2017/11/16 のログ
ご案内:「山賊街道」にレナーテさんが現れました。
ご案内:「山賊街道」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「山賊街道(過激描写注意)」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 夕暮れの山道を勢い良く走り抜けていく馬車。
組合の馬車とは別に、商人の一家と荷物を載せた馬車が砂煙を上げて麓にある集落を目指し、走っていた。
急な護衛依頼を受け、レナーテと数名の少女が馬車に乗っていたが、騎乗した山賊達が襲い掛かってきたのが10分ほど前のこと。
荷車の部分から、縁に魔法銃を依託して構え、魔法弾を放っていく。
速度が出ている今なら、当てるだけでも衝撃で落馬は必至。
結構な数がいた山賊達を転ばせながら、あと少しと迫ったところで運転手から掴まれと大きな声がかかる。

「っ…!?」

ガタンと馬車が跳ね、身体が浮かび上がる。
片手に魔法銃、片手に馬車のフレームを掴んだまま景色が反転し、馬車が地面を転がっていく。
自身も背中を地面にぶつけながらも、どうにか投げ出されぬまま馬車の中に留まる。
動きが止まり、馬車を這い出れば、ひしゃげて潰れた車輪が目に映る。
そこを壊され転倒したのだろう。
他の少女達も、商人の一家も大事は無かったらしいが、状況は最悪である。

「ユーレックさん、車体ごと抱えて逃げれそうですか?」

上空に待機させていた巨大なベニマシコを呼び寄せると、壊れた馬車を指差す。
ちらりと見やった後、思念の言葉での返事は勿論だという言葉だが、全員は多分無理だという。
そうすれば残るは馬、一匹は倒木の突き出た部分に突き刺さり即死、もう一匹は生きている。

「皆さんは馬で、私は時間を稼ぎます」

他の少女達をギュウギュウに座らせれば、ぎりぎり馬で逃げれると判断すれば、痛みを堪えながら魔法銃を握りしめる。
最悪を考えるなら、自身が何処にいるか知らせることが出来る自分が残るのがいい。
戸惑う少女達に急いでと告げ、強引に出発させれば、追いかけてきた山賊達の蹄の音が近づいてくる。

「……」

左手に爆発瓶を手に取れば、蓋を捻っていつでも炸裂できるように準備しつつ、迎撃態勢を取る。
左腕の上へ載せるようにして魔法銃を構えれば、曲がり角の先に照準を合わせつつ、銃口から魔法陣を広げていく。

レナーテ > わざと見つかりやすいように通りの中央に陣取ると、角を曲がって突っ込んできた山賊目掛け、左手に握った瓶をアンダースローで放り投げる。
放物線を描き、瓶は山賊達の方へと向かっていき、山賊達は獲物だと雄叫びを上げながらファルシオンを抜いたのが最後だった。
爆発、黒煙と共に赤い衝撃が飛び散り、馬はその衝撃で崩れ、爆発に巻き込まれた山賊が紐の切れた操り人形のように地面へ転がる。
直ぐ様魔法銃の狙いを合わせれば、どうにか生き残った山賊達にも、魔法弾を容赦なく放つ。
青白い光弾がぶつかり、山賊達の身体が後ろへのけぞり倒れる。
不意討ちで一網打尽にすると、ほっと安堵の吐息を零したのもつかの間、4頭立ての馬車が山賊達を満載して突撃してくる。

「まずいです…」

渋い顔をしつつ魔法弾を連射するも、前面にはられた矢避けの防護壁に辺り、魔法弾が散ってしまう。
引かれぬように横っ飛びに転がって突撃を回避すれば、馬車からぞろぞろと山賊達が降り立つ。
多勢に無勢とはいったもので、それでも弓を構える山賊達を前に傍の幹の裏へ転がり、矢衾を避けていく。