくとも、このまま放置され、枯死だの餓死だのを迎えずには済むらしい。
ならば、後は。

「――――って。………は…?」

やがて入って来た足音の主。
その第一声に、素っ頓狂な声をあげてしまったのは。
当然と言えば当然だろう。
何せ、暗殺に失敗した殺し屋という奴を。助けて得をする人間など、誰一人存在しないのだ。

「えー…えぇ、はい。…はい?
何処の何方かゾンジマセンガー……何故?何故に?」

だから、真っ先にそれを聞いてしまう。それも、動揺その侭、物凄く怪しいイントネーションで。
きっとキメ顔的に素敵な笑顔を浮かべた男にとっては、残念なリアクションだった…筈。

セイン=ディバン > 男は幸い誰にも遭遇せずに目的地へとたどり着いた。
正確に言うのならば、幸運などに頼ったものではない。
入念な下準備を行ったが故の潜入成功という成果だ。

「……ん~?」

発見した対象の反応に首をかしげる。
事前に貰った情報では、なかなかにエキセントリック。
そして結構な実力の暗殺者だと聞いていたから。
間の抜けた表情と声が想像と違っていた。

「うん? いや、確認だが。縷々ちゃんなんだよな?
 あぁ、俺は冒険者のセイン=ディバン。キミの救出依頼を受けてきた。
 依頼人は不明だが報酬はしっかりと振り込まれていたんでね。
 ま、おおかたキミの実力を失うのが惜しいと思った連中の依頼じゃねぇかな」

相手の質問に単刀直入に答えつつ、男は相手の体を確認する。
裸体。拘束は手枷のみ。これなら秒で助けられるな、と思い。
男は懐から一本の針金を取り出す。
どうやら本気で相手を助けるつもりらしく、とことこと相手に近づいていく。

縷々 > 「…おぉ。…おぉー…?」

驚いた。今回の依頼者は…そんな、酔狂な雇い主だったのか。
正直単なる、権力欲と色欲とに塗れたお貴族様でしかないと思っていた。
というか、貴族にしろ…傭兵やら殺し屋やら雇う手合いというのは。
もっとドライな代物なのだとばかり。
何せこちとら自分で自分を客観的に判断して。
「腕はともかく人間としてどうだろう」、だとか。
そういう評価を受けている事は、しっかり自覚済みなので。
お陰でますます驚いてしまいつつも。
そんな間に男はどうやら、慣れた手付きで枷を外そうとしている様子。

「へ?あァ、うん。お探しの縷々で御座います。
――ぁは。あの人、良い性格してたんだなァ…
それとも。アフターケアは保証するから、仕事が済む迄帰ってくんな、って意味ですかね。」

そういう風に考えた方が良いかもしれない。
フォローなのだろうこの男に、直接依頼人が会っていない辺り。
助けてくれるとはいえ…一度放った矢を回収し、むざむざ身バレの危険を冒す依頼人ではないらしいから。
思った以上の切れ者だったのか。貴族という生物に対し、少々再考の余地が有りそうだった。

「で――セイン、だっけ。何?
その助けてくれるっていうのは…どの辺りまで?」

そういう事なら。オシゴトの話をした方が良いらしい。
やがて鍵穴が弄られ始めれば。小さな金属音に、暈けた意識をもう少し覚醒に向かわせながら。
計算、開始。

セイン=ディバン > 「……んぁ~?」

どうにも。紙に書いてある身体的特徴は一致しているのだが。
性格面が一致していないようなそんな感じ。
男は更に首を傾げるが、まぁそこはおいおい確認すればいい。
もしも別人でも、クソッタレ貴族たちに捕らえられた少女一人が助かったのならば万々歳だろう、と。
そこのところはポジティブシンキングで行動開始する男であった。

「なんだ。そうならそうと早めに反応してくれよ。
 ……まぁ誰が依頼してくれたかは分からんが。
 職業の違いはあれど、腕を評価されるのはうれしいよな。
 いや、そういう意味ではねーと思うけど……」

ようやっと名前の確認が取れ、男は安堵の息を吐く。
そうして、男は針金を手枷の鍵穴に差し込む。
作業開始。しかして口は動きっぱなしだ。
どうやら相手がどうかは知らないが。男は軽口を叩かないといられない性分らしい。

「ん? 助けるって……ここから逃げられるようにするだけ。
 それ以上の話は貰ってない。……何か手伝って欲しいなら、それ相応の報酬くれな。
 俺、ただ働きしない主義なの。……ほらよ」

相手が何か考えているな、と察した男はばっさりとそう言う。
手助けの延長なら報酬プリーズ、といいつつ。男はあっさりと手枷を外して見せた。
作業時間。実に10秒の早業であった。

縷々 > それはもう短時間。実に呆気なく、少女を縛めていた手枷が外された。
こんな簡単な代物に、長時間捕らえられていたのかと。
いや、これは。男がプロフェッショナルだからなのだろう。

「こちとらお疲れモードなんですよ、と。
難だったら体験してみる?
獄中一泊二日の監禁プレイ、殴る蹴るのサービス付き。
いやーよく寝られるんじゃないカナ、疲労で。」

だから、頭が回っていなかったのは仕方ないのだ、という主張。
ともあれ枷さえ外して貰えれば。すっかり凝り固まった身体を伸ばし伸ばし。
こきこきと関節を鳴らしつつ――ざっと確認。
大丈夫だ。痣も痛みも彼方此方在るが、折れたり動かなかったりという場所は無い。

「そっか。それは残念。まァ言われなくても、ゲロっちゃう必要、無くなったし?
素直にオシゴト継続するケドね。」

助けが来なかったら、この侭口を割るつもりだった、と。悪びれもせずあっさり告白。
明らかに評価されないだろうカミングアウトを、少女自身だけはその侭にして。
首を傾げ、少し考える素振りを見せてから。……にやり。

「逆にアレだ。報酬有れば、手伝ってくれるワケだ?
……見ての通りなんで、現状前払い出来るのって、カラダだけなんだけど。
それでもおっけー?」

セイン=ディバン > いいところ中堅冒険者。荒事の腕前はまぁそこそこ。
目立った功績無しの中年冒険者であるところの男。
その男の数少ない特技が鍵開けである。
ぶっちゃけ特殊な鍵や仕組みでなければ男にとっては障害にすらならない。

「はっはっは、そりゃあずいぶんといい待遇だったみたいだな?
 い~や遠慮しとく。俺ぁ毎日7時間。自宅のベッドで休むというのをライフスタイルにしているんでね。
 それに、捕まっても転送呪文で脱出できますし?」

相手の様子が徐々に回復しているようで。男も軽口を返す。
そのまま男もまた体を伸ばすと、何かを詠唱し……。
空中から、服や武器を取り出してみせる。
それは間違いなく、相手のものであろう。

「これ、回収しておいたから返すぜ。
 はっはっは、なかなかタフだなキミ。
 そういう生き延びることに特化したタイプ、嫌いじゃないぜ」

からくりは実に簡単。潜入ついでに相手の装備を回収。
それを登録し、一度男が自宅へ転送。それを再度ここに呼び出したというわけである。
ついでにその登録を解除しておきながら、相手のカミングアウトに笑みを見せる。
仕事に殉じる? クソ喰らえである。

「うん? そりゃあまぁ。キミのターゲットの行動パターン。
 更には警護の少なくなるタイミングや場所を示したメモがこんな所に。
 ……ははは、カラダか。そりゃあ大喜びで食いつくぜ。
 縷々ちゃん可愛いしスタイルいいし。ただまぁ……。
 俺のアレさ。デカいんだよね~」

くつくつと笑いつつ、相手に一枚のメモを差し出して見せる男。
なんでそんなものを持っているのかといわれれば……。
それは企業秘密。国内の貴族王族の弱みを握ろうと情報収集しています、なんてわざわざ言う必要もないだろうから。

縷々 > 「まァ残念なのは、気持ち良いコトは有りませんでしたー…って所かな。
もうちょい待ってたら、そーゆーの、来たのかもだけど。」

今も昔も、囚われた女の末路という奴はシンプルにお決まりだ。
それを楽しめたとは思えないので、勿論冗談。
自宅が一番、という旅行帰りのテンプレートを思い出す、男の言葉に。
思わず苦笑してしまいつつ。

「ぁは。人間生きてりゃナンボって奴でしょ。死ななきゃ安いって名台詞有るし。
って。……マジ?
うわ、うわすげェ、何それ超便利…!」

つくづく。魔法という奴はとんでもない。
諦めざるを得ないと思っていた遺失物が目の前に。
こういう事が出来たら、オシゴトも非常に楽になるのだろうが…
まあ、無い物ねだりをしても仕方ない。人間、身の丈を知る事も大事なのだから。

「ぶっちゃけ、コレをお願いしたかったんだよねー…
やっぱホラ、仕事道具がしっくり手に馴染んだ奴じゃァないと、どうもヤる気にならないとか。
有るじゃん?そーゆーの。」

勿論この場合の「ヤる」は、「殺る」の方である。
前払いのツモリが、これなら後払いになりそうだ、と思いきや。
それこそアフターサービスとして万全すぎるのでは、という程の。
情報という、ある種武器と呼べる物も差し出された。…ぱちくり。

「わぁお。なんちゅー至れり尽くせり。此処まで難易度下げて貰っちゃって良いんデスかね。
…あ、ぁ、でもまァ?服とか取り返して貰ったからって、財布入ってるワケでもないから。
カラダで払うか、アンタがお望みの相手を、殺して上げるー…っていうのしか、交わんないケド。
うー、ん……うん…?へー、ほーぉ……」

