2017/10/10 のログ
ご案内:「アケローン闘技場地下(過激描写注意)」に天姫さんが現れました。
■天姫 >
"ガキンッ"
アケローン闘技場、その地下の廊下に硬質な音が響き渡る
「ぐ……クッ」
続いてミシミシと音を立てるのは…石作りの壁
鬼につけられた、物理的な干渉を受け付けない首輪から伸びた鎖
それが小さく震えながら、剛力を鉄杭へと伝え音を立てている
やがて───
再びの大きな音と共に、鉄杭が圧し折られた
ご案内:「アケローン闘技場地下(過激描写注意)」にノウブルさんが現れました。
■天姫 >
「…まったく、少しの油断が手痛いことになったものよな」
闘技場で大暴れし、地下に入り込んだ結果の末にこうやって、奴隷戦士のように子飼いにされて
今も首輪と共にこんな場所で拘留されていた、のだが
鬼は力を蓄えていた
闘技の舞台に出されようとその力をセーブし、
喰らえる魔物は喰らい、逃げようとせずただ力を溜めた
そして力は全快し、時が満ちた
薄布一枚すら身につけていないその肢体には筋骨が盛り上がり、
無造作に、拘束魔法の刻まれた首輪を両腕で掴む
「こんな辛気臭いところは、さっさとおさらばじゃ」
■ノウブル > (地下には、多くの奴隷が存在する
其の多くが闘技場の敗者、つまりは元々戦士であったりする訳だが
闘える者であるからこそ、時折再びの自由を求めて脱出を試みる事も多いらしい
――と、そんな話を、此処での闘技歴が長いらしい剣士から
あくまで予備知識程度に聞いていた訳だ、が。)
……成る程、そもそも此処に集うのは戦士の類だ。
留め置けぬ類の者を、留め置ける道理もなし、だな。
(――偶々、だ。 硬質な破砕音を耳にして、歩を進めたのは。
其の先にあるのが奴隷の交流場所であると気づいたのは直前だったが
其の先で、再びの強烈な破壊音が響けば、其れが何を意味するか
察するのは容易い事だった、か。
通路を更に音の方へと進めば、程なくして相手側にも気配が感じられるだろう)。
■天姫 >
"バギンッ"
三度、響く破砕音
鬼姫の手には無残に形を変えた、物理的には壊れない"筈"の首輪
破壊された手枷、足枷、首輪
それらを力任せに引き千切る程の怪腕、それがもう一度振るわれ、
その部屋の鉄格子が大きくひしゃげた
この力を奮う為に屈辱にも耐え、好機を待ったのだった
この鬼は脳筋ではあるが馬鹿ではなかった
さて、身体が自由になったは良いが全裸ではどうあっても目立つ、身体を隠す薄布くらいは調達せねば
此処を警備する者の部屋くらいはどこかにあるはず
いざ探索、と薄暗い廊下へと一歩踏み出せば……
「……む」
此方へと近寄る気配に感づき、足を止める
■ノウブル > (――再びの破砕音、今度のは、何かが完全に破壊された音だった。
奴隷と言うからには、首輪や枷等が嵌められている物だろうが
どうも違和感を感じたのは、例えば鎖を引き千切るなどした音感では無かった事だ
何れにしても、御目に掛かれば其の辺りも判るだろうと進める歩みの其の先に
――現れた其の、人の形をしている存在に。 僅か双眸を細めた。)
――――……矢張り、留め置けぬ類か。
寧ろ、どうして繋ぎ止めて置けると思ったのだろうな。
(其の首には、手には、足には、身体を繋ぎ止める為の物は無い
女である筈の其の裸身ながら、異様に発達した筋肉、頭部に生える角
其の影が、人ならざる者であると容易に察せるなら、色々と納得した様に呟いて。)
……外に出るのか?
(薄暗がりの中より一歩、前へと進み出て、相手の前に姿を表そう
掛ける声は、檻を出た直後らしき相手へと、この先の動向を問う物で)。
■天姫 >
「何じゃ貴様、見張りの者か?」
ゴキ、と首に手をやって音を鳴らす
ようやく窮屈から脱せたのだ、問われる言葉への返答は決まっている
「然り。
このような鼠の塒にいつまでもおれるか」
邪魔をするのならば捻じ伏せてでも通る
壊せぬ拘束具を無理矢理に破壊することで多少の消耗はあるものの、
ただの人間相手であれば十分屠る余力は残していた
■ノウブル > ―――……いや、違う。 其れは断った。
単に、牢抜けをする様な輩に興味が在っただけだ。
まさか、人でない者まで繫がれているとは思わなかったが。
(――実際、奴隷の見張り番と言う仕事自体は持ち掛けられて居たが。
自分が此処にいるのは、単なる個人的な興味だけだと即答しよう。
相手が、威嚇めいて圧を纏うなら、その場からは動く事無く、唯自然体で見据え
それから、ゆっくりと足を踏み出して、相手の方へと近付いて行き。)
……無理に押し通れば騒ぎに為る。 幾ら御前でも、丸腰でこの場の全員を相手には出来ないだろう?