なので前払いの品物を、変える必要は無さそうだった。
それを考えれば、折角帰ってきた衣類だが、まだそれを着る事はせず。
足元に置き、その上に、此方の方が大事なのだと…刃物を。
使い馴れた、たっぷりと人の血を吸ってきた、剣呑な刃を安置して。
そうやって跪いた低い姿勢の侭、下から上へと男の姿を眺め直せば。

「ふふ、ぁっは。何ソレ素敵。
そんだけ言うなら…どれだけのモンなのかって。期待しちゃうネ。」

セイン=ディバン > 「気持ちいいも度ぉ過ぎると苦痛だぞ?
 経験者は語る、ってやつだが」

ずいぶんと余裕そうな相手の言葉に苦笑しつつそう言っておく。
ここ最近意識を失うレベルでの快楽地獄に堕ちたこともある男だが。
気持ちよすぎるのも考え物だな、という所。

「おぉその通りだな。命を自ら捨てるなんざアホのやることだ。
 ……わー、すげー食いつき」

相手の言葉にうなずきつつ装備品を渡せば、ものすごく喜ばれて逆にびっくり。
まぁ、愛用の装備というのは代えが利かないというのは確かなので。
気持ちは分からないでもない。

「はは、そりゃあよかった。
 あー、分からないでもないが。俺結構盗賊道具に関しちゃ頓着しねーしな。
 なんなら《物体転送》の呪文の基礎詠唱くらいは教えてやるぜ?
 お前さんが使えるかどうかは分からないけど」

武器は愛用のものを使うが、盗賊道具は結構適当に選んでいる男。
その辺が一流になれない理由なのだろうけれど。
男は相手にそう提案しつつにやにやと笑う。
物体転送は消費魔力は少ないが、慣れないと使用は面倒な呪文だ。

「バカ言うなっての。さっきキミ自身言ったろ。命あってナンボ。
 楽に仕事できるならそれに越したこたぁねぇだろうよ。
 あー、殺しはノーセンキュ。カラダで。カラダでお願いぷりーず」

難易度低い仕事、いいじゃない、なんていいつつ。相手の提案に首を振る男。
基本ムダに人を殺したくないタイプなので、そういう依頼とか、殺したい相手……はいないでもないけど。
そういうのいいです、と手をひらひらと。
しかして相手にカラダを見られれば。

「お、縷々ちゃん結構セックス好きだったりする?
 ほいじゃ……見てみるかい? 俺の自慢のモノをさ」

案外に乗り気な相手に、男は声揚げて笑うが。
そのままズボンのファスナー降ろし、そこから自慢のペニスを取り出す。
まだ勃起こそしていないが。ぼろん、と出たそれは平常時でも15サンチを超えようかという巨根であった。

縷々 > 「う゛。…まぁソレも解るっちゃ解るケド。
アンタもアレですか。実は見た目に反して、ニンゲン超えちゃったトンデモ生物だったり、しますか。」

そういう相手に人外の快楽を味合わされた…という経験が思い付くのも。
この国の住人ならではだろうか。
もう一度まじまじと、今度は上から下へ。男の姿形を再チェック。
多分、変身したり巨大化したり分裂したりはしない…筈。そう願いたい。

「うーふーふ、そりゃぁもう。命有ってのナントヤラだけど、命の次くらいに大事だし?」

その、大事な命を奪う為の道具なのだが。
少女の中では矛盾なんて何のその。
何はともあれ帰ってきた愛用品を後生大事に置いておけば…さて。
有る意味、本番だ。

「魔法とか、そーゆーの、試したんだけどダメだったんだよね。
…ワープ出来ちゃう便利グッズとか、使い捨てでも良いから、無いかなー…なんて。」

有るには有るかもしれないが、でもお高いんでしょう?、という奴だ。
或いは遺跡のずっとずっと深い所にでも眠っているか。
残念ながら、スキル的には所詮、一般人。たんなる小娘。
魅力的なお誘いだが、肩を竦めて首を振る。

「そんだけ大事な物だから。お金になるんだケド、ね。
んー…嫌いな奴なんて居ないでしょ。愉しいし気持ち良いし、
それこそいきすぎちゃいさえしなきゃ、良いコト尽くめで万々歳……と、ぅお。…うぉ…ぅ。」

さて、目の前に取り出された肉杭は。
なるほど言うだけの事は有る、とても立派な代物だった。
ひゅぅと下手な口笛を吹いてみせた唇が。臆する素振りなど微塵も見せず、直ぐに、その鈴口へ。

「あは?それじゃ――――」

いただきます。なんて、言葉すら後回し。未だ勃ち上がる気配の無いソレを、自由になった両手で支え。
はくり、亀頭を丸々頬張っていく。