(紡ぐ、言葉。 同時に、背中に背負っていた自らの獲物のうち
普通の人間ならば、両手で扱える程度の剣を鞘から抜き、構えて
――相手に向けて、放ってやろうか。 使え、とでも言う様に)。
■天姫 >
「姑息な策や、魔族の肩入れがなければこんな場所に囚われるものか」
鼻でその言葉を流す
とはいえ、力で破壊できない類の魔導具には手を焼いたし
あの強力な力を持った魔族には五体満足でも果たしてやりあえたものかわからなかったが
「荒ぶる爪牙が暴れまわりその果てにというのも嫌いではないぞ。
───どういうつもりじゃ?妾の手助けでもしようというのか」
投げ渡された剣を隻腕故に左手一本で受取、軽々とその肩へと置いて
■ノウブル > ―――……成る程、寧ろ、何故繫がれているのかにも興味が在ったが。
絡め手や策に嵌められた、と言った所か。
(決して、嘲笑と言う訳では無い。
魔族と相対した時の厄介さなぞ、己も良く判っている
この目の前の異種族が、この場に繫がれた原因だと言うなら尚の事。
恐らく…ただ臀力だけならば、間違い無く「普段の」己では適わぬのだから。
投げた剣を、事も無げに受け取った姿を横目に見届ければ
其の隣へと並び立ち――廊下の向こうを示して。)
……この場所に興味はないが、無為に屍が増えるのもな。
この先の通路を進めば、闘技場の裏手に出る。
脱出するだけなら、其処を突破すれば最低限で済むだろう。 …忘れ物に未練がなければ、だが。
(――教える、容易な脱出ルート。
けれど、彼女自身の持ち物は一旦放棄せねば為らないだろう。
どうする、と、問いかけて再び、今度は正面に、其の身に一糸纏わぬ姿の相手を見遣るだろう)。
■天姫 >
「ふ、む」
興味、という言葉が続く
しかして相手が此方に敵意を持たないことも理解る
指し示された脱出ルートにも恐らく嘘はないのだろう
忘れ物、と言われれば剣でトントンと肩を打ちつつ……
「奪われた衣服などはどうでも良いが、妾の刀剣くらいは取り返しておきたいのう。
古代から伝わる星の石を打った特別な段平でな。ああ、それと酒もじゃ」
大の大人ならば数人がかりでなければ持ち運べない大段平
そして常に携帯していた酒の入った鬼瓢箪
服などよりもそっちのが大事だと鬼は言う
「詰め所でも探そうかと思っておったんじゃがの」
さすがにそちらには幾人か、闘技場を守る兵士などもいそうではあるが
■ノウブル > ――何、深い意味は無い。
脱走に気付いたのは偶然で、今はそんな気分と言うだけだ。
其れとも、信用出来ないと言うのなら、後ろから斬って見れば良い。
(ただ、其れだけの事だと伝えたなら。
忘れ物があるとの言葉に、少しばかり逡巡する様に双眸を細めた
先刻までの間に、この場に辿り着いてから数日掛けて練り歩いた中に
そう言えば、大物ばかりを保管する倉庫が在ったと思い至り。)
――…大段平、と言うのは、要するに大剣か。
確か、この通路を抜けた先に倉庫が在った筈だが、其処に在るかも知れないな。
生憎、酒の方までは判らないが、剣の方なら運がよければ或いは、か。
(――ただ、矢張り倉庫であるからには実際
この闘技場でも腕の立つ部類の兵が入り口に構えているだろう、と言うか居た。
だが、取り返しに行くのなら、其の辺りは必要経費に為る筈だろう
あくまで、情報を教えるだけの己に保障は出来ない、が)。
……案内は、要るか?
■天姫 >
「戯け。
信の是非に関わらず後ろから斬るなどという真似などせぬわ」
肩の上で剣をトントン、と遊びつつそう答える
よく見れば鬼の身体の傷も背面には一つもついていない
常に真っ向から斬り結び逃げを打たなかったことの現れだろう
「うむむ。ま、まあ酒のほうは最悪諦めがつくがの。
倉庫、倉庫か。この先なんじゃな」
諦めがつく、と言いつつその表情はどこか諦めきれていなかった
そう言ってひたひたと先に進もうとしながら…
「案内?この先じゃろ?
別に頼んでも良いが、お主の身振りが悪くはならんのか」
興味本位で脱走者を手伝ったことがバレたならば、
この地での自身の信用は無に等しくなってしまうだろうに
■ノウブル > ――…そうか、なら、俺も如何こうする心算は無い。
もし気が変わったなら、其の時はそれなりの対処をするだけだが。
(――其の裸身へと、僅かに視線を落とせば。
身体の全面にばかり刻まれている無数の傷跡に対して
其の背中に傷跡が刻まれている様子は、無い
或いは、そう言う意味では律儀で堂々としているのやも知れぬと肩を竦めれば。
この先にある倉庫について、一度頷く様にして肯定を返し
其れから、歩みを進める相手の、其の背を眺め、己もまた歩き出し。)
……さて、如何だろうな。 だが、別にこの場所に義理立ても無い。
言っただろう、被害は少ないほうが良い、とな。
其れに、一応は貴重品を扱い場所だ、何らかの罠が無いとも限らないからな。
(きっと、己が居なくても脱走は続くだろう。
ならば、己が声を掛けて、僅かでも争いが減るなら其れに越した事は無い。
女の背後より、間を空けずに付いて行けば――多少なりと、観察する様に
其の姿を眺め、じ、と視線を集めて)。
■天姫 >
その倉庫はノウブルの言う通りの場所にあった
当然、その場所には見張りも立っている
…立っていたというべきか
ひたひたと高速で迫る足音に見張りがそちらに視線をやり、
その眼が最後に見たのは高速で迫る鋼鉄化された鬼の右脚であった
「うむ、チョロいもんじゃ」
見事な飛び蹴りで見張りをKOした鬼は倉庫の中においてこれでもかと目立つ大段平をひょいっと拾い上げた
「折角じゃったが、使わんで済んだの」
むしろ使っていたら見張りは気絶では済まなかったかもしれない
ひょいっと借りていた刀剣をノウブルへと投げ返し……
「酒は残念じゃがまぁ良かろう。
派手に蹴っ飛ばしてしまった故にそろそろ感づかれそうじゃ。
例の魔族がやってくるのも敵わんし、妾は早々にえすけぇぷしようと思うのじゃが───」
ふ、と思いだしたようにそちらを向き直して
「お主の名を聞いておらなんだな。
借りが出来たことじゃし、自由の身になった暁には何かしら礼をするぞ」
■ノウブル > (―――どん、と言う衝撃音は、凡そ人の頭を蹴り飛ばした音にしては不穏な。
其の頭にヘルムをしていなければ、果たして命が在っただろうかと思わなくも無いが
相手の加速から僅か遅れて、其の場へと到着した辺りで呻き声が在った故に
恐らくは、放って置いても死にはしないだろう、と。
一応は倉庫、多少なりと破る場合の心配はしていたのだが、
在る意味で流石と言うべきか、早々に番の兵士を伸して終わらせた姿に
一寸した賞賛と――寧ろ、こんな輩を負かした魔族の存在に、僅か微妙な気分を携えて。)
……嗚呼、必要無かったな、徒手でも相当な物だ。
しかし、忘れ物にしては又、随分と大きいな…、……まぁ、後は裏口を破るだけだ、苦には為らないだろう。
(寧ろ、ここが破れて裏が破れぬ道理は無いとさえ思える、が。
投げ返された剣を、片腕で受け止めては、再び背の鞘へと戻し
其れから、己が纏っていた革の外套、決して身を隠すのに頼れる物とは言い難いが
せめて持って行けと、首から外して、其の背中に投げつけてやり。)
行け、此方は適当に話しをして足を止めてやる。
無事に抜け出せたなら、其の時は酒にでも付き合えば良い。
……俺はノウブルだ、御前の進む先を、日と月の明かりが照らさん事を祈っている。
■天姫 >
「呵々、見事な紳士ぶり。
酒の席に付き合えなど妾にとっては得しかないではないか」
投げ渡された外套を器用に被る
小柄な鬼にとっては丁度良く角まで隠せるサイズである
「世話になったの、ノウブルとやら。
妾のことは天姫、とでも覚えておくと良い」
こちらも名乗りを挙げる
しばらくは九頭龍の水浴び場にでも身を隠すか、などと考えつつ踵を返して
「うむ。それでは大脱走じゃ。
──酒も良いが、次の機会には是非斬り合ってみたいのう?」
薄暗い地下の廊下で、紅の玉が如く輝く鬼の瞳は愉しげに光揺れて、
男の実力を見透かした一言を告げると、鬼は走り出す
ノウブルの予想通り、鬼は難なく裏口を突破し自由の身となるのだった───
ご案内:「アケローン闘技場地下(過激描写注意)」から天姫さんが去りました。
ご案内:「アケローン闘技場地下(過激描写注意)」からノウブルさんが去りました